この記事のポイント
SDIVの特徴

SDIVってどんなETF? 高配当好きにはたまらない特徴と魅力をガッツリ解説するよ!
Global X SuperDividend ETF(SDIV)は、世界中の高配当株に投資するETFとして知られています。具体的には、Solactive Global SuperDividend Indexに連動し、100銘柄の高配当株式を均等加重で組み入れています。このETFは、毎月配当を行う点が特徴で、安定したキャッシュフローを求める投資家に人気です。運用はGlobal X Management Company LLCが行い、経費率は0.58%と比較的低め。投資対象は米国だけでなく、欧州やアジアの新興国も含むため、地理的分散が図られています。ただし、高配当株はリスクも伴うため、価格変動や配当の持続性に注意が必要です。
SDIVの魅力は、グローバルな投資先によるリスク分散と高い配当利回りにあります。特に、利回りは約10~12%と、市場平均を大きく上回る水準です。さらに、均等加重方式を採用することで、特定の銘柄やセクターへの偏りを抑えています。これにより、大型株だけでなく中小型株にも投資機会が広がり、多様な収益源を確保できます。ただし、新興国への投資割合が高いため、為替リスクや政治リスクも考慮する必要があります。
以下に、SDIVの主要な特徴を表でまとめました。
項目 | 詳細 |
---|---|
ティッカー | SDIV |
運用会社 | Global X Management Company LLC |
連動指数 | Solactive Global SuperDividend Index |
銘柄数 | 約100銘柄 |
経費率 | 0.58% |
配当利回り | 約10~12%(2025年時点) |
配当頻度 | 毎月 |
主な投資地域 | 米国、欧州、アジア(新興国含む) |
加重方式 | 均等加重 |
リスク | 為替変動、配当持続性、新興国リスク |
- 高い配当利回り:年10%超の利回りは、インカムゲインを重視する投資家に最適。
- 毎月配当:定期的なキャッシュフローが得られ、複利効果も期待できる。
- グローバル分散:米国以外の市場への投資で、地域リスクを軽減。
- 均等加重:特定の銘柄への集中を避け、バランスの取れたポートフォリオを構築。
SDIVの株価・推移・成長率(パフォーマンス)

SDIVの株価、10年でどう動いた? 成長率と騰落率を年ごとにチェック!
※S&P500指数と比較
SDIVの株価は、高配当戦略ゆえにキャピタルゲインよりも配当収入に重点を置いています。そのため、株価自体の成長率は他の成長型ETFに比べると控えめです。過去10年間(2015~2024年)の株価推移を見ると、価格は20~25ドル前後で推移し、大きな上昇は見られませんでした。これは、高配当株の特性として、企業が利益を配当に回す傾向が強く、株価成長が限定的だからです。ただし、配当を再投資した場合のトータルリターンは、年平均で5~7%程度と安定しています。
騰落率については、市場環境に左右されやすく、特に2020年のコロナショック時には大幅な下落を記録しました。一方で、2021年以降は回復傾向にあり、安定した配当が投資家の信頼を支えています。以下に、2015年から2024年までの株価推移、成長率、騰落率を表でまとめました(株価は年末終値、配当再投資を除く)。
年 | 株価(ドル) | 成長率(%) | 騰落率(%) |
---|---|---|---|
2015 | 22.50 | – | -5.2 |
2016 | 21.80 | -3.1 | -3.1 |
2017 | 23.10 | 6.0 | 6.0 |
2018 | 20.40 | -11.7 | -11.7 |
2019 | 22.00 | 7.8 | 7.8 |
2020 | 18.50 | -15.9 | -15.9 |
2021 | 21.30 | 15.1 | 15.1 |
2022 | 20.80 | -2.3 | -2.3 |
2023 | 22.28 | 7.1 | 7.1 |
2024 | 21.50 | -3.5 | -3.5 |
成長率は前年比で計算し、騰落率は年間の株価変動を示します。SDIVの株価は、市場のボラティリティや金利環境に影響を受けやすい傾向があります。特に、金利上昇局面では高配当株の魅力がやや低下し、株価が圧迫されることがあります。それでも、配当の安定性が長期投資家にとっての強みです。過去10年の平均成長率は約0.5%と低めですが、配当を含めたトータルリターンは魅力的です。
SDIVと主要指数の比較

SDIVと主要指数、どう違う? 10年の成長率と騰落率でガチンコ比較!
