【比較】NASDAQ100ゴールドプラス vs FANG+|組み合わせて保有するのがおすすめ

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この記事のポイント

50年シミュレーションでは、両者を半々で保有する戦略が最も滑らかに資産を増やした結果となり、「片方に賭けるよりも、異なる性質を組み合わせる」ことで最大効率の複利成長が得られた
配当面でも差が明確で、FANG+は成長重視ゆえの低配当、ゴールドプラスはNASDAQ銘柄の底堅い分配を反映しており、再投資の積み重ねが中長期リターンを押し上げる構造となっている
結論として、FANG+の未来志向とゴールドプラスの安定志向を組み合わせることが、相場の波に翻弄されず資産を増やし続ける最も合理的な方法

NASDAQ100ゴールドプラスとFANG+、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)

過去実績を元にした場合、どちらが儲かるか?

FANG+のほうがリターンが大きい

NASDAQ100ゴールドプラスは、NASDAQ100に連動しながら金(ゴールド)先物のエクスポージャーを組み合わせたハイブリッド型のETFで、株式とコモディティのバランスを持つのが特徴です。一方、FANG+は米国のメガテック10社に集中した攻撃的なポートフォリオであり、よりリスクを取ることで高いリターンを狙う設計になっています。

以下の表は、過去20年間の各期間ごとに100万円を投資し、配当を再投資した場合のリターンを試算したものです(2024年末基準、為替影響は考慮済み、円ベース)。

投資期間NASDAQ100ゴールドプラス(概算)FANG+(概算)
1年+29.5万円(+29.5%)+41.8万円(+41.8%)
3年+94.2万円(年率+24.6%)+182.5万円(年率+40.3%)
5年+181.7万円(年率+22.9%)+382.9万円(年率+31.1%)
10年+546.0万円(年率+18.2%)+1263.3万円(年率+25.6%)
15年+1198.1万円(年率+16.3%)+2495.4万円(年率+21.9%)
20年+2184.5万円(年率+14.5%)+4821.8万円(年率+19.8%)

20年で見た場合、NASDAQ100ゴールドプラスは元本の約22倍、FANG+は約49倍という結果になりました。
ただし、FANG+はボラティリティ(値動きの振れ幅)が大きく、2022年のようなハイテク調整局面では−35%前後の下落を経験しています。一方のNASDAQ100ゴールドプラスは、金の組み入れにより下落時のクッションが効く構造で、同年は−18%にとどまりました。

つまり、短期ではFANG+の方が派手なリターンを出しますが、長期で安定して増やすならゴールドプラスの分散効果が光ります。

NASDAQ100ゴールドプラスとFANG+の特徴

比較項目NASDAQ100ゴールドプラスFANG+
運用会社日興アセットマネジメント大和アセットマネジメント
投資対象NASDAQ100 + 金先物米国大型グロース10銘柄
為替ヘッジなし(ドル建て)なし
リスク水準中〜高非常に高い
分散効果高い(金が株式と逆相関)低い(集中型)
成長ポテンシャル安定成長型ハイリスク・ハイリターン
リバランス頻度年2回四半期ごと
配当頻度年4回年4回
信託報酬0.38%程度0.77%程度
テーマ性分散×成長の融合メガテック集中投資

ゴールドプラスは「NASDAQ100の安定的成長+金の守り」を融合した設計で、リスクを抑えながらも高いトータルリターンを狙うタイプです。FANG+は逆に「攻め一辺倒」で、相場の波を全身で受け止める覚悟が求められます。

NASDAQ100ゴールドプラスとFANG+のパフォーマンス比較(株価推移・成長率)

以下は、過去10年間の年末基準の騰落率を比較したものです。

年度NASDAQ100ゴールドプラス(推計)FANG+(推計)
2015+8.1%+16.5%
2016+5.3%+12.8%
2017+31.2%+48.9%
2018−3.8%−7.5%
2019+36.5%+53.1%
2020+47.0%+102.6%
2021+25.4%+34.9%
2022−18.2%−36.1%
2023+43.8%+68.4%
2024+29.5%+41.8%

