QYLDとは?毎月配当型のETF。インカム重視の投資家におすすめ!配当金生活を目指そう

QYLD ETF
  1. この記事のポイント
  2. QYLDの特徴
  3. QYLDの株価・推移・成長率(パフォーマンス)
  4. QYLDと主要指数の比較
  5. QYLDのセクター構成
  6. QYLDの構成銘柄
  7. QYLDに長期投資した場合のシミュレーション
  8. QYLDの配当タイミングと直近の配当
  9. QYLDで配当金生活は可能か?
  10. QYLDとよく比較されるETFは?
  11. QYLDと合わせてポートフォリオに加えたほうがいいETFは?
  12. FAQ(よくある質問)
  13. まとめ
  14. 他の人気ETFの記事はこちら

この記事のポイント

QYLDはカバードコール戦略で高分配(年10~12%)と低ボラティリティを実現。インカム重視の投資家に最適。
株価成長率は0.66%と低いが、分配金再投資で50年で資産33倍の可能性。テクノロジー中心の構成に注意。
月50万円の配当金生活には約6270万円必要。VOOやBNDと組み合わせ、分散投資でリスク管理。

QYLDの特徴

ぽこ

QYLDの魅力って、高配当と安定感! カバードコール戦略の特徴や投資家に愛される理由をガッツリ解説するよ!

グローバルX NASDAQ 100 カバード・コール ETF(QYLD)は、NASDAQ 100指数を対象にカバードコール戦略を採用するETFです。この戦略は、株式を保有しつつコールオプションを売却することで、オプションプレミアムを収益として得るもの値上がり益を一部犠牲にする代わりに、毎月分配金を提供し、市場のボラティリティを抑える効果が期待できます。特に、横ばいや下落相場での安定性が特徴です。

QYLDの経費率は0.6%と、ETFとしてはやや高めですが、分配利回りは年10~12%と非常に魅力的。設定以来、毎月分配を継続しており、インカム重視の投資家に人気です。運用資産残高は約63.5億ドル(2021年11月時点)と、市場での信頼も厚い。東証にも上場(コード:2865)しており、日本円での投資も可能です。

以下は、QYLDの主要な特徴をまとめた表です。

項目詳細
ティッカーQYLD
運用会社Global X
対象指数CBOE NASDAQ-100 BuyWrite V2 Index
経費率0.6%
分配利回り約10~12%(税引前)
分配頻度毎月
設定日2013年12月11日
運用資産残高約63.5億ドル(2021年11月時点)
おすすめポイント
  • 高分配利回り:年10~12%の分配金は、インカムゲインを重視する投資家に最適。
  • 毎月分配:キャッシュフローを定期的に確保でき、生活資金や再投資に活用しやすい。
  • 低ボラティリティ:カバードコール戦略により、市場の下落リスクを軽減。
  • NASDAQ 100への投資:成長性の高いテクノロジー企業を中心とした指数に連動。
  • 東証上場:日本円で投資可能、為替手数料を抑えられる。

QYLDの株価・推移・成長率(パフォーマンス)

ぽこ

QYLDの10年間の株価ってどう動いた? 年ごとの推移や成長率を表でバッチリ見せるよ!

 

S&P500指数と比較

QYLDは2013年12月の設定以来、株価の大幅な上昇は見られませんが、安定した推移と高分配金で投資家に支持されています。カバードコール戦略により、株価の上昇幅はNASDAQ 100指数(QQQ)に劣後する一方、下落局面での損失は抑えられる傾向があります。以下は、2015年から2024年までの株価終値(年末、ドルベース)、成長率、騰落率をまとめた表です。

株価終値(ドル)成長率(%)騰落率(%)
201523.50
201623.10-1.70-1.70
201724.204.764.76
201821.80-9.92-9.92
201923.909.639.63
202022.80-4.60-4.60
202122.30-2.19-2.19
202220.50-8.07-8.07
202321.605.375.37
202422.00(仮)1.851.85

成長率は前年比の株価変化率、騰落率は各年の株価上昇または下落の割合を示します。QYLDの株価は20~24ドルのレンジで推移し、大きな変動は少ないです。たとえば、2018年の下落局面(-9.92%)でも、NASDAQ 100の大幅な下落に比べ損失は限定的でした。一方、2019年の9.63%上昇は、市場回復期における安定性を示しています。

この10年間の年平均成長率は約0.66%と低めですが、分配金を加味したトータルリターンは年10%前後になります。コロナショック(2020年)でも株価の下落は4.6%に抑えられ、分配金によるクッション効果が発揮されました。株価上昇を重視する投資家には物足りないものの、安定性を求める投資家には魅力的な選択肢です。

QYLDと主要指数の比較

ぽこ

QYLDって他の主要指数と比べてどう? 年平均成長率と騰落率を表で比較して、投資のヒントを探るよ!

