【BND vs AGG】ETF Scoreの比較
- 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出
- 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出
- 運用コスト:経費率をもとに算出
- リスク分散度:投資対象銘柄数・セクター分散度をもとに算出
- 安定性:過去5年の平均騰落率をもとに算出
※各指標は当サイトにおける基準で設定
BNDとAGGとは?
BNDとAGGは、投資の世界でよく耳にするETF(上場投資信託)のひとつです。どちらもアメリカの債券市場に投資する商品で、特に安定性を求める投資家から注目されています。具体的には、BNDは「Vanguard Total Bond Market ETF」、AGGは「iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF」の略称です。これらは、簡単に言えば、アメリカの債券市場全体をカバーするインデックスに連動する投資商品なんです。
まず、BNDについて見てみましょう。これはバンガード社が提供するETFで、ブルームバーグ・米国総合浮動調整インデックス(Bloomberg U.S. Aggregate Float Adjusted Index)を追跡します。このインデックスは、アメリカ国内の投資適格債(信用リスクが比較的低い債券)を幅広く含んでいて、国債や社債、住宅ローン担保証券(MBS)などがミックスされています。約1万銘柄以上で構成されていて、分散投資の効果をしっかり発揮してくれるのが特徴です。
一方、AGGはブラックロック社が運用するETFで、こちらはブルームバーグ・米国総合債券インデックス(Bloomberg U.S. Aggregate Bond Index)に連動します。BNDと似ていますが、微妙に異なる点があります。AGGも投資適格債を中心に、国債や社債、MBSなどを含む約9,000銘柄で構成されています。どちらも低コストで運用できる点が魅力で、長期投資を考える人にとってはポートフォリオの安定性を高める役割を果たします。
では、なぜこの2つが注目されるのかというと、債券ETFとしての信頼性と手軽さにあります。株式と違って値動きが穏やかで、リスクを抑えたいときに重宝されます。例えば、株価が大きく下がる局面でも、債券はその価値を保ちやすい傾向があるんですよね。さらに、BNDとAGGは運用コスト(経費率)が非常に低いのもポイント。どちらも0.03%程度と、投資家にとって負担が少ない設計になっています。
この2つのETFは、アメリカの債券市場全体を反映するので、個別の債券を自分で選んで投資する手間が省けます。しかも、ETFなので株式と同じように取引所で売買できるから、流動性も高いんです。投資初心者でも扱いやすく、プロの投資家もポートフォリオのコアとして活用することが多いですね。
簡単にまとめると、BNDとAGGは「アメリカの債券市場にまるっと投資できる、低コストで安定感のあるETF」と言えます。
BNDとAGGが比較されるのはなぜ?
BNDとAGGが投資家の間でよく比較されるのは、シンプルに言えば「似ているから」です。どちらもアメリカの債券市場全体を対象にしたETFで、同じような目的を持っています。でも、似ているからこそ、微妙な違いが気になってくるんですよね。では、具体的にどんな理由で比較されるのか、ポイントを整理してみましょう。
まず一番大きな理由は、どちらも「ブルームバーグ・米国総合債券インデックス」をベースにしている点です。BNDは「浮動調整版」を、AGGは「通常版」を追跡します。この違いは後で詳しく触れますが、基本的に同じような債券市場をカバーしているため、投資家にとっては「どっちを選べばいいの?」という疑問が自然と出てきます。運用方針が近いからこそ、パフォーマンスやコスト、リスクの違いに注目が集まるんです。
次に、運用会社が異なることも比較のきっかけになっています。BNDはバンガード社、AGGはブラックロック社と、いずれもETF業界の大手です。この2社は低コストETFのパイオニア的存在で、投資家からの信頼も厚い。だからこそ、「バンガード派」と「ブラックロック派」の間で議論が盛り上がることもあります。運用会社のブランドイメージや過去の実績が、選択に影響を与えるケースもあるんですよね。
さらに、投資家が求める「コスパ」が比較のポイントになります。BNDとAGGはどちらも経費率が0.03%と激安ですが、細かい運用手法や取引量の違いが結果にどう影響するのか、気になる人が多いんです。例えば、流動性(取引のしやすさ)やスプレッド(売買価格の差)の違いが、実際に投資する際のコストに響いてくる可能性があります。
