【比較】VTIとVTは成長重視か安定重視かで選ぼう。両方への投資もおすすめ

VTI VT ETF

この記事のポイント

VTIは米国市場の約4,000銘柄、VTは世界47カ国の約9,500銘柄をカバーし、投資対象が異なる。
過去10年でVTIは年12%、VTは年10%のリターン。米国集中のVTIが成長力で勝る。
50年シミュレーションでは、VTIは約2.9億円、VTは約1.2億円に成長。組み合わせも有効。

VTIとVTの特徴

ぽこ

VTIとVT、どっちも魅力的なETFだけど、投資対象や特徴が結構違うんだ。特徴とおススメポイントをガッツリ比較して、どっちが自分に合うか見極めよう!

VTIは米国市場のほぼ全てをカバーし、約4,000銘柄に投資

VTは世界47カ国の約9,500銘柄を網羅し、グローバルな分散を重視

まず、VTIの特徴を見てみましょう。VTIはCRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動し、米国の大型株から中小型株まで幅広くカバー経費率は驚異の0.03%と、業界トップクラスの低コストです。

一方、VTはFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動し、米国だけでなく欧州や新興国も含むグローバル投資を実現経費率は0.07%とVTIよりやや高めですが、国際分散を考えると十分魅力的です。

VTIは米国市場に集中するため、米国の経済成長をフルに享受できる一方、米国の景気変動の影響を受けやすいです。VTは地域分散によりリスクを抑えられる可能性がありますが、米国以外の市場の低迷がリターンに影響する場合も。

項目VTIVT
投資対象米国市場(約4,000銘柄)世界47カ国(約9,500銘柄)
ベンチマークCRSP USトータル・マーケットFTSEグローバル・オールキャップ
経費率0.03%0.07%
分散度米国市場全体グローバル分散
配当利回り(2024年)約1.4%約2.0%
おすすめポイントVTIVT
コスト業界最安クラスの経費率国際分散を考えると低コスト
分散効果米国市場の幅広いカバー世界市場全体のリスク分散
成長期待米国経済の強さをフル活用新興国や欧州の成長も取り込む

VTIとVTのパフォーマンス比較(株価推移・成長率)

ぽこ

過去10年のVTIとVTの株価推移をチェック! 成長率や騰落率を年ごとにまとめたから、どっちがどんなパフォーマンスだったか一目でわかるよ!

VTIは米国市場の好調さを背景に、過去10年で安定した成長を見せています。特に、テクノロジー企業の躍進により、2019年以降は高いリターンを記録。対するVTは、米国以外の市場(特に新興国)の影響を受け、成長率はVTIにやや劣るものの、配当利回りの高さが魅力です。騰落率では、VTIがコロナショック(2020年)で大きく下落したものの、翌年の回復も顕著でした。VTは地域分散により下落幅が抑えられる傾向があります。

株価は年末終値、成長率は年間リターン(配当再投資込み)、騰落率は前年比の変動を示します。

VTI株価(円)VTI成長率VTI騰落率VT株価(円)VT成長率VT騰落率
201515,6000.7%-0.9%8,4000.2%-1.2%
201617,25012.6%10.6%9,1509.8%8.9%
201720,55021.2%19.1%10,50015.3%14.8%
201819,200-4.5%-6.6%9,750-5.8%-7.1%
201924,60030.7%28.2%12,00024.6%23.1%
202029,10020.8%-18.3%/+40.2%13,80016.4%-14.7%/+30.5%
202136,15025.7%24.2%15,90018.2%15.2%
202228,650-19.2%-20.8%12,900-16.5%-18.9%
202335,55026.1%24.1%15,45020.3%19.8%
202436,75015.2%13.4%16,50011.8%10.7%

VTIとVTのセクター構成比較

ぽこ

VTIとVTのセクター構成を比較! どんな業種にどれくらい投資してるのか、バッチリわかるから、投資のイメージが掴みやすいよ!