QYLDのパフォーマンスを、S&P 500、NASDAQ 100、MSCI ACWI(オルカン)と比較することで、その特徴がより明確になります。S&P 500は米国大型株、NASDAQ 100はテクノロジー中心の成長株、MSCI ACWIは全世界株式をカバー。QYLDはカバードコール戦略により、キャピタルゲインは抑えられる一方、分配金によるインカムが強みです。以下は、2015~2024年の年平均成長率(CAGR)と年平均騰落率を比較した表です。

指数/ETF年平均成長率(%)年平均騰落率(%)
QYLD0.66±5.80
S&P 50010.20±12.50
NASDAQ 10015.30±18.70
MSCI ACWI7.80±10.20

年平均成長率を見ると、QYLDの0.66%は他指数に大きく劣ります。NASDAQ 100の15.3%やS&P 500の10.2%は、成長株や大型株のキャピタルゲインを追求する投資家に魅力的です。MSCI ACWIも7.8%と、分散投資による安定成長を示しています。ただし、QYLDは分配金を加味するとトータルリターンが10%前後となり、インカム重視の投資家には遜色ない選択肢です。

年平均騰落率では、QYLDの±5.8%が最も低く、ボラティリティの小ささが際立ちます。NASDAQ 100の±18.7%は、成長性の裏返しとしてリスクも高い。S&P 500(±12.5%)やMSCI ACWI(±10.2%)は中庸ですが、QYLDの安定性は下落相場での安心感につながります。

投資目的に応じて選択肢は異なります。成長を重視するならNASDAQ 100、バランスならS&P 500やMSCI ACWI、インカムと安定性ならQYLDが適しています。ポートフォリオにQYLDを一部組み込むことで、リスク分散とキャッシュフロー向上が期待できます。

QYLDのセクター構成

ぽこ

QYLDのセクターってどんな感じ? テクノロジー中心の構成を表でチェックして、投資のイメージを掴もう!

QYLDはNASDAQ 100指数に連動するため、テクノロジーセクターが大きな割合を占めます。NASDAQ 100は金融を除く時価総額上位100社で構成され、成長性の高い企業が中心。このセクター構成は、QYLDのリスクとリターンの特性を理解する上で重要です。

セクター構成比(%)
情報技術50.5
コミュニケーション15.2
一般消費財13.8
ヘルスケア7.0
資本財5.5
その他8.0

情報技術が50.5%を占め、アップル、マイクロソフト、エヌビディアなど、テクノロジー大手の影響が大きいです。コミュニケーション(15.2%)にはグーグルやメタ、消費財(13.8%)にはアマゾンやテスラが含まれます。ヘルスケアや資本財は割合が小さく、分散度は限定的です。

この構成は、テクノロジーセクターの成長性を取り込みつつ、カバードコールでボラティリティを抑えるQYLDの戦略を反映しています。ただし、情報技術に偏重しているため、テクノロジー業界の変動には敏感です。たとえば、2022年のテック株下落時、QYLDの株価は8.07%下落しましたが、分配金が損失を一部カバーしました。

QYLDの構成銘柄

ぽこ

QYLDの主要銘柄ってどんな企業? 上位10社を表で紹介して、テクノロジー巨人の顔ぶれを見ていくよ!

QYLDの構成銘柄は、NASDAQ 100指数に基づき、時価総額上位100社で構成されます。特に、GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)やエヌビディア、テスラなど、テクノロジー大手が上位を占めます。

銘柄構成比(%)
アップル11.6
マイクロソフト10.8
エヌビディア9.5
アマゾン7.8
メタ6.2
グーグル(クラスA)5.9
グーグル(クラスC)5.7
テスラ4.8
ブロードコム3.5
コストコ2.9

上位10銘柄で約68.7%を占め、特にアップルとマイクロソフトだけで約22%を構成。テクノロジーやコミュニケーション分野の企業が中心で、成長性が高い一方、市場変動の影響を受けやすいです。たとえば、2022年のテック株下落では、上位銘柄の株価下落がQYLDの株価に影響を与えました。

この構成は、QYLDが高分配を維持できる理由の一つです。テクノロジー企業の高いボラティリティは、オプションプレミアムの収益を増加させ、分配金の原資となります。ただし、特定の銘柄やセクターへの依存度が高いため、個別企業の業績悪化がリスクに。投資家は、構成銘柄の動向をチェックし、分散投資を意識することが大切です。

QYLDに長期投資した場合のシミュレーション

ぽこ

QYLDに長期間投資したらどうなる? 50年間のシミュレーションを円で計算して、未来をイメージしよう!

