IVVとは?利回りや配当金生活への道筋を解説

IVV ETF
  1. この記事のポイント
  2. IVVとは
  3. IVVの特徴 (表)
  4. IVVはやめておいたほうがいい?おすすめしない声があるのはなぜか?
    1. 1. 分散はされているが「米国依存」が強い
    2. 2. 大型株偏重の構成
    3. 3. 高値掴みのリスク
    4. 4. 配当利回りが高くない
  5. IVVの配当タイミングと直近の配当
    1. 配当タイミング
    2. 直近の配当金額
  6. IVVの配当金シミュレーション
    1. 月3万円を得るには?
    2. 月5万円を得るには?
    3. 配当金生活をするには?
  7. IVVの構成銘柄とその特徴
  8. IVVの株価・推移・成長率(パフォーマンス)
    1. 過去10年間の株価推移
    2. 長期投資のリターン
  9. IVVの年別・過去平均リターン
  10. IVVの月別の暴落率は?
  11. IVVに投資した場合のシミュレーション
    1. 条件
    2. 計算結果
  12. IVVに投資する際の注意点
    1. 1. 市場リスク
    2. 2. 為替リスク
    3. 3. セクター集中リスク
    4. 4. 経費率や配当再投資の手間
    5. 5. 短期的な高値掴みリスク
  13. IVVとよく比較されるETFは?
  14. IVVと合わせてポートフォリオに加えたほうがいいETFは?
    1. 1. 長期投資で資産形成を目指す戦略
    2. 2. IVV×高配当ETFの組み合わせでインカムゲインを狙う
    3. 3. リスクを抑えたバランス型ポートフォリオ
    4. IVVに対するおすすめの投資戦略まとめ
  15. IVVが他のETFと比較して選ばれる理由
    1. 1. 低コストで効率的な運用
    2. 2. 流動性の高さ
    3. 3. 長い運用実績と信頼性
    4. 4. 分配金支払いタイミングの魅力
    5. 5. 競合商品との違いを補完する運用特性
    6. 6. 総合的なコスト・パフォーマンスの高さ
  16. IVVに関してのよくある質問
  17. まとめ
  18. 関連する米国株ETFの記事はこちら

この記事のポイント

この記事では、米国の代表的なETFであるiShares Core S&P 500 ETF(ティッカー:IVV)について徹底的に解説します。
特に以下のポイントに注目してお届けします。

  • IVVの基本情報と特徴
  • IVVに対する賛否両論とおすすめしない声の背景
  • IVVの配当金の詳細と運用シミュレーション
  • IVVを軸にした投資戦略とおすすめのポートフォリオ構成
  • IVVのリスクと注意点

この記事を読めば、IVVがどのような投資対象であり、どのように活用できるかが明確になります。また、他のETFとの比較を通じて、自身の投資スタイルに合った選択ができるようになるでしょう。

執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。いろんな国や商品に投資。投資歴はまあまあ長め。基軸はインデックス投資での運用。短期売買はあまりせず、長期目線での投資をコツコツと。

IVVとは

IVV(iShares Core S&P 500 ETF)は、ブラックロック(BlackRock)が運用するETF(上場投資信託)の一つで、S&P 500指数に連動するよう設計されています。S&P 500指数は、米国の代表的な500社で構成される株価指数であり、これに連動するIVVは、米国市場全体の成長を手軽に享受できる投資商品として知られています。

IVVは以下のような特徴を持っています。

  1. 低コストの運用
    • 信託報酬(経費率)が非常に低く、投資家のコスト負担が小さい。2024年現在、経費率は0.03%と驚異的な低さです。
  2. 分散投資が可能
    • 500銘柄に分散投資することで、個別株への集中リスクを軽減。アップルやマイクロソフトといった巨大テック株から、金融・ヘルスケアまで幅広いセクターに分散されています。
  3. 流動性の高さ
    • 米国市場で非常に活発に取引されており、買いたい時も売りたい時もスムーズに取引が可能。これにより、短期から長期まで多様な投資目的に対応します。
  4. 配当金の分配
    • 四半期ごとに配当金を支払うため、インカムゲイン(配当収入)を得たい投資家にも適した商品です。

IVVの特徴 (表)

項目詳細
ティッカーIVV
運用会社ブラックロック(BlackRock)
設定日2000年5月15日
経費率0.03%
配当頻度四半期ごと
連動指数S&P 500指数
主要構成銘柄アップル、マイクロソフト、アマゾンなど
組入銘柄数500
運用総額約3000億ドル(2024年現在)
取引所NYSE Arca

この表を見ると、IVVが投資家にとっていかに効率的かつ信頼性の高い商品であるかがわかります。

IVVはやめておいたほうがいい?おすすめしない声があるのはなぜか?

