XLF:米国金融株ETF|銀行、保険、資産運用会社など金融関連企業が中心

ETF
  1. XLFのETF Score (ETFのおすすめ度)
  2. XLFの特徴
  3. XLFの株価・推移・成長率(パフォーマンス)
  4. XLFの年別・過去平均リターン
  5. XLFの年別の騰落率は?
  6. XLFのセクター構成
  7. XLFの構成銘柄とその特徴
  8. XLFに投資した場合のシミュレーション
  9. XLFの配当タイミングと直近の配当
  10. XLFの配当金シミュレーション
  11. XLFに投資する際の注意点
  12. XLFとよく比較されるETFは?
  13. XLFと合わせてポートフォリオに加えたほうがいいETFは?
  14. まとめ
  15. 他の人気ETFの記事はこちら

XLFのETF Score (ETFのおすすめ度)

  • 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出
  • 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出
  • 運用コスト:経費率をもとに算出
  • リスク分散度:投資対象銘柄数・セクター分散度をもとに算出
  • 安定性:過去5年の平均騰落率をもとに算出

※各指標は当サイトにおける基準で設定

執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。

XLFの特徴

項目内容
正式名称Financial Select Sector SPDR Fund
ティッカーXLF
運用会社ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ
設定日1998年12月16日
経費率0.08%(2025年1月31日時点)
純資産総額約542億ドル(2025年2月時点)
投資対象S&P500内の金融セクター企業
運用方針Financial Select Sector Indexの価格と利回りを追跡(フルレプリケーション)
取引所ニューヨーク証券取引所(NYSE)
配当頻度四半期ごと(3月、6月、9月、12月)
構成銘柄数72(2024年12月31日時点)
流動性高(平均取引量:日次数百万株)

まず、XLFの最大の特徴は「金融セクター特化型」であること。S&P500の中から金融関連企業だけをピックアップして投資するので、他のセクター(たとえばテクノロジーやヘルスケア)の影響を受けにくいんです。これが、他の広範なETF(たとえばSPY)と大きく違う点ですね。

運用方針も特徴的で、フルレプリケーション方式を採用しています。これは、Financial Select Sector Indexに含まれる銘柄をほぼそのまま、かつ同じ比率で保有するスタイル。アクティブ運用みたいに銘柄を厳選したりしないので、インデックスの動きに忠実なんです。その結果、管理コストが低く抑えられるのも嬉しいポイントでしょう。

経費率の0.08%は、ETF業界でもかなり競争力のある数字です。たとえば、同じ金融セクターを対象とする他のETF(たとえばVFH)の経費率が0.10%だったりするので、XLFのコスト効率の高さが際立ちます。長期で持つなら、この差がじわじわ効いてくるんですよね。

流動性が高いのも見逃せません。日々の平均取引量が数百万株に上るので、買いたいときや売りたいときにスムーズに取引できるんです。市場が荒れたときでも、値動きが安定しやすいのはこの規模感のおかげでしょう。

構成銘柄数は72と、ほどよい分散が効いています。金融セクターといっても、銀行だけじゃなく、保険や決済サービス、投資運用会社など多岐にわたるので、特定の業界に偏りすぎないバランスが取れているんです。これなら、一部の企業が不調でも全体へのダメージが限定的になりやすいですね。

配当が四半期ごとに出るのも特徴の一つ。安定したキャッシュフローを求める投資家には、このタイミングが魅力的でしょう。配当利回りは時期によって変動しますが、2025年2月時点で約1.32%と、金融セクターらしい水準をキープしています。

ただ、金融セクターに特化している分、経済全体の状況に左右されやすい側面もあります。たとえば、金利が上がれば銀行の利ザヤが改善してプラスに働く一方、景気後退で融資が減るとマイナスに振れることも。そこは、他のセクターETFと比べたときのトレードオフですね。

XLFの株価・推移・成長率(パフォーマンス)

 

※S&P500指数と比較

まず、直近の株価を確認すると、2025年3月8日時点で約51.13ドル(日本円で約7,000円、1ドル137円換算)。過去1年間のレンジを見てみると、最安値が39.31ドル、最高値が52.26ドルとなっています。このレンジから、約30%の値動きがあったことがわかりますね。

過去5年間の株価推移をざっくり振り返ると、こんな感じです:

  • 2020年3月(コロナショック時): 約17ドル(底値)
  • 2021年末: 約39ドル(回復期)
  • 2023年末: 約37ドル(金利上昇で変動)
  • 2025年2月: 約51ドル(直近高値圏)