QYLDへの長期投資の効果を、50年間のシミュレーションで検証します。前提として、初期投資額は1000万円、分配利回りは年10%(税引後8%)、株価成長率は年0.66%、為替レートは1ドル=150円、分配金は全額再投資すると仮定。税金(20.315%)と経費率(0.6%)も考慮します。複利計算を用いて、資産額を算出します。

年数資産額(円)
0年10,000,000
10年20,150,000
20年40,600,000
30年81,800,000
40年164,900,000
50年332,300,000

10年で約2倍、50年で約33倍に成長分配金の再投資が資産拡大の鍵です。ただし、為替変動や分配利回りの低下がリスク。たとえば、ドル安(1ドル=100円)になると、50年後の資産は約221,500,000円に減少します。

比較として、NASDAQ 100(年平均成長率15%)に投資した場合、50年で約10億8000万円に。QYLDはキャピタルゲインが限定的なため、成長志向の投資家には物足りないかもしれません。しかし、安定したインカムを求める場合、50年で3億円超は魅力的な結果です。

シミュレーションでは、市場環境や税制の変化を考慮する必要があります。過去10年の安定性を踏まえつつ、テクノロジーセクターの動向や為替リスクをモニタリングすることが、長期投資の成功につながります。

QYLDの配当タイミングと直近の配当

ぽこ

QYLDの配当ってどんなスケジュール? 直近の金額を円でチェックして、キャッシュフローを感じよう!

QYLDは毎月分配型ETFで、分配金は毎月19日(休業日の場合は翌営業日)に支払われます。分配金の原資は、オプションプレミアムと保有銘柄の配当金。市場のボラティリティが高いほどプレミアムが増加し、分配金も安定します。直近分配金は1株当たり0.22ドル、為替レート150円で計算すると1株約33円です。

以下は、2024年の分配金実績(一部)と円換算の例です。

分配金(ドル/株)分配金(円/株)
2024年1月0.2131.5
2024年6月0.2233.0
2024年10月0.2233.0

年間分配金は約2.64ドル(約396円、税引前)。1000株保有の場合、月約33,000円、年約396,000円の分配金が得られます。税引後(20.315%)では、年約315,600円。分配金は市場環境により変動し、2023年は一時0.18ドルまで低下した月も。過去9年以上、毎月分配を継続しており、信頼性は高いです。

投資家にとって、毎月分配はキャッシュフローの改善や再投資の柔軟性をもたらします。ただし、分配金の一部が元本払戻金となる場合があるため、税務上の扱いや再投資戦略を検討する必要があります。分配金の安定性は、QYLDの魅力の核心です。

QYLDで配当金生活は可能か?

ぽこ

QYLDで配当金生活って可能? 必要資金をシミュレーションして、夢の生活に近づこう!

QYLDの高分配金を活用し、配当金生活を実現するためのシミュレーションを行います。目標は月50万円(年600万円)の配当金(税引後)。前提として、分配利回りは年10%(税引後8%)、1株当たり年間分配金は2.64ドル(税引後約316円、為替150円)、株価は22ドル(3300円)とします。

必要株数を計算すると、年600万円÷316円=約19,000株。投資額は19,000株×3300円=約6270万円。以下は、月配当額ごとの必要資金をまとめた表です。

月配当額(円)必要投資額(円)
100,00012,540,000
300,00037,620,000
500,00062,700,000

月50万円の配当金生活には約6270万円が必要。40歳で投資開始、分配金を再投資しつつ追加投資(年100万円)を続ければ、60歳で目標達成が現実的です。ただし、為替変動(例:1ドル=100円で約9400万円必要)や分配金の減額リスクを考慮する必要があります。

配当金生活の魅力は、売却せずにキャッシュフローを得られる点。QYLDはボラティリティが低く、市場下落時も分配金がクッションに。生活費の一部を賄う「セミリタイア」の選択肢としても有効です。リスク管理として、他のインカム資産(例:債券ETF)と組み合わせるのが賢明です。

QYLDとよく比較されるETFは?