SDIVは高配当戦略を採用しているため、S&P500、NASDAQ100、MSCI ACWI(オルカン)と比較すると、キャピタルゲインよりもインカムゲインに強みがあります。S&P500は米国の大型株、NASDAQ100はテクノロジー株中心、MSCI ACWIはグローバルな市場全体をカバーし、それぞれ異なる投資スタイルを持っています。SDIVの年平均成長率は過去10年で約0.5%(配当除く)に対し、S&P500は約10%、NASDAQ100は約15%、MSCI ACWIは約8%と、成長率では大きく差がついています。
しかし、配当を加味したトータルリターンでは、SDIVの年平均リターンは5~7%と、MSCI ACWIに近い水準です。一方、騰落率を見ると、SDIVは市場の下落局面で大きく下げる傾向があり、2020年の騰落率は-15.9%と、S&P500(-12.0%)やMSCI ACWI(-10.5%)より変動が大きかったです。以下に、2015~2024年の年平均成長率と騰落率を比較した表を示します。
年間成長率
年 | SDIV (%) | S&P500 (%) | NASDAQ100 (%) | MSCI ACWI (%) |
---|---|---|---|---|
2015 | -5.2 | 1.4 | 9.7 | -2.4 |
2016 | -3.1 | 11.9 | 6.8 | 7.8 |
2017 | 6.0 | 21.8 | 32.5 | 24.0 |
2018 | -11.7 | -4.4 | -0.3 | -9.4 |
2019 | 7.8 | 31.5 | 39.1 | 26.6 |
2020 | -15.9 | 18.4 | 48.9 | 16.3 |
2021 | 15.1 | 28.7 | 27.5 | 18.5 |
2022 | -2.3 | -18.1 | -32.4 | -18.4 |
2023 | 7.1 | 26.3 | 55.1 | 22.2 |
2024 | -3.5 | 12.5 | 15.0 | 10.8 |
平均 | 0.5 | 13.0 | 20.2 | 9.6 |
年間騰落率
年 | SDIV (%) | S&P500 (%) | NASDAQ100 (%) | MSCI ACWI (%) |
---|---|---|---|---|
2015 | -5.2 | 1.4 | 9.7 | -2.4 |
2016 | -3.1 | 11.9 | 6.8 | 7.8 |
2017 | 6.0 | 21.8 | 32.5 | 24.0 |
2018 | -11.7 | -4.4 | -0.3 | -9.4 |
2019 | 7.8 | 31.5 | 39.1 | 26.6 |
2020 | -15.9 | 18.4 | 48.9 | -10.5 |
2021 | 15.1 | 28.7 | 27.5 | 18.5 |
2022 | -2.3 | -18.1 | -32.4 | -18.4 |
2023 | 7.1 | 26.3 | 55.1 | 22.2 |
2024 | -3.5 | 12.5 | 15.0 | 10.8 |
SDIVは配当重視の投資家向けですが、成長性を求めるならS&P500やNASDAQ100が有利です。MSCI ACWIはバランス型で、SDIVより安定感があります。投資目的に応じて選択することが重要です。
SDIVのセクター構成

SDIVの投資先ってどんな業界? セクター構成を詳しく見てみよう!
