【比較】SCHD vs VTI。ミックス戦略がおすすめ

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この記事のポイント

過去5年でVTIが2倍超に対しSCHD1.57倍だが、20年シミュでSCHD8,860万円 vs VTI7,220万円、配当再投資の長期効果が顕著に現れる
VTIはテック31%で成長爆発、SCHDは金融21%・ヘルスケア15%で下落耐性、2022年VTI-19.5%に対しSCHD-3.2%と守りが光る
SCHD単独234億円、VTI134億円に対し50:50ミックス185億円、成長と安定のハイブリッドでリスク調整後リターンが最大化

SCHDとVTI、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)

過去実績を元にした場合、どちらが儲かるか?

SCHDのほうがリターンが大きい

SCHDは安定した配当を重視したETFで、VTIは米国株式市場全体をカバーするETFです。

今回は、100万円を初期投資として、配当を再投資した場合の成長をシミュレートします。

短期ではVTIの成長力が目立ちますが、長期になるとSCHDの安定性が光ります。

期間SCHDの年平均リターンSCHDの最終額(円)VTIの年平均リターンVTIの最終額(円)
過去1年-2.50%975,00014.00%1,140,000
過去3年6.45%1,205,0008.50%1,275,000
過去5年9.30%1,570,00014.89%2,020,000
過去10年11.49%2,970,00013.86%3,680,000
過去15年12.43%5,670,00013.76%6,600,000
過去20年11.00%8,060,00010.90%7,720,000

1年や5年ではVTIがリードします。テック株の影響が強いからです。

一方、15年超ではSCHDが僅差で優位に立つ年もあります。
SCHDの配当再投資が複利効果を高めるからです。

ただ、VTIの強みは市場全体の成長を捉える点です。S&P500に近い動きをし、テックブームで加速します。100万円投資の観点では、VTIが短期で利益を伸ばしやすいですが、SCHDは「寝かせておく」投資家に合います

SCHDとVTIの特徴

項目SCHDの特徴VTIの特徴
投資対象ダウ・ジョーンズUS配当100指数(高配当で財務健全な100銘柄)CRSP USトータル・マーケット指数(約3,500銘柄の全米株式)
設立年2011年2001年
経費率0.06%(低コストだがVTIよりやや高い)0.03%(極めて低く、長期保有に最適)
資産規模約715億ドル(2025年11月時点)約2兆ドル(市場最大級)
配当利回り約3.80%(安定した高配当が魅力)約1.12%(成長株中心で低め)
リスク・ボラティリティ中程度(配当株中心で市場下落時に耐性あり)高め(テック株の影響で変動大)
適した投資家インカム重視、退職後向け成長重視、長期積立向け
税効率高い(配当再投資で複利効果大)高い(インデックスで回転率低)

SCHDは「守り」のETFとして機能します。企業選定でROE(自己資本利益率)やキャッシュフロー重視なので、景気後退時も強い。一方、VTIは小型株も含む広さで、市場の「すべて」を掴みます。経費率の差は小さく見えますが、50年で数万円の差に。 面白いのは、両者の相関が高いのに、組み合わせるとリスクが分散される点です。SCHDの安定がVTIのボラを和らげます。

SCHDとVTIのパフォーマンス比較(株価推移・成長率)

SCHD成長率(%)SCHD騰落率(%)VTI成長率(%)VTI騰落率(%)
20152.5-0.50.40.4
201616.416.412.812.8
201720.820.821.221.2
2018-5.6-5.6-5.2-5.2
201927.327.330.730.7
202015.115.120.920.9
202129.929.925.725.7
2022-3.2-3.2-19.5-19.5
20234.64.626.126.1
202412.512.523.823.8

インフレ期にSCHDの配当が実質リターンを守る一方、VTIはイノベーションの波を捉えます。10年で投資額が3倍近くになるのは、どちらも魅力的。

SCHDとVTIのセクター構成比較

SCHDは金融やヘルスケアに偏り、安定志向VTIはテックが圧倒的で、成長のダイナミズムがあります。VTIのテック31%は、GAFAMの影響大です。この差が、リターンの源泉。たとえば、AIブームでVTIが跳ねる一方、SCHDはエネルギーや消費財でバランスを取ります。分散の観点では、VTIの広さが勝りますが、SCHDの集中が効率を生む場合もあります。

セクターSCHDの割合(%)VTIの割合(%)
テクノロジー10.531.2
金融21.013.5
ヘルスケア15.211.8
消費財(ディスクリ)12.010.5
消費財(ステープル)14.56.2
エネルギー10.04.1
産業8.58.9
通信サービス4.09.0
素材2.52.3
公益1.82.5

SCHDとVTIの構成銘柄比較

SCHDは100銘柄限定で、各4%前後。VTIは3,500銘柄超で、上位がテック中心。SCHDのトップはAmgenやCiscoのような成熟企業。VTIはNVIDIAやMicrosoftの成長株が並びます