IVVは非常に魅力的な商品ですが、一部では「IVVへの投資はおすすめしない」という声も聞かれます。その理由を以下に整理します。

1. 分散はされているが「米国依存」が強い

IVVは米国市場に特化しているため、米国経済に過度に依存するリスクがあります。例えば、米国の景気後退やドル安が進行すると、ETF全体のパフォーマンスが低下する可能性があります。これに対し、国際分散投資を重視する投資家にとってはやや物足りない選択肢となるでしょう。

2. 大型株偏重の構成

S&P 500は時価総額加重平均で構成されており、アップルやマイクロソフトなどの巨大企業に投資が集中します。これにより、テクノロジーセクターへの依存が高まり、個別リスクがゼロではない状態になります。

3. 高値掴みのリスク

過去数十年の米国株市場は右肩上がりでしたが、現在の市場環境では割高感を指摘する声も多いです。そのため、IVVに投資するタイミングを間違えると、短期的な損失リスクが高まる可能性があります。

4. 配当利回りが高くない

IVVの配当利回りは1.5%~2%程度とされています。安定感はあるものの、高配当ETFと比べるとインカムゲインを求める投資家にとっては魅力が薄いと感じるかもしれません。

IVVの配当タイミングと直近の配当

IVVは、四半期ごとに配当金を支払います。この配当金は、構成銘柄が生み出す利益の一部を投資家に還元するものです。2024年現在、IVVの配当利回りは約1.5%となっており、安定的な収入源を求める投資家にとって魅力的な選択肢となっています。

配当タイミング

IVVの配当は、通常以下のタイミングで支払われます。

  • 3月末(第1四半期分)
  • 6月末(第2四半期分)
  • 9月末(第3四半期分)
  • 12月末(第4四半期分)

具体的な支払い日は各年ごとに異なりますが、配当権利落ち日の直後に株を保有していれば、配当を受け取る権利が発生します。

直近の配当金額

以下は2024年におけるIVVの配当履歴(仮の例)です。

支払い月配当金額(1株あたり)
2024年3月$1.35
2024年6月$1.40
2024年9月$1.45
2024年12月$1.50(予想)

このデータから、配当金は徐々に増加傾向にあることが伺えます。これは、S&P 500構成銘柄の成長や利益拡大が反映された結果といえます。

IVVの配当金シミュレーション

月3万円を得るには?

月3万円の収入を得るためには、年間で36万円の配当金を受け取る必要があります。2024年現在、IVVの配当利回りは約1.5%です。この条件下で必要な投資額を計算すると

  • 必要な年間配当金額:36万円
  • 配当利回り:1.5%
  • 必要投資額:36万円 ÷ 0.015 = 2400万円

したがって、月3万円を目標とする場合、2400万円程度の初期投資が必要になります。

月5万円を得るには?

次に、月5万円の収入を目指すケースを計算します。

  • 必要な年間配当金額:60万円
  • 配当利回り:1.5%
  • 必要投資額:60万円 ÷ 0.015 = 4000万円

月5万円を得るには、より高額な投資資金が求められます。

配当金生活をするには?

配当金のみで生活する場合、年間生活費を500万円と仮定します。

  • 必要な年間配当金額:500万円
  • 配当利回り:1.5%
  • 必要投資額:500万円 ÷ 0.015 = 3億3333万円

このように、IVVを軸に配当金生活を実現するには多額の元本が必要ですが、長期的な資産運用と併用することで現実的に目指せる目標となります。

IVVの構成銘柄とその特徴

IVVの構成銘柄はS&P 500指数に基づいています。以下は、2024年現在の上位5銘柄とその特徴です。

銘柄名セクター比率(%)特徴
アップル(AAPL)情報技術7.3世界最大の時価総額を持つ企業で、収益性が極めて高い。
マイクロソフト(MSFT)情報技術6.5クラウド事業の急成長により、安定的な成長を維持。
アマゾン(AMZN)一般消費財3.5ECとクラウドサービスを軸に収益を拡大している。
NVIDIA(NVDA)情報技術3.0AI技術の普及で注目される半導体メーカー。
アルファベット(GOOGL)情報技術2.9グーグルの親会社で、広告収益が主要な柱。

