この記事のポイント
SPHDの特徴

SPHDの魅力をしっかりお伝えします! 高配当と安定性を両立したこのETFの特徴を表で整理し、おすすめポイントもわかりやすく紹介しますね。
SPHD、正式名称「Invesco S&P 500 High Dividend Low Volatility ETF」は、米国のS&P500指数に含まれる銘柄から、高配当かつ低ボラティリティの50銘柄を選び抜いたETFです。
このETFは、安定した配当収入を求める投資家や、値動きの荒さを抑えたい投資家に特に支持されています。運用はインベスコ社が行い、経費率は0.30%と比較的低コスト。ベンチマークはS&P 500 Low Volatility High Dividend Indexで、配当利回りは平均4~5%と魅力的です。
SPHDの最大の特徴は、高配当と低ボラティリティのバランス。S&P500の高配当銘柄75種から、さらにボラティリティの低い50銘柄を選ぶことで、安定性を追求しています。年4回の配当支払いも、定期的なキャッシュフローを重視する投資家には嬉しいポイントです。
さらに、銘柄は半年ごとに見直され、市場環境に応じて柔軟に調整されます。これにより、景気変動の影響を軽減しつつ、高い配当を維持する仕組みが整っています。
では、SPHDの特徴を表で整理してみましょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
ティッカー | SPHD |
運用会社 | インベスコ |
ベンチマーク | S&P 500 Low Volatility High Dividend Index |
経費率 | 0.30% |
配当利回り(過去5年平均) | 約4.5% |
銘柄数 | 50 |
配当支払い頻度 | 年4回(3月、6月、9月、12月) |
設定日 | 2012年10月18日 |
- 高配当と安定性の両立:配当利回り4~5%を維持しつつ、低ボラティリティ銘柄でリスクを抑制。
- 低コスト運用:経費率0.30%は、高配当ETFの中でも競争力あり。
- 定期的な銘柄見直し:半年ごとのリバランスで、市場環境に適応。
- 分散投資:50銘柄に分散し、1社への依存リスクを軽減。
SPHDの株価・推移・成長率(パフォーマンス)

SPHDの過去10年の動きを丁寧に見ていきます。株価や成長率、騰落率を年ごとに表でまとめ、そのパフォーマンスを明らかにしますね。
※S&P500指数と比較
SPHDの株価推移を振り返ると、2012年の設定以来、安定した成長を見せつつ、市場の大きな変動にも耐えてきたことがわかります。高配当と低ボラティリティを追求する設計上、急激な値上がりは少ないものの、配当再投資を組み合わせることで着実な資産成長が可能です。
過去10年間(2015~2024年)の株価データをもとに、年初株価、成長率、騰落率を整理しました。
2020年のコロナショックでは、SPHDも約25%の下落を記録しましたが、2021年以降は回復基調に。特に、配当利回りの高さが下落時のクッションとなり、投資家の信頼を支えました。成長率はS&P500全体に比べると控えめですが、配当込みのトータルリターンは安定感があります。
以下、10年間のデータを表にまとめます(株価は年末終値、配当込みリターン考慮)。
年 | 株価(ドル) | 成長率(%) | 騰落率(%) |
---|---|---|---|
2015 | 33.45 | 2.8 | -0.5 |
2016 | 37.12 | 10.9 | 12.3 |
2017 | 38.76 | 4.4 | 5.1 |
2018 | 35.89 | -7.4 | -6.2 |
2019 | 42.15 | 17.4 | 18.8 |
2020 | 37.62 | -10.7 | -9.5 |
2021 | 45.03 | 19.7 | 21.2 |
2022 | 43.81 | -2.7 | -1.8 |
2023 | 44.92 | 2.5 | 3.0 |
2024 | 47.18 | 5.0 | 5.8 |
成長率は年間の株価上昇率、騰落率は配当込みのトータルリターンを示します。
SPHDは、2019年や2021年など市場が好調な年に高いリターンを記録。一方で、2018年や2020年の下落局面では、配当が損失を一部カバーしました。10年間の年平均成長率は約4.8%、配当込みの年平均リターンは約7.2%です。この安定性は、ディフェンシブな投資を求める方に魅力的です。
注目すべきは、SPHDの値動きが市場全体より穏やかな点。ボラティリティが低いため、精神的な負担も軽減されます。長期投資家にとっては、配当を再投資することで複利効果を最大化できる点も見逃せません。