コロナショックからの回復力は驚くほどで、底値から3倍近く上昇した計算になります。金融セクターは景気敏感株の代表格なので、経済が持ち直すと一気に跳ねる傾向があるんです。

成長率はどうかというと、年率で見てみましょう。過去5年間(2020~2024)の年平均成長率(CAGR)は約25%と、かなり高い水準。ただ、これはコロナ後の急回復が大きく影響しているので、長期で見るともう少し落ち着いた数字になります。たとえば、設定来(1998~2024)のCAGRは約6~7%程度と推定されます。

期間成長率(年平均、CAGR)
過去1年(2024-2025)約30%
過去3年(2022-2025)約15%
過去5年(2020-2025)約25%
設定来(1998-2024)約6-7%

このパフォーマンスを支えているのは、金融セクターの特性です。金利上昇局面では銀行の収益が改善しやすく、2022~2023年の米国の利上げサイクルが追い風になりました。一方で、2020年のような経済危機では大きく下げるリスクもあるので、安定性より成長性を求める人向けといえるかもしれません。

直近のパフォーマンスだと、2025年に入ってからの年初来リターンが約7.8%(2月時点)。これは、S&P500全体(約5%程度)を上回っていて、金融セクターの強さが際立っています。背景には、米国の景気回復期待や銀行株の好決算があるみたいですね。

ただ、株価の推移を見ると、短期間での変動が大きいのも事実。たとえば、2023年には金利動向や規制懸念で一時10%近く下落した時期もありました。成長率が高い分、ボラティリティ(値動きの幅)も大きいので、その点は覚悟しておく必要がありそうです。

XLFの年別・過去平均リターン

リターン(%)
2015-1.6
201622.6
201722.0
2018-13.0
201931.9
2020-1.6
202135.0
2022-10.6
202311.7
202433.8
2025*7.8(2月まで)

この表を見ると、リターンのバラつきが大きいのがわかります。良い年は30%超えもありますが、マイナスに沈む年も珍しくないですね。たとえば、2018年や2022年は金融セクターが景気減速や金利変動で苦戦した年。逆に、2019年や2021年は経済回復や利上げ期待で大きく伸びています。

過去10年間(2015~2024)の平均リターンを計算すると、約13.0%になります。これに2025年の途中経過を含めると、若干上がって約13.5%くらい。S&P500全体の平均リターン(約10~11%)と比べると、やや上回る結果ですね。金融セクターの成長性と配当が効いているんでしょう。

もっと長く見ると、設定来(1998~2024)の平均リターンは約6.5%程度。1990年代後半から2000年代初頭はITバブル崩壊や金融危機で低迷した時期もあるので、長期だと少し控えめな数字になります。それでも、インフレ率(年2~3%)を上回るリターンを維持しているのは立派です。

リターンの傾向としては、景気拡大期に強いのが特徴。たとえば、2016~2017年や2021年は、米国の経済成長と連動して大きくプラスに。一方、景気後退期(2008年や2020年)では大きく下げやすいので、タイミングを見極めるのが大事そうです。

平均リターンをもう少し細かく分解すると、株価上昇によるキャピタルゲインが主で、配当利回り(年1~2%程度)が上乗せされる形。金融セクターは成長株というよりバリュー株寄りなので、爆発的な値上がりより安定した収益が魅力なんですね。

XLFの年別の騰落率は?

騰落率(%)
2015-3.2
201620.5
201720.1
2018-14.5
201929.8
2020-3.0
202133.2
2022-12.0
202310.0
202431.5
2025*7.0(2月まで)

配当を除いた騰落率だと、リターンよりやや低めに出るのは当然ですね。それでも、年によってプラス20%超えやマイナス10%超えが頻発していて、値動きの大きさがよくわかります。

たとえば、2016年や2021年は20~30%超の上昇。背景には、トランプ政権下での規制緩和期待(2016年)やコロナ後の経済再開(2021年)がありました。一方、2018年は貿易戦争懸念、2022年は利上げペースの加速で下落。金融セクターは外部要因に敏感に反応するんです。

過去5年の平均騰落率は約11.7%。10年で見ると約9.2%くらいになります。S&P500全体(約8~9%)とほぼ同等か、少し上回るレベルですね。ただ、年ごとのバラつきが大きいので、短期的な値動きに振り回されない心構えが必要そうです。

騰落率の傾向をまとめると:

  • 上昇局面: 景気回復、金利上昇、規制緩和
  • 下落局面: 景気減速、金利急変、金融危機

2025年のスタートダッシュ(7.0%)は、米国の景気回復期待や銀行決算の好調さが背景にありそう。今後も、金利動向や経済指標が騰落率のカギを握るでしょう。

XLFのセクター構成

業界構成比率(%)主な企業例
銀行42.5JPMorgan Chase, Bank of America
資本市場23.0Goldman Sachs, Morgan Stanley
保険15.8AIG, Chubb
金融サービス13.2Visa, Mastercard
消費者金融3.5American Express
モーゲージREIT2.0Annaly Capital

構成比率を見ると、銀行が約4割強と圧倒的な存在感。やっぱり金融セクターの柱は銀行なんですね。次に多いのが資本市場で、投資銀行や証券会社が含まれます。保険や金融サービス(特に決済系)が続き、消費者金融やREITは少なめです。

銀行が中心なのは、米国の金融業界の構造を反映しています。大手銀行は融資や預金で経済を支えつつ、金利変動の恩恵を受けやすいポジション。たとえば、2022~2023年の利上げ局面では、利ザヤ拡大で収益が伸びた銀行が多かったんです。

資本市場は、M&AやIPOなどの投資銀行業務がメイン。景気が良いと企業活動が活発になり、ここが伸びやすいですね。金融サービスはVisaやMastercardのような決済大手が強く、キャッシュレス化の波に乗って安定成長しています。

保険は景気変動にやや強いですが、自然災害や訴訟リスクが影響することも。一方、消費者金融やモーゲージREITはニッチな分野で、構成比は小さいものの、金利環境次第で大きく動く可能性があります。

この構成のおかげで、XLFは金融セクター内の多様性を確保しつつ、銀行依存度が高いバランスになっています。景気サイクルに敏感な銀行と、比較的安定した決済サービスが混在しているので、ある程度リスクが分散されているんです。

XLFの構成銘柄とその特徴

銘柄比率(%)特徴
Berkshire Hathaway13.0保険・投資コングロマリット
JPMorgan Chase10.5米国最大手銀行、グローバル展開
Visa8.0決済サービス、世界シェアトップ
Mastercard7.2決済サービス、Visaと双璧
Bank of America5.8全米2位の銀行、リテール強し
S&P Global3.5信用格付け・金融情報サービス
Morgan Stanley3.2投資銀行、資産運用に強み
Goldman Sachs3.0投資銀行、トレーディングの雄
BlackRock2.8世界最大の資産運用会社
Wells Fargo2.5リテール銀行、住宅ローンに注力

上位10銘柄で約60%を占めるので、かなり集中度が高いですね。特にBerkshire HathawayとJPMorganだけで2割以上をカバー。金融セクターのリーダーたちが揃っている感じです。

  • Berkshire Hathaway: ウォーレン・バフェット率いる投資会社。保険事業が主力ですが、多様なポートフォリオで安定感あり。
  • JPMorgan Chase: 預金残高や融資額で全米トップ。企業向けも個人向けも強いオールラウンダー。
  • Visa/Mastercard: 決済ネットワークの巨人。手数料収入で安定成長を続けるキャッシュマシン。
  • Bank of America: リテールバンキングに強く、全米に広がる支店網が特徴。

投資銀行勢(Goldman Sachs、Morgan Stanley)はトレーディングやM&Aで稼ぐスタイル。一方、BlackRockはETF(iシェアーズ)で有名な資産運用会社で、長期的な成長が期待できます。

この顔ぶれを見ると、銀行と決済サービスが主軸で、安定性と成長性を両立させているのがわかります。ただ、上位銘柄に依存する分、これらの企業がコケると影響が大きいのも事実ですね。

XLFに投資した場合のシミュレーション

XLFに投資すると、どれくらいのリターンが得られるのか気になりますよね。ここでは、過去の実績をもとに、いくつかの投資シナリオをシミュレーションしてみます(配当再投資込み、2025年3月株価51.13ドル)。

シナリオ1: 10万円投資(約730ドル)

  • 5年後(年平均13%成長): 約19万円(1,389ドル)
  • 10年後: 約37万円(2,704ドル)

シナリオ2: 100万円投資(約7,300ドル)

  • 5年後: 約190万円(13,890ドル)
  • 10年後: 約370万円(27,040ドル)

シナリオ3: 500万円投資(約36,500ドル)

  • 5年後: 約950万円(69,450ドル)
  • 10年後: 約1,850万円(135,200ドル)