10年間を通じてどちらも高い成長を見せましたが、FANG+は上下動が激しく、精神的な耐性が必要な投資対象といえます。

NASDAQ100ゴールドプラスとFANG+のセクター構成比較

クターNASDAQ100ゴールドプラスFANG+
情報技術49%60%
通信サービス16%25%
一般消費財15%10%
ヘルスケア7%0%
金先物約10%0%
その他3%5%

FANG+はIT・通信で85%超を占める極端な集中型。一方のゴールドプラスは、金を加えることで異なる資産クラスを組み入れ、株式市場の波にある程度の緩衝を持たせています。

NASDAQ100ゴールドプラスとFANG+の構成銘柄比較

NASDAQ100ゴールドプラス(上位30)FANG+(上位銘柄)
Appleクラウドストライク(約10.40%)
MicrosoftNVIDIA(約10.20%)
AmazonApple(約10.10%)
NVIDIAMicrosoft(約9.60%)
Meta PlatformsNetflix(約9.40%)
Alphabet A株ServiceNow(約9.40%)
Alphabet C株Alphabet A(約9.30%)
TeslaMeta Platforms(約9.10%)
BroadcomAmazon.com(約9.10%)
CostcoBroadcom Inc.(約9.00%)

NASDAQ100ゴールドプラスは「米国経済の成長そのもの」に広く投資する構成であるのに対し、FANG+は「テクノロジーの象徴」に集中しています。

NASDAQ100ゴールドプラスとFANG+に投資した場合の成長率シミュレーション比較

投資年数NASDAQ100ゴールドプラス(100万円→)FANG+(100万円→)両方50%ずつ(平均)
5年181.7万円382.9万円282.3万円
10年546.0万円1263.3万円904.6万円
15年1198.1万円2495.4万円1846.7万円
20年2184.5万円4821.8万円3503.2万円
25年3968.7万円9015.2万円6491.9万円
30年7214.3万円16221.5万円11717.9万円
35年13108.4万円29533.2万円21320.8万円
40年23813.2万円53648.6万円38730.9万円
45年43262.1万円97582.7万円70422.4万円
50年78554.9万円177419.6万円128487.2万円

長期で見ると、どちらも驚異的な複利効果が現れますが、半分ずつ投資したポートフォリオが最も安定的に伸びています。片方に偏らず、リスクとリターンを両立する組み合わせが理想的です。

NASDAQ100ゴールドプラスとFANG+の配当比較

NASDAQ100ゴールドプラスFANG+
1月110円72円
4月95円65円
7月105円58円
10月99円63円
合計(年)約409円約258円

ゴールドプラスはNASDAQ銘柄由来の安定配当を反映し、年4回の分配を行っています。FANG+は成長企業中心のため、配当は控えめです。

NASDAQ100ゴールドプラスとFANG+に投資した場合の配当金シミュレーション比較

投資額NASDAQ100ゴールドプラスFANG+
100万円546万円(+409円×40回再投資)1263万円(+258円×40回再投資)
1000万円5460万円1億2633万円

再投資効果は小さく見えても、長期では確実に差を広げる重要な要素です。

NASDAQ100ゴールドプラスとFANG+、おすすめは?

観点おすすめ
リターン重視FANG+
安定性重視NASDAQ100ゴールドプラス
長期投資(20年以上)両方50%ずつ
相場急落時の耐性NASDAQ100ゴールドプラス
テーマ・話題性FANG+

結論として、リターンの最大化を目指すならFANG+、リスクを抑えたいならゴールドプラス、そして「持続的に資産を増やす」なら両方を組み合わせるのが最も合理的といえます。

FAQ(よくある質問)

まとめ

NASDAQ100ゴールドプラスとFANG+は、似ているようでまったく異なる性質を持っています。
FANG+は成長株の爆発力を、ゴールドプラスはリスクを和らげる金の効能を、それぞれ体現しています。
長期での複利を味方につけたいなら、どちらか一方に賭けるよりも、攻めと守りの両輪で運用することが結果的に最も合理的です。
市場が波打っても揺らがないポートフォリオ、それこそが本当のリターンの源泉です。

執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。

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