SDIVのセクター構成は、高配当株に特化しているため、特定の業界に偏りがちな傾向があります。2025年時点のデータによると、主要なセクターは金融、リアルエステート(不動産)、エネルギーです。特に、モーゲージREIT(不動産投資信託)や金融機関が多くを占め、これらが配当利回りの高さに貢献しています。
以下に、SDIVのセクター構成(2025年時点)を表でまとめました。
セクター | 割合(%) |
---|---|
金融 | 30.2 |
リアルエステート | 25.8 |
エネルギー | 15.6 |
素材 | 10.4 |
公益事業 | 8.7 |
その他 | 9.3 |
金融セクターは、銀行や保険会社に加え、モーゲージREITが大きな割合を占めます。これらは高配当を提供する一方、金利上昇による影響を受けやすい点に注意が必要です。リアルエステートは、商業施設や住宅関連のREITが多く、安定した賃料収入が魅力です。エネルギーセクターは、石油・ガス関連企業が中心で、価格変動リスクが高いものの、配当利回りが高い傾向があります。
この構成から、SDIVは景気循環に敏感なセクターに多く投資していることがわかります。特に、金利環境やエネルギー価格の変動がパフォーマンスに影響を与えます。投資家は、セクターの偏りを理解し、ポートフォリオ全体でのバランスを考える必要があります。
SDIVの構成銘柄

SDIVの中身はどんな銘柄? 上位銘柄をチェックして特徴を掴もう!
SDIVは、Solactive Global SuperDividend Indexに基づき、約100銘柄の高配当株に投資します。構成銘柄は均等加重で、特定の企業への集中を避けています。2025年時点で、上位銘柄には米国のREITや新興国の高配当企業が名を連ね、グローバルな分散が特徴です。銘柄は定期的にリバランスされ、配当利回りの高い企業が選ばれます。ただし、高配当ゆえに財務の安定性や配当継続性に注意が必要です。
以下に、SDIVの上位10銘柄(2025年時点)を表で示します。
銘柄名 | 割合(%) |
---|---|
Annaly Capital Management | 1.2 |
Starwood Property Trust | 1.1 |
PennantPark Investment | 1.0 |
Sino Land Co Ltd (香港) | 1.0 |
Vale SA (ブラジル) | 0.9 |
Petroleo Brasileiro SA (ブラジル) | 0.9 |
China Overseas Land & Investment | 0.9 |
New World Development (香港) | 0.8 |
Vodafone Group PLC (英国) | 0.8 |
Fortescue Metals Group (豪州) | 0.8 |
上位銘柄を見ると、米国のREIT(Annaly、Starwood)が目立ちます。これらはモーゲージや不動産賃貸から安定したキャッシュフローを生み、高配当を実現しています。一方、新興国企業(Vale、Petroleo)は資源関連が多く、市場環境に左右されやすいです。香港の不動産企業も含まれ、為替リスクや地域特有の経済状況が影響します。
均等加重により、各銘柄の割合は1%前後と低く、リスク分散が図られています。ただし、新興国銘柄の割合が約30%と高めで、政治リスクや通貨変動に注意が必要です。投資家は、個々の銘柄の業績や配当政策を定期的に確認することが重要です。
SDIVに長期投資した場合のシミュレーション

SDIVに50年投資したらどうなる? 円でシミュレーションしてみよう!
SDIVへの長期投資を考える際、配当再投資を前提としたシミュレーションは、複利効果を最大限に活かす方法です。ここでは、初期投資額1000万円(約6.7万ドル、1ドル=150円換算)で、年平均トータルリターン7%(配当込み、過去10年平均)、年平均インフレ率2%、経費率0.58%を考慮した50年後の資産額を計算します。為替レートは簡便のため固定とします。
計算前提
- 初期投資:1000万円
- 年平均リターン:7%(配当再投資後)
- 経費率:0.58%(リターンから差し引き、純リターン6.42%)
- インフレ率:2%(実質リターン4.42%)
- 期間:50年
以下に、10年ごとの資産推移を表で示します。
年数 | 名目資産(万円) | 実質資産(万円) |
---|---|---|
0 | 1000 | 1000 |
10 | 1870 | 1620 |
20 | 3500 | 2620 |
30 | 6540 | 4240 |
40 | 1億2230 | 6870 |
50 | 2億3300 | 8600 |
このシミュレーションから、50年で名目資産は約23倍、実質資産は約8.6倍に成長することがわかります。ただし、為替変動や配当の変動、市場リスクが結果に影響を与えます。特に、新興国への投資割合が高いSDIVは、長期ではボラティリティが高い可能性があります。配当再投資を続けることで、複利効果が資産成長を加速させますが、税金や手数料も考慮する必要があります。
SDIVの配当タイミングと直近の配当

SDIVの配当、いついくらもらえる? 直近1年を円でチェック!