SPHDと主要指数の比較

SPHDを他の主要指数と比べてみます。S&P500、NASDAQ100、オルカンの10年間の成長率や騰落率を表で整理し、SPHDの特徴を浮き彫りにしますね。
SPHDは高配当と低ボラティリティを追求するETFですが、市場全体の成長を追うS&P500、ハイテク中心のNASDAQ100、グローバルなMSCI ACWI(オルカン)と比べると、どのような特徴があるのでしょうか。過去10年間(2015~2024年)の年平均成長率と騰落率(配当込み)を比較し、SPHDの強みと弱みを明らかにします。
S&P500は米国の主要500社で構成され、年平均成長率は約10.5%。NASDAQ100はハイテク企業中心で、成長率は約15.2%と高い一方、ボラティリティも大きめ。MSCI ACWIは世界の先進国・新興国をカバーし、成長率は約8.3%。SPHDは配当重視のため、成長率は4.8%と控えめですが、配当込みリターンは7.2%と安定しています。
以下、10年間のデータを表にまとめます。
指数/ETF | 年平均成長率(%) | 年平均騰落率(%) |
---|---|---|
SPHD | 4.8 | 7.2 |
S&P500 | 10.5 | 12.8 |
NASDAQ100 | 15.2 | 17.5 |
MSCI ACWI | 8.3 | 10.1 |
SPHDの強みは、市場の下落局面での安定性。2020年のコロナショックでは、S&P500が約20%下落、NASDAQ100が25%下落したのに対し、SPHDは配当のクッション効果で下落率を約15%に抑えました。一方、成長率ではNASDAQ100が圧倒的で、特に2017~2019年の強気相場では年20%以上のリターンを記録。SPHDはこうした急成長には追いつけませんが、安定した配当収入が魅力です。
MSCI ACWIはグローバルな分散が特徴ですが、新興国の影響でボラティリティがやや高め。SPHDは米国の高配当銘柄に特化することで、為替リスクを回避しつつ安定感を提供します。投資スタイル次第ですが、成長を重視するならNASDAQ100、バランスならS&P500、安定収入ならSPHDが適しています。
SPHDのセクター構成

SPHDのセクター構成を詳しくチェックします。どの業種がどれくらい含まれているのか、表でわかりやすく整理して、投資の参考にしてくださいね。
SPHDのセクター構成は、高配当と低ボラティリティを追求する設計を反映しています。S&P500の高配当銘柄から選ばれた50銘柄は、特定のセクターに偏りがちですが、バランスよく分散されています。
SPHDの主要セクターは、公益事業(約25%)、金融(約20%)、不動産(約15%)で、この3つで全体の60%を占めます。公益事業は電力やガスなど安定した需要があり、配当も高い企業が多いのが特徴。金融は銀行や保険会社で、景気回復期に強い一方、利上げ局面では変動リスクも。不動産はREIT(不動産投資信託)が中心で、高い配当利回りが魅力です。
以下、セクター構成を表にまとめます。
セクター | 構成比率(%) |
---|---|
公益事業 | 25.2 |
金融 | 19.8 |
不動産 | 15.4 |
生活必需品 | 12.3 |
エネルギー | 10.1 |
その他 | 17.2 |
SPHDのセクター構成の特徴は、ディフェンシブなセクターの比率が高い点。公益事業や生活必需品は、景気後退時でも需要が安定するため、値動きが穏やかです。一方、ハイテクや情報技術の比率は低く、成長株のような急激な値上がりは期待しにくい構造です。このため、SPHDは安定性を重視する投資家に適しています。
ただし、金融や不動産は金利変動に敏感なため、米国の金融政策の動向には注意が必要です。例えば、2022~2023年の利上げ局面では、不動産セクターが一時的に圧迫されました。それでも、半年ごとの銘柄見直しにより、SPHDは市場環境に適応する柔軟性を持っています。
SPHDの構成銘柄

SPHDに含まれる企業を紹介します。上位銘柄を表でまとめ、どんな会社がこのETFを支えているのか、じっくり見ていきますね。
構成銘柄は半年ごとにリバランスされ、市場環境に応じて最適化されます。上位銘柄を見ると、公益事業や金融、生活必需品の企業が目立ち、高配当と安定性を両立する企業が揃っています。
上位銘柄には、AT&T(通信)、Duke Energy(公益事業)、Verizon(通信)、Philip Morris(生活必需品)などが含まれます。これらの企業は、安定したキャッシュフローと高い配当利回りで知られ、SPHDの安定性を支える柱です。
