QQQM:NASDAQ100連動ETF(小型)|ナスダック100指数に連動するQQQの低コスト版ETF。長期投資家向けに信託報酬を抑えた設計

ETF
  1. QQQMのETF Score (ETFのおすすめ度)
  2. QQQMの特徴
  3. QQQMの株価・推移・成長率(パフォーマンス)
  4. QQQMの年別・過去平均リターン
  5. QQQMの年別の騰落率は?
  6. QQQMのセクター構成
  7. QQQMの構成銘柄とその特徴
  8. QQQMに投資した場合のシミュレーション
  9. QQQMの配当タイミングと直近の配当
  10. QQQMの配当金シミュレーション
  11. QQQMに投資する際の注意点
  12. QQQMとよく比較されるETFは?
  13. QQQMと合わせてポートフォリオに加えたほうがいいETFは?
  14. まとめ
  15. 他の人気ETFの記事はこちら

QQQMのETF Score (ETFのおすすめ度)

  • 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出
  • 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出
  • 運用コスト:経費率をもとに算出
  • リスク分散度:投資対象銘柄数・セクター分散度をもとに算出
  • 安定性:過去5年の平均騰落率をもとに算出

※各指標は当サイトにおける基準で設定

執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。

QQQMの特徴

nvesco NASDAQ 100 ETF、通称QQQMは、投資家にとって注目のETFとして知られています。では、具体的にどのような特徴があるのでしょうか。このETFは、ナスダックに上場する非金融企業の中で時価総額上位100社を対象とした「ナスダック100指数」を追跡するように設計されています。成長株やテクノロジー株に強い関心を持つ投資家にとっては、特に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

まず、QQQMの基本的な特徴を表にまとめてみます。

項目内容
ティッカーQQQM
運用会社Invesco
ベンチマークナスダック100指数
設定日2020年10月13日
経費率0.15%(年率)
配当利回り(目安)約0.6%(2025年3月時点の直近データに基づく)
投資対象ナスダック上場の大手非金融企業100社
取引所NASDAQ
特徴低コスト、テクノロジーセクターへの高い露出、長期投資向け

QQQMの最大の特徴の一つは、低い経費率です。年間0.15%というコストは、同じナスダック100指数を追跡する有名なQQQ(経費率0.20%)と比較してもお得感があります。この差は小さいように見えますが、長期で運用する場合には大きな違いを生む可能性があります。

また、QQQMは比較的新しいETFであり、2020年に設定されました。これは、同じ指数を追跡するQQQの「改良版」とも言える存在で、特に長期保有を意識した投資家向けに設計されています。QQQが短期トレーダーや機関投資家に人気があるのに対し、QQQMは「買い持ち」戦略を好む個人投資家に適していると言えるでしょう。

さらに、投資対象がナスダック100指数であるため、テクノロジー分野への高い露出が特徴的です。アップル、マイクロソフト、アマゾンといった世界的な企業が含まれ、成長性と革新性を重視する投資家にとっては見逃せないポイントです。ただし、金融セクターが含まれていないため、ポートフォリオの多様性を求める場合は他のETFとの組み合わせも検討する必要があります。

流動性についても触れておくと、QQQMはQQQほどではないものの十分な取引量を誇ります。2025年3月時点で平均日次取引量は約350万ドル程度とされており、個人投資家が売買する分には問題ないレベルです。この点も、安心して投資できる要素の一つです。

最後に、QQQMは配当金を再投資する仕組みを持っています。これは、長期的な資産成長を目指す投資家にとって嬉しい特徴です。QQQのようなトラスト構造とは異なり、ETFとしての柔軟性が高いのもポイントと言えるでしょう。これらの特徴を踏まえると、QQQMはコスト意識が高く、成長株に投資したい投資家にぴったりの選択肢と言えそうです。

QQQMの株価・推移・成長率(パフォーマンス)

 

※S&P500指数と比較

QQQMの株価について。2020年10月の設定時の価格はおよそ100ドル前後でしたが、2025年3月9日時点では約200ドルに到達しています(※実際の価格は市場状況により変動するため、最新データを確認してください)。この約4年半で株価が2倍近くに成長したことは、ナスダック100指数の強さを反映していると言えるでしょう。

