IWD:米国バリュー株ETF|安定した収益や配当を狙う投資家に適し、長期保有向けのETF

ETF
  1. IWDのETF Score (ETFのおすすめ度)
  2. IWDとは
  3. IWDの特徴
  4. IWDの株価・推移・成長率(パフォーマンス)
  5. IWDの年別・過去平均リターン
  6. IWDの月別の騰落率は?
  7. IWDのセクター構成
  8. IWDの構成銘柄とその特徴
  9. IWDに投資した場合のシミュレーション
  10. IWDの配当タイミングと直近の配当
  11. IWDの配当金シミュレーション
    1. 月3万円を得るには?
    2. 月5万円を得るには?
    3. 配当金生活をするには?
  12. IWDに投資する際の注意点
  13. IWDとよく比較されるETFは?
  14. IWDと合わせてポートフォリオに加えたほうがいいETFは?
  15. IWDに関してのよくある質問
  16. まとめ
  17. 他のETFの記事はこちら

IWDのETF Score (ETFのおすすめ度)

  • 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出
  • 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出
  • 運用コスト:経費率をもとに算出
  • リスク分散度:投資対象銘柄数・セクター分散度をもとに算出
  • 安定性:過去5年の平均騰落率をもとに算出

※各指標は当サイトにおける基準で設定

執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。

IWDとは

iShares Russell 1000 Value ETF、通称「IWD」は、アメリカの株式市場に投資する人なら一度は耳にしたことがあるかもしれないETF(上場投資信託)です。具体的には、IWDはラッセル1000バリュー指数(Russell 1000 Value Index)を追跡することを目標にしています。この指数は、アメリカの大型株および中型株の中でも、特に「バリュー(割安)」とされる企業に焦点を当てたものです。では、バリュー株って何?と思う人もいるでしょう。簡単に言うと、株価が企業の本質的な価値(利益や資産など)に比べて割安だと判断される銘柄のことです。

このETFは、2000年5月にブラックロック社(BlackRock)によって設立されました。運用資産額(AUM)は約600億ドル(2025年3月時点の概算)と、かなりの規模を誇ります。投資家にとっては、ポートフォリオに安定感をもたらす選択肢として人気があります。特に、成長株(グロース株)に対して、バリュー株は市場が不安定な時期に底堅さを見せる傾向があるため、リスクを抑えつつリターンを狙いたい人に向いていると言えます。

IWDの特徴的なポイントの一つは、約800銘柄以上で構成されていることです。これにより、1つの企業に依存するリスクを大幅に減らし、分散投資の恩恵を受けられます。金融やヘルスケア、産業といったセクターに重きを置いており、いわゆる「地味だけど堅実」な企業が多いのも魅力です。たとえば、バークシャー・ハサウェイやJPモルガン・チェースといった、誰もが知る大企業が含まれています。

投資対象としては、アメリカ国内の企業に限定されるため、為替リスクを気にせず投資できるのも嬉しい点です。さらに、ETFなので株式市場でいつでも売買が可能。流動性が高く、取引の手軽さも評価されています。手数料(経費率)は年0.19%と低コストで、長期保有を考える投資家にとっては負担が少ない設計になっています。

では、どんな人にIWDが合うのか。成長株のような派手な値上がりを期待するのではなく、じっくりと資産を増やしたい人や、安定した配当収入を重視する人におすすめです。また、アメリカ経済全体の底堅さに賭けたい投資家にもフィットするでしょう。

IWDの特徴

IWDの特徴を理解する上で、言葉だけで説明するよりも、表で整理したほうが一目瞭然です。以下に、IWDの主要な特徴をまとめた表を作成しました。これを見て、どんなETFなのか具体的なイメージをつかんでください。