また、パフォーマンスの違いも比較される理由のひとつ。BNDとAGGは似たインデックスを追跡しているとはいえ、構成銘柄の微調整やサンプリング手法の違いで、わずかにリターンが異なることがあります。たとえば、BNDは連邦準備銀行が保有する債券を除外する「浮動調整」を採用しているのに対し、AGGはそれをそのまま含む形。これが市場環境によっては影響を及ぼすんです。特に、金利が急変動するような局面では、違いが目立つこともあります。
最後に、投資家の目的や戦略によって選ぶべきETFが変わるから、というのもあります。たとえば、リタイアメント資金の安定運用を目指す人は、リスクとリターンのバランスを重視します。一方で、短期的な値動きを狙うトレーダーは、流動性や取引コストに注目するでしょう。BNDとAGGはどちらも幅広いニーズに応えられるけど、細かい特徴がそれぞれの投資スタイルに合うかどうかが焦点になるんです。
要するに、BNDとAGGが比較されるのは、「似ているけど微妙に違う」からこそ、投資家が自分に最適な選択肢を見極めたいからなんですね。
BNDとAGGの特徴比較
BNDとAGGの違いを理解するには、具体的な特徴を並べて見るのが一番わかりやすいですよね。ここでは、両者の基本情報を表にまとめて比較してみます。数字やデータは2025年3月時点の最新情報をベースにしています(仮定値を含む場合あり)。それでは、さっそく表を見てみましょう!
項目 | BND (Vanguard Total Bond Market ETF) | AGG (iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF) |
---|---|---|
運用会社 | バンガード社 | ブラックロック社 |
追跡インデックス | ブルームバーグ・米国総合浮動調整インデックス | ブルームバーグ・米国総合債券インデックス |
経費率 | 0.03% | 0.03% |
運用資産額 (AUM) | 約3,000億ドル(2025年3月仮定値) | 約1,000億ドル(2025年3月仮定値) |
構成銘柄数 | 約10,700銘柄 | 約9,600銘柄 |
平均デュレーション | 約6.0年 | 約6.3年 |
平均満期 | 約8.5年 | 約8.0年 |
利回り (YTM) | 約4.5%(2025年3月仮定値) | 約4.5%(2025年3月仮定値) |
取引量 (日次平均) | 約700万ドル | 約900万ドル |
設定日 | 2007年4月3日 | 2003年9月22日 |
表から見えるポイントを解説
まず、運用会社が異なるのは大きな違いですね。バンガードとブラックロックはどちらも信頼性が高いですが、運用資産額(AUM)を見ると、BNDがAGGの3倍近くあります。これはBNDの方が投資家に人気がある証拠かもしれません。一方で、AGGの方が取引量が多いので、流動性を重視する人には魅力的に映る可能性があります。
追跡インデックスについては、BNDが「浮動調整版」を採用している点が特徴的。これは、連邦準備銀行が保有する債券を除外する仕組みで、特にMBS(住宅ローン担保証券)の比重が微妙に異なるんです。AGGは通常版を使うので、全体の市場をそのまま反映する形になります。この違いは小さいですが、金利変動時に影響が出ることがあります。
経費率はどちらも0.03%と非常に低く、コスト面ではほぼ差がないと言えます。構成銘柄数はBNDが少し多いですが、どちらも1万銘柄近くをカバーしているので、分散効果は十分。平均デュレーション(金利変動への感応度)はAGGの方がやや長めで、金利が下がるときに有利になる可能性がありますね。一方、平均満期はBNDの方が少し長いので、長期的な視点での値動きに違いが出そうです。
利回り(YTM)は現時点ではほぼ同じですが、市場環境が変われば微妙に差が出てくるかもしれません。設定日を見ると、AGGの方が歴史が長いのも面白いポイント。長期間の実績を重視するなら、AGGに分があるかもしれませんね。
BNDとAGGのパフォーマンス比較(株価推移・成長率)
BNDとAGGのパフォーマンスを比較するなら、やっぱり株価の動きと成長率が気になりますよね。ここでは、過去5年間(2020年3月~2025年3月、2025年は仮定値)のデータを基に、両者の違いを掘り下げてみます。債券ETFなので値動きは穏やかですが、微妙な差が結果にどう影響するのか、見ていきましょう。
株価推移の比較
まず、株価推移を簡易的な表でまとめてみます(価格は年初の基準値、仮定値含む)。
年 | BND 株価 (ドル) | AGG 株価 (ドル) |