これらの構成銘柄を見ると、IVVがテクノロジーセクターに強く依存していることがわかります。一方で、これらの企業は米国経済全体の牽引役でもあるため、安定した成長が期待されています。

IVVの株価・推移・成長率(パフォーマンス)

IVVの魅力は、その安定した長期成長にあります。S&P 500指数は米国市場を代表する指標であり、その連動型ETFであるIVVもまた、株価推移で市場全体の成長を反映しています。

過去10年間の株価推移

2024年現在、IVVの株価は約470ドルです。この値を基準に、過去10年間の推移を見てみましょう(概算データ)。

年度株価(年末)年間成長率(%)
2014$200
2015$2105%
2016$2309.5%
2017$27017.4%
2018$260-3.7%
2019$32023.1%
2020$36012.5%
2021$45025%
2022$400-11.1%
2023$47017.5%

これを見ると、S&P 500指数に基づくIVVの成長が非常に安定していることがわかります。年によって変動はありますが、平均成長率は10%を超えるため、長期保有による資産形成に適しています。

長期投資のリターン

仮に2014年に100万円分のIVVを購入していた場合、2024年にはその投資額が約235万円に成長している計算になります(配当金を再投資した場合はさらに増加)。

IVVの年別・過去平均リターン

IVVの過去のリターンデータを基に、年別リターンと平均リターンを比較してみましょう。

年度年間リターン(%)過去10年平均リターン(%)
201413.7
20151.4
201611.8
201721.8
2018-4.4
201931.2
202018.4
202128.7
2022-18.1
202316.912.2

過去10年の平均リターンは約12%です。これは多くの投資商品と比較しても高水準であり、長期的な資産形成を目指す投資家にとって大きな魅力となります。

IVVの月別の暴落率は?

IVVの月別パフォーマンスを分析すると、暴落が発生する月に一定の傾向が見られます。特に注目すべきは、9月10月です。

  • 9月:市場の調整局面に入ることが多く、月間リターンがマイナスになる年が多い。
  • 10月:歴史的に大きな暴落が起きたことがあるが、月末には回復することも。

これらの月の投資タイミングには注意が必要ですが、長期的には一時的な調整にすぎないため、過度に恐れる必要はありません。

IVVに投資した場合のシミュレーション

条件

  • 投資期間:10年
  • 平均年間リターン:12%(過去データに基づく)
  • 配当金は再投資するものとする

計算結果

初期投資額が100万円の場合、10年後の運用結果は以下の通りです。

  • 1年目:112万円
  • 5年目:176万円
  • 10年目:310万円

このように、複利効果を活用することで元本が大幅に増加することがわかります。

IVVに投資する際の注意点

1. 市場リスク

IVVはS&P 500指数に連動するため、米国市場全体の動向に大きく左右されます。経済危機や企業業績の悪化など、市場全体が下落するときにIVVも同様に下がる可能性があります。

  • : 2020年の新型コロナショックではS&P 500指数が短期間で約30%下落しました。このような急落時にIVVを保有していると、大きな評価損が発生します。
  • 対策:
    • 分散投資: IVVだけでなく、債券やリート、金など異なる資産クラスを組み合わせることで、全体のリスクを軽減します。
    • 長期保有: 市場の短期的な変動に惑わされず、長期的な成長を信じて保有を続ける姿勢が重要です。

2. 為替リスク

IVVは米ドル建てのETFです。そのため、円高・円安の影響を受けます。例えば、米ドルが円に対して下落すると、IVVの円換算価値が減少します。

  • : 1ドル=120円から1ドル=100円に円高が進むと、IVVの価値は20%減少したことになります。
  • 対策:
    • 為替ヘッジETFの活用: 為替変動リスクを軽減するために、為替ヘッジが施されたETFを検討します。
    • ドルコスト平均法: 為替変動を平準化するために、定期的に少額ずつ購入する方法を取ります。

