この記事のポイント
VTIとVTの特徴

VTIとVT、どっちも魅力的なETFだけど、投資対象や特徴が結構違うんだ。特徴とおススメポイントをガッツリ比較して、どっちが自分に合うか見極めよう!
VTIは米国市場のほぼ全てをカバーし、約4,000銘柄に投資。
VTは世界47カ国の約9,500銘柄を網羅し、グローバルな分散を重視。
まず、VTIの特徴を見てみましょう。VTIはCRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動し、米国の大型株から中小型株まで幅広くカバー。経費率は驚異の0.03%と、業界トップクラスの低コストです。
一方、VTはFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動し、米国だけでなく欧州や新興国も含むグローバル投資を実現。経費率は0.07%とVTIよりやや高めですが、国際分散を考えると十分魅力的です。
VTIは米国市場に集中するため、米国の経済成長をフルに享受できる一方、米国の景気変動の影響を受けやすいです。VTは地域分散によりリスクを抑えられる可能性がありますが、米国以外の市場の低迷がリターンに影響する場合も。
項目 | VTI | VT |
---|---|---|
投資対象 | 米国市場(約4,000銘柄) | 世界47カ国(約9,500銘柄) |
ベンチマーク | CRSP USトータル・マーケット | FTSEグローバル・オールキャップ |
経費率 | 0.03% | 0.07% |
分散度 | 米国市場全体 | グローバル分散 |
配当利回り(2024年) | 約1.4% | 約2.0% |
おすすめポイント | VTI | VT |
---|---|---|
コスト | 業界最安クラスの経費率 | 国際分散を考えると低コスト |
分散効果 | 米国市場の幅広いカバー | 世界市場全体のリスク分散 |
成長期待 | 米国経済の強さをフル活用 | 新興国や欧州の成長も取り込む |
VTIとVTのパフォーマンス比較(株価推移・成長率)

過去10年のVTIとVTの株価推移をチェック! 成長率や騰落率を年ごとにまとめたから、どっちがどんなパフォーマンスだったか一目でわかるよ!
VTIは米国市場の好調さを背景に、過去10年で安定した成長を見せています。特に、テクノロジー企業の躍進により、2019年以降は高いリターンを記録。対するVTは、米国以外の市場(特に新興国)の影響を受け、成長率はVTIにやや劣るものの、配当利回りの高さが魅力です。騰落率では、VTIがコロナショック(2020年)で大きく下落したものの、翌年の回復も顕著でした。VTは地域分散により下落幅が抑えられる傾向があります。
株価は年末終値、成長率は年間リターン(配当再投資込み)、騰落率は前年比の変動を示します。
年 | VTI株価(円) | VTI成長率 | VTI騰落率 | VT株価(円) | VT成長率 | VT騰落率 |
---|---|---|---|---|---|---|
2015 | 15,600 | 0.7% | -0.9% | 8,400 | 0.2% | -1.2% |
2016 | 17,250 | 12.6% | 10.6% | 9,150 | 9.8% | 8.9% |
2017 | 20,550 | 21.2% | 19.1% | 10,500 | 15.3% | 14.8% |
2018 | 19,200 | -4.5% | -6.6% | 9,750 | -5.8% | -7.1% |
2019 | 24,600 | 30.7% | 28.2% | 12,000 | 24.6% | 23.1% |
2020 | 29,100 | 20.8% | -18.3%/+40.2% | 13,800 | 16.4% | -14.7%/+30.5% |
2021 | 36,150 | 25.7% | 24.2% | 15,900 | 18.2% | 15.2% |
2022 | 28,650 | -19.2% | -20.8% | 12,900 | -16.5% | -18.9% |
2023 | 35,550 | 26.1% | 24.1% | 15,450 | 20.3% | 19.8% |
2024 | 36,750 | 15.2% | 13.4% | 16,500 | 11.8% | 10.7% |
VTIとVTのセクター構成比較