項目内容
名称iShares Russell 1000 Value ETF (IWD)
運用会社ブラックロック(BlackRock)
設定日2000年5月22日
追跡指数ラッセル1000バリュー指数(Russell 1000 Value Index)
経費率0.19%(年率)
運用資産額 (AUM)約600億ドル(2025年3月時点概算)
構成銘柄数約850銘柄
投資対象アメリカの大型・中型バリュー株
取引所NYSE Arca
平均取引量約250万株/日(直近12ヶ月の平均)
配当利回り約1.8%(2025年3月時点概算)
主なセクター金融、ヘルスケア、産業
リスクレベル中程度(バリュー株特有の安定性と市場変動の影響を両立)

この表を見ると、IWDの全体像が掴みやすいですよね。まず、経費率が0.19%と非常に低い点は注目です。たとえば、アクティブ運用のファンドだと1%を超えることも珍しくありません。それに比べてIWDは、低コストで長期保有に適していると言えます。

構成銘柄数が約850もあるのは、分散投資の観点から大きな強みです。1つの銘柄が暴落しても、全体への影響は限定的。たとえば、金融セクターのJPモルガン・チェースが2.3%程度を占めるなど、特定の企業に偏りすぎないバランスが取れています。これにより、個別株投資のようなスリルを味わうことなく、安定感をキープできるわけです。

また、配当利回りが約1.8%というのは、バリュー株ETFの中では標準的。派手さはないものの、定期的に配当を受け取れるのは嬉しいポイントです。特に、再投資を考える投資家にとっては、この配当が複利効果を生む原動力になります。

リスクレベルが「中程度」と書いたのは、バリュー株が成長株ほど値動きが激しくない一方で、経済全体の動向には影響を受けるためです。たとえば、金利上昇局面では金融株が恩恵を受ける一方、景気後退期には産業セクターが苦戦する可能性も。このバランスが、IWDの特徴を形作っています。

IWDの株価・推移・成長率(パフォーマンス)

IWDの株価やパフォーマンスは、投資を考える上で欠かせない指標です。2025年3月2日時点での株価を基準に、過去の推移や成長率を見てみましょう。なお、具体的な数値は市場データに基づく概算値として扱います。

まず、直近の株価は約195ドル(2025年3月2日時点)。ここ数年の推移を見ると、緩やかな上昇トレンドが続いています。たとえば、2020年のコロナショック時には約90ドルまで下落しましたが、その後回復し、2022年末には約150ドル、2024年には190ドルを超える水準に到達。年平均成長率(CAGR)は、過去5年で約8.5%程度と推定されます。

下に、過去5年の株価推移を簡易的に表にしてみました。

年初株価(ドル)年末株価(ドル)年間成長率(%)
20201361370.7
202113716721.9
2022167151-9.6
20231511659.3
202416519015.2

この表を見ると、2021年の21.9%という高い成長率が目を引きます。コロナ後の経済回復がバリュー株に追い風となった時期ですね。一方で、2022年はマイナス成長。金利上昇や景気懸念が影響したと考えられます。それでも、長期で見れば安定した成長が続いており、2024年の15.2%は再び力強さを見せています。

成長率の背景には、アメリカ経済の動向が大きく関わっています。IWDは金融や産業といった景気敏感セクターに依存しているため、経済が上向く局面ではしっかりリターンを出します。逆に、景気後退期には一時的な下落リスクも。たとえば、2022年のマイナス9.6%は、インフレ懸念や利上げがバリュー株に影を落とした結果です。

パフォーマンスを他と比較すると、S&P500(年平均約10-11%)にはやや劣るものの、安定感では勝っていると言えます。成長株中心のナスダック100(QQQ)と比べると、値動きの激しさは抑えられており、急落時の損失も限定的。たとえば、2022年の下落幅はQQQの約-32%に対し、IWDは-9.6%で済んでいます。

投資家にとって、この安定性は大きな魅力。短期的な値上がり狙いではなく、長期でじっくり資産を育てたい人に向いているETFと言えるでしょう。

IWDの年別・過去平均リターン

IWDに投資するなら、過去のリターンがどれくらいなのか気になりますよね。ここでは、年別のリターンと過去の平均値を具体的に見ていきます。配当込みのトータルリターンで計算しているので、実際の収益イメージが掴みやすいはずです。

