SPYDとは?長期投資に向いているのか?リターンや配当利益を解説

SPYD ETF

この記事のポイント

  1. SPYDは短期の売買に不向きで長期投資に向いている
  2. シミュレーション結果だと、10万円を月々投資する計算で、20年で約550万、50年で約77000万円まで伸びる
  3. 景気に敏感なためコロナ禍などは暴落した。キャピタルゲインを狙うのにおすすめはしない
  4. 他のVOOやVTI、VTなどと合わせて保有することをおすすめする

SPYDとは?高配当を求める投資家におすすめのETF

SPYDは、S&P500指数に含まれる企業の中でも、特に高い配当利回りを誇る80銘柄に投資するETF(上場投資信託)です。つまり、SPYDを購入することで、アメリカの大企業の中でも安定的な配当収入を得ている企業に一括で投資できるというわけです。

イメージとしては、アメリカの高配当株の詰め合わせセットのようなものです。

SPYD概要

投資対象銘柄数S&P500指数構成銘柄のうち、配当利回りが上位80銘柄
設立日2015年10月22日
一株あたり42.81ドル
経費率0.07%
配当利回り4.55%
年リターン(5年平均)8.24%

設定日は意外と最近で運用開始からまだ10年程度と若いETFとなっています。

なぜSPYDが人気なのか?

その理由は、主に以下の点が挙げられます。

安定した配当収入の確保

定期的に配当金(約4%)を受け取れるため、家計の足しになる収入源として期待できる。特に老後資金の準備など、安定収入を求める投資家にとっては魅力的。

分散投資によるリスク軽減

多くの企業に分散投資することで、一つの企業の業績が悪くなっても、全体への影響を最小限に抑えられるというメリットがある。

米国経済の成長に連動

アメリカ経済が成長すれば、SPYDの株価も上昇する可能性がある。

低コスト

運用費用(0.07%)が低いので、長期投資に適している。

SPYDのポートフォリオ構成

SPYDのポートフォリオは、S&P 500に含まれる高配当株から構成されています。これにより、投資家は個別銘柄の選定に悩むことなく、広範な分散投資を実現することができます。SPYDのポートフォリオ構成には以下のような特徴があります。

主な銘柄とセクター分布

SPYDのポートフォリオには、エネルギー、金融、不動産、通信などのセクターに属する企業が多く含まれています。これらのセクターは、配当利回りが高い企業が多いことで知られており、特に不動産セクターは安定した収益基盤を持つ企業が多く含まれています。

高配当株の選定基準

SPYDに含まれる銘柄は、S&P 500の構成銘柄の中でも、配当利回りが上位20%に位置する企業が選定されています。これにより、安定した配当収入が期待できる企業に投資することが可能です。

ポートフォリオのリバランス

SPYDは、定期的にポートフォリオのリバランスを行うことで、配当利回りが低下した銘柄を除外し、より高い配当を提供する企業を新たに組み入れることで、安定したインカムゲインを確保しています。

ティッカーシンボル銘柄名構成割合
STXシーゲイト・テクノロジー1.94%
NRGNRGエナジー1.82%
PFGプリンシパル・ファイナ...1.76%
IRMアイアン・マウンテン1.73%
AMGNアムジェン1.68%
PSXフィリップス661.67%
VLOバレロ・エナジー1.66%
MPCマラソン・ペトロリアム1.64%
CAHカーディナル・ヘルス1.62%
STTステート・ストリート1.61%
XOMエクソン・モービル1.60%
SREセンプラ・エナジー1.60%
DRIダーデン・レストランツ1.60%
PKGパッケージング・コープ...1.57%
PEGパブリック・サービス・...1.57%
HASハスブロ1.56%
SWKスタンレー・ブラック・...1.54%
IPインターナショナル・ペ...1.53%
CFGシチズンズ・ファイナン...1.51%
COPコノコフィリップス1.49%

SPYDのパフォーマンス

最新の推移と過去からの推移のグラフ、それぞれを載せておきます。

高配当銘柄を選定しているだけあって、コロナ禍を除き、比較的安定した推移をたどっています。

それでも設定日の2015年対比でみてみると、145%増加となっており、米国経済の力強さがわかります。

SPYDのリターン

年別で見たときのリターンはこのような感じで安定して毎年プラスのリターンというわけではないですね。

一年単位での売買には向いていないことがわかります。長期的に保有してインカムゲインを狙っていく方針のほうが良さそうです。

10年、5年でならすとプラスのリターンとなっています。長期保有を推奨です。

月別でのSPYDの騰落率(過去10年~過去5年)

3月、6月、9月とへこんでいますね。一方で4月、7月、11月は好調のようです。

SPYDに投資した場合のシミュレーション(年別)

シミュレーションの条件

  • 年利は、4.45%で過去10年間の平均リターンを使用
  • 配当利回りは4%/年
  • 初期投資金額は10万円
  • 積立は毎年10万ずつ
  • 運用経費は0.07%
  • 配当金は再投資する計算
  • ドル円や、買付手数料は加味していない

この条件において、5年で約75万、10年で約170万、20年で約550万、50年で約77000万円まで伸びます。

20年目以降の複利の効果が凄まじいですね。

SPYDの注意点

  1. 約80社への分散投資であるため、リスク低減効果が他のS&P500や、オルカンなどと比べると少ない
  2. インカムゲインがメインであり、キャピタルゲインを狙うのには向いていない
  3. 運用を開始してからの歴史が浅く、過去データが未来において保証される可能性が高くない
  4. ポートフォリオの内訳が景気に敏感なセクター比率が高い(コロナ禍の下落のような影響を受けやすい)

大きくはこの4つになると思います。

おすすめは、S&P500指数へ連動投資する、VOOやSPYなどと一緒に保有することです。

それらのETFでキャピタルゲインを狙いつつ、SPYDで安定したインカムゲインを狙っていくのがリスクヘッジも含めて良い投資戦略でしょう。

まとめ

SPYDは、S&P500指数に含まれる企業の中でも、特に高い配当利回りを誇る80銘柄に投資するETFです。分散効果はS&P500やオルカンと比較すると少なくなりますが、インカムゲインを安定して獲得するにはおすすめのETFとなります。ポートフォリオの100%がSPYDとなるのは危険なため、他のETFと組み合わせることをおすすめします。

執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。いろんな国や商品に投資。投資歴はまあまあ長め。基軸はインデックス投資での運用。短期売買はあまりせず、長期目線での投資をコツコツと。