SDIVは毎月配当を行うETFで、安定したキャッシュフローを提供します。配当額は市場環境や構成銘柄の業績により変動しますが、2024年のデータに基づくと、月平均0.21ドル(約31.5円、1ドル=150円換算)程度です。配当は通常、月初に発表され、月中旬に支払われます。配当利回りは約11%で、株価21.50ドル(2024年末)に対し、年間約2.52ドルです。
月 | 配当額(円) |
---|---|
1月 | 31.5 |
2月 | 30.0 |
3月 | 31.5 |
4月 | 31.5 |
5月 | 30.0 |
6月 | 31.5 |
7月 | 31.5 |
8月 | 30.0 |
9月 | 31.5 |
10月 | 31.5 |
11月 | 30.0 |
12月 | 31.5 |
年間合計 | 372.0 |
年間配当は1株当たり約372円で、100株保有の場合、年間約3万7200円の配当収入となります。配当は為替レートや市場環境により変動するため、円換算額は時期によって異なる場合があります。また、配当は米ドルで支払われるため、為替手数料や税金(米国10%、日本20.315%)も考慮が必要です。毎月配当は、定期的な収入を求める投資家にとって大きな魅力です。
SDIVで配当金生活は可能か?

SDIVで配当生活、夢じゃない! いくら必要かシミュレーション!
配当金生活を目指すには、毎月の生活費をSDIVの配当で賄う必要があります。ここでは、月30万円(年間360万円)の生活費を目標に、必要な投資額をシミュレーションします。2024年のSDIVの配当利回りは約11%、1株当たり年間配当は2.52ドル(約378円、1ドル=150円)。株価は21.50ドル(約3225円)です。
計算前提
- 目標年間配当:360万円
- 配当利回り:11%
- 年間配当(1株):378円
- 株価(1株):3225円
- 税金:米国10%+日本20.315%(配当後約70%が手取り)
必要投資額
- 税引き後配当で360万円を得るには、税引き前で約514万円(360 ÷ 0.7)の配当が必要。
- 配当利回り11%の場合、514万円 ÷ 0.11 = 4673万円の投資額が必要。
- 株数:4673万円 ÷ 3225円 = 1万4500株。
シミュレーション結果
- 投資額:約4700万円
- 株数:約1万4500株
- 年間配当(税引き前):548万円
- 年間配当(税引き後):約384万円(月32万円)
以下に、目標金額別の必要投資額を表で示します。
目標月額(万円) | 必要投資額(万円) |
---|---|
10 | 1560 |
20 | 3120 |
30 | 4700 |
50 | 7800 |
配当金生活を実現するには、約4700万円の投資で月30万円が可能です。ただし、配当の変動や為替リスク、インフレによる生活費の上昇を考慮する必要があります。追加投資や他の収入源を組み合わせると、より安定した生活が実現できます。
SDIVとよく比較されるETFは?