以下に、2015年から2024年までの年別リターンを表にまとめました(2025年は3月時点で未確定のため除外)。

トータルリターン(%)
2015-3.8
201617.3
201713.7
2018-8.3
201926.5
20202.8
202125.2
2022-7.5
202311.5
202416.8

この10年間の平均リターンは約9.4%。年によってバラつきはありますが、プラスとマイナスが交互に訪れる中でも、長期で見ればしっかり成長しているのが分かります。特に、2019年の26.5%や2021年の25.2%など、バリュー株が輝く年は大きく跳ねています。一方で、2018年や2022年のマイナスは、景気後退や金利上昇の影響を受けた時期です。

過去20年(2005-2024)に範囲を広げると、平均リターンは約8.7%程度。インフレ率(年平均2-3%)を考慮しても、実質的な資産増加が見込める水準です。たとえば、2005年に1万ドル投資していたら、2024年末には約5万ドル(配当再投資込み)に成長している計算になります。

リターンの安定性を測るために、標準偏差も見ておくと、約15%程度。これはS&P500とほぼ同等で、成長株ETF(例: QQQ)の20%超に比べると低め。つまり、値動きのブレ幅が比較的小さいと言えます。リスクを抑えつつ、そこそこのリターンを狙えるのがIWDの強みです。

ただし、年別リターンを見ると分かるように、マイナス年も避けられません。市場全体が落ち込むタイミングでは、IWDも影響を受けるわけです。それでも、長期保有を前提にすれば、プラスリターンの年がマイナスを上回る傾向にあるので、焦らずに持つことが大事。

IWDの月別の騰落率は?

IWDのパフォーマンスを月別に分解すると、季節ごとの傾向が見えてきます。投資のタイミングを考える際にも役立つので、過去10年(2015-2024)のデータを基に、月別の平均騰落率を表にしてみました。

平均騰落率(%)
1月0.8
2月-0.5
3月1.2
4月1.5
5月0.3
6月0.1
7月1.8
8月-0.9
9月-1.3
10月0.7
11月2.1
12月1.9

この表を見ると、いくつか面白いポイントが浮かび上がります。まず、11月(2.1%)と12月(1.9%)が強い傾向にあること。年末にかけて株価が上昇しやすい「年末ラリー」の影響が、バリュー株にも及んでいる可能性があります。7月(1.8%)や4月(1.5%)も好調で、夏や春先にプラスになりやすいようです。

逆に、9月(-1.3%)と8月(-0.9%)はマイナスが目立ちます。秋口は市場全体が調整局面に入ることが多く、IWDもその波に乗りやすいのでしょう。2月(-0.5%)も弱含みで、短い月だからというより、決算発表後の調整が影響しているのかもしれません。

このデータから、IWDは年間を通じて安定しているものの、特定の月でパフォーマンスが偏る傾向があると分かります。たとえば、年末にポジションを増やすとか、9月の下落を避けるといった戦略も考えられそうです。ただし、月別騰落率はあくまで平均値。年によっては大きく異なることもあるので、過信は禁物です。

実際、2022年9月は-8%を超える下落を記録した一方、2023年11月は+7%近く上昇するなど、年ごとのバラつきも大きいです。市場環境や経済指標(金利、インフレ率など)が大きく影響するため、月別の傾向は参考程度に留めておくのが賢明でしょう。

IWDのセクター構成

IWDの魅力の一つは、特定のセクターに偏りすぎず、バランス良く分散されている点です。2025年3月時点のセクター構成を以下に表でまとめました。

セクター割合(%)主な企業例
金融23.5JPモルガン・チェース、バークシャー・ハサウェイ
ヘルスケア15.8ファイザー、ジョンソン・エンド・ジョンソン
産業13.2キャタピラー、ハネウェル
情報技術10.5シスコシステムズ、IBM
生活必需品9.8プロクター・アンド・ギャンブル
エネルギー8.7エクソンモービル、シェブロン
一般消費財6.4ウォルマート
素材4.2デュポン
公益事業3.9デューク・エナジー
通信サービス3.1AT&T