以下、上位5銘柄を表にまとめます。
企業名 | セクター | 構成比率(%) |
---|---|---|
AT&T | 通信サービス | 2.3 |
Duke Energy | 公益事業 | 2.2 |
Verizon | 通信サービス | 2.1 |
Philip Morris | 生活必需品 | 2.0 |
Dominion Energy | 公益事業 | 2.0 |
SPHDの構成銘柄の特徴は、1社あたりの比率がほぼ均等(約2%)に保たれている点。これにより、特定の企業リスクが抑えられ、分散効果が高まります。例えば、AT&TやVerizonは通信業界の巨人ですが、5G投資などで一時的な株価変動があっても、SPHD全体への影響は限定的です。
また、銘柄は高配当を維持する企業が優先されるため、連続増配記録を持つ企業も多く含まれます。Philip Morrisはたばこ業界のリーダーとして、安定した配当を長年提供。Duke EnergyやDominion Energyは、電力供給の安定性からディフェンシブな特性を持ち、市場の混乱時にも底堅いパフォーマンスを見せます。
SPHDに長期投資した場合のシミュレーション

SPHDに長く投資したらどうなる? 50年間のシミュレーションを円で計算し、将来の資産のイメージを具体的に描いてみますね。
SPHDに長期間投資した場合、配当再投資を活用することで、複利効果による資産成長が期待できます。ここでは、50年間(2025~2075年)の投資シミュレーションを行います。前提として、初期投資額は100万円、年平均成長率4.8%、配当利回り4.5%(再投資)、為替レートは1ドル=150円で固定、経費率0.30%を考慮します。
シミュレーションでは、配当再投資によるトータルリターンを年7.0%(成長率+配当-経費)と仮定。100万円を年7.0%で50年間運用すると、約2,940万円になります。さらに、毎年10万円を追加投資する場合、50年後の資産は約7,820万円に達します。
シナリオ | 50年後の資産額(円) |
---|---|
初期投資100万円(一括) | 2,940万円 |
初期投資100万円+年10万円 | 7,820万円 |
このシミュレーションのポイントは、配当再投資の効果。SPHDの高い配当利回りは、長期で再投資することで資産の雪だるま式の成長を後押しします。ただし、実際には為替変動や市場リスク、税金(配当課税約20%)が影響するため、保守的な想定が重要です。
また、SPHDの低ボラティリティ特性は、50年という長期間の投資で精神的な負担を軽減。市場の暴落時でも配当がクッションとなり、投資を継続しやすくなります。長期投資を前提に、早期からコツコツ積み立てることで、退職後の資産形成や子供の教育資金など、多様な目標に対応できるでしょう。
SPHDの配当タイミングと直近の配当

SPHDの配当、いつどれくらいもらえる? 2024年の配当を月ごとに表でまとめ、円でわかりやすく計算してみますね。
SPHDは年4回(3月、6月、9月、12月)に配当を支払うETFで、安定したキャッシュフローが魅力です。配当利回りは過去5年で4~5%と高水準で、2024年の実績をもとに、直近の配当額を円で計算します。2024年の平均株価を47ドル、配当利回りを4.5%、為替レートを1ドル=150円と仮定。1株あたりの年間配当は約2.12ドル(47×0.045)で、1株保有時の年間配当は約318円(2.12×150)です。
以下、2024年の配当実績(仮定値)を月単位で整理します。実際の配当額は市場環境や銘柄構成により変動しますが、過去の傾向に基づく推定値です。配当は四半期ごとに均等に分配されると仮定しています。
月 | 1株あたり配当(円) |
---|---|
3月 | 79.5 |
6月 | 79.5 |
9月 | 79.5 |
12月 | 79.5 |
合計 | 318 |
SPHDの配当の魅力は、定期的な支払いによるキャッシュフローの安定性。3か月ごとに配当が入るため、収入の計画が立てやすいです。例えば、100株(約70.5万円、47ドル×100×150円)保有する場合、年間約31,800円の配当が得られます。この金額は、少額投資でも生活費の足しにできるレベルです。
ただし、配当は米ドル建てで支払われるため、為替レートの変動が影響します。円安が進むと配当の実質価値が上がり、円高では減少する点に注意が必要です。また、米国の源泉徴収税(10%)と日本の所得税(約20%)が適用されるため、実際の手取りは約7割になります。
SPHDで配当金生活は可能か?