VTIは米国市場に特化し、テクノロジーやヘルスケアなど、米国の成長産業が中心VTはグローバル市場をカバー

VTIのセクター構成は、テクノロジー(約30%)が最大で、アップルやマイクロソフトといった巨大企業が牽引。次いで金融(約13%)、ヘルスケア(約12%)が続きます。中小型株も含むため、産業や素材などのセクターも一定の割合を占めます。一方、VTは米国株が約60%を占めるものの、欧州や新興国の影響でテクノロジーの割合は約25%とやや低め。金融(約15%)や消費財(約10%)もバランスよく含まれます。

セクターVTI(割合)VT(割合)
テクノロジー30%25%
金融13%15%
ヘルスケア12%11%
消費財8%10%
産業9%8%

VTIは成長志向、VTは安定志向のポートフォリオに適しています。

VTIとVTの構成銘柄比較

ぽこ

VTIとVTの構成銘柄をガッツリ比較! 上位銘柄やカバー範囲の違いを整理したから、どっちがどんな企業に投資してるか一目瞭然だよ!

VTIは米国市場の約4,000銘柄をカバーし、大型株から中小型株まで幅広い。VTは世界47カ国の約9,500銘柄を対象とし、米国株に加え、欧州や新興国の企業も含みます。

VTIの上位銘柄は、アップル(約6%)、マイクロソフト(約5.5%)、アマゾン(約3%)など、テクノロジー大手が中心。時価総額加重のため、大型株の影響力が強いですが、中小型株も約20%含むため、幅広い成長機会を捉えます。一方、VTの上位銘柄もアップルやマイクロソフトが占めますが、米国株の割合が約60%のため、非米国企業(例:台湾セミコンダクターやネスレ)も顔を出します。

銘柄VTI(割合)VT(割合)
アップル6.0%3.5%
マイクロソフト5.5%3.2%
アマゾン3.0%1.8%
台湾セミコンダクター0.8%

VTIは米国経済のダイナミズムをフルに活用したい投資家に、VTはグローバルな安定感を求める投資家に適しています。

VTIとVTに投資した場合の成長率シミュレーション比較

ぽこ

VTI、VT、両方に50年投資したらどうなる? 3パターンのシミュレーションを用意したから、将来の資産がイメージしやすいよ!

長期投資の魅力を知るには、50年間のシミュレーションが有効です。VTI、VT、両方に均等投資した場合の資産成長を、過去の平均リターン(VTI:12%、VT:10%)と配当再投資を前提に計算します。初期投資は100万円、為替レートは1ドル=150円で固定します。

VTIのみ

年12%のリターンは、米国市場のテクノロジーセクターや経済成長を反映。100万円は10年で約310万円、50年で約2億8,900万円に成長。高いリターンが長期で大きな差を生みます。

VTのみ

年10%のリターンは、グローバル分散による安定感が特徴。100万円は10年で約260万円、50年で約1億1,700万円に。米国以外の市場(新興国など)の影響で、VTIより成長は緩やかです。

VTIとVTに50:50

年11%のリターンで、100万円は10年で約285万円、50年で約1億9,200万円。VTIの成長力とVTの安定性をバランスよく取り入れ、リスクとリターンの調和が魅力です。

年数VTIのみ(万円)VTのみ(万円)VTI+VT(50:50)(万円)
0年100100100
5年176161168
10年310259283
15年547418475
20年965673799
25年1,7001,0831,343
30年2,9961,7442,257
35年5,2782,8083,792
40年9,3054,5266,372
45年16,3957,28910,706
50年28,90011,73917,986

VTIは成長志向の投資家に適しており、50年後の資産額はVTの約2.5倍に達します。VTは地域分散によるリスク低減が強みで、安定性を重視する人に最適。両方を組み合わせる戦略は、リスクを抑えつつ高いリターンを目指したい場合に有効です。

VTIとVTの配当比較

ぽこ

VTIとVTの配当って、いつどれくらいもらえるの? 直近1年の配当を月単位で表にまとめたから、キャッシュフローが見えるよ!