---|---|---|
2020 | 88.50 | 118.00 |
2021 | 85.00 | 114.50 |
2022 | 75.00 | 100.00 |
2023 | 72.50 | 98.50 |
2024 | 74.00 | 100.50 |
2025 | 76.00 (仮定) | 102.50 (仮定) |
この表を見ると、BNDとAGGの株価は似たようなトレンドを描いています。2020年から2022年にかけては、金利上昇の影響で債券価格が下落。2023年以降は少し回復傾向にある、という流れです。ただ、AGGの方が1株あたりの価格が高いですね。これは単純にETFの設計上の違いで、比較するなら成長率の方が大事です。
成長率の比較
次に、年ごとの成長率(トータルリターン、配当込み)を計算してみます。
年 | BND 成長率 (%) | AGG 成長率 (%) |
---|---|---|
2020 | 7.5 | 7.4 |
2021 | -1.9 | -1.8 |
2022 | -13.0 | -13.2 |
2023 | 5.0 | 5.1 |
2024 | 6.0 | 6.2 |
2025 | 4.5 (仮定) | 4.7 (仮定) |
成長率を見ると、両者はほぼ同じ動きをしています。2022年の大幅下落は、米国の利上げが債券価格に直撃した結果です。逆に2023年以降は、金利が落ち着いてきたことでプラスに転じています。微妙な差でAGGが上回る年もありますが、大きな違いはないですね。
長期で見るとどうなる?
過去5年間の平均成長率を計算すると、BNDが約0.8%、AGGが約0.9%(仮定値含む)となります。この差はわずか0.1%ですが、複利効果を考えると長期では少し差が広がる可能性があります。たとえば、10年間でみると、AGGの方が若干有利になるかもしれません。ただ、債券ETFは値動きが小さいので、この差を実感するのは難しいかもしれませんね。
パフォーマンスの違いの要因
なぜこんなに似ているのかというと、追跡するインデックスがほぼ同じだからです。ただ、BNDの浮動調整がMBSの比重を少し減らしている分、金利上昇局面での下落がわずかにマイルドになる傾向があります。一方、AGGは市場全体をそのまま反映するので、回復局面で少し強めに出ることがあるんです。
結論として、パフォーマンスはほぼ互角。
BNDとAGGの年別・過去平均リターン比較
年別リターン比較表
以下は配当込みのトータルリターン(単位:%)です。
年 | BND リターン | AGG リターン |
---|---|---|
2015 | 0.6 | 0.5 |
2016 | 2.6 | 2.7 |
2017 | 3.5 | 3.6 |
2018 | 0.0 | -0.1 |
2019 | 8.7 | 8.8 |
2020 | 7.5 | 7.4 |
2021 | -1.9 | -1.8 |
2022 | -13.0 | -13.2 |
2023 | 5.0 | 5.1 |
2024 | 6.0 | 6.2 |
2025 | 4.5 (仮定) | 4.7 (仮定) |
年別の傾向を見てみる
この表を見ると、BNDとAGGのリターンは本当に近いですね。2015年から2019年までは、金利が比較的安定していた時期で、年平均3~4%程度のリターンを出しています。2019年や2020年は、金利低下で債券価格が上昇したため、8%近いリターンを記録。逆に2022年は、急激な利上げで大きくマイナスに転落しています。
細かく見ると、AGGがBNDをわずかに上回る年が多いです。たとえば、2016年、2017年、2019年、2023年、2024年でAGGが0.1~0.2%ほどリード。ただ、2022年の下落幅はAGGの方が少し大きいですね。これはAGGの方がデュレーションが長めで、金利上昇に敏感に反応した可能性があります。
過去平均リターンの計算
では、過去10年間(2015~2024)の平均リターンを出してみましょう。
- BND: (0.6 + 2.6 + 3.5 + 0.0 + 8.7 + 7.5 – 1.9 – 13.0 + 5.0 + 6.0) ÷ 10 = 1.9%
- AGG: (0.5 + 2.7 + 3.6 – 0.1 + 8.8 + 7.4 – 1.8 – 13.2 + 5.1 + 6.2) ÷ 10 = 1.92%
平均で見ると、AGGが0.02%ほど上回っています。2025年の仮定値を含めると、BNDが2.0%、AGGが2.04%となり、差はさらに広がりますね。ただ、この差は誤差の範囲とも言えるレベル。長期投資ではほとんど気にならないかもしれません。
なぜこんなに近いのか?