金融セクターが23.5%と最大の割合を占めています。これは、バリュー株の特性上、銀行や保険会社といった安定したキャッシュフローを持つ企業が多いためです。たとえば、JPモルガン・チェースは株価が割安とされつつ、高い配当利回りを提供しています。

次にヘルスケアが15.8%。ファイザーやジョンソン・エンド・ジョンソンといった企業は、景気変動に強いディフェンシブな特徴を持ち、IWDの安定性を支えています。産業セクター(13.2%)も重要で、インフラや製造業の企業が含まれ、経済成長に連動する部分を担います。

情報技術が10.5%と控えめなのは、バリュー株ETFの特徴。成長株寄りのテック企業(例: アップルやテスラ)は少なく、シスコやIBMのような成熟企業が中心です。エネルギー(8.7%)や生活必需品(9.8%)も、配当を重視する投資家に嬉しいセクターですね。

この構成を見ると、IWDは景気敏感セクター(金融、産業)とディフェンシブセクター(ヘルスケア、生活必需品)のバランスが取れていることが分かります。市場が好調な時は金融や産業が引っ張り、不調な時はヘルスケアが下支えする形です。ただし、テクノロジーの割合が低いので、ITブームの恩恵は限定的かもしれません。

IWDの構成銘柄とその特徴

IWDの約850銘柄の中から、上位10銘柄をピックアップして、その特徴を表にまとめました(2025年3月時点の概算)。

順位企業名割合(%)特徴
1バークシャー・ハサウェイ2.6多角経営、堅実な資産運用
2JPモルガン・チェース2.3大手銀行、高配当
3エクソンモービル1.6エネルギー大手、安定配当
4ファイザー1.3製薬、ディフェンシブ
5シスコシステムズ1.2ITインフラ、成熟企業
6シェブロン1.1エネルギー、資源依存
7ウェルズ・ファーゴ1.0銀行、景気敏感
8ジョンソン・エンド・ジョンソン0.9ヘルスケア、安定成長
9バンク・オブ・アメリカ0.9金融、幅広い顧客基盤
10プロクター・アンド・ギャンブル0.8生活必需品、ディフェンシブ

バークシャー・ハサウェイが首位で2.6%。ウォーレン・バフェットが率いるこの企業は、多様な事業を持ちつつ、バリュー投資の象徴とも言えます。JPモルガン・チェース(2.3%)は、金融セクターの柱で、配当利回りも約2.5%と魅力的です。

エネルギーセクターからはエクソンモービル(1.6%)とシェブロン(1.1%)がランクイン。原油価格に左右されやすいものの、安定した配当が特徴です。ヘルスケアではファイザー(1.3%)とジョンソン・エンド・ジョンソンが名を連ね、景気変動に強い安定感を提供しています。

金融が4銘柄(JPモルガン、ウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・アメリカ、バークシャー)と多いのも、バリュー株らしい特徴。こうした企業は、株価が割安で配当も安定している傾向があります。一方で、成長株のような急激な値上がりは期待しにくい点も押さえておきたいですね。

全体的に見ると、上位10銘柄で約13%を占めるだけ。残り87%が数百銘柄に分散されているため、1社の業績悪化が全体に与える影響は小さいです。このバランスが、IWDの安定性を支えているわけです。

IWDに投資した場合のシミュレーション

IWDに投資した場合のリターンを、具体的な金額でシミュレーションしてみます。前提として、株価は195ドル(2025年3月時点)、過去10年の平均リターン9.4%(配当込み)、配当利回り1.8%を使用します。

シナリオ1: 100万円投資(約5,128株)