VTIとVTはともに年4回(3月、6月、9月、12月)に配当を支払います。1株当たりの配当を円(1ドル=150円)で計算します。

VTIの2024年の1株当たり配当は約4.2ドル(630円)。配当利回りは約1.4%。VTは1株当たり約2.1ドル(315円)で、利回りは約2.0%。VTの方が利回りは高いですが、VTIの方が総額は多い傾向です。

VTI配当(円/株)VT配当(円/株)
3月157.578.75
6月157.578.75
9月157.578.75
12月157.578.75

VTIとVTに投資した場合の配当金シミュレーション比較

ぽこ

VTIとVTの配当を長期間受け取ったらどうなる? 30年の配当シミュレーションを比較したから、インカムの違いがハッキリわかるよ!

配当収入の長期的な違いを把握するため、VTIとVTに100万円を投資し、30年間の配当総額をシミュレーションします。配当再投資はせず、配当利回り(VTI:1.4%、VT:2.0%)と年5%の株価成長を仮定。為替は1ドル=150円です。

項目VTIVT
初年配当(円)14,00020,000
30年後配当(円)60,00086,000
総配当(円)1,200,0001,700,000

VTIは成長重視で配当は控えめですが、資産価値の増加が魅力。VTは配当収入を重視する人に適しています。税金の影響も考慮し、配当の使い道(再投資or生活費)を決めると良いでしょう。

VTIとVT、おすすめは?

以下、5つの観点(リターン、リスク、コスト、配当、分散)で比較し、おすすめポイントを整理します。

観点VTIVT
リターン米国市場の成長をフル活用(年12%)グローバル分散でやや控えめ(年10%)
リスク米国市場依存で変動大地域分散でリスク抑えめ
コスト経費率0.03%で超低コスト経費率0.07%でやや高め
配当利回り1.4%で成長重視利回り2.0%でインカム重視
分散米国市場の約4,000銘柄世界47カ国の約9,500銘柄

VTIは、米国経済の成長を信じ、高リターンを目指す人に最適VTは、リスクを抑えつつグローバルな安定感を求める人にぴったり。両方を組み合わせるのも、バランス重視の戦略として有効です。

FAQ(よくある質問)

Q
VTIとVTの違いは何ですか?
A

VTIはバンガード・トータル・ストック・マーケットETFで、米国市場の約4,000銘柄に投資します。CRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動し、大型株から中小型株までカバー。経費率は0.03%と非常に低いです。一方、VTはバンガード・トータル・ワールド・ストックETFで、世界47カ国の約9,500銘柄を対象にします。FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動し、米国(約60%)に加え、欧州や新興国も含むグローバル分散が特徴。経費率は0.07%とやや高めですが、国際的なリスク分散を求める投資家に適しています。VTIは米国経済の成長を重視する人に、VTは安定感と多様性を求める人に最適です。

Q
どちらがリターンが高いですか?
A

過去10年のデータでは、VTIの年間平均リターンは約12%、VTは約10%です。VTIは米国市場のテクノロジーセクターの成長を背景に高いリターンを記録。特に2019年や2021年は20%超の成長を見せました。VTはグローバル分散により、米国以外の市場(新興国など)の影響を受け、リターンはやや控えめ。ただし、分散効果で下落時のリスクが抑えられる傾向があります。将来のリターンは市場環境に左右されますが、米国経済の強さを信じるならVTI、安定性を重視するならVTが選択肢に。長期投資では、配当再投資による複利効果も考慮しましょう。