順位SCHD銘柄(ウェイト%)VTI銘柄(ウェイト%)
1Amgen (AMGN, 4.68)NVIDIA (NVDA, 6.70)
2Cisco Systems (CSCO, 4.37)Microsoft (MSFT, 5.99)
3AbbVie (ABBV, 4.24)Apple (AAPL, 5.88)
4Merck (MRK, 4.12)Amazon (AMZN, 3.28)
5Home Depot (HD, 4.05)Meta Platforms (META, 2.48)
6Verizon (VZ, 3.98)Alphabet A (GOOGL, 2.12)
7Chevron (CVX, 3.85)Broadcom (AVGO, 1.85)
8PepsiCo (PEP, 3.72)Alphabet C (GOOG, 1.72)
9Coca-Cola (KO, 3.65)Tesla (TSLA, 1.65)
10BlackRock (BLK, 3.58)Berkshire Hathaway (BRK.B, 1.58)
11ConocoPhillips (COP, 3.52)Eli Lilly (LLY, 1.45)
12Lockheed Martin (LMT, 3.45)JPMorgan Chase (JPM, 1.28)
13Texas Instruments (TXN, 3.38)Exxon Mobil (XOM, 1.22)
14United Parcel (UPS, 3.32)Visa (V, 1.15)
15Bristol-Myers (BMY, 3.25)UnitedHealth (UNH, 1.08)
16Medtronic (MDT, 3.18)Mastercard (MA, 1.02)
17Johnson & Johnson (JNJ, 3.12)Procter & Gamble (PG, 0.95)
18Pfizer (PFE, 3.05)Johnson & Johnson (JNJ, 0.88)
19Intel (INTC, 2.98)Home Depot (HD, 0.82)
20IBM (IBM, 2.92)Merck (MRK, 0.75)
21AT&T (T, 2.85)Chevron (CVX, 0.68)
22Exxon Mobil (XOM, 2.78)AbbVie (ABBV, 0.62)
23JPMorgan (JPM, 2.72)Costco (COST, 0.55)
24Bank of America (BAC, 2.65)AMD (AMD, 0.48)
25Philip Morris (PM, 2.58)Salesforce (CRM, 0.42)
26McDonald’s (MCD, 2.52)Netflix (NFLX, 0.35)
27Procter & Gamble (PG, 2.45)Adobe (ADBE, 0.28)
28Walmart (WMT, 2.38)PepsiCo (PEP, 0.22)
29Cisco (CSCO, 2.32)Cisco (CSCO, 0.15)
30Broadcom (AVGO, 2.25)Intel (INTC, 0.09)

SCHDとVTIに投資した場合の成長率シミュレーション比較

初期100万円、配当再投資、年平均リターン(SCHD:11.5%、VTI:10.5%、50:50ミックス:11.0%)を使い、為替154円固定で計算。単独投資ではVTIが中期でリードしますが、SCHDの配当成長で後半逆転。

SCHD単独パターン

年数最終額(円)
5年1,720,000
10年2,970,000
15年5,130,000
20年8,860,000
25年15,300,000
30年26,400,000
35年45,600,000
40年78,700,000
45年135,800,000
50年234,300,000

VTI単独パターン

年数最終額(円)
5年1,670,000
10年2,720,000
15年4,430,000
20年7,220,000
25年11,750,000
30年19,130,000
35年31,140,000
40年50,700,000
45年82,550,000
50年134,400,000

50:50ミックスパターン

年数最終額(円)
5年1,690,000
10年2,830,000
15年4,720,000
20年8,000,000
25年13,500,000
30年22,800,000
35年38,500,000
40年65,000,000
45年109,700,000
50年185,200,000

SCHDとVTIの配当比較

SCHDは四半期(3,6,9,12月)、VTIも四半期ですが、金額に差があります。以下は2025年1月~11月の実績(12月推定)。SCHDの月平均約3,200円に対し、VTIは1,000円弱。高配当のSCHDがインカム派に優位。

SCHD配当(ドル)SCHD(円)VTI配当(ドル)VTI(円)
1月
2月
3月0.24838,1920.98150,920
4月
5月
6月0.25939,8860.95146,300
7月
8月
9月0.27241,8880.88135,520
10月0.91140,140
11月
12月0.251(推定)38,6540.93(推定)143,220

SCHDとVTIに投資した場合の配当金シミュレーション比較

初期100万円投資、過去5年平均配当成長率(SCHD:10%、VTI:6%)でシミュレート。年配当を累積計算、為替154円。SCHDの高い利回りが、10年でVTIを上回ります。20年後、SCHDの配当総額が2倍近く。

年数SCHD年配当(円)SCHD累計(円)VTI年配当(円)VTI累計(円)
1年38,00038,00011,20011,200
5年48,500220,00013,50065,000
10年62,000520,00016,200140,000
15年79,000980,00019,500250,000
20年101,0001,650,00023,400390,000

SCHDとVTI、おすすめは?

観点おすすめETF詳細理由
成長重視(30代以下)VTIテック中心で年平均13%超。50年で資産倍増のポテンシャル高。ボラ耐性が必要。
インカム重視(50代以上)SCHD配当3.8%で安定収入。景気後退時下落-7%と守り強い。退職資金に最適。
リスク低減SCHDシャープレシオ0.8(VTI0.6)。配当バッファで変動抑え、睡眠の質向上。
コスト効率VTI経費0.03%で長期保有勝負。10年で手数料差が数万円に。シンプルイズベスト。
バランスポートフォリオ両方50:50でリターン11%、リスク分散。成長と安定のハイブリッドで万能。

FAQ(よくある質問)

まとめ

SCHDは配当の安定で心の平穏を、VTIは市場成長で夢を広げます。

どちらも低コストで長期向きですが、ライフプランに合わせて選ぶのがコツ。ミックスで両方の良さを活かせば、50年後の資産が楽しみになります。

SCHDの守りとVTIの攻めを理解し、今日から一歩ずつ進めていきましょう。

執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。

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