  • 初期投資額: 100万円(為替レート130円で約7,692ドル、39.5株購入)
  • 1年後: 109.4万円(リターン9.4%で9.4万円増、配当約1.8万円)
  • 5年後: 157.9万円(年平均9.4%で複利計算)
  • 10年後: 248.9万円(同上)

シナリオ2: 500万円投資(約197株)

  • 初期投資額: 500万円(約38,462ドル、197株購入)
  • 1年後: 547万円(リターン47万円、配当約9万円)
  • 5年後: 789.5万円
  • 10年後: 1,244.5万円

シナリオ3: 1,000万円投資(約394株)

  • 初期投資額: 1,000万円(約76,923ドル、394株購入)
  • 1年後: 1,094万円(リターン94万円、配当約18万円)
  • 5年後: 1,579万円
  • 10年後: 2,489万円
投資額1年後5年後10年後
100万円109.4万円157.9万円248.9万円
500万円547万円789.5万円1,244.5万円
1,000万円1,094万円1,579万円2,489万円

このシミュレーションを見ると、長期保有で複利効果がしっかり働くのが分かります。たとえば、1,000万円を10年持てば約2.5倍に。配当を再投資すれば、さらにリターンが増える可能性もあります。

ただし、これは過去の平均リターンに基づく試算。市場が低迷すればリターンは下がるし、逆に好調なら上振れも期待できます。たとえば、2022年のような-7.5%の年が続けば、1年目はマイナスになるリスクも。長期目線でブレを平均化するのが賢い使い方です。

IWDの配当タイミングと直近の配当

IWDは配当金を定期的に支払うETFで、配当収入を重視する投資家に嬉しい特徴があります。配当のタイミングは年4回、四半期ごとです。具体的には、以下のスケジュールが一般的。

  • 3月下旬(第1四半期)
  • 6月下旬(第2四半期)
  • 9月下旬(第3四半期)
  • 12月下旬(第4四半期)

直近の配当実績(2024年12月分)は、1株あたり約0.90ドル。配当利回りは株価195ドルに対し約1.8%で、年間では1株あたり約3.5ドル程度が期待できます。過去5年の配当履歴を表にまとめました。

年間配当(1株あたり、ドル)配当利回り(%)
20202.922.1
20213.051.8
20223.202.1
20233.352.0
20243.50(予想)1.8

配当は年々緩やかに増加傾向にあり、企業の利益成長や配当政策の反映と考えられます。たとえば、2020年の2.92ドルから2024年の3.50ドルへと、約20%増。インフレ率を上回るペースで、購買力の維持にも寄与しています。

支払いタイミングが四半期ごとなので、毎月分配型ほど頻繁ではないものの、年4回の安定したキャッシュフローが得られるのは魅力的。12月は年末調整で配当額がやや増える傾向もあるので、注目です。

IWDの配当金シミュレーション

IWDの配当利回り1.8%、1株195ドル、年間配当3.5ドルを基に、目標収入別の必要投資額をシミュレーションします。

月3万円を得るには?

  • 年間目標: 3万円 × 12 = 36万円
  • 必要配当(ドル): 36万円 ÷ 130円 = 約2,769ドル
  • 必要株数: 2,769ドル ÷ 3.5ドル = 約791株
  • 投資額: 791株 × 195ドル = 約154,245ドル(約2,005万円)

月5万円を得るには?

  • 年間目標: 5万円 × 12 = 60万円
  • 必要配当(ドル): 60万円 ÷ 130円 = 約4,615ドル
  • 必要株数: 4,615ドル ÷ 3.5ドル = 約1,319株
  • 投資額: 1,319株 × 195ドル = 約257,205ドル(約3,344万円)

配当金生活をするには?

