【比較】FANG+ vs オルカン、どっちがおすすめか?リスクやリターンを比較してみたが、両方に投資するのもあり

FANG+ vs オルカン ETF
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この記事の3ポイント要約

FANG+は3年平均年率62.51%という圧倒的リターンを誇る。オルカンは信託報酬0.05%という圧倒的低コストで、世界全体の経済成長に投資することができる。
FANG+は2022年に38%の下落を経験しており、高リターンの代償として高いボラティリティを許容する必要がある。オルカンはFANG+ほどの下落はないがその分リターンがゆるやか
20年シミュレーションではFANG+が圧勝するが、リスク許容度に応じたコア・サテライト戦略をとることを推奨する
執筆者:ぽこ

投資歴は数十年。数々の市場の暴落と回復の経験から、インデックス投資を中心にしつつ、道楽で個別株への投資をするコアサテライト戦略で運用するのが基本スタイル。焦らずにのんびりゆったり資産形成中。

FANG+とオルカンの主要項目比較

まずは、両者のスペックを見てみましょう。

純資産総額を見ると、オルカンの圧倒的な規模が目立ちますが、FANG+も成長してきており、機関投資家の参入も増えているのが現状だと思います。

項目iFreeNEXT FANG+インデックスeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)
設定日2018/01/312018/10/31
純資産総額(円)1,004,709,000,0009,041,995,000,000
流動性非常に高い極めて高い
連動指数NYSE FANG+指数MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス
投資対象銘柄数(銘柄)102,745
ウェイト方式等金額加重方式時価総額加重方式
銘柄選定基準四半期毎のスコアリング市場全体の時価総額に比例
リバランス頻度(回/年)44
利回り・配当頻度0%(無分配)0%(無分配)
信託報酬(%)0.77550.05775
ETF種別パッシブパッシブ
過去リターン1年(%)16.6420.51
過去リターン3年平均(%)62.5124.53
過去リターン5年平均(%)30.0513.33

月々の支払いや積立設定を考える際、信託報酬の差は数十年のスパンでじわじわ効いてくる重要な要素です。コスト面においてはFANG+よりもオルカンのほうがいいと言えます。

ただ、FANG+の3年平均リターンが60%というのは、コストの高さを鑑みたとしても申し分ない結果です。

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  • MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス

FANG+とオルカンの他項目比較(玄人向けファンダメンタルズ比較)

より詳細に両者のファンダメンタルズ比較を行ってみましょう。

項目FANG+指数(採用銘柄平均)MSCI ACWI(オルカン)
平均ROE(%)38.5015.20
EPS成長率予測(%)28.4010.50
売上総利益率(%)62.1031.80
純利益率(%)24.3011.20
PER(倍)32.5018.20
PBR(倍)12.802.80
シャープレシオ3年1.150.85

FANG+のPERが30倍を超えている点は、市場が将来の成長に対して高い期待を折り込み済みであることを意味します。直近加入したパランティアなどが大幅に引き上げています。

これに対し、オルカンは18倍程度、であり安定感があります。

FANG+とオルカンの指標別過去5年推移

ある1地点の比較ではなく、推移でもファンダメンタルズ比較をしてみましょう。

ここでは、それぞれが連動する指標のファンダメンタルズが、過去5年間でどのように推移したかを整理してみました。

iFreeNEXT FANG+インデックス 5年推移

項目2021年2022年2023年2024年2025年
平均ROE(%)32.4028.1035.2038.5040.10
EPS成長率(%)22.10-5.4042.8028.4025.00
売上総利益率(%)58.2056.5060.1062.1063.50
純利益率(%)21.3018.2022.4024.3025.80
PER(倍)38.4022.1031.5032.5033.20
PBR(倍)14.208.5011.4012.8013.50
シャープレシオ1.250.421.481.151.10

eMAXIS Slim 全世界株式 5年推移

項目2021年2022年2023年2024年2025年
平均ROE(%)13.8014.5014.8015.2015.50
EPS成長率(%)18.504.208.3010.509.80
売上総利益率(%)29.8030.1030.8031.8032.10
純利益率(%)10.2010.5010.8011.2011.40
PER(倍)21.5015.2017.4018.2018.50
PBR(倍)2.902.302.602.802.90
シャープレシオ1.050.650.920.850.82

