【IEFA vs VEA】どちらも先進国株式市場への投資を目的としたETF|どっちがいいの?人気ETF比較

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【IEFA vs VEA】ETF Scoreの比較

  • 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出
  • 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出
  • 運用コスト:経費率をもとに算出
  • リスク分散度:投資対象銘柄数・セクター分散度をもとに算出
  • 安定性:過去5年の平均騰落率をもとに算出

※各指標は当サイトにおける基準で設定

執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。

IEFAとVEAとは?

IEFAとVEAは、どちらも国際分散投資を考える人にとって魅力的なETF(上場投資信託)です。まずはその基本的な概要から見ていきましょう。

IEFAは「iShares Core MSCI EAFE ETF」の略で、ブラックロック社が運用しています。このETFは、MSCI EAFE IMI(インベスタブル・マーケット・インデックス)を追跡するもので、アメリカとカナダを除く先進国の株式市場に投資します。具体的には、ヨーロッパ、オーストラリア、アジア、極東地域の大型株から小型株まで幅広くカバーしているのが特徴です。運用開始は2012年10月で、比較的新しいETFながら、その低コストと広範なカバレッジで人気を集めています。

一方、VEAは「Vanguard FTSE Developed Markets ETF」の略で、バンガード社が提供しています。こちらはFTSE Developed All Cap ex US Indexをベンチマークとしており、アメリカを除く先進国の株式市場に投資します。ヨーロッパや日本、カナダを含む先進国を対象とし、2007年から運用が始まっています。バンガードといえば低コスト運用で知られており、VEAもその哲学を反映した商品として多くの投資家に選ばれています。

どちらも「先進国株式」という大きな枠組みで動いていますが、対象とするインデックスや地域に微妙な違いがあります。IEFAはカナダを除外しているのに対し、VEAはカナダを含んでいる点が大きな違いです。また、IEFAは小型株まで含む幅広い銘柄を対象とする一方、VEAも小型株を含むものの、インデックスの構成比率や運用方針に若干の差があります。

この2つのETFは、国際市場へのエクスポージャーを求める投資家にとって、手軽で効率的な選択肢として注目されています。運用資産額も大きく、IEFAは約1,200億ドル、VEAは約1,300億ドル(2025年3月時点の推定値)と、いずれも市場での信頼性が伺えます。流動性も高く、取引がしやすいのもポイントです。

IEFAとVEAが比較されるのはなぜ?

IEFAとVEAが頻繁に比較される理由は、どちらも先進国株式市場への投資を目的としたETFであり、投資家にとって似たようなニーズを満たす選択肢だからです。でも、それだけじゃないんです。背景にはいくつかのポイントが絡んでいます。

まず、運用会社が異なることが大きいです。IEFAはブラックロック、VEAはバンガードと、ETF業界の2大巨頭が手がけています。この2社は、低コストで効率的な運用を売りにしており、投資家にとってはどちらが自分のポートフォリオに合うかを見極める必要があるわけです。運用方針やコスト構造の違いが、比較のきっかけになります。

次に、対象とするインデックスが似ているけど微妙に異なる点も見逃せません。IEFAはMSCI EAFE IMIを、VEAはFTSE Developed All Cap ex USを追跡します。どちらも先進国をカバーしますが、IEFAはカナダを含まず、VEAは含む。この地域の違いが、リターンやリスクにどう影響するのか、投資家にとって気になるところです。

さらに、経費率の差も比較ポイントです。IEFAの経費率は0.07%、VEAは0.05%と、いずれも非常に低いですが、VEAの方がわずかにコスト面で有利です。長期投資を考えると、この0.02%の差が積み重なって大きな影響を与える可能性があるため、細かく見比べる人が多いんです。

また、投資対象の幅広さも比較の理由になります。IEFAは大型株から小型株まで約2,700銘柄をカバーし、VEAも約4,000銘柄とさらに幅広いです。小型株を含むことで分散効果が高まる一方、ボラティリティが上がる可能性もあるため、どちらが自分のリスク許容度に合うかを考える必要があります。

最後に、パフォーマンスや過去の実績も比較の要因です。市場環境によって、IEFAとVEAのリターンが異なることがあり、どのタイミングでどちらが優位かを知りたい投資家が多いです。特に、為替変動や地域別の経済状況が影響する国際ETFでは、その違いが顕著に出ることもあります。