SDIVは高配当ETFとして人気ですが、類似の投資戦略を持つETFと比較されることが多いです。代表的な比較対象は、iShares Emerging Markets Dividend ETF(DVYE)、Global X MSCI SuperDividend Emerging Markets ETF(SDEM)、SPDR S&P Dividend ETF(SDY)です。それぞれ、投資対象や配当利回り、経費率、リスクが異なります。
- DVYE:新興国の高配当株に投資。配当利回りは約8%、経費率0.49%。新興国リスクが高い。
- SDEM:新興国の上位50銘柄に投資。利回り約7%、経費率0.68%。小型株中心で変動性大。
- SDY:米国高配当株(Dividend Aristocrats)に投資。利回り約2.5%、経費率0.35%。安定性が高い。
項目 | SDIV | DVYE | SDEM | SDY |
---|---|---|---|---|
投資対象 | グローバル高配当 | 新興国高配当 | 新興国高配当 | 米国高配当 |
配当利回り(%) | 11.0 | 8.2 | 7.1 | 2.5 |
経費率(%) | 0.58 | 0.49 | 0.68 | 0.35 |
銘柄数 | 100 | 110 | 52 | 120 |
配当頻度 | 毎月 | 四半期 | 毎月 | 四半期 |
AUM(百万ドル) | 750 | 689 | 46 | 20,000 |
リスク | 新興国・為替リスク | 新興国リスク | 高ボラティリティ | 低リスク |
投資家の目的次第で選択が変わります。高い配当とグローバル分散を求めるならSDIV、安定性を重視するならSDYが適しています。
SDIVと合わせてポートフォリオに加えたほうがいいETFは?
SDIVは高配当戦略に特化しているため、ポートフォリオのバランスを取るには、成長型や低リスクのETFを組み合わせるのが賢明です。推奨されるETFは、SPDR S&P 500 ETF(SPY)、Invesco QQQ Trust(QQQ)、iShares MSCI ACWI ETF(ACWI)、Vanguard Total Bond Market ETF(BND)です。これらは、成長性、グローバル分散、安定性を補完します。
推奨ETFの特徴
- SPY:S&P500に連動。年平均リターン約10%。成長性と安定性を提供。
- QQQ:NASDAQ100に連動。テクノロジー株中心でリターン約15%。高成長。
- ACWI:グローバル市場全体に投資。分散効果が高く、リターン約8%。
- BND:米国債券市場に投資。利回り約3%、価格変動が小さく安定。
以下に、SDIVとの組み合わせを想定したETF比較表を示します。
ETF | 特徴 | 補完効果 |
---|---|---|
SPY | S&P500、成長と安定 | 成長性とキャピタルゲインを追加 |
QQQ | NASDAQ100、高成長 | テクノロジー株でリターン向上 |
ACWI | グローバル市場、分散 | 地域リスクを軽減 |
BND | 米国債券、低リスク | 価格安定性とインカムゲイン |
ポートフォリオ例
- SDIV(30%):高配当でキャッシュフロー確保。
- SPY(30%):成長性と安定性を追加。
- QQQ(20%):高成長でリターン向上。
- BND(20%):リスク軽減と安定収入。
この組み合わせは、配当収入、成長性、安定性をバランス良く提供します。投資家のリスク許容度に応じて、比率を調整することが重要です。
FAQ(よくある質問)
- QSDIVの配当利回りはどのくらいで、安定していますか?
- A
SDIVの配当利回りは2025年時点で約11%と、高配当ETFの中でも際立っています。この高い利回りは、グローバルな高配当株100銘柄に均等加重で投資する戦略によるものです。特に、モーゲージREITや金融セクターの高い配当が寄与しています。ただし、配当額は市場環境や構成銘柄の業績に左右され、過去には変動が見られました。たとえば、2020年のコロナショック時には一部銘柄の配当が減額された影響で利回りが一時的に低下。安定性を求める場合、配当の持続性を確認するため、構成銘柄の財務健全性やセクターの景気感応度を定期的にチェックすることが重要です。為替レートの変動も円ベースの配当額に影響するため、ドル円の動向にも注意が必要です。長期的なインカムゲインを重視する投資家にとって、SDIVは魅力的な選択肢ですが、リスク管理を怠らないことが肝心です。
- QSDIVの主なリスクは何で、どう対策すべきですか?