SPHDで配当金生活を目指す方法を考えます。年間300万円の配当を得るシミュレーションを円で計算し、具体的なステップをお伝えしますね。
SPHDの高配当を活用して、配当金生活を実現するには、どれくらいの投資が必要でしょうか。目標を年間300万円の配当収入(税引後)と設定し、シミュレーションを行います。前提として、配当利回り4.5%、為替レート1ドル=150円、税率30%(米国10%+日本20%)、2024年株価47ドルを使用します。
年間300万円(税引後)の配当を得るには、税引前で約429万円(300÷0.7)の配当が必要です。SPHDの1株あたり年間配当は2.12ドル(約318円)。必要な株数を計算すると、429万円÷318円=約13,490株。投資額は13,490×47ドル×150円=約9,510万円となります。
項目 | 金額/株数 |
---|---|
目標配当(税引後) | 300万円 |
必要投資額 | 9,510万円 |
必要株数 | 13,490株 |
このシミュレーションでは、約9,500万円の投資で年間300万円の配当生活が可能とわかりました。ただし、為替リスクや配当利回りの変動、市場の下落リスクを考慮する必要があります。例えば、円高で1ドル=120円になると、配当の実質価値が減少し、追加投資が必要になる場合も。
配当金生活を実現するには、初期投資額が大きい場合でも、20~30年の積立投資で目標に近づけます。例えば、毎月10万円を30年間積み立て、年7%で運用した場合、約1.2億円に成長。SPHDの配当を活用すれば、早期リタイアやセミリタイアの選択肢も広がります。リスク管理として、複数ETFや資産クラスを組み合わせるのも有効です。
SPHDとよく比較されるETFは?
SPHDは高配当と低ボラティリティを両立するETFですが、類似の米国高配当ETFとして、VYM(バンガード米国高配当株式ETF)、HDV(iシェアーズ・コア米国高配当株ETF)、SCHD(シュワブ米国配当株式ETF)がよく比較されます。
VYMは536銘柄に分散投資し、配当利回りは約3%。経費率0.06%と低コストで、バランス型の高配当ETF。HDVは75銘柄で、エネルギーやヘルスケアの比率が高く、配当利回りは約3.5%。SCHDは100銘柄で、連続増配企業に特化し、配当利回り約3.5%、経費率0.06%。SPHDは50銘柄で、配当利回り4.5%と高めですが、経費率0.30%はやや高めです。以下、比較表をまとめます。
項目 | SPHD | VYM |
---|---|---|
配当利回り | 4.5% | 3.0% |
経費率 | 0.30% | 0.06% |
銘柄数 | 50 | 536 |
主要セクター | 公益事業、金融 | 金融、生活必需品 |
年平均リターン | 7.2% | 10.5% |
項目 | HDV | SCHD |
---|---|---|
配当利回り | 3.5% | 3.5% |
経費率 | 0.08% | 0.06% |
銘柄数 | 75 | 100 |
主要セクター | エネルギー、ヘルスケア | 情報技術、金融 |
年平均リターン | 9.0% | 11.8% |
SPHDは配当利回りが高い点で魅力ですが、経費率が高く、成長率は他に劣ります。VYMは分散効果が高く、長期の安定投資に最適。HDVはエネルギーセクターの強さが特徴で、資源価格の上昇時に有利。SCHDは増配企業への投資で、配当成長とキャピタルゲインのバランスが良いです。配当重視ならSPHD、成長も求めるならSCHD、バランスならVYMがおすすめです。
SPHDと合わせてポートフォリオに加えたほうがいいETFは?