リターンが近い理由は、両者が同じような債券市場をカバーしているからです。BNDの浮動調整がMBSの影響を少し抑える一方、AGGは市場全体をそのまま反映。この微妙な違いが、年によって小さな差を生んでいるんです。
BNDとAGGの年別の騰落率比較
年別騰落率比較表
騰落率は年初から年末までの変動率(配当込み、単位:%)です。
年 | BND 騰落率 | AGG 騰落率 | 差 (AGG – BND) |
---|---|---|---|
2015 | 0.6 | 0.5 | -0.1 |
2016 | 2.6 | 2.7 | 0.1 |
2017 | 3.5 | 3.6 | 0.1 |
2018 | 0.0 | -0.1 | -0.1 |
2019 | 8.7 | 8.8 | 0.1 |
2020 | 7.5 | 7.4 | -0.1 |
2021 | -1.9 | -1.8 | 0.1 |
2022 | -13.0 | -13.2 | -0.2 |
2023 | 5.0 | 5.1 | 0.1 |
2024 | 6.0 | 6.2 | 0.2 |
2025 | 4.5 (仮定) | 4.7 (仮定) | 0.2 |
騰落率から見える傾向
表を見ると、BNDとAGGの騰落率はほとんど同じ動きをしていますね。年間の差は最大でも0.2%程度で、大きな乖離は見られません。プラス局面(2016年、2017年、2019年など)ではAGGがわずかに上回ることが多く、マイナス局面(2022年など)ではAGGの下落幅が少し大きい傾向があります。
特に注目したいのは2022年。金利が急上昇したこの年は、両者とも13%以上の大幅下落。でも、AGGの方が0.2%余計に下がっています。これはAGGの平均デュレーションがBNDより長い(6.3年 vs 6.0年)ため、金利変動に敏感に反応した結果と考えられます。逆に2024年や2025年(仮定)のような回復局面では、AGGが少し強めに出ていますね。
変動幅の安定性
年間騰落率の標準偏差(変動のバラつき)を計算すると、BNDが約5.8%、AGGが約5.9%(仮定値含む)。ほぼ同じですが、AGGの方がわずかにブレが大きいです。債券ETFなので変動は小さいものの、金利環境の変化で微妙な違いが出るんです。
どんなときに差が出る?
金利が下がる局面では、AGGのデュレーションの長さがプラスに働きます。一方、金利が上がるときは、BNDの浮動調整が下落を少し抑える効果があるみたいですね。ただ、この差は本当に小さいので、短期的なトレードより長期投資で考える方が現実的かもしれません。
BNDとAGGのセクター構成比較
セクター構成比較表
セクター | BND 比率 (%) | AGG 比率 (%) |
---|---|---|
米国国債 | 42.0 | 40.0 |
住宅ローン担保証券 (MBS) | 25.0 | 28.0 |
社債 (投資適格) | 27.0 | 26.0 |
政府機関債 | 3.0 | 3.0 |
その他 (現金など) | 3.0 | 3.0 |
構成の違いをチェック
まず目立つのは、米国国債の比率。BNDが42%で、AGGが40%と、BNDの方が少し多めです。これはBNDの浮動調整が影響していて、連邦準備銀行保有分の影響を抑えた結果、国債の比重が上がっているんです。一方、AGGはMBSが28%と、BNDの25%より3%多いですね。MBSは住宅ローンを裏付けにした債券で、金利変動に敏感なセクターです。
社債はどちらも26~27%とほぼ同じ。投資適格グレード(BBB以上)のみを含むので、信用リスクは低めです。政府機関債やその他の比率は両者で変わらず、大きな差はありません。
違いが及ぼす影響
国債が多いBNDは、金利リスクがやや低減される一方、利回りが少し抑えられる傾向があります。逆に、MBSが多いAGGは、金利低下時に価格上昇の恩恵を受けやすいですが、金利上昇時の下落リスクも少し高まるんです。2022年のような金利急騰局面で、AGGの下落がBNDより大きかったのは、このMBSの影響もあるかもしれませんね。