次に、年ごとの成長率を見てみましょう。以下に、過去数年の概算データを表にまとめます。

年初株価(概算)年末株価(概算)成長率(%)
2021105ドル150ドル約42.9%
2022150ドル110ドル-26.7%
2023110ドル170ドル約54.5%
2024170ドル195ドル約14.7%
2025(3月時点)195ドル200ドル約2.6%(年初来)

※数値は概算であり、実際の市場データに基づくものではありません。参考値としてご覧ください。

2021年はコロナ後の経済回復やテック企業の好調さを受けて大きく上昇しました。一方、2022年は金利上昇やインフレ懸念から市場全体が調整局面に入り、QQQMも下落。しかし、2023年にはAIブームやテック株の復活で驚異的な54.5%成長を見せています。2024年は落ち着いた伸びを示し、2025年も年初来で安定した動きが続いているようです。

成長率の観点では、QQQMはナスダック100指数に連動するため、市場全体のトレンドに左右されます。特にテクノロジー株が好調な時期には高いリターンを期待できますが、逆に調整局面では下落リスクも伴います。例えば、2022年のようなマイナス成長は、短期的な視点では痛手ですが、長期で見れば回復力の高さが伺えます。

パフォーマンスをさらに深掘りすると、QQQMのボラティリティ(価格変動の激しさ)も注目ポイントです。ナスダック100指数はS&P500指数よりも変動が大きい傾向があり、QQQMもその特性を引き継いでいます。過去のデータから、年間の標準偏差はおよそ20~25%程度と推定され、安定性を求める投資家にはややリスク高めに映るかもしれません。

とはいえ、この高いボラティリティが成長の原動力でもあります。2023年のような急上昇は、短期的な調整を乗り越えた投資家にとって大きな報酬となりました。長期的な視点で見ると、QQQMは設定以来、年平均成長率(CAGR)が約15~20%程度と推定され、市場平均を上回るパフォーマンスを示しています。

株価推移や成長率を踏まえると、QQQMは成長志向の投資家にとって魅力的な選択肢です。ただし、短期的な変動に耐えられる資金計画やリスク許容度が求められるでしょう。

QQQMの年別・過去平均リターン

リターン(%)
2021約43.5%
2022-26.0%
2023約55.0%
2024約15.0%
2025(3月時点)約3.0%(年初来)

※数値は概算であり、配当再投資を考慮した参考値です。

2021年はテック株の勢いが続いた年で、43.5%という高いリターンを記録。2022年は市場全体の調整でマイナス26.0%と落ち込みましたが、2023年には55.0%と驚異的な回復を見せました。2024年は安定成長の年で15.0%、2025年も年初来でプラスを維持しています。このように、年ごとの変動は大きいものの、成長トレンドが感じられます。

次に、過去平均リターンを見てみましょう。QQQM自体の歴史は短いため、ナスダック100指数の長期データを参考に補完します。QQQMの設定来(2020年10月~2025年3月)の年平均リターン(CAGR)は約18%程度と試算されます。一方、ナスダック100指数の過去20年間(2005~2024)の平均リターンは約12~14%程度です。この差は、近年特にテック株が好調だった影響が大きいでしょう。

具体的な計算例を挙げると、2020年10月に1万ドルを投資した場合、2025年3月時点で以下のようになります。

  • 2020年末:約1万500ドル(+5%)
  • 2021年末:約1万5,675ドル(+43.5%)
  • 2022年末:約1万1,600ドル(-26.0%)
  • 2023年末:約1万7,980ドル(+55.0%)
  • 2024年末:約2万680ドル(+15.0%)
  • 2025年3月:約2万1,300ドル(+3.0%)

初期投資の1万ドルが約2.13倍に成長した計算です。年平均で18%成長は、S&P500の長期平均(約10%)を大きく上回る結果と言えます。

ただし、注意点もあります。年別リターンを見ると、プラスとマイナスが交互に訪れる不安定さが目立ちます。これはナスダック100指数の特性であり、成長株中心のポートフォリオゆえのリスクです。過去データからは、好調な年は30~50%以上のリターンが期待できる一方、調整局面では20~30%の下落も覚悟する必要があることがわかります。

さらに長期視点で考えると、ナスダック100指数の20年平均リターンが12~14%であることを踏まえ、QQQMも同様のレンジに落ち着く可能性があります。直近数年の高リターンは例外的な成長期の産物かもしれませんが、テクノロジーの進化が続く限り、平均以上のリターンを期待できるポテンシャルは残っています。

QQQMの年別の騰落率は?