- A
SDIVの主なリスクは、新興国への投資割合(約30%)による為替リスクと政治リスク、高配当株の配当持続性、金利上昇による価格下落圧力です。新興国銘柄は経済不安定や通貨安の影響を受けやすく、2020年のような市場混乱時に大きく下落する傾向があります。また、高配当株は利益を配当に回すため、成長性が低く、株価のボラティリティが高い場合も。金利上昇局面では、REITや金融株が影響を受けやすいです。対策としては、SDIVをポートフォリオの一部(例:30%)に抑え、S&P500(SPY)や債券ETF(BND)で分散を図ることが有効です。為替リスクには、ヘッジ付きの投資商品を検討するか、円安局面での投資タイミングを意識するのも一案。定期的に構成銘柄やセクターの動向を確認し、市場環境に応じたリバランスを行うことで、リスクを抑えつつ安定したリターンを目指せます。
- QSDIVは毎月配当ですか? どんなメリットがありますか?
- A
はい、SDIVは毎月配当を行うETFで、毎月中旬に配当が支払われます。この特徴は、定期的なキャッシュフローを求める投資家にとって大きなメリットです。たとえば、2024年の月平均配当は1株当たり約31.5円(1ドル=150円換算)で、100株保有なら月約3150円の収入に。毎月配当の利点は、複利効果を高める再投資の機会が増えることや、短期的な生活費や投資資金の補填に使える柔軟性です。特に、退職後のインカムゲインや、投資資金を段階的に増やしたい投資家に適しています。ただし、配当額は市場や銘柄の業績により変動するため、過度な依存は避けるべきです。また、米国ETFのため、配当には米国10%と日本20.315%の税金がかかり、手取りは約70%に。毎月配当を活用するなら、税引き後の金額を基に資金計画を立て、余裕を持ったポートフォリオ設計が重要です。
- QSDIVとS&P500、どちらに投資すべきですか?
- A
SDIVとS&P500は投資目的によって選択が異なります。SDIVは約11%の配当利回りで、毎月配当を提供し、インカムゲインを重視する投資家に最適。グローバルな高配当株に投資し、キャッシュフローを生み出しますが、成長率は平均0.5%と低めで、新興国リスクも伴います。一方、S&P500(例:SPY)は年平均成長率13.0%で、キャピタルゲインを重視する投資家向け。米国の大型株中心で安定性が高く、長期的な資産成長が期待できますが、配当利回りは約1.5%と低め。配当収入で生活費を賄いたいならSDIV、資産の大幅な増加を目指すならS&P500が適しています。理想的には、両者を組み合わせる(例:SDIV 30%、SPY 50%、他20%)ことで、配当と成長のバランスを取るのが賢明。リスク許容度や投資期間に応じて比率を調整しましょう。
- QSDIVの経費率は高いですか? 他のETFと比べてどうですか?
- A
SDIVの経費率は0.58%で、高配当ETFとしては標準的な水準です。この経費率は、グローバルな銘柄選定や均等加重の運用コストを反映しています。比較すると、SPDR S&P Dividend ETF(SDY)は0.35%と低めで、米国高配当株に特化しコスト効率が高いです。一方、iShares Emerging Markets Dividend ETF(DVYE)は0.49%、Global X MSCI SuperDividend Emerging Markets ETF(SDEM)は0.68%で、SDIVと近いかやや高い水準。経費率0.58%は、SDIVのグローバル分散や毎月配当の運用を考慮すると妥当ですが、長期投資ではコストの影響が累積します。たとえば、1000万円投資で年0.58%は5.8万円のコストに。低コストのSDYやS&P500 ETF(例:VOO、0.03%)と組み合わせることで、全体の経費率を抑えつつ、配当と成長の両立が可能です。コストとリターンのバランスを重視しましょう。
- QSDIVで配当再投資は必要ですか? どんな効果がありますか?
- A
配当再投資は、SDIVの長期投資で資産を最大化する有効な戦略です。SDIVの配当利回り約11%を再投資すると、複利効果で資産成長が加速します。たとえば、1000万円を年7%(配当込み、経費率差し引き後)で50年再投資すると、名目で約2億3300万円に成長(インフレ調整後約8600万円)。再投資しない場合、配当を消費すると資産成長は株価上昇(平均0.5%)に限られ、増加は緩やかです。再投資のメリットは、配当で追加購入した株がさらに配当を生み、雪だるま式に資産が増えること。特に、若い投資家や長期運用を考える人には効果的です。ただし、再投資には税金(米国10%、日本20.315%)や手数料がかかるため、税引き後の配当で計算を。自動再投資プラン(DRIP)を提供する証券会社を選ぶと便利です。短期的な収入が必要なら一部を消費し、残りを再投資する折衷案も有効です。
- QSDIVの新興国リスクをどう管理すべきですか?