3. セクター集中リスク

IVVはS&P 500指数に連動しているため、構成銘柄の多くが情報技術(IT)セクターに偏っています。2024年現在、IVVの約25%がITセクターで占められており、特定セクターへの依存が高い点に注意が必要です。

  • : ITセクター全体が不調に陥った場合、IVV全体のパフォーマンスにも悪影響を及ぼします。
  • 対策:
    • セクター分散ETFの併用: 他のセクターに焦点を当てたETF(例:XLE(エネルギーセクターETF)、XLV(ヘルスケアセクターETF))をポートフォリオに加えることでリスクを分散します。
    • 個別銘柄の投資: セクターのバランスを取るために、IVVに含まれないセクターや地域の個別銘柄にも目を向けます。

4. 経費率や配当再投資の手間

IVVの経費率は0.03%と非常に低いですが、配当金を自動で再投資する仕組みはありません。そのため、配当再投資を行う場合、手間やコストが発生する可能性があります。

  • 対策:
    • 配当再投資プログラムの活用: 証券会社が提供する配当再投資プログラムを利用することで手間を削減できます。
    • 自動積立設定: 毎月一定額を投資する設定を活用し、配当分も含めた資金を効率よく運用します。

5. 短期的な高値掴みリスク

IVVは長期投資に向いている商品ですが、短期的に市場が過熱しているタイミングで購入すると、高値掴みのリスクがあります。

  • : 2021年末に株価が最高値を記録した後、2022年に大きな調整が入り、短期的な評価損を抱える投資家が続出しました。
  • 対策:
    • ドルコスト平均法: 毎月一定額を投資することで、購入価格を平準化し、高値掴みのリスクを軽減します。
    • 分割投資: 一度にまとめて購入するのではなく、購入時期を分散させることでリスクを分散します。

IVVとよく比較されるETFは?

ETF名経費率特徴
SPY0.09%流動性が高い。最初に設定されたS&P 500連動ETF。
VOO0.03%バンガード社の運用商品で、経費率が低い。
SCHX0.03%チャールズ・シュワブが提供する大型株ETF。

IVVと合わせてポートフォリオに加えたほうがいいETFは?

1. 長期投資で資産形成を目指す戦略

IVVは、過去10年以上にわたり平均リターン約12%を記録しており、長期保有することで複利効果を活用できます。

  • 戦略概要
    定期的にIVVを買い増しする「ドルコスト平均法」を採用し、市場の短期的な変動リスクを軽減。特に、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用すれば、長期投資で得られる配当やキャピタルゲインに対する税負担を軽減できます。
  • ポートフォリオ例
    長期投資において、IVVをポートフォリオの中心に据える場合の例:資産クラス比率ETF例米国株(大型株)50%IVV米国債券30%BND(バンガード米国総合債券ETF)国際株式15%VXUS(バンガード全世界株式ETF)現金5%日本円・米ドルなど

このようにIVVを中心に据えたポートフォリオは、リスクとリターンのバランスが取れた安定的な運用を実現します。

2. IVV×高配当ETFの組み合わせでインカムゲインを狙う

IVVは配当利回りが約1.5%とやや控えめですが、高配当ETFと組み合わせることでインカムゲインを増やす戦略も有効です。

  • 戦略概要
    IVVで市場全体の成長を取り込みつつ、高配当ETF(例:VYM、HDV)を活用して配当収入を強化します。これにより、安定したキャッシュフローを得ながら資産を成長させることが可能です。
  • ポートフォリオ例資産クラス比率ETF例米国株(大型株)40%IVV米国高配当株40%VYM(バンガード高配当株ETF)債券・リート15%SCHH(シュワブ米国リートETF)現金5%日本円・米ドルなど

この戦略は特に退職後の収入源を確保したい投資家に適しています。

3. リスクを抑えたバランス型ポートフォリオ

IVVを中心に、リスクを抑えた運用を目指す場合は、債券やインフレヘッジ資産(ゴールドなど)を加えるのがおすすめです。

  • 戦略概要
    株式市場が好調なときはIVVが成長を牽引し、市場の調整局面では債券やゴールドが損失をカバーするバランス型の運用を目指します。
  • ポートフォリオ例資産クラス比率ETF例米国株(大型株)40%IVV米国債券40%TLT(iシェアーズ20年超米国債ETF)ゴールド15%GLD(SPDRゴールドシェア)現金5%日本円・米ドルなど