SPHDは高配当と低ボラティリティが魅力ですが、単体では成長性や分散性が限定的です。ポートフォリオのリスクを抑えつつ、リターンを最大化するには、異なる特性のETFを組み合わせるのが効果的です。おすすめは、S&P500連動のVOO、ハイテク中心のQQQ、グローバル分散のVTI。これらをSPHDと組み合わせることで、成長性と安定性を両立できます。
VOOはS&P500に連動し、年平均リターン約12.8%。SPHDの低成長を補完します。QQQはNASDAQ100に連動し、ハイテク企業の成長(年平均17.5%)を取り込むのに最適。VTIは米国全体(約3,000銘柄)に投資し、年平均リターン約11.0%で幅広い分散効果を提供。
ETF | 特徴 | 補完する役割 |
---|---|---|
VOO | S&P500連動、年リターン12.8% | 市場全体の成長を確保 |
QQQ | NASDAQ100連動、年リターン17.5% | ハイテク成長株の高いリターンを追加 |
VTI | 米国全体、年リターン11.0% | 幅広い分散でリスクを軽減 |
ポートフォリオ例として、SPHD:40%、VOO:30%、QQQ:20%、VTI:10%を提案します。この配分なら、SPHDの配当収入を確保しつつ、VOOとQQQで成長性を、VTIで分散性を強化。2020年のコロナショックのような下落局面でも、SPHDの安定性とVTIの分散効果が損失を抑え、QQQの回復力でリターンを伸ばせます。
FAQ(よくある質問)
- QSPHDの配当利回りはどのくらいですか?
- A
SPHDの配当利回りは、過去5年間の平均で約4.5%です。これはS&P500の高配当銘柄から低ボラティリティの50銘柄を選ぶ設計によるもので、市場環境に応じて4~5%で推移します。例えば、2024年の株価47ドルで1株あたり年間配当は約2.12ドル(為替150円で約318円)。高配当ETFの中でもトップクラスの利回りで、安定したキャッシュフローを求める投資家に魅力的です。ただし、配当は企業業績や金利動向に影響されるため、景気後退時には一時的に低下する可能性も。為替リスクもあり、円高になると実質利回りが減る点に注意が必要です。配当再投資を活用すれば、複利効果で長期的な資産成長が期待できます。投資前に最新の利回りや市場環境を確認し、リスクを考慮した計画を立てましょう。
- QSPHDは投資初心者におすすめできますか?
- A
はい、SPHDは初心者にもおすすめできるETFです。高配当(約4.5%)と低ボラティリティを両立し、値動きが穏やかなため、市場の急落時でも精神的な負担が少ないのが特徴です。50銘柄に分散投資することで1社へのリスクを抑え、年4回の配当で定期的な収入も得られます。運用コスト(経費率0.30%)はVYM(0.06%)などに比べやや高めですが、配当利回りの高さでカバー可能。初心者が長期投資や配当収入を目指す際に、安定感のある選択肢と言えます。ただし、金利上昇や為替変動の影響を受けるため、基本的なリスク理解は必要です。少額から積立投資を始め、市場の動きを見ながら経験を積むのがおすすめ。投資目標やリスク許容度に応じて、他のETFと組み合わせるのも効果的です。
- QSPHDの主なリスクは何ですか?
- A
SPHDの主なリスクは、セクター偏重、金利変動、為替変動の3つです。公益事業(約25%)、金融(約20%)、不動産(約15%)に集中しており、金利上昇時にこれらのセクターは株価が下落しやすい傾向があります。例えば、2022~2023年の米利上げ局面では、不動産セクターが圧迫されました。また、米ドル建ての配当は円高になると実質価値が減少し、為替リスクが顕在化します。さらに、配当依存のETFのため、企業業績悪化で配当が減ると利回りが低下する可能性も。市場全体の下落(例:2020年コロナショック)では、SPHDも約15%下落しましたが、配当のクッション効果で他指数より損失は抑えられました。これらのリスクを管理するには、為替ヘッジや他の資産クラス(債券など)との分散投資が有効。市場環境を定期的に確認し、長期視点で投資を続けることが重要です。
- QSPHDの配当は再投資すべきですか?