騰落率(%)
2020(10月~12月)約5.0%
2021約42.9%
2022-26.7%
2023約54.5%
2024約14.7%
2025(1月~3月)約2.6%

※2020年は設定月からの部分的なデータ。数値は概算です。

2020年は設定から年末までの短期間で5.0%の上昇。市場の楽観ムードが後押しした形です。2021年は42.9%と大幅上昇で、テック株の成長が顕著でした。しかし、2022年は金利上昇や景気懸念で-26.7%と大きく下落。2023年はAIブームに乗り54.5%の急騰となり、2024年は14.7%と落ち着いた成長を示しています。2025年は3月時点で2.6%の上昇と、安定したスタートです。

この騰落率からわかるのは、QQQMの値動きが非常にダイナミックである点です。プラスとマイナスの幅が大きく、1年で50%を超える上昇もあれば、25%以上の下落もある。これは、ナスダック100指数が成長株やテクノロジー株に偏重しているためで、市場全体のセンチメントに敏感に反応します。

特に注目すべきは、2022年の大幅下落と2023年の急回復です。2022年は米国の利上げが加速し、成長株のバリュエーションが圧迫された時期。一方、2023年はAI関連企業の業績好調が市場を牽引し、QQQMもその恩恵をフルに受けました。このような急激な変動は、短期トレーダーにとってはチャンスでもあり、リスクでもあります。

さらに詳しく見ると、月次ベースでの騰落率も興味深いです。例えば、2023年の月別騰落率を一部抜粋してみます。

騰落率(%)
2023年1月約10.2%
2023年6月約6.8%
2023年11月約9.5%

このように、特定の月に大きな上昇が集中する傾向も見られます。AIやテック企業の決算発表が重なる時期に株価が跳ねることが多く、タイミングを捉える重要性が伺えます。

過去の騰落率を総合すると、QQQMは年平均でプラス成長を維持しつつも、短期的な波乱が避けられないETFと言えます。長期保有を前提とするなら、下落局面を耐えつつ、上昇期の恩恵を享受する姿勢が求められるでしょう。リスクを取れる投資家には魅力的な選択肢ですが、安定性を重視するなら注意が必要です。

QQQMのセクター構成

セクター構成比率(%)主な企業例
情報技術約50%アップル、マイクロソフト、NVIDIA
一般消費財約18%アマゾン、テスラ
通信サービス約15%アルファベット(Google)、メタ
ヘルスケア約6%アムジェン、ギリアド・サイエンシズ
資本財・サービス約3%ボーイング
その他約8%ペプシコ、コストコ

※構成比率は市場状況により変動します。最新データは運用会社の公式サイトで確認してください。

圧倒的な特徴は、情報技術セクターが約50%を占める点です。これは、ナスダック100指数がテック企業を中心に構成されているためで、QQQMもその傾向をそのまま反映しています。アップルやマイクロソフトといった巨大企業に加え、AIブームで急成長中のNVIDIAなどが含まれ、成長性が期待される分野と言えます。

次に大きいのが一般消費財で、約18%。ここにはアマゾンやテスラが名を連ねます。アマゾンはECやクラウドサービス、テスラはEV(電気自動車)で知られ、いずれも革新性が高い企業です。このセクターは、消費者のトレンドに左右されつつも、長期的な成長が見込まれます。

通信サービスは約15%で、グーグル(アルファベット)やメタが代表的。広告収入やソーシャルメディアの拡大で安定した収益を上げており、情報技術と並ぶ重要な柱です。ヘルスケアは約6%と控えめですが、アムジェンなどのバイオ医薬品企業が含まれ、安定性を補完する役割を果たしています。

一方、金融セクターが含まれていない点は大きな特徴です。ナスダック100指数は非金融企業のみを対象とするため、銀行や保険会社への露出はありません。これにより、QQQMは金利変動の影響を受けにくい反面、伝統的な安定株が少ないという側面もあります。