QYLDは高分配ETFとして人気ですが、類似のETFと比較することで、投資判断がより明確になります。よく比較されるのは、S&P 500カバードコールETF(XYLD)、NASDAQ 100連動ETF(QQQ)、高配当株ETF(VYM)。以下は、主要な特徴を比較した表です。

項目QYLDXYLDQQQVYM
対象指数NASDAQ 100 BuyWriteS&P 500 BuyWriteNASDAQ 100FTSE High Dividend Yield
経費率0.6%0.6%0.2%0.06%
分配利回り10~12%8~10%0.5%3.0%
年平均成長率0.66%2.5%15.3%7.2%
ボラティリティ±5.8%±7.0%±18.7%±10.5%
特徴高分配、テクノロジー中心高分配、大型株中心キャピタルゲイン重視安定配当、大型高配当株

XYLDはS&P 500を対象とし、QYLDより成長率が高めだが分配利回りは若干低い。テクノロジーより分散されたセクター構成で、安定性を重視する投資家に適しています。QQQはキャピタルゲインを追求し、成長志向の投資家向け。分配利回りは低いが、長期リターンは圧倒的です。VYMは高配当株に投資し、経費率が低く安定配当を提供。ボラティリティも抑えめです。

QYLDはインカム重視、QQQは成長重視、VYMはバランス型、XYLDはその中間。投資目的に応じて選択肢を絞り、ポートフォリオに複数組み込むのも有効です。

QYLDと合わせてポートフォリオに加えたほうがいいETFは?

QYLDは高分配と低ボラティリティが魅力ですが、テクノロジー偏重やキャピタルゲインの限定的さを補うため、他のETFと組み合わせるのが賢明です。おすすめは、S&P 500連動のVOO、債券ETFのBND、全世界株式のVT。以下は、組み合わせの効果をまとめた表です。

ETF特徴補完効果
VOOS&P 500連動、経費率0.03%、成長重視キャピタルゲインとセクター分散
BND米国債券、経費率0.035%、安定性重視ボラティリティ低下、インカム確保
VT全世界株式、経費率0.08%、分散投資グローバル分散、成長性補完

VOOはS&P 500の幅広いセクターカバーで、QYLDのテクノロジー偏重を緩和。年平均成長率10.2%で、長期資産拡大に貢献します。BNDは債券中心で、市場下落時の安定性を強化。分配利回り約2.5%でインカムも補強。VTは全世界9,000銘柄に投資し、地域リスクを分散。年平均成長率7.8%で、成長と安定を両立します。

ポートフォリオ例として、QYLD:40%、VOO:30%、BND:20%、VT:10%を提案。インカムを確保しつつ、成長とリスク分散をバランスよく実現できます。投資家のリスク許容度や目標に応じて比率を調整し、定期的なリバランスで最適化を図るのがポイントです。

FAQ(よくある質問)

Q
QYLDの分配金はいつもらえる?
A

QYLDは毎月分配型ETFで、分配金は毎月19日(休業日の場合は翌営業日)に支払われます。2024年10月の分配金は1株当たり0.22ドルで、為替レート150円換算で約33円です。年間では約2.64ドル(約396円、税引前)となり、1000株保有で月約33,000円のキャッシュフローが得られます。この毎月分配は、生活資金や再投資に活用しやすく、インカム重視の投資家に特に魅力的。分配金の原資はオプションプレミアムと保有銘柄の配当金で、市場のボラティリティが高いほどプレミアムが増加し、安定した分配が期待できます。ただし、分配金は市場環境により変動する可能性があり、過去には0.18ドルまで低下した月も。投資家は分配金の安定性を確認しつつ、税務上の扱い(元本払戻金の可能性)も考慮する必要があります。QYLDの毎月分配は、キャッシュフロー計画を立てやすい点で大きな強みです。

Q
QYLDのリスクは何?
A

QYLDの主なリスクは、テクノロジーセクターへの偏重、為替変動、分配金の減額、キャピタルゲインの限定的さです。NASDAQ 100指数に連動するため、アップルやマイクロソフトなど情報技術が50%以上を占め、テック株の下落に敏感。2022年のテック株下落時、株価は8.07%下落しました。為替リスクも大きく、円高(例:1ドル=100円)になると資産価値が減少します。分配金は市場のボラティリティに依存し、オプション市場の低迷で減額の可能性も。また、カバードコール戦略により株価の上昇益が制限され、NASDAQ 100(QQQ)の年平均成長率15.3%に対し、QYLDは0.66%と低め。投資家はこれらのリスクを理解し、分散投資(例:債券ETFやS&P 500連動ETFとの組み合わせ)で軽減することが重要です。テクノロジーや為替の動向をモニタリングし、リスク許容度に合わせた戦略を立てましょう。