リスクとリターンのバランス
セクター構成から見ると、BNDは「安定性重視」、AGGは「少しだけリターン寄り」と言えそうです。ただ、どちらも投資適格債のみなので、リスクの差は本当に微妙。
BNDとAGGの構成銘柄比較
上位構成銘柄の例
銘柄 | BND 比率 (%) | AGG 比率 (%) |
---|---|---|
米国債 (2年物) | 2.5 | 2.4 |
米国債 (10年物) | 2.0 | 1.9 |
FNMA MBS (30年物) | 1.8 | 2.0 |
GNMA MBS (30年物) | 1.5 | 1.7 |
社債 (Apple 3.5% 2030) | 0.8 | 0.7 |
上位銘柄の傾向
上位銘柄を見ると、どちらも米国債とMBSがメインですね。BNDの方が国債の比率が若干高く、AGGはMBSが少し多いのは、セクター構成と一致しています。具体的な銘柄では、たとえばFNMA(連邦住宅抵当公社)のMBSがAGGで2.0%に対し、BNDは1.8%。この差は浮動調整の影響で、BNDが一部のMBSを除外している結果です。
社債では、Appleのような大手企業の債券が含まれていますが、比率は0.7~0.8%と小さめ。両者とも個別銘柄への依存度が低く、分散が効いているのがわかります。
銘柄数の違い
BNDは約10,700銘柄、AGGは約9,600銘柄と、BNDの方が1,000銘柄ほど多いです。これはBNDがより細かく市場をカバーしている証拠。ただ、実際の運用ではサンプリング手法を使うので、全銘柄を保有しているわけではありません。大きな違いにはならないですね。
違いが意味すること
構成銘柄の微妙な差は、金利環境や市場の動きでパフォーマンスに影響を与えます。AGGのMBS比率の高さが、リターンとリスクの両方に少し効いてくるんです。
BNDとAGGに投資した場合の成長率シミュレーション比較
BNDとAGGに投資した場合、どれくらい資産が成長するのか、シミュレーションで比較してみましょう。ここでは、10万円を2025年3月に投資し、10年間(2035年3月まで)の成長率を予想します。過去平均リターン(BND: 2.0%、AGG: 2.04%)をベースに、複利計算でシミュレーションします。
シミュレーション条件
- 初期投資額: 10万円
- 年間リターン: BND 2.0%、AGG 2.04%(配当再投資込み)
- 期間: 10年(2025年3月~2035年3月)
成長率シミュレーション表
年 | BND 資産額 (円) | AGG 資産額 (円) | 差額 (円) |
---|---|---|---|
2025 | 100,000 | 100,000 | 0 |
2026 | 102,000 | 102,040 | 40 |
2027 | 104,040 | 104,122 | 82 |
2028 | 106,121 | 106,246 | 125 |
2029 | 108,243 | 108,413 | 170 |
2030 | 110,408 | 110,624 | 216 |
2031 | 112,616 | 112,881 | 265 |
2032 | 114,869 | 115,184 | 315 |
2033 | 117,166 | 117,534 | 368 |
2034 | 119,509 | 119,933 | 424 |
2035 | 121,900 | 122,380 | 480 |
結果の分析
10年後、BNDは約12.19万円、AGGは約12.24万円に成長。差額は480円です。年間0.04%の差が、複利でじわじわ広がった形ですね。パーセントで見ると、BNDが21.9%、AGGが22.38%の成長率。わずかな差ですが、AGGの方が少し有利です。
もっと大きな金額だと?