この構成はリスク許容度が低い投資家や、安定性を重視したい方に向いています。

IVVに対するおすすめの投資戦略まとめ

IVVを活用したポートフォリオ戦略は多岐にわたりますが、自身のリスク許容度や投資目的に応じたカスタマイズが鍵です。以下を目安に戦略を選択してください:

  1. リスク許容度が高い方 → 「長期成長を狙った集中投資」
  2. 配当収入を重視する方 → 「IVV×高配当ETFの組み合わせ」
  3. 安定性を求める方 → 「バランス型ポートフォリオ」

どの戦略を選ぶにせよ、IVVの安定した成長と分散効果は、長期的な資産形成に大きな力を発揮します。

IVVが他のETFと比較して選ばれる理由

IVVはS&P 500指数に連動するETFの中でも、特に人気の高い商品です。しかし、他にも競合するETFが多数存在します。ここでは、IVVが他のETFと比較してどのような特徴を持ち、選ばれる理由を掘り下げます。

1. 低コストで効率的な運用

IVVの経費率は0.03%と、同カテゴリー内でも最安水準です。

  • 競合との比較ETF名経費率運用会社特徴IVV0.03%ブラックロック豊富な流動性と低コストが魅力。VOO0.03%バンガード同じく低コストで人気。SPY0.09%ステート・ストリート世界初のS&P 500連動ETF。

IVVとVOOの経費率は同じですが、SPYはやや高めです。流動性や信頼性の面ではSPYが優れていますが、長期投資ではコスト差がリターンに影響するため、IVVが選ばれる傾向があります。

2. 流動性の高さ

IVVは取引量が多く、売買が非常にスムーズに行えます。これにより、スプレッド(売買価格差)が小さいため、コストの透明性が高い点も魅力です。

  • ポイント: 短期売買を行う投資家にとっても、流動性の高さは大きなアドバンテージとなります。

3. 長い運用実績と信頼性

IVVは2000年に設定され、20年以上の運用実績があります。この安定した運用期間は、特に長期投資を目的とする投資家にとって安心感を提供します。

  • 競合ETFとの違い
    • SPYは1993年に設定されたETFで、最も歴史が長い商品ですが、経費率がやや高い。
    • VOOは2010年に設定された比較的新しいETFで、経費率が低いが、IVVほどの運用期間はありません。

歴史が長く、信頼性の高いETFとして、IVVは初心者から上級者まで幅広い層に選ばれています。

4. 分配金支払いタイミングの魅力

IVVの分配金は四半期ごと(年4回)に支払われます。この定期的な収入は、配当を再投資したり、キャッシュフローを得たりするのに適しています。

  • 比較例
    • IVV:四半期ごとに分配金支払い。
    • SPY:同じく四半期ごと。
    • VOO:同上。

分配金支払いの頻度やタイミングにおいては、大きな差はないため、他の特徴が選定基準となることが多いです。

5. 競合商品との違いを補完する運用特性

SPY、VOO、IVVはどれもS&P 500指数連動型ですが、運用面では微妙な違いがあります。

  • SPY
    • 株価が高いため、小口投資家にとっては若干購入しづらい。
    • 流動性は最も高いが、長期保有ではコストが高くなりやすい。
  • VOO
    • 経費率はIVVと同等だが、流動性や取引量はやや劣る。
    • バンガードブランドを好む投資家に選ばれる傾向がある。
  • IVV
    • 経費率が低く、流動性も高い。
    • 長期投資と短期売買の両方に適しているため、幅広い投資家に人気がある。

6. 総合的なコスト・パフォーマンスの高さ

IVVは低コスト運用、流動性、長い運用実績を兼ね備えており、初心者からプロの投資家まで広く支持されています。

  • 選ばれる理由のまとめ
    • 低経費率:長期的なコスト削減が可能。
    • 流動性の高さ:スムーズな取引が可能で、スプレッドが小さい。
    • 信頼性:20年以上の実績があり、運用会社のブラックロックも世界的に評価が高い。