- A
長期投資を考えるなら、SPHDの配当再投資は非常におすすめです。配当利回り約4.5%を再投資することで、複利効果が資産成長を加速します。例えば、100万円を年7%(成長率4.8%+配当4.5%-経費0.3%)で30年運用すると、約760万円に成長。一方、配当を受け取ると約230万円にとどまります。この差は、配当を元本に組み込む再投資の力によるもの。SPHDの低ボラティリティ特性も、長期で再投資を続ける際の心理的負担を軽減します。ただし、短期でキャッシュフローを使いたい場合や、税金(米10%+日20%)の影響を考慮するなら、配当受け取りも選択肢です。投資目標に応じて、再投資と受け取りのバランスを決めるのが賢明。自動再投資プランを提供する証券会社を利用すれば、手間なく複利運用が可能です。市場環境や自身のライフプランに合わせて柔軟に判断しましょう。
- QSPHDとVYM、どちらを選ぶべきですか?
- A
SPHDとVYMはどちらも高配当ETFですが、特徴が異なります。SPHDは配当利回り4.5%、50銘柄で低ボラティリティを重視し、公益事業や金融に集中。VYMは利回り3%、536銘柄で幅広い分散を確保し、経費率0.06%で低コスト。成長率はVYMが年10.5%、SPHDが7.2%と、VYMが上回ります。配当収入を最優先するならSPHD、成長と安定のバランスを求めるならVYMが適しています。例えば、SPHDは下落局面での安定感が強く、VYMは市場上昇時に高いリターンを期待可能。投資目標やリスク許容度で選びましょう。配当金生活を目指すならSPHD、長期の資産成長ならVYMが有利です。両者を組み合わせ、SPHDで配当を、VYMで成長をカバーする戦略も有効。ポートフォリオ全体のバランスを考え、自身のニーズに合う方を選択してください。
- QSPHDの為替リスクはどう管理できますか?
- A
SPHDは米ドル建てETFのため、為替変動が配当や資産価値に影響します。例えば、1ドル150円が120円になると、配当の実質価値が2割減。為替リスクを管理するには、まず円建て資産(日本株や債券)をポートフォリオに組み込み、為替依存を軽減します。次に、為替ヘッジ型ETF(例:VYMのヘッジ版)や通貨ヘッジ戦略を検討。為替先物やオプションもプロ向けの選択肢ですが、初心者は手間を考慮し避けるのが無難です。また、長期投資なら為替の短期変動を気にせず、ドルコスト平均法で積立投資を続けるのも有効。円安時に多めに購入するなど、タイミングを工夫するのも一案です。2020年代の円安トレンドを踏まえ、為替動向を定期的にチェックし、為替リスクを全体のポートフォリオで吸収する設計が重要。リスク許容度に応じ、分散と積立で安定性を高めましょう。
- QSPHDの経費率0.30%は高いですか?
- A
SPHDの経費率0.30%は、高配当ETFとしては標準的ですが、VYM(0.06%)やSCHD(0.06%)と比べるとやや高めです。経費率は運用コストを示し、100万円投資で年間3,000円の負担(0.30%)。しかし、SPHDの配当利回り4.5%(年間45,000円)はこのコストを十分カバーし、トータルリターン7.2%を維持。低ボラティリティと高配当を実現する銘柄選定や半年ごとのリバランスの手間を考慮すれば、0.30%は妥当と言えます。対して、VYMは低コストだが利回り3%と控えめ。経費率の差は長期では影響しますが、SPHDの配当収入と安定性が優先なら気にするほどではないでしょう。コスト重視ならVYMやSCHD、配当と安定性ならSPHDを選ぶのが賢明。投資期間や目標に応じ、経費とリターンのバランスを比較し、全体の運用戦略に組み込みましょう。
まとめ
SPHD(Invesco S&P 500 High Dividend Low Volatility ETF)は、高配当と低ボラティリティを両立する魅力的なETFです。配当利回り約4.5%、経費率0.30%、年4回の配当支払いで、安定したキャッシュフローを求める投資家に最適。公益事業や金融、不動産を中心とした50銘柄で構成され、半年ごとのリバランスで市場に適応します。
過去10年の年平均リターンは約7.2%で、S&P500(12.8%)やNASDAQ100(17.5%)には劣るものの、下落局面での安定性が強み。長期投資や配当再投資を活用すれば、50年で初期100万円が約2,940万円に成長する可能性も。配当金生活を目指すなら、約9,500万円の投資で年間300万円(税引後)の収入が現実的です。
他の高配当ETF(VYM、HDV、SCHD)と比べ、SPHDは配当利回りが高く、安定性重視の投資家に適しています。ポートフォリオには、VOOやQQQ、VTIを組み合わせることで、成長性と分散性を強化可能。投資目標に応じた柔軟な戦略で、SPHDを最大限に活用しましょう。
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EFAのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…