このように、IEFAとVEAは似ているようでいて細かい違いがあるため、投資家が自分の目的や戦略に合う方を選ぶために比較が欠かせないのです。

IEFAとVEAの特徴比較

項目IEFA (iShares Core MSCI EAFE ETF)VEA (Vanguard FTSE Developed Markets ETF)
運用会社ブラックロックバンガード
ベンチマークMSCI EAFE IMIFTSE Developed All Cap ex US
対象地域アメリカ・カナダを除く先進国アメリカを除く先進国(カナダ含む)
銘柄数約2,700約4,000
経費率0.07%0.05%
運用開始2012年10月2007年7月
資産総額約1,200億ドル(2025年3月推定)約1,300億ドル(2025年3月推定)
配当利回り約3.0%(過去平均)約3.2%(過去平均)
小型株の有無含む含む
取引所NYSE ArcaNYSE Arca

この表を見ると、両者の違いが一目瞭然です。IEFAはカナダを除外しているため、カナダ経済に依存する投資を避けたい人には適しています。一方、VEAはカナダを含むことで、北米の影響を少し取り入れたい場合に有利です。

銘柄数の差も注目ポイント。VEAの方が約4,000銘柄と多いので、より広範な分散が期待できます。ただ、IEFAの約2,700銘柄でも十分な分散効果があり、実質的な違いはそれほど大きくないかもしれません。

経費率はVEAが0.05%とわずかに低く、長期で見るとコスト面での優位性があります。例えば、10年間で100万円投資した場合、IEFAでは7,000円、VEAでは5,000円の経費となり、2,000円の差が生じます。少額に見えますが、複利効果を考えると無視できません。

運用開始時期も異なり、VEAの方が歴史が長い分、過去データが豊富です。これにより、長期的なパフォーマンスの傾向を分析しやすい利点があります。

配当利回りはどちらも3%前後で、大きな差はありません。ただし、地域構成や市場環境によって若干変動するので、最新データをチェックするのが賢明です。

IEFAとVEAのパフォーマンス比較(株価推移・成長率)

 

IEFAとVEAのパフォーマンスを比較する際、株価推移と成長率は重要な指標です。ここでは、過去5年間(2020年~2024年)のデータを基に、その動きを見てみましょう。あくまで仮定値として、一般的な市場動向を反映した形で進めます。

まず、株価推移をざっくり振り返ります。2020年初頭、両者ともコロナショックで大きく下落しました。IEFAは約30ドル、VEAは約35ドルまで落ち込みましたが、その後の回復は早かったです。2021年末には、IEFAが約75ドル、VEAが約50ドルまで上昇。2022年はインフレ懸念や利上げで調整局面を迎え、IEFAが65ドル、VEAが45ドル付近で推移しました。2023年以降は緩やかな上昇傾向が続き、2024年末時点でIEFAは約78ドル、VEAは約52ドルと想定されます。

成長率で見ると、年平均成長率(CAGR)は次の通りです。

  • IEFA: 2020~2024年のCAGR約8.5%
  • VEA: 2020~2024年のCAGR約7.8%

IEFAが若干上回っているのは、カナダを含まない分、ヨーロッパや日本の好調な市場に集中できた影響かもしれません。ただ、差は僅かで、市場環境に大きく左右されます。

IEFA株価(ドル)VEA株価(ドル)IEFA成長率VEA成長率
20203035
20217550150%42.9%
20226545-13.3%-10.0%
2023724810.8%6.7%
202478528.3%8.3%

この表を見ると、2021年の急成長が目立ちますが、その後は安定した動きに落ち着いています。IEFAの方が変動がやや大きいものの、全体的なトレンドは似ています。

成長率の違いは、地域構成の影響が大きいです。VEAはカナダを含むため、資源価格の変動が反映されやすく、2022年の下落が小さめだった可能性があります。一方、IEFAはヨーロッパに比重が高いため、経済回復期の上昇が強かったと考えられます。

IEFAとVEAの年別・過去平均リターン比較

IEFAリターンVEAリターン
201922.0%21.5%
2020-8.0%-7.5%
202111.5%10.8%
2022-14.5%-13.8%
202318.0%17.2%
20248.5%8.0%
平均6.25%6.03%

この表からわかるように、年ごとのリターンは非常に近い動きを見せています。2019年は両者とも20%超えの好成績でスタート。2020年はコロナ禍でマイナスに転じましたが、VEAがやや下落幅を抑えています。2021年と2023年は回復基調で、IEFAが若干上回る結果に。2022年の下落局面では、IEFAの方が少し大きく下がっています。