「配当金生活」の定義は人それぞれですが、仮に月50万円(年600万円)で生活するとします。

  • 年間目標: 50万円 × 12 = 600万円
  • 必要配当(ドル): 600万円 ÷ 130円 = 約46,154ドル
  • 必要株数: 46,154ドル ÷ 3.5ドル = 約13,187株
  • 投資額: 13,187株 × 195ドル = 約2,571,465ドル(約3億3,429万円)
目標必要株数投資額(万円)
月3万円791株約2,005
月5万円1,319株約3,344
月50万円(生活費)13,187株約33,429

月3万円なら約2,000万円で達成可能と、現実的なラインです。一方、配当金生活には3億円超と、かなりの資金が必要。配当利回りが低い分、元本を大きくしないと厳しいですね。

IWDに投資する際の注意点

IWDは安定感のあるETFですが、投資前に知っておくべき注意点があります。以下に主要なポイントを挙げます。

  1. 景気敏感セクターへの依存 金融(23.5%)や産業(13.2%)が多いため、景気後退時には下落リスクが上がります。2022年の-7.5%はその一例です。
  2. 成長株とのパフォーマンス格差 テクノロジー割合が低いため、ITブーム時にはリターンが劣後する可能性も。QQQが年20%伸びる中、IWDが9%だと物足りなく感じるかもしれません。
  3. 為替リスク(日本人投資家向け) ドル建て資産なので、円高になると実質リターンが減ります。たとえば、130円が120円になれば、約7%の目減りです。
  4. 配当利回りの限界 1.8%は安定しているものの、高配当ETF(例: VYMの3%超)と比べると控えめ。配当重視なら物足りない可能性も。
  5. 市場全体への連動性 バリュー株といえど、S&P500が大きく下がれば影響を受けます。完全なリスク回避は難しいです。

これらを踏まえると、IWDはリスクとリターンのバランスが取れた選択肢ですが、景気動向や投資目標に合った判断が重要。分散投資の一環として使うのが賢明です。

IWDとよく比較されるETFは?

項目IWDVTVSCHVIUSV
指数ラッセル1000バリューCRSP US Large ValueDow Jones ValueS&P 900 Value
経費率0.19%0.04%0.04%0.04%
配当利回り1.8%2.4%2.3%2.0%
銘柄数約850約340約220約700
リターン9.4%(10年平均)10.2%9.8%10.0%
  • VTV(バンガード・バリューETF): 経費率0.04%と圧倒的に安く、配当も2.4%と高め。銘柄数が少ない分、集中リスクが気になるかも。
  • SCHV(シュワブ・バリューETF): 低コストで安定感あり。リターンはIWDと近いが、銘柄数が少ない。
  • IUSV(iShares S&P 900バリュー): IWDと似た特性で、経費率が安く、リターンがやや上回る。

IWDは分散性で勝り、VTVはコストと配当で魅力的。投資スタイル次第ですが、バランス重視ならIWD、低コストならVTVが有力です。

IWDと合わせてポートフォリオに加えたほうがいいETFは?

  1. QQQ(ナスダック100)
    • 特徴: 成長株中心(テック多め)、リターン約13%(10年平均)
    • 相性: IWDの低成長を補い、攻めの要素を追加。
  2. VYM(バンガード高配当)
    • 特徴: 配当利回り3.2%、安定企業中心
    • 相性: IWDの配当を補強し、収入源を増やす。
  3. VXUS(バンガード・トータル国際)
    • 特徴: 米国以外の先進国・新興国、リターン約6%
    • 相性: 地域分散でリスクを軽減。
組み合わせ例割合期待効果
IWD + QQQ60:40安定性と成長性の両立
IWD + VYM50:50配当収入の最大化
IWD + VXUS70:30地域リスクの分散

たとえば、IWD:QQQ=60:40なら、安定感を保ちつつ成長株の恩恵も受けられます。リスク許容度や目標に応じて調整するのがおすすめです。

IWDに関してのよくある質問

Q
IWDの将来性はあるか?
A

バリュー株は長期的には成長株に劣ると言われることもありますが、経済環境次第で輝きます。金利上昇やインフレ局面では、バリュー株が有利になる傾向も。アメリカ経済が底堅ければ、IWDの将来性は十分期待できます。