このセクター構成がもたらす影響を考えると、QQQMはテクノロジーや成長分野に強く依存していると言えます。好況時には高いリターンを期待できますが、テック株が調整局面に入ると大きく下落するリスクも伴います。例えば、2022年の下落は、情報技術セクターの低迷が主因でした。

また、構成比率の偏りはリスク分散の観点でも重要です。50%が一つのセクターに集中しているため、分散投資を重視する投資家には物足りないかもしれません。ただし、テクノロジーの進化が経済を牽引するトレンドが続く限り、この偏りは強みにもなり得ます。

QQQMの構成銘柄とその特徴

企業名構成比率(%)セクター特徴
アップル約9%情報技術スマホやPCの革新リーダー
マイクロソフト約8.5%情報技術クラウドとAIで急成長
アマゾン約6%一般消費財ECとAWSで多角化
NVIDIA約5.5%情報技術AIチップのトップ企業
アルファベット(A株)約5%通信サービス検索と広告の巨人
メタ約4.5%通信サービスSNSとメタバースに注力
テスラ約4%一般消費財EVとエネルギー革新
ブロードコム約3%情報技術半導体とインフラ技術
コストコ約2.5%一般消費財会員制小売の安定企業
ペプシコ約2%一般消費財飲料・スナックのグローバルブランド

※比率は変動します。最新情報は運用会社発表を確認してください。

上位銘柄を見ると、いわゆる「Magnificent 7」(アップル、マイクロソフト、アマゾン、NVIDIA、アルファベット、メタ、テスラ)が大きな比重を占め、合計で約42%に達します。これらはテクノロジーと革新の最前線に立つ企業で、QQQMの成長性の源泉と言えるでしょう。

アップルはiPhoneやMacで知られ、安定した収益とブランド力が強み。マイクロソフトはAzureやAI分野で拡大中で、企業向けサービスが好調です。アマゾンはAWS(クラウド事業)が利益を牽引し、ECでも圧倒的な地位を保ちます。NVIDIAはAIブームで急成長し、GPU市場をほぼ独占しています。

アルファベットとメタは広告収入が主力で、特にメタはメタバースへの投資で将来性を模索中。テスラはEVだけでなく、エネルギー貯蔵でも注目を集めています。一方、ブロードコムは半導体の安定供給で存在感を示し、コストコやペプシコはディフェンシブな要素を加える銘柄として機能します。

これらの銘柄の特徴は、成長性と革新性に富んでいる点です。特に情報技術セクターの企業は、AIやクラウド、半導体といったトレンドを牽引しており、市場全体を上回る成長が期待されます。ただし、こうした企業は株価のバリュエーションが高く、調整局面での下落リスクも高いです。

また、構成銘柄全体で見ると、時価総額加重方式を採用しているため、上位数社がパフォーマンスに大きな影響を与えます。たとえば、NVIDIAやテスラが急騰すればQQQM全体が押し上げられ、逆に不調なら下押し圧力となります。この集中度の高さは、メリットでもありリスクでもあるのです。

QQQMに投資した場合のシミュレーション

シナリオ1:初期投資100万円、5年間運用

  • 初期投資額:100万円
  • 年平均リターン:18%
  • 運用期間:5年
年数資産額(万円)
0年100
1年118
2年139.24
3年164.30
4年193.88
5年228.77

5年後には約228.77万円に成長。100万円が2倍以上になる計算です。

シナリオ2:毎月5万円積立、10年間運用

  • 月間積立額:5万円
  • 年平均リターン:18%
  • 運用期間:10年
年数総拠出額(万円)資産額(万円)
1年6066.47
3年180249.12
5年300526.93
7年420975.35
10年6002,286.19

10年間で総拠出600万円が約2,286万円に。積立の力と複利効果が際立ちます。

シナリオ3:初期投資500万円、20年間運用

  • 初期投資額:500万円
  • 年平均リターン:18%
  • 運用期間:20年
年数資産額(万円)
0年500
5年1,143.87
10年2,614.62
15年5,976.62
20年13,661.88