Q
配当にかかる税金はどうなりますか?
A

VTIとVTの配当には、米国で10%、日本で20.315%の源泉徴収税がかかります。例えば、1万円の配当なら、米国で1,000円、日本で約1,831円が差し引かれ、約7,169円が手元に残ります。ただし、外国税額控除を活用すれば、米国の10%分を日本の税金から一部還付可能です。これには確定申告が必要で、税務署や税理士に相談するとスムーズです。NISA口座を使えば日本の税金は非課税になるため、配当の効率が上がります。税金の影響を最小限に抑えるには、投資口座の選択や税制の理解が欠かせません。長期的な配当戦略を考える際は、税引き後のリターンを計算しておきましょう。

Q
NISAでVTIやVTは買えますか?
A

新NISA(成長投資枠)で、VTIとVTは購入可能です。成長投資枠は年間240万円まで投資でき、外国ETFも対象に含まれます。NISAのメリットは、売却益や配当が非課税になる点。たとえば、VTIの配当(約1.4%)やVTの配当(約2.0%)が全額手元に残ります。注意点として、NISA枠は限られているため、他の投資とのバランスを考える必要があります。また、為替変動リスクや米国市場の動向も考慮し、長期的な視点で投資計画を立てましょう。

Q
VTIとVTのリスクはどれくらいですか?
A

VTIは米国市場に集中投資するため、米国の経済や株価変動の影響を強く受けます。たとえば、2022年のような金利上昇局面では約20%下落。テクノロジーセクターの割合が高いため、IT業界の動向にも敏感です。一方、VTは世界47カ国に分散投資し、米国以外の市場(欧州や新興国)の影響も受けます。2020年のコロナショックでは、VTの下落幅(約14.7%)はVTI(約18.3%)より小さめ。地域分散によりリスクは抑えられますが、新興国の政情不安や為替リスクが加わる点に注意。どちらも市場リスクは避けられませんが、VTIは成長志向、VTは安定志向のリスク特性を持ちます。

Q
少額でVTIやVTに投資できますか?
A

VTI(1株約36,750円)とVT(1株約16,500円)は、1株単位で購入可能です。少額投資なら、VTの方が初期投資額を抑えられます。多くの証券会社では、積立投資(例:月1万円)にも対応しており、ドルコスト平均法でリスクを分散しながら投資できます。たとえば、毎月VTを1株ずつ購入すれば、約1.6万円で始められ、長期で資産を増やせます。為替手数料や売買手数料も考慮し、低コストの証券会社を選ぶのが賢明。少額でも配当再投資を活用すれば、複利効果で資産成長が期待できます。投資初心者でも気軽に始められるので、まずは小額から試してみるのも良いでしょう。

Q
初心者にはVTIとVTのどちらがおすすめですか?
A

初心者にとって、VTIはシンプルでわかりやすい選択肢です。米国市場に集中し、経費率0.03%と低コスト。米国の成長を信じるなら、高リターンが期待できます。ただし、米国市場の変動リスクに注意。VTはグローバル分散でリスクを抑え、経費率0.07%も魅力的。新興国や欧州の動向も取り込みたい人に適していますが、為替リスクや地域ごとの経済状況を理解する必要があります。投資目標が明確なら、成長重視でVTI、安定重視でVTを選ぶのが良いでしょう。初心者は少額から始め、NISAを活用するとリスクを抑えつつ学べます。どちらも優れたETFなので、長期視点で自分に合う方を選んでください。

まとめ

VTIとVTは、どちらも低コストで優れた分散投資を実現するETFです。

VTIは米国市場の成長を最大限に活かし、高リターンを目指す投資家に最適。一方、VTはグローバルな分散でリスクを抑え、安定感を求める人にぴったり。株価推移やセクター構成、配当シミュレーションを比較すると、VTIは成長力、VTはインカムと安定性が強みです。シミュレーションでは、VTIの資産成長が際立つ一方、VTは配当収入で魅力的。投資目標やリスク許容度に応じて、単独または組み合わせて投資するのが賢明です。

執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。

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