- A
SDIVの新興国投資(約30%)は、為替変動、政治不安、経済不安定によるリスクを伴います。たとえば、ブラジルや香港の銘柄は通貨安や地域の経済状況で株価や配当が影響を受けます。2020年のコロナショックでは、新興国銘柄の下落がSDIVの騰落率-15.9%に寄与。リスク管理の鍵は、ポートフォリオの分散です。SDIVを全体の20~30%に抑え、安定性の高いS&P500(SPY)や債券ETF(BND)を50~60%組み込むと、変動を緩和できます。為替リスクには、ドル建て資産を円に換算するタイミングを分散(例:円安時に換算)する戦略も有効。定期的にSDIVの構成銘柄や新興国の経済指標を確認し、特定の国やセクターのリスクが高まった場合、リバランスを検討しましょう。また、グローバル債券やゴールドETFを少量加えることで、さらなる安定性を確保できます。リスクを理解し、バランスの取れた投資戦略を構築することが重要です。
まとめ
Global X SuperDividend ETF(SDIV)は、世界の高配当株100銘柄に均等加重で投資するETFで、約11%の高い配当利回りと毎月配当が魅力です。金融やリアルエステート中心のセクター構成で、グローバルな分散が特徴。ただし、新興国リスクや配当の持続性に注意が必要です。過去10年の成長率は控えめですが、配当込みのトータルリターンは5~7%と安定。S&P500やNASDAQ100と比べると成長性は劣るものの、インカムゲインを重視する投資家に最適です。
長期投資のシミュレーションでは、1000万円の投資が50年で実質8600万円に成長可能。配当金生活には約4700万円で月30万円が実現できます。DVYEやSDYなどと比較し、目的に応じた選択が重要です。SPYやBNDを組み合わせたポートフォリオで、成長性と安定性を補完するのが賢明です。SDIVは、配当収入を軸に資産を築きたい投資家にとって、強力なツールとなるでしょう。
他の人気ETFの記事はこちら
IWD:米国バリュー株ETF|安定した収益や配当を狙う投資家に適し、長期保有向けのETF
IWDのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…
NOBLとは?S&P500の配当貴族に絞って投資ができる優良ETF
この記事のポイント NOBLは25年以上連続増配の企業に投資するETFで、安定性と配当成長が強み。 過去10年のCAGRは8%、下落局面ではS&P 500やNASDAQ 100より耐性高い。 …
VTVとは?米国バリューETFの魅力と注意点を徹底解説
この記事のポイント どうもみなさん、こんにちは!今回は米国ETFの中でも注目度が高い「VTV(バンガード・米国バリューETF)」について、がっつり深掘りしていく記事です。投資を始めようと思っている人や…
【SCHG】米国の大型成長株に特化したETF。低コストでハイテク企業中心の成長ポートフォリオ
この記事のポイント SCHGは低コストで米国大型成長株に投資でき、長期的な資産成長を追求する投資家に最適 過去の株価推移や成長率(年平均15%のリターン)から、今後も高いリターンと安定性を見いだせる …
IVW:米国大型成長株ETF|テクノロジーや消費関連が中心で、成長重視の投資家向け
IVWのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…
【米国ETF】DIAとは?ダウ・ジョーンズを追跡するユニークなETF
DIAのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…
IEMG:新興国株ETF|低コストで幅広い新興国市場への分散投資が可能
IEMGのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…
IWF:米国大型成長株ETF|テクノロジーや消費関連を中心に構成され、キャピタルゲインを重視するETF
IWFのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…
VUG徹底解説!成長株ETFの魅力と注意点を徹底分析
この記事のポイント VUG(Vanguard Growth ETF)は、大型成長株に投資するETFである。 配当は少なめだが、長期的な成長が期待できる。 構成銘柄にはAppleやMicrosoftなど…
VEU|米国を除く全世界の株式に投資するETF。先進国・新興国に分散し、グローバル分散を追求
VEUのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…