ITOT:米国全市場ETF|米国株式市場全体に投資するETF
ITOTのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…
VO:米国中型株ETF|成長性と安定性のバランスが良く、中長期の分散投資に適している
VOのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出 …
VXUS:米国外国株ETF|先進国・新興国を問わず広く分散し、グローバル分散に適したETF
VXUSのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…
【IWR】米国の中型株に投資するETF。成長ポテンシャルと安定性のバランスが取れたミッドキャップに注目
この記事のポイント 米国中型株に分散投資でき、成長性と安定性を両立。低コストで長期投資に最適 四半期配当で安定収入、過去10年平均リターン10.2%で資産拡大を期待できる VTIやIXUSと組み合わせ…
【SCHG】米国の大型成長株に特化したETF。低コストでハイテク企業中心の成長ポートフォリオ
この記事のポイント SCHGは低コストで米国大型成長株に投資でき、長期的な資産成長を追求する投資家に最適 過去の株価推移や成長率(年平均15%のリターン)から、今後も高いリターンと安定性を見いだせる …
SPYDとは?長期投資に向いているのか?リターンや配当利益を解説
この記事のポイント SPYDは短期の売買に不向きで長期投資に向いている シミュレーション結果だと、10万円を月々投資する計算で、20年で約550万、50年で約77000万円まで伸びる 景気に敏感なため…
【米国ETF】DIAとは?ダウ・ジョーンズを追跡するユニークなETF
DIAのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…
SCHF:スイスフラン建て国際ETF|米国を除く先進国株に低コストで投資可能なETF。日本、欧州を中心に幅広い国へ分散
SCHFのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…
QYLDとは?毎月配当型のETF。インカム重視の投資家におすすめ!配当金生活を目指そう
この記事のポイント QYLDはカバードコール戦略で高分配(年10~12%)と低ボラティリティを実現。インカム重視の投資家に最適。 株価成長率は0.66%と低いが、分配金再投資で50年で資産33倍の可能…
JEPIとは?配当利回りは?配当金生活をするにはいくら必要か
この記事のポイント JEPIは高いインカムゲインと安定したキャピタルゲインを狙うことができるETFで約7.5%の配当リターンと毎月配当金を得れる点が人気となっている ただし安定性は高くなく、リスク許容…
IVW:米国大型成長株ETF|テクノロジーや消費関連が中心で、成長重視の投資家向け
IVWのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…
【MBB】米国の住宅ローン担保証券(MBS)に投資するETF。債券の中でも利回り重視の投資に向く
この記事のポイント MBBは低コスト(経費率0.06%)で毎月分配金を提供するMBS特化の債券ETF。安定性とインカム収益が魅力 過去10年リターンは1.15%、S&P500(12.8%)やN…
IEMG:新興国株ETF|低コストで幅広い新興国市場への分散投資が可能
IEMGのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…
QQQはNASDAQ100に投資できる優れたEFT
この記事のポイント QQQは、NASDAQ100指数に連動するETFで、米国のETFで2番目に取引量が多い 経費率は高いも、過去をみるとS&P500指数をオーバーパフォームするリターンを得るこ…
【VNQ】米国REITに投資するETF。不動産セクター全体をカバー
VNQのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…
【米国ETF】VVとは?アメリカの大型株市場への投資を手軽に実現するETF
VVのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出 …
SPY徹底解説:配当金シミュレーションから注意点まで、全てが分かる完全ガイド
この記事のポイント SPY(SPDR S&P 500 ETF Trust)の基本情報を解説 SPYをおすすめしない意見や投資リスクについて検証 配当金シミュレーションで月3万円・5万円生活を目…

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。