20年後には約1,366万円に成長。長期運用の効果が顕著です。

これらのシミュレーションからわかるのは、QQQMの高い成長率が長期で大きな資産増加をもたらす可能性です。特に積立投資では、毎月の少額でも時間を味方にすることで驚くほどの成果が期待できます。

ただし、18%というリターンは過去数年の好調さを反映したもので、将来も続く保証はありません。仮にリターンが10%に下がった場合、シナリオ2(10年積立)の資産額は約1,033万円となり、約半分に減ります。この変動性を考慮すると、リスク許容度に応じた計画が重要です。

また、シミュレーションでは経費率0.15%や税金の影響を簡略化しています。実際にはこれらがリターンを若干圧縮するので、余裕を持った試算が賢明です。

QQQMの配当タイミングと直近の配当

支払い月詳細
3月前年12月~2月の収益分配
6月3月~5月の収益分配
9月6月~8月の収益分配
12月9月~11月の収益分配

このように、年4回の配当が設定されており、投資家にとっては定期的なキャッシュフローが得られる仕組みです。ただし、QQQMは成長株中心のため、配当利回りは高くなく、どちらかというとキャピタルゲイン(値上がり益)が主目的のETFと言えます。

次に、直近の配当実績を見てみましょう。2024年のデータを基にした概算です。

支払い日1株当たり配当(ドル)備考
2024年3月0.32
2024年6月0.33
2024年9月0.34
2024年12月0.35年末増額傾向

※数値は仮定値。最新情報はInvescoの公式発表を確認してください。

2024年の年間配当は1株当たり約1.34ドル。2025年3月時点の株価が約200ドルと仮定すると、配当利回りは約0.67%(1.34 ÷ 200 × 100)となります。この利回りは、S&P500の平均(約1.5%)と比べると低めですが、QQQMの目的が成長性にあることを考えると納得の範囲です。

配当金額は年々緩やかに増加傾向にあります。たとえば、2023年の年間配当は約1.28ドルだったとすると、2024年は約4.7%増。ナスダック100構成企業の収益成長が反映されていると考えられます。ただし、成長株は利益を再投資に回す傾向が強く、配当が急増する可能性は低いでしょう。

配当の支払いには注意点もあります。QQQMは配当を再投資する仕組みを持つETFですが、投資家が自分で再投資するか、現金で受け取るかは選択可能です。再投資を選べば複利効果が期待でき、長期運用に有利になります。一方、現金で受け取る場合は、四半期ごとの少額収入として活用できます。

まとめると、QQQMの配当タイミングは年4回(3月、6月、9月、12月)で、直近の配当利回りは約0.6~0.7%。成長重視のETFながら、定期的な収入も得られる点は魅力的です。

QQQMの配当金シミュレーション

QQQMの配当金を具体的な目標額に合わせてシミュレーションしてみると、投資計画がより現実的になります。ここでは、月3万円、月5万円、そして配当金生活を目指す場合の試算を行います。2025年3月時点の株価200ドル、年間配当1.34ドル、為替レート140円/ドルを仮定して計算します。

QQQMで月3万円を得るには?

月3万円は年36万円。必要な配当額をドル換算すると、36万円 ÷ 140円 = 約2,571ドルです。

  • 年間配当1株当たり:1.34ドル
  • 必要投資額:2,571 ÷ 1.34 = 約1,918株
  • 投資総額:1,918 × 200ドル = 383,600ドル
  • 日本円換算:383,600 × 140円 = 約5,370万円

月3万円を得るには約5,370万円の投資が必要です。配当利回りが0.67%と低いため、かなりの資金が求められます。

QQQMで月5万円を得るには?

月5万円は年60万円。ドル換算で60万円 ÷ 140円 = 約4,286ドル。

  • 必要投資額:4,286 ÷ 1.34 = 約3,197株
  • 投資総額:3,197 × 200ドル = 639,400ドル
  • 日本円換算:639,400 × 140円 = 約8,952万円

月5万円には約8,952万円が必要。目標額が上がると、投資規模も比例して大きくなります。

QQQMで配当金生活をするには?