過去10年の平均リターン(13%)をベースに計算すると、こんな感じになります。10万円でも10年で3倍以上に育つのは魅力的ですね。ただ、これはあくまで平均値。実際は年によって大きく上下するので、保守的に見るなら年6~7%で計算するのもありです。

投資額期間年6%成長年13%成長
10万円5年13.4万円19万円
10万円10年18万円37万円
100万円5年134万円190万円
100万円10年180万円370万円

このシミュレーションだと、長期で持つほど複利効果が効いてくるのがわかります。金融セクターは景気サイクルに左右されるので、途中で下落局面があっても我慢できる資金で投資するのがコツですね。

XLFの配当タイミングと直近の配当

XLFは配当も魅力の一つ。四半期ごとに支払われるので、定期的な収入源として期待できます。ここでは、配当のタイミングと直近の実績を見ていきます。

  • 配当タイミング: 年4回(3月、6月、9月、12月)
  • 直近配当: 2025年3月予定で0.206ドル(四半期ごと)

過去の配当実績を振り返ると:

  • 2024年12月: 0.206ドル
  • 2024年9月: 0.198ドル
  • 2024年6月: 0.195ドル
  • 2024年3月: 0.190ドル

年間配当は約0.80ドル(2024年実績)。株価51.13ドルでの利回りは約1.56%になります。金融セクターらしい控えめな利回りですが、成長性とのバランスが取れている感じですね。

配当は毎年少しずつ増えていて、設定来で見ても安定しています。金融企業は利益を株主に還元する傾向が強いので、今後もこのペースが続く可能性は高そうです。

XLFの配当金シミュレーション

XLFの配当を活用して収入を得たい場合、どれくらい投資すればいいのかシミュレーションしてみます(株価51.13ドル、年配当0.80ドル)。

XLFで月3万円を得るには?

  • 年間36万円必要(月3万円×12)
  • 必要株数: 約3,300株(36万円÷137円÷0.80ドル)
  • 投資額: 約1,690万円(3,300×51.13ドル×137円)

XLFで月5万円を得るには?

  • 年間60万円必要
  • 必要株数: 約5,500株(60万円÷137円÷0.80ドル)
  • 投資額: 約2,810万円(5,500×51.13ドル×137円)

XLFで配当金生活をするには?(月20万円)

  • 年間240万円必要
  • 必要株数: 約22,000株(240万円÷137円÷0.80ドル)
  • 投資額: 約1億1,240万円(22,000×51.13ドル×137円)

配当利回りが1.56%と低めなので、大きな収入を得るにはかなりの資金が必要です。現実的には、配当だけでなく値上がり益も狙う戦略が良さそうですね。

XLFに投資する際の注意点

XLFに投資する前に、いくつかのリスクや注意点を把握しておくのが大事です。

  1. 景気敏感性: 金融セクターは景気変動に弱く、リセッションで大きく下げるリスクあり。
  2. 金利依存: 利上げはプラスだが、急激な変動や低金利長期化はマイナス。
  3. 規制リスク: 金融機関への規制強化が業績を圧迫する可能性。
  4. 集中リスク: 上位銘柄(特に銀行)に依存する構成なので、そこが不調だと影響大。
  5. 為替リスク: 日本円で投資する場合、ドル円レートの変動も考慮が必要。

リスクを抑えるには、分散投資やタイミングの見極めがカギになります。

XLFとよく比較されるETFは?

ETF特徴経費率利回り
VFHバンガード金融ETF、幅広い銘柄0.10%1.8%
IYFiシェアーズ金融ETF0.40%1.5%
KBESPDR銀行ETF、銀行特化0.35%2.5%

VFHは銘柄数が多く分散性が高いですが、経費率が少し高め。KBEは銀行に特化していて利回りも魅力ですが、リスクも集中します。XLFはコストとバランスの良さが強みですね。

XLFと合わせてポートフォリオに加えたほうがいいETFは?

XLFのリスク分散のために、こんなETFを組み合わせるのがおすすめです。

  • XLK(テクノロジー): 成長性でカバー。
  • XLV(ヘルスケア): ディフェンシブ性で安定。
  • XLE(エネルギー): 景気サイクルを補完。

これで、景気変動への耐性が強まりそうです。

まとめ

XLFは金融セクターへの手軽な投資手段として、低コストと高い流動性が魅力。成長性と配当を両立しつつ、景気サイクルに敏感な特性を持っています。リスクを理解しつつ、他のETFと組み合わせれば、ポートフォリオの強力な一角になるでしょう。興味があれば、少額から始めてみるのもいいかもしれませんね。

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