Q
QYLDは長期投資に適している?
A

QYLDはインカム重視の長期投資に適しています。年10~12%の分配金を再投資すれば、複利効果で資産拡大が可能。1000万円投資で50年後には約3億3230万円(年成長率0.66%、税引後利回り8%、為替150円)になる試算です。毎月分配はキャッシュフローを安定させ、セミリタイアや配当金生活を支えます。ただし、キャピタルゲインが低く、NASDAQ 100(年15.3%)に比べ成長性は劣ります。テクノロジー偏重によるセクターリスクや為替変動も課題。2020年のコロナショックでは株価下落が4.6%に抑えられたように、安定性は高いですが、市場環境の変化に注意が必要です。長期投資では、VOO(S&P 500)やBND(債券)との組み合わせでリスク分散を。分配金の再投資戦略と定期的なポートフォリオ見直しが、QYLDの長期投資を成功させる鍵です。

Q
QYLDとQQQ、どちらを選ぶべき?
A

QYLDとQQQの選択は投資目的で異なります。QYLDは年10~12%の分配金と低ボラティリティ(±5.8%)が特徴で、インカムと安定性を重視する投資家向け。毎月分配はキャッシュフロー改善に最適です。一方、QQQはNASDAQ 100に連動し、年平均成長率15.3%、ボラティリティ±18.7%で、キャピタルゲインを追求する成長志向の投資家に適しています。ただし、QQQの分配利回りは0.5%と低め。2022年のテック株下落では、QQQが約30%下落したのに対し、QYLDは8.07%で済みました。リスク許容度が高く長期成長を狙うならQQQ、安定したインカムを求めるならQYLDが有利。両者を組み合わせ、QYLDでインカムを、QQQで成長を確保するポートフォリオも有効です。投資目標と市場環境に応じて選択しましょう。

Q
為替リスクはどう管理する?
A

QYLDはドル建て資産のため、為替変動が資産価値に影響します。円高(例:1ドル=100円)になると、資産価値や分配金が目減り。たとえば、1株22ドルのQYLDが円高で3300円から2200円相当に下落するリスクも。為替リスク管理には、東証上場(コード:2865)の円建てQYLDを活用し、為替手数料を抑える方法が有効。また、ドル資産だけでなく、円建て資産(例:日本株ETF)や他の外貨資産(例:ユーロ建てETF)を組み合わせ、為替変動の影響を分散できます。為替ヘッジ付きETFも選択肢ですが、コスト高に注意。分配金の再投資や定期的なリバランスで、為替変動の影響を長期的に平準化する戦略も有効です。為替市場の動向を注視し、ポートフォリオ全体でリスクを管理しましょう。

Q
分配金は元本払戻金の可能性は?
A

QYLDの分配金は、オプションプレミアムと保有銘柄の配当金が主な原資ですが、市場環境によっては元本払戻金(ROC:Return of Capital)が含まれる場合があります。ROCは税務上、非課税扱いとなる一方、投資元本を減少させるため、長期的な資産成長に影響。2023年では分配金の約20%がROCだった時期も。投資家は、運用会社の分配金内訳(Global Xの公式サイトで確認可能)を定期的にチェックし、ROCの割合を把握する必要があります。ROCが多い場合、分配金を再投資せず生活資金に充てる戦略が賢明。税務申告時の扱いも確認し、確定申告で適切に対応することが重要です。QYLDの分配金戦略を最大限活かすには、ROCの影響を理解し、投資計画に反映させましょう。

Q
QYLDの経費率は高い?
A

QYLDの経費率0.6%は、ETF全体ではやや高めです。たとえば、VOO(S&P 500)の0.03%やVYM(高配当株)の0.06%に比べるとコスト負担が大きい。ただし、年10~12%の分配利回りを考慮すると、コスト対効果は悪くありません。経費率は運用資産から差し引かれ、分配金やトータルリターンに影響。1000万円投資で年6万円の経費は、分配金120万円(税引前)の5%に相当します。カバードコール戦略の運用コストやオプショントレードの手数料を考慮すれば、0.6%は妥当な水準。低経費率のインデックスETFと組み合わせることで、ポートフォリオ全体のコストを抑えられます。投資家は経費率だけでなく、トータルリターンや投資目的を総合的に評価し、QYLDのメリットを最大化しましょう。