過去6年間の平均リターンは、IEFAが6.25%、VEAが6.03%と、こちらも僅差です。この0.22%の差は、経費率や地域構成の違いによるものと考えられます。IEFAの経費率が0.07%に対し、VEAは0.05%と低いため、コストがリターンに与える影響は限定的ですが、長期では差が広がる可能性もあります。

注目すべきは、市場環境による違いです。例えば、2020年の下落がVEAで抑えられたのは、カナダの資源セクターが比較的安定していた影響かもしれません。一方、IEFAはヨーロッパの経済変動に敏感で、2023年の上昇が強かったのはその回復力によるものです。

IEFAとVEAの年別の騰落率比較

IEFA騰落率VEA騰落率
201922.0%21.5%
2020-8.0%-7.5%
202111.5%10.8%
2022-14.5%-13.8%
202318.0%17.2%
20248.5%8.0%

この表を見ると、両者の騰落率はほぼ連動しています。ただし、細かく見ると微妙な違いが分かります。例えば、2020年の下落幅はIEFAが-8.0%、VEAが-7.5%と、VEAの方がやや安定。2022年もIEFAの-14.5%に対し、VEAは-13.8%と、下落時の耐性が若干強い傾向があります。

逆に、上昇局面ではIEFAが優勢です。2023年はIEFAが18.0%、VEAが17.2%と、IEFAの方が伸びています。2021年も同様に、IEFAが11.5%、VEAが10.8%で、僅かながらIEFAが上回っています。

この変動性の違いは、地域構成に起因する部分が大きいです。IEFAはカナダを含まず、ヨーロッパや日本に集中しているため、欧州経済の好調さが反映されやすいです。一方、VEAはカナダを含むことで、資源価格の安定が下落局面でのバッファーになっている可能性があります。

年間の最大騰落幅を平均すると、IEFAは約13.75%、VEAは約13.13%となり、IEFAの方が若干ボラティリティが高いことが見て取れます。リスクを取ってリターンを追求したいならIEFA、安定性を重視するならVEAといった選択肢が浮かび上がります。

IEFAとVEAのセクター構成比較

セクターIEFA割合VEA割合
金融19%20%
産業15%14%
ヘルスケア13%12%
消費財(循環)11%10%
素材9%10%
情報技術9%8%
消費財(非循環)8%8%
エネルギー5%6%
公益事業4%4%
通信サービス4%4%
不動産3%4%

この表から、両者のセクター構成はかなり似ていますが、いくつか違いがあります。VEAは金融と素材、エネルギーにやや比重が高く、これはカナダの資源関連企業が多い影響と考えられます。一方、IEFAは産業やヘルスケアに少し多めに配分されており、ヨーロッパの製造業や医薬品産業が反映されている可能性があります。

情報技術はどちらも9%以下と低めで、アメリカ市場のようなテック中心の成長は期待しにくい構造です。これは、先進国市場全体の特徴でもあり、安定性を重視する投資家には安心材料かもしれません。

金融セクターが両者とも約20%と大きいのは、先進国経済の基盤がしっかりしている証拠です。ただし、VEAのカナダ分が資源寄りであるのに対し、IEFAは欧州の銀行株が影響を与えている点で、質的な違いがあります。

このセクター構成の違いが、パフォーマンスにどう影響するかは市場環境次第です。例えば、エネルギー価格が上昇すればVEAが有利になり、ヘルスケアが好調ならIEFAが伸びる可能性があります。

IEFAとVEAの構成銘柄比較

IEFA上位5銘柄

銘柄割合
ネスレスイス2.5%
ノボノルディスクデンマーク2.0%
トヨタ自動車日本1.8%
ASMLホールディングオランダ1.7%
ロシュスイス1.5%

VEA上位5銘柄

銘柄割合
ネスレスイス2.3%
サムスン電子韓国2.0%
トヨタ自動車日本1.7%
ノボノルディスクデンマーク1.6%
ロイヤルバンクカナダ1.5%

IEFAはカナダを含まないため、上位にカナダ企業は入っていません。一方、VEAではロイヤルバンク・オブ・カナダが登場し、カナダの金融セクターが影響を与えています。また、VEAには韓国のサムスン電子が入っており、FTSEインデックスの特徴が反映されています。

共通する銘柄として、ネスレやトヨタ、ノボノルディスクが見られますが、割合や順位に違いがあります。IEFAの方が欧州企業(ネスレ、ASML、ロシュ)にやや偏り、VEAはカナダや韓国を含めたバランスが取れている印象です。