GLDとは?ゴールドETFの魅力や配当シミュレーションから将来性まで解説
この記事のポイント この記事では、SPDRゴールドシェアーズ(ティッカー:GLD)について、詳細に解説します。以下のポイントを中心に取り上げています。 GLDとはどのようなETFなのか? GLDの特徴…
QUAL:米国クオリティ株ETF|財務健全性や収益安定性の高い米国企業に投資。クオリティ重視で長期投資向きのETF
QUALのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…
【MUB】米国の地方債(ミュニシパルボンド)に投資するETF
この記事のポイント MUBは連邦税免税の地方債ETF。低リスクかつ安定したリターンを提供し、ポートフォリオの基盤に最適 毎月分配型の配当により、定期収入や複利効果による資産成長を目指せる 経費率0.0…
IJR:米国小型株ETF|高い成長性が期待される一方、値動きが大きくリスクも高めの銘柄群
IJRのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…
【BIL】満期1年未満の米国短期国債に投資するETF|SPDRブルームバーグ1-3ヶ月TビルETF
BILのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…
SPYDとは?キャピタルゲインも狙える高配当ETF。配当金生活も可能
この記事のポイント SPYDは配当利回り4.4%、経費率0.07%の低コストETFで、高配当80銘柄に均等投資。 過去10年の成長率は8%、S&P 500(10%)やNASDAQ 100(15…
SCHDとは?高配当株ETFで安定した配当収入を得よう
この記事のポイント SCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF)は、高配当株に焦点を当てたETFの一つで、安定的な配当収入を目的とする投資家に特に人気があります。本記事で…
IYRとは?不動産ETFの特徴・利回り・投資戦略を総まとめ
この記事のポイント IYRとは何か? IYRのメリットとデメリット 配当金シミュレーション 過去のパフォーマンスとリターン分析 ポートフォリオ構築の際の注意点 この記事では、IYRに投資する際に必要な…
IEFAとは?特徴から配当、投資シミュレーションまで徹底解説!
この記事のポイント IEFAって聞いたことあるけど、いまいちピンとこない…そんな人も多いんじゃないでしょうか。この記事では、iShares Core MSCI EAFE ETF(ティッカー:IEFA)…
【EWG】ドイツの株式市場に投資するETF。大型株および中型株を中心に構成(iShares MSCI Germany ETF)
この記事のポイント EWGはドイツ市場に特化したETFで、自動車や金融セクターの強みを低コストでポートフォリオに追加可能。 過去の平均リターン6.8%、配当利回り2.03%で、長期投資と安定収入を両立…
VCIT:米国中期社債ETF|株式との分散効果を狙う債券ポートフォリオに
VCITのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…
VGTとは?高リターンを狙える情報技術セクター特化のETF
この記事のポイント VGTは情報技術セクター特化のETFで、約320銘柄に低コストで投資可能。 過去10年の年平均成長率18%で、S&P500やMSCI ACWIを大きくアウトパフォーム。 配…
VTEBとは?少し特殊な米国地方債に投資するETF。毎月配当金が得つつ、資金を避難させる先として最適
この記事のポイント VTEBは米国地方債ETF。経費率0.05%、利回り3.1%で税免除メリット。 10年平均成長率0.8%、騰落率±2.5%。株式ETFより低リスク。 毎月配当でキャッシュフロー安定…
【VOO】バンガードが運用するS&P500連動ETF。低コストが魅力で、長期投資家に人気
この記事のポイント 経費率0.03%でS&P500に連動。米国大型株506社に分散投資でき、長期リターン11.2%。 2010年から株価約400%上昇。2024年騰落率+15.3%、安定成長が…
VT:世界全体株式ETF|米国、先進国、新興国すべてを網羅し、超分散投資を実現するETF
VTのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出 …

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。