2022年の下落局面では、どちらの指標もPERが減少しましたが、その後の回復力が全く異なります。

特にFANG+は、利益率を落とさずにEPSを回復させており、これが現在の高リターンを支えることに繋がっています。ボラティリティが高い分、回復も早いのです。

項目補足

指標の正確な説明は抜きにして、各項目で何がわかるかをまとめておきます

  • ROE:会社の稼ぐセンスはどんなものか(高い方が良い)
  • EPS成長率:投資家に還元される利益が増加しているか(増加していればいい)
  • 売上総利益率:ブランド力や技術力による永続的競合優位性はどうか(高い方が良い)
  • 純利益率:収益の質の高さはどうか(高い方が良い)
  • PER:投資家から期待されすぎていないか(目安15~20)
  • PBR:その会社が倒産したらどれくらい戻って来るか(1がしきい値)
  • シャープレシオ:リターン再現性どんなものか(1がしきい値で高いほうがいい)

FANG+とオルカンの騰落率比較

FANG+指数騰落率(%)オルカン騰落率(%)
2016年8.105.80
2017年52.3018.70
2018年-3.20-11.40
2019年35.8026.50
2020年110.5010.20
2021年34.2034.10
2022年-38.50-18.36
2023年105.4022.20
2024年38.2017.49
2025年16.6412.50

2020年や2023年のFANG+は100%超のリターンで、驚異的ですね。ただ、2022年などは4割近いドローダウンとなっており、投資家の握力が試されますね。

一方のオルカンは安心安全の安定性で、着実に資産が積み上がっていくのがわかります。

騰落率とは

ある一定期間の間に「何パーセント上昇または下落したか」を示す割合で、投資対象のパフォーマンスやリスク判断をするために使用されます。

FANG+とオルカンの暴落からの回復期間

市場がクラッシュした際、どれだけ早く元の水準に戻れるか非常に大事なポイントです。

過去の主要な局面を比較すると、ハイテク銘柄の集中体であるFANG+は、底を打った後の反発速度に強みがあることが分かります。

暴落局面FANG+ 回復期間オルカン 回復期間
コロナショック(2020年)約3ヶ月約6ヶ月
金利上昇・ハイテク安(2022年)約14ヶ月約12ヶ月
直近の金利調整(2024年夏)約2ヶ月約3ヶ月

2022年のように金利が急上昇する局面では、ハイテク株は長期の調整を余儀なくされます。

オルカンはFANG+と比較をすると下がり幅は狭いですが、回復速度もゆっくりです。

FANG+とオルカンのセクター構成比較

FANG+がテクノロジー関連に全振りしている一方で、オルカンはあらゆるセクターを網羅していますね。

FANG+ セクター構成

セクター名構成比率(%)
情報技術60.50
通信サービス25.20
一般消費財14.30

オルカン セクター構成

セクター名構成比率(%)
情報技術24.10
金融15.40
ヘルスケア11.20
一般消費財10.80
資本財10.10
通信サービス7.50
エネルギー4.60
生活必需品4.50
その他11.80

FANG+とオルカンの構成銘柄比較

FANG+が10社で戦っているのに対し、オルカンは2,000社以上の集合体です。分散効果がまるで違うので、リスクを減らしたい方はオルカン一択でしょう。

ただ、上位銘柄の比率を見ると、オルカンであっても上位10社に一定のウェイトが集中していることが分かります。

FANG+ 上位10銘柄

銘柄名比率(%)備考
エヌビディア10.50GPU・AI半導体
パランティア10.20データ分析・AI
クラウドストライク10.10サイバーセキュリティ
ブロードコム10.00半導体・インフラ
メタ・プラットフォームズ9.90SNS・メタバース
アルファベット9.80検索・クラウド
マイクロソフト9.80OS・クラウド
アマゾン9.70EC・クラウド
アップル9.60デバイス・サービス
ネットフリックス9.50動画配信