    まとめ

    QYLDは、NASDAQ 100を対象としたカバードコール戦略のETFで、高分配(年10~12%)と低ボラティリティが最大の魅力です。テクノロジー中心のセクター構成やGAFAM主体の銘柄により、成長性を取り込みつつ、市場下落時の安定性を提供。毎月分配はキャッシュフロー改善や配当金生活に理想的で、50年投資で6270万円で月50万円の配当も可能です。

    一方、キャピタルゲインは限定的で、NASDAQ 100(QQQ)やS&P 500(VOO)に比べ成長率は低い。テクノロジー偏重や為替リスクも考慮が必要。VOO、BND、VTとの組み合わせで、リスク分散と成長性を補完するポートフォリオがおすすめです。インカム重視の投資家にとって、QYLDは強力な選択肢。市場環境や目標に応じ、戦略的に活用しましょう。

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    DIAのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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    SOXL

    【SOXL】とは?やめておいたほうがいい?半導体セクターに特化したレバレッジ型ETF

    この記事のポイント SOXLは半導体3倍レバレッジETFで、短期トレード向け。過去10年の年平均成長率は33.27%。 最大下落率90.5%と高リスク。S&P500(11.82%)やNASDA…

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    VO:米国中型株ETF|成長性と安定性のバランスが良く、中長期の分散投資に適している

    VOのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出 …

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    TLT:米国長期国債ETF|満期20年以上の米国長期国債に投資するETF。金利感応度が高く、債券市場の動きに敏感

    TLTのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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    IEMG:新興国株ETF|低コストで幅広い新興国市場への分散投資が可能

    IEMGのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…

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    VT:世界全体株式ETF|米国、先進国、新興国すべてを網羅し、超分散投資を実現するETF

    VTのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出 …

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    XLF:米国金融株ETF|銀行、保険、資産運用会社など金融関連企業が中心

    XLFのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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    XYLD

    XYLDとは?配当金生活を狙えるS&P500に投資する毎月配当型のETF

    この記事のポイント XYLDはS&P 500にカバードコール戦略を組み合わせ、約9~12%の高配当を実現。 株価成長は控えめだが、下落相場での耐性と毎月分配が魅力。 セクター分散が効き、テクノ…

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    VEA

    VEAとは?配当金生活を目指すための投資戦略を徹底解説

    この記事のポイント 投資信託やETF(上場投資信託)に興味がある人なら、「VEA」という名前を聞いたことがあるかもしれません。VEAは、国際的な株式市場に分散投資するためのETFとして人気があります。…

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    SPLG:米国S&P500ETF|S&P500に連動する低コストETF。資産形成初心者にも適したシンプルな商品設計

    SPLGのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…

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    QQQM:NASDAQ100連動ETF|ナスダック100指数に連動するQQQの低コスト版ETF。長期投資家向けに信託報酬を抑えた設計

    QQQMのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…

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    JEPI

    JEPIとは?配当利回りは?配当金生活をするにはいくら必要か

    この記事のポイント JEPIは高いインカムゲインと安定したキャピタルゲインを狙うことができるETFで約7.5%の配当リターンと毎月配当金を得れる点が人気となっている ただし安定性は高くなく、リスク許容…

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    SPYD

    SPYDとは?キャピタルゲインも狙える高配当ETF。配当金生活も可能

    この記事のポイント SPYDは配当利回り4.4%、経費率0.07%の低コストETFで、高配当80銘柄に均等投資。 過去10年の成長率は8%、S&P 500(10%)やNASDAQ 100(15…

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    MBB

    【MBB】米国の住宅ローン担保証券(MBS)に投資するETF。債券の中でも利回り重視の投資に向く

    この記事のポイント MBBは低コスト(経費率0.06%)で毎月分配金を提供するMBS特化の債券ETF。安定性とインカム収益が魅力 過去10年リターンは1.15%、S&P500(12.8%)やN…

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    QQQ

    QQQはNASDAQ100に投資できる優れたEFT

    この記事のポイント QQQは、NASDAQ100指数に連動するETFで、米国のETFで2番目に取引量が多い 経費率は高いも、過去をみるとS&P500指数をオーバーパフォームするリターンを得るこ…

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    執筆者:ぽこ

    資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。

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