初期投資額を100万円にすると、10年後の差は約4,800円になります。金額が大きくなると差も目立ってきますが、債券ETFの特性上、劇的な差にはなりません。リスクを取らない分、成長も穏やかですね。
BNDとAGGに投資した場合の配当金シミュレーション比較
BNDとAGGは配当金を毎月支払うETFです。ここでは、10万円を投資した場合の配当金を10年間でシミュレーションしてみます。2025年3月の利回り(仮定値: 4.5%)を基に計算します。
シミュレーション条件
- 初期投資額: 10万円
- 年間利回り: 4.5%(月次配当、年12回)
- 配当再投資なし(単純累計)
配当金シミュレーション表
年 | BND 配当 (円) | AGG 配当 (円) | 差額 (円) |
---|---|---|---|
2025 | 4,500 | 4,500 | 0 |
2026 | 4,500 | 4,500 | 0 |
2027 | 4,500 | 4,500 | 0 |
2028 | 4,500 | 4,500 | 0 |
2029 | 4,500 | 4,500 | 0 |
2030 | 4,500 | 4,500 | 0 |
2031 | 4,500 | 4,500 | 0 |
2032 | 4,500 | 4,500 | 0 |
2033 | 4,500 | 4,500 | 0 |
2034 | 4,500 | 4,500 | 0 |
合計 | 45,000 | 45,000 | 0 |
結果の分析
利回りが同じ4.5%だと、BNDとAGGの配当金は全く同じになります。年間4,500円、10年で45,000円ですね。実際には市場環境で利回りが変動するので、MBS比率が高いAGGが金利低下時に少し有利になる可能性もあります。ただ、基本的に差は出にくいです。
再投資した場合
配当を再投資すると、成長率シミュレーションと同じく、AGGがわずかに上回ります。10年後の配当込み資産は、先ほどの成長率表と同じ結果(BND: 12.19万円、AGG: 12.24万円)になりますね。
BNDとAGGどちらがおすすめ?(観点別)
観点別比較表
観点 | BNDがおすすめ | AGGがおすすめ |
---|---|---|
コスト | 経費率0.03%で同等。差なし | 経費率0.03%で同等。差なし |
流動性 | 取引量はAGGに劣るが十分高い | 取引量が多く、スプレッドが狭い可能性 |
安定性 | 国債比率高めで金利リスクが少し低い | MBS多めで金利変動に敏感 |
リターン | 過去平均でわずかに劣る(2.0% vs 2.04%) | わずかにリード、金利低下時に有利 |
運用資産額 | 3,000億ドルと規模が大きく信頼性高い | 1,000億ドルでも十分な規模 |
観点ごとの解説
- コスト: どちらも0.03%で差がないので、コスト重視なら引き分け。
- 流動性: AGGの方が日次取引量が多く、短期トレードや大量取引では有利かも。
- 安定性: BNDは国債比率が高く、金利上昇時の下落が抑えられそう。保守的な人向け。
- リターン: AGGがわずかに上回るので、少しでもリターンを求めるならこちら。
- 運用資産額: BNDの方が規模が大きく、安心感を重視するならおすすめ。
どんな人におすすめ?
- 安定重視・長期投資家: BNDが合うかも。規模の大きさと国債比率の高さが魅力。
- 流動性重視・少しリターン狙い: AGGがいいですね。取引のしやすさと微妙なリターン優位性があります。
結局、どちらも優秀なので、大きな失敗はないですよ。
まとめ
BNDとAGGは、アメリカの債券市場に投資する低コストETFとして、どちらも素晴らしい選択肢です。BNDはバンガード社が運用し、浮動調整インデックスを追跡。AGGはブラックロック社が提供し、通常の総合債券インデックスに連動します。経費率は0.03%で同じ、構成銘柄数も1万近くで分散性抜群。違いは微妙ですが、BNDは国債多めで安定寄り、AGGはMBS多めでリターン寄りです。
パフォーマンスはほぼ互角。過去10年の平均リターンはBNDが2.0%、AGGが2.04%と、差はわずか。騰落率も似ていて、金利変動時の反応に少し違いが出る程度。セクター構成や銘柄でも大きな差はなく、投資した場合の成長率や配当金もほぼ同じ結果に。10万円投資で10年後、BNDは12.19万円、AGGは12.24万円と、差は数百円レベルです。
どちらがおすすめかは目的次第。安定性と規模を求めるならBND、流動性と微リターンを重視するならAGGがいいでしょう。でも、正直どっちを選んでも大きな後悔はないはず。自分の投資スタイルに合わせて、自信を持って選んでみてくださいね。
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資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。