オルカン 上位10銘柄

銘柄名比率(%)備考
エヌビディア4.87米国
アップル4.33米国
マイクロソフト3.67米国
アマゾン2.38米国
アルファベット (Class A)1.96米国
ブロードコム1.67米国
アルファベット (Class C)1.65米国
メタ・プラットフォームズ1.54米国
テスラ1.36米国
TSMC1.31台湾

FANG+とオルカンに投資した場合のシミュレーション比較

過去実績を元にした場合、どちらが儲かるか?

FANG+のほうがリターンが大きい

過去5年の平均リターンを維持したと仮定して、100万円を初期投資した場合のシミュレーションを行いました。配当はすべて内部で再投資されるものとして計算しました。

経過年数FANG+(年率30.05%)資産(円)オルカン(年率13.33%)資産(円)
初期費用1,000,0001,000,000
5年後3,711,5401,869,572
10年後13,775,5323,495,299
15年後51,127,9946,534,705
20年後189,763,89212,217,144

FANG+では、20年後に資産が約1.9億円に達します。計算上の理論値とはいえ夢がありますね。もちろん、30%のリターンが20年続く保証はありませんが、それだけの潜在能力を持っているということです。

オルカンでも、しっかりと資産は増え、1200万円にまで膨れ上がります。

FANG+とオルカンと合わせて保有したほうがいいETFは?

FANG+をメインにするならボラティリティの緩和を、オルカンをメインにするならリターンの底上げを意識したETFをチョイスするといいでしょう。

FANG+と組み合わせるべき商品

商品名理由
VYM (米国高配当株ETF)成長株の激しい値動きを配当金による下支えで和らげる
AGG (米国総合債券ETF)株式市場の下落局面でのクッション役。現金比率の調整
2244 (GX USテック20)FANG+の10銘柄リスクを20銘柄へ広げて緩和する

オルカンと組み合わせるべき商品

商品名理由
SOX (フィラデルフィア半導体)オルカンの分散では薄まる「半導体」の爆発力を加味する
1545 (NASDAQ100)米国大型ハイテク株の比重を高め、全体の期待リターンを上げる
ゴールド (金)株式市場全体が冷え込む局面での代替資産としての保有

リスクを抑えたい局面では、AGGのような債券を混ぜることで、暴落時の狼狽売りを防ぐ効果が期待できます。逆に、まだ資産形成の初期段階であれば、SOXなどで少しエッジを効かせるのもいいかもしれません。

FANG+とオルカン、おすすめは?

私の主観も交えながら、5つの観点で比較してみました。

長期的な目線で、自分の生活スタイルやメンタル耐性に合ったものを選んでみてください。

評価軸FANG+オルカン
成長性(キャピタル)★★★★★★★★☆☆
収益性(インカム)☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
安定性(ボラ)★☆☆☆☆★★★★★
回復力(暴落回復)★★★★☆★★★☆☆
健全性(コスト等)★★★☆☆★★★★★

短期的な資産形成を目指すなら、FANG+は非常に魅力的です。

一方で、10年、20年という単位で安心して資産を放置したいのであれば、やはりオルカンに勝るものはないです。

まとめ

FANG+は過去5年で年率30%という驚異的なリターンを叩き出しており、その稼ぐ力には目を見張る者があります。

一方で、コストが極限まで低く、世界中の2,700社以上に分散されたオルカンの安心感は、他にはないものです。

どちらか一方に絞る必要はなく、例えばコアをオルカンとし、サテライトでFANG+を2割ほど保有するといった使い分けもありだと思います。

大切なのは、市場が混乱した時にも冷静に自分の判断を信じ抜けるか否かです。

執筆者:ぽこ

投資歴は数十年。数々の市場の暴落と回復の経験から、インデックス投資を中心にしつつ、道楽で個別株への投資をするコアサテライト戦略で運用するのが基本スタイル。焦らずにのんびりゆったり資産形成中。

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