Q
IWDは長期保有をしてもいいか?
A

はい、長期保有に適しています。過去20年で年平均8.7%のリターンと、安定性が証明済み。配当再投資で複利効果も期待できるので、10年以上の視野なら有力な選択肢です。

Q
IWDの買い時はいつか?
A

市場が下落したタイミング(例: 株価180ドル以下)が狙い目。月別では9月の調整後や、年末ラリー前の10-11月も候補。ただし、長期目線ならタイミングを気にせず積み立てが無難です。

まとめ

IWDは、アメリカのバリュー株に投資するETFとして、安定感と分散性を兼ね備えています。経費率0.19%、配当利回り1.8%、過去10年リターン9.4%と、長期で資産を増やしたい人にぴったり。金融やヘルスケアなど堅実なセクター構成で、景気変動にも対応力があります。

ただし、成長株のような急騰は期待しにくく、景気後退時の下落リスクもゼロではありません。配当狙いならVYM、成長性ならQQQと組み合わせるのも賢い選択です。シミュレーションでは、2,000万円で月3万円、3億円超で配当生活も夢じゃないことが分かりました。

投資を始めるなら、目標とリスク許容度を明確にして、タイミングを見極めつつ臨機応変に。IWDは、堅実な資産形成の頼もしいパートナーになるでしょう。

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XLK:米国テクノロジー株ETF|米国の情報技術セクターに特化したセクターETF。アップルやマイクロソフトなど世界的IT企業が多数

XLKのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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VO:米国中型株ETF|成長性と安定性のバランスが良く、中長期の分散投資に適している

VOのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出 …

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IEMG:新興国株ETF|低コストで幅広い新興国市場への分散投資が可能

IEMGのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…

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VWO:新興国株ETF|中国、台湾、インドなど成長市場に広く分散し、高成長を狙う投資家向け。

VWOのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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IJR:米国小型株ETF|高い成長性が期待される一方、値動きが大きくリスクも高めの銘柄群

IJRのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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EFA:先進国株ETF(米国外)|日本、欧州を中心に広く分散し、グローバル分散投資に活用

EFAのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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IVW:米国大型成長株ETF|テクノロジーや消費関連が中心で、成長重視の投資家向け

IVWのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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SPLG:米国S&P500ETF|S&P500に連動する低コストETF。資産形成初心者にも適したシンプルな商品設計

SPLGのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…

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IJH:米国中型株ETF|大型株より高い成長性を狙いつつ、小型株よりリスクを抑えた中間的存在のETF

IJHのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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IBIT:ブラックロックが運用するビットコイン現物ETF

IBITのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…

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VT:世界全体株式ETF|米国、先進国、新興国すべてを網羅し、超分散投資を実現するETF

VTのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出 …

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BNDX:米国外国債ETF|米国外の投資適格債に投資するETF

BNDXのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…

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IWD:米国バリュー株ETF|安定した収益や配当を狙う投資家に適し、長期保有向けのETF

IWDのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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VXUS:米国外国株ETF|先進国・新興国を問わず広く分散し、グローバル分散に適したETF

VXUSのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…

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VB:米国小型株ETF|米国小型株に分散投資するバンガードETF

VBのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出 …

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ITOT:米国全市場ETF|米国株式市場全体に投資するETF

ITOTのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算…

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IWM:米国小型株ETF|ラッセル2000指数に連動する米国小型株ETF

IWMのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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RSP:米国均等加重型ETF|S&P500構成銘柄を均等加重で投資するユニークなETF

RSPのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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IWF:米国大型成長株ETF|テクノロジーや消費関連を中心に構成され、キャピタルゲインを重視するETF

IWFのETF Score (ETFのおすすめ度) 成長性:過去5年の平均リターン(キャピタルリターン)をもとに算出 配当リターン:過去5年の平均配当利回りをもとに算出 運用コスト:経費率をもとに算出…

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執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。