配当金生活の定義は人それぞれですが、仮に月30万円(年360万円)とします。ドル換算で360万円 ÷ 140円 = 約25,714ドル。

  • 必要投資額:25,714 ÷ 1.34 = 約19,190株
  • 投資総額:19,190 × 200ドル = 3,838,000ドル
  • 日本円換算:3,838,000 × 140円 = 約5億3,732万円

月30万円の生活費を賄うには、約5.37億円が必要となります。この金額は現実的でないと感じる人も多いでしょう。

目標額必要投資額(円)保有株数
月3万円約5,370万円1,918株
月5万円約8,952万円3,197株
月30万円約5億3,732万円19,190株

QQQMの配当利回りが低いため、配当だけで大きな収入を得るのはハードルが高いです。ただし、株価成長を組み合わせれば話は変わります。たとえば、年18%成長が続けば、初期投資が複利で増え、将来の配当額も拡大します。

現実的には、配当金生活を目指すなら高配当ETFとの併用が賢明かもしれません。QQQMは成長性を重視しつつ、少額の配当を再投資に回す戦略が効果的でしょう。

QQQMに投資する際の注意点

まず、セクターの集中リスクです。QQQMは情報技術セクターが約50%を占め、特定の業界に依存しています。テック株が好調なら高いリターンが期待できますが、逆に不調時には大きな下落が予想されます。2022年のような調整局面では、26%以上の下落を経験した点を忘れてはいけません。

次に、ボラティリティの高さ。ナスダック100指数はS&P500より変動が激しく、QQQMもその影響を受けます。年間の標準偏差が20~25%程度と高く、短期的な値動きに耐えられる資金的・精神的な余裕が必要です。安定性を重視する投資家には不向きかもしれません。

また、金融セクターの不在も考慮すべき点です。金利上昇局面では銀行株などが堅調になることが多いですが、QQQMにはその恩恵がありません。ポートフォリオ全体のバランスを考えるなら、他のセクターを補完する投資も視野に入れるべきでしょう。

さらに、為替リスクがあります。日本円で投資する場合、ドル円レートの変動がリターンに影響します。たとえば、円高が進むとドル建て資産の価値が目減りする可能性があり、為替ヘッジの検討も必要かもしれません。

注意点詳細対策例
セクター集中テック依存で下落リスク大他セクターETFと併用
ボラティリティ値動きが激しく精神的負担も長期視点で耐える
金融不在金利上昇時の恩恵なし金融株ETFを追加
為替リスク円高で資産価値減少の可能性為替ヘッジ商品を検討

もう一つの注意点は、経費率の比較です。QQQMの0.15%は確かに低コストですが、他の類似ETF(例:SCHGの0.04%)と比べるとやや高め。長期運用ではこの差が積み重なるため、コスト意識が高い投資家は代替案も検討すると良いでしょう。

最後に、市場タイミングの難しさも挙げられます。成長株はバリュエーションが高く、割高感が出やすいです。QQQMも例外ではなく、買い時を見極めるのが難しい側面があります。積立投資でタイミングリスクを分散させるのが現実的かもしれません。

QQQMとよく比較されるETFは?

ETFティッカー経費率ベンチマーク特徴
QQQMQQQM0.15%ナスダック100低コスト、長期投資向け
QQQQQQ0.20%ナスダック100高流動性、トレーダー向け
VUGVUG0.04%CRSP USラージキャップ成長幅広い成長株、低コスト
SCHGSCHG0.04%ダウジョーンズ成長株大型成長株、超低コスト
VGTVGT0.10%MSCI USテックテック特化、低コスト

QQQとの比較

QQQMとQQQは同じナスダック100指数を追跡しますが、経費率(QQQM: 0.15%、QQQ: 0.20%)と流動性が異なります。QQQは日次取引量が17億ドル以上と圧倒的で、オプション取引にも適しています。一方、QQQMは長期保有向けに設計され、コストを抑えたい投資家に人気です。

VUGとの比較

バンガードのVUGは成長株全般を対象とし、経費率0.04%と非常に安価。QQQMよりセクター分散が進んでおり、テック以外の成長企業も含まれます。リスク分散を重視するならVUGが有利ですが、テック特化の成長性を求めるならQQQMが勝るでしょう。

SCHGとの比較

シュワブのSCHGも成長株ETFで、経費率0.04%。QQQMと似たテック重視の構成ですが、より広範な指数を追跡するため、やや安定性があります。コストを最優先する投資家にはSCHGが魅力的です。

VGTとの比較

バンガードのVGTはテクノロジーセクターに特化し、経費率0.10%。QQQMよりテック比率が高く(約90%)、ITに集中投資したい場合に適しています。ただし、分散性が低いためリスクも高めです。

QQQMと合わせてポートフォリオに加えたほうがいいETFは?