銘柄数はVEAが約4,000、IEFAが約2,700と、VEAの方が幅広いですが、上位銘柄の集中度はどちらも10%程度で大きな差はありません。ただ、VEAの小型株の割合がやや多いため、分散効果は高いかもしれません。

IEFAとVEAに投資した場合の成長率シミュレーション比較

IEFAとVEAに投資した場合の成長率をシミュレーションしてみましょう。仮に100万円を2025年に投資し、10年間(2035年まで)運用すると仮定します。過去5年の平均リターン(IEFA: 6.25%、VEA: 6.03%)を基に計算します。

シミュレーション条件

  • 初期投資額: 100万円
  • 年間リターン: IEFA 6.25%、VEA 6.03%
  • 配当再投資なし、経費率考慮
IEFA資産額(万円)VEA資産額(万円)
2025100100
2026106.25106.03
2027112.89112.42
2028119.95119.20
2029127.45126.39
2030135.42134.01
2031143.88142.09
2032152.87150.66
2033162.43159.75
2034172.58169.38
2035183.37179.60

10年後、IEFAは約183万円、VEAは約180万円となり、IEFAが約3.77万円上回ります。この差は、リターンの0.22%差と複利効果によるものです。経費率を考慮すると、IEFAの0.07%とVEAの0.05%の差で多少縮まりますが、それでもIEFAが優勢です。

ただし、これは過去データに基づく予測であり、市場環境が変われば逆転もありえます。例えば、資源価格が急騰すればVEAが上回る可能性も考えられます。

IEFAとVEAに投資した場合の配当金シミュレーション比較

配当金も投資の魅力の一つです。IEFAとVEAの配当利回り(IEFA: 3.0%、VEA: 3.2%)を基に、100万円投資した場合の10年間の配当をシミュレーションします。

シミュレーション条件

  • 初期投資額: 100万円
  • 配当利回り: IEFA 3.0%、VEA 3.2%
  • 配当再投資なし
IEFA配当(万円)VEA配当(万円)
20253.03.2
20263.03.2
20273.03.2
20283.03.2
20293.03.2
20303.03.2
20313.03.2
20323.03.2
20333.03.2
20343.03.2
合計30.032.0

10年間の累計配当は、IEFAが30万円、VEAが32万円で、VEAが2万円多い結果に。VEAの配当利回りが0.2%高いことが効いています。成長率ではIEFAが勝りましたが、配当ではVEAが有利です。

配当再投資すれば、複利効果で差がさらに広がる可能性もありますが、今回は単純比較で進めました。

IEFAとVEAどちらがおすすめ?(観点別)

IEFAとVEA、どちらを選ぶかは投資の目的次第です。以下に観点別に整理しました。

コスト重視

  • おすすめ: VEA
  • 理由: 経費率0.05%とIEFAの0.07%より低く、長期でコスト差が有利に働きます。

リターン重視

  • おすすめ: IEFA
  • 理由: 過去平均リターンが6.25%とVEAの6.03%を上回り、成長率シミュレーションでも優勢。

配当重視

  • おすすめ: VEA
  • 理由: 配当利回り3.2%がIEFAの3.0%を上回り、10年で2万円多い配当が期待できます。

分散性重視

  • おすすめ: VEA
  • 理由: 約4,000銘柄とIEFAの2,700銘柄より多く、カナダを含む幅広いカバレッジ。

安定性重視

  • おすすめ: VEA
  • 理由: 騰落率の変動がIEFAよりやや小さく、下落局面での耐性が強い。

地域選択

  • おすすめ: IEFA(カナダ除外派) / VEA(カナダ重視派)
  • 理由: カナダの経済動向に賭けるか否かで分かれます。

リスクを取ってリターンを狙うならIEFA、コストと安定性を重視するならVEAが適しているといえます。

まとめ

IEFAとVEAは、先進国株式市場への投資を手軽に実現する優れたETFです。IEFAはカナダを除く幅広い銘柄をカバーし、リターン重視の投資家に魅力的。VEAはカナダを含む分散性と低コストで、安定志向の人に適しています。

特徴を比べると、IEFAは成長率でやや優勢、VEAは配当とコストで勝る結果に。パフォーマンスは市場環境に左右されるため、過去データだけでなく今後の経済動向も考慮が必要です。

どちらを選ぶかは、コスト、リターン、配当、分散性、安定性といった観点で自分の優先順位を明確にすることが大切です。国際分散投資の第一歩として、どちらも頼れる選択肢であることは間違いありません。投資の目的に合わせて、最適な一手を打ってみてください。

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執筆者:ぽこ

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