IVVに関してのよくある質問

Q
IVVの将来性はあるか?
A

IVVの将来性は非常に高いとされています。その理由は、連動しているS&P 500指数が米国の主要な大企業で構成されているためです。特にテクノロジー、金融、ヘルスケアといった成長分野が含まれており、米国経済全体の成長を反映しています。

ポイント

  • 経済の回復力:米国経済は歴史的に回復力が高く、リーマンショックやコロナ禍でも迅速な成長を見せています。
  • イノベーションの中心地:世界をリードする企業(AppleやGoogleなど)が含まれ、今後も新たな技術革新が期待されます。
Q
IVVは長期保有をしてもいいか?
A

IVVは長期保有に適したETFの一つです。その理由は以下の通りです

  • 低い信託報酬:経費率が0.03%と非常に低いため、長期的に運用コストが抑えられます。
  • 安定したリターン:過去数十年間、S&P 500指数は年平均7%~10%程度のリターンを記録しています。
  • 複利効果:配当再投資を行うことで、長期間にわたり資産を大きく増やせます。
Q
IVVの買い時はいつか?
A

IVVを買うタイミングを完璧に見極めるのは難しいですが、以下の方法が参考になります

1. ドルコスト平均法を活用

  • 毎月一定額を投資することで、価格の上下にかかわらず平均購入価格を平準化できます。

2. 市場が調整局面のとき

  • 大きな下落(10%以上の調整)があれば、割安に購入できるチャンスと捉えることができます。

3. 長期視点を持つ

  • S&P 500は短期的には変動しますが、長期的には上昇傾向にあります。過去データから見ても、タイミングよりも継続的な投資が重要です。
Q
IVVのメリットとデメリットは?
A

メリット

  1. 低コスト運用:手数料の負担が軽い。
  2. 高い分散効果:500社に分散投資できるため、個別株投資よりリスクが低い。
  3. 流動性の高さ:取引量が多く、売買が容易。

デメリット

  1. 為替リスク:円で投資している場合、ドル/円の為替変動がリターンに影響を与えます。
  2. 市場リスク:S&P 500全体が下落する局面では、IVVの価格も下落します。
  3. 配当利回りが低い:約1.5%~2%程度と、日本株の高配当株に比べて配当収入は控えめです。

まとめ

IVVは、安定したリターンを狙う投資家にとって非常に魅力的なETFですが、リスクとメリットの両面を理解した上で投資することが大切です。将来性の高さと低コスト運用が長期的な資産形成に役立つため、初心者から上級者まで幅広い投資家に適しています。

関連する米国株ETFの記事はこちら

QLD

【QLD徹底解説】高成長を狙う2倍レバレッジETFのすべて

この記事のポイント QLDとは何か? QLDの特徴とメリット・デメリット 配当金やパフォーマンスの実績は? QLDはどのような投資家に向いているか? QLDとは QLD(ProShares Ultra…

Read More

「FANG+徹底解説!未来を見据えた成長株ETFの魅力と注意点

この記事のポイント FANG+は、テクノロジーと成長株を中心とした株式市場で注目のETFです。本記事では、FANG+の基本情報から投資のメリット・デメリット、配当金のシミュレーション、他のETFとの比…

Read More
SPY

SPY徹底解説:配当金シミュレーションから注意点まで、全てが分かる完全ガイド

この記事のポイント SPY(SPDR S&P 500 ETF Trust)の基本情報を解説 SPYをおすすめしない意見や投資リスクについて検証 配当金シミュレーションで月3万円・5万円生活を目…

Read More
IVV

IVVとは?利回りや配当金生活への道筋を解説

この記事のポイント この記事では、米国の代表的なETFであるiShares Core S&P 500 ETF(ティッカー:IVV)について徹底的に解説します。特に以下のポイントに注目してお届け…

Read More
AGG

AGGとは?投資初心者が知っておくべきメリット・デメリットや利回りや配当金生活にはいくら必要かを解説

この記事のポイント この記事では、債券ETFの代表格である「AGG」(iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF)について、初心者にも分かりやすく解説します。 AGGの基…

Read More
IYR

IYRとは?不動産ETFの特徴・利回り・投資戦略を総まとめ

この記事のポイント IYRとは何か? IYRのメリットとデメリット 配当金シミュレーション 過去のパフォーマンスとリターン分析 ポートフォリオ構築の際の注意点 この記事では、IYRに投資する際に必要な…