ETFティッカー経費率対象補完ポイント
VOOVOO0.03%S&P500市場全体の安定性
VYMVYM0.06%高配当株配当収入とディフェンシブ
IJRIJR0.06%小型株(S&P600)小型株の成長性
VXUSVXUS0.07%米国以外先進国・新興国国際分散
BNDBND0.03%米国債券リスク軽減と安定性

ポートフォリオ例

  • QQQM:40%(成長性)
  • VOO:30%(安定性)
  • VYM:20%(配当)
  • BND:10%(リスク軽減)

この組み合わせなら、成長性と安定性のバランスが取れ、配当収入も確保できます。リスク許容度や目標に応じて比率を調整するのが賢明です。

まとめ

QQQMは、低コストでナスダック100指数を追跡するETFとして、成長株やテック投資を求める投資家に魅力的な選択肢です。将来性や長期保有の適性も高く、賢く活用すれば大きな成果が期待できるでしょう。投資を始める前に、最新データと自身の目標を照らし合わせ、納得のいく判断を下してください。

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TLTのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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SCHX:米国大型株ETF|低コストでS&P500に近い値動きを期待でき、長期分散投資に

SCHXのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…

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XLF:米国金融株ETF|銀行、保険、資産運用会社など金融関連企業が中心

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XLK:米国テクノロジー株ETF|米国の情報技術セクターに特化したセクターETF。アップルやマイクロソフトなど世界的IT企業が多数

XLKのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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VO:米国中型株ETF|成長性と安定性のバランスが良く、中長期の分散投資に適している

VOのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出 …

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IEMG:新興国株ETF|低コストで幅広い新興国市場への分散投資が可能

IEMGのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…

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VWO:新興国株ETF|中国、台湾、インドなど成長市場に広く分散し、高成長を狙う投資家向け。

VWOのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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IJR:米国小型株ETF|高い成長性が期待される一方、値動きが大きくリスクも高めの銘柄群

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EFA:先進国株ETF(米国外)|日本、欧州を中心に広く分散し、グローバル分散投資に活用

EFAのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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IVW:米国大型成長株ETF|テクノロジーや消費関連が中心で、成長重視の投資家向け

IVWのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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SPLG:米国S&P500ETF|S&P500に連動する低コストETF。資産形成初心者にも適したシンプルな商品設計

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IJH:米国中型株ETF|大型株より高い成長性を狙いつつ、小型株よりリスクを抑えた中間的存在のETF

IJHのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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IBIT:ブラックロックが運用するビットコイン現物ETF

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VT:世界全体株式ETF|米国、先進国、新興国すべてを網羅し、超分散投資を実現するETF

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BNDX:米国外国債ETF|米国外の投資適格債に投資するETF

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IWD:米国バリュー株ETF|安定した収益や配当を狙う投資家に適し、長期保有向けのETF

IWDのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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VXUS:米国外国株ETF|先進国・新興国を問わず広く分散し、グローバル分散に適したETF

VXUSのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…

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VB:米国小型株ETF|米国小型株に分散投資するバンガードETF

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ITOT:米国全市場ETF|米国株式市場全体に投資するETF

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IWM:米国小型株ETF|ラッセル2000指数に連動する米国小型株ETF

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RSP:米国均等加重型ETF|S&P500構成銘柄を均等加重で投資するユニークなETF

RSPのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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IWF:米国大型成長株ETF|テクノロジーや消費関連を中心に構成され、キャピタルゲインを重視するETF

IWFのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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IEFAとは?特徴から配当、投資シミュレーションまで徹底解説!

この記事のポイント IEFAって聞いたことあるけど、いまいちピンとこない…そんな人も多いんじゃないでしょうか。この記事では、iShares Core MSCI EAFE ETF(ティッカー:IEFA)…

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執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。