Read More
GLD

GLDとは?ゴールドETFの魅力や配当シミュレーションから将来性まで解説

この記事のポイント この記事では、SPDRゴールドシェアーズ(ティッカー:GLD)について、詳細に解説します。以下のポイントを中心に取り上げています。 GLDとはどのようなETFなのか? GLDの特徴…

Read More
HDV

HDVとは?配当金生活にはいくら必要?高配当ETFの魅力と注意点を解説

この記事のポイント 米国高配当ETFとして人気のHDV(iShares Core High Dividend ETF)について、初心者にもわかりやすく解説していきます。「配当金で安定収入を得たい!」と…

Read More
SOXL

SOXLとは?やめておいたほうがいい?特化型レバレッジETF

この記事のポイント SOXL(Direxion Daily Semiconductor Bull 3X Shares)は、半導体セクターに特化したレバレッジETFで、投資家にとって非常に魅力的な投資商…

Read More
SCHD

SCHDとは?高配当株ETFで安定した配当収入を得よう

この記事のポイント SCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF)は、高配当株に焦点を当てたETFの一つで、安定的な配当収入を目的とする投資家に特に人気があります。本記事で…

Read More

VYMとは?配当金やリターンは?配当金生活をするにはいくら必要か?

この記事のポイント この記事では、Vanguard High Dividend Yield ETF(VYM)の魅力、特性、そして投資家が抱える疑問にお答えします。配当金重視の投資家に人気のあるVYMで…

Read More
JEPI

JEPIとは?配当利回りは?配当金生活をするにはいくら必要か

この記事のポイント JEPIは高いインカムゲインと安定したキャピタルゲインを狙うことができるETFで約7.5%の配当リターンと毎月配当金を得れる点が人気となっている ただし安定性は高くなく、リスク許容…

Read More
SPXL

SPXLとは?リターンは魅力的だがリスクも大きい玄人向けのETF

SPXLとは SPXL(Direxion Daily S&P 500 Bull 3X Shares)は、近年投資家の間で注目を集めるレバレッジETFの一つで、S&P 500指数の日次パ…

Read More
VTI

VTIのすべてを解説!米国株投資の王道ファンド

VTIとは? VTI(Vanguard Total Stock Market ETF)は、米国全体の株式市場をカバーするインデックスファンドです。このETFは、米国の投資家の間で非常に人気が高く、幅広…

Read More
JEPQ

JEPQとは?配当金生活をするにはいくら必要?

この記事のポイント JEPQは高いインカムゲインと安定したキャピタルゲインを狙うことができるETF 約10%の配当リターンと毎月配当金を得れる点が人気となっている ただし安定性は高くなく、リスク許容度…

Read More
VGT

VGTとは?長期投資に向いているのか?リターンや配当金生活をするにはいくら必要か徹底解説

この記事のポイント VGTは情報技術セクターに絞って投資をすることができるETF ボラティリティが高いが、高いリターンを狙える投資ベテラン向けのETF 月々10万円を投資する場合のシミュレーションにお…

Read More
SPYD

SPYDとは?長期投資に向いているのか?リターンや配当利益を解説

この記事のポイント SPYDは短期の売買に不向きで長期投資に向いている シミュレーション結果だと、10万円を月々投資する計算で、20年で約550万、50年で約77000万円まで伸びる 景気に敏感なため…

Read More
QQQ

QQQはNASDAQ100に投資できる優れたEFT

この記事のポイント QQQは、NASDAQ100指数に連動するETFで、米国のETFで2番目に取引量が多い 経費率は高いも、過去をみるとS&P500指数をオーバーパフォームするリターンを得るこ…

Read More
VOO,VTI

VOOかVTIかは好みの問題。どちらも超優秀なETF

この記事のポイント VOOとVTIのどちらに投資したほうがいいかは好みの問題。実績はほぼ同じ。 米国市場の上位500社に投資したい場合はVOO。米国市場全体に投資したい場合はVTI。 1株あたりの買い…

Read More
執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。いろんな国や商品に投資。投資歴はまあまあ長め。基軸はインデックス投資での運用。短期売買はあまりせず、長期目線での投資をコツコツと。