VTIとVTのセクター構成を比較! どんな業種にどれくらい投資してるのか、バッチリわかるから、投資のイメージが掴みやすいよ!
VTIは米国市場に特化し、テクノロジーやヘルスケアなど、米国の成長産業が中心。VTはグローバル市場をカバー。
VTIのセクター構成は、テクノロジー(約30%)が最大で、アップルやマイクロソフトといった巨大企業が牽引。次いで金融(約13%)、ヘルスケア(約12%)が続きます。中小型株も含むため、産業や素材などのセクターも一定の割合を占めます。一方、VTは米国株が約60%を占めるものの、欧州や新興国の影響でテクノロジーの割合は約25%とやや低め。金融(約15%)や消費財(約10%)もバランスよく含まれます。
セクター | VTI(割合) | VT(割合) |
---|---|---|
テクノロジー | 30% | 25% |
金融 | 13% | 15% |
ヘルスケア | 12% | 11% |
消費財 | 8% | 10% |
産業 | 9% | 8% |
VTIは成長志向、VTは安定志向のポートフォリオに適しています。
VTIとVTの構成銘柄比較

VTIとVTの構成銘柄をガッツリ比較! 上位銘柄やカバー範囲の違いを整理したから、どっちがどんな企業に投資してるか一目瞭然だよ!
VTIは米国市場の約4,000銘柄をカバーし、大型株から中小型株まで幅広い。VTは世界47カ国の約9,500銘柄を対象とし、米国株に加え、欧州や新興国の企業も含みます。
VTIの上位銘柄は、アップル(約6%)、マイクロソフト(約5.5%)、アマゾン(約3%)など、テクノロジー大手が中心。時価総額加重のため、大型株の影響力が強いですが、中小型株も約20%含むため、幅広い成長機会を捉えます。一方、VTの上位銘柄もアップルやマイクロソフトが占めますが、米国株の割合が約60%のため、非米国企業(例:台湾セミコンダクターやネスレ)も顔を出します。
銘柄 | VTI(割合) | VT(割合) |
---|---|---|
アップル | 6.0% | 3.5% |
マイクロソフト | 5.5% | 3.2% |
アマゾン | 3.0% | 1.8% |
台湾セミコンダクター | – | 0.8% |
VTIは米国経済のダイナミズムをフルに活用したい投資家に、VTはグローバルな安定感を求める投資家に適しています。
VTIとVTに投資した場合の成長率シミュレーション比較

VTI、VT、両方に50年投資したらどうなる? 3パターンのシミュレーションを用意したから、将来の資産がイメージしやすいよ!
長期投資の魅力を知るには、50年間のシミュレーションが有効です。VTI、VT、両方に均等投資した場合の資産成長を、過去の平均リターン(VTI:12%、VT:10%)と配当再投資を前提に計算します。初期投資は100万円、為替レートは1ドル=150円で固定します。
VTIのみ
年12%のリターンは、米国市場のテクノロジーセクターや経済成長を反映。100万円は10年で約310万円、50年で約2億8,900万円に成長。高いリターンが長期で大きな差を生みます。
VTのみ
年10%のリターンは、グローバル分散による安定感が特徴。100万円は10年で約260万円、50年で約1億1,700万円に。米国以外の市場(新興国など)の影響で、VTIより成長は緩やかです。
VTIとVTに50:50
年11%のリターンで、100万円は10年で約285万円、50年で約1億9,200万円。VTIの成長力とVTの安定性をバランスよく取り入れ、リスクとリターンの調和が魅力です。
年数 | VTIのみ(万円) | VTのみ(万円) | VTI+VT(50:50)(万円) |
---|---|---|---|
0年 | 100 | 100 | 100 |
5年 | 176 | 161 | 168 |
10年 | 310 | 259 | 283 |
15年 | 547 | 418 | 475 |
20年 | 965 | 673 | 799 |
25年 | 1,700 | 1,083 | 1,343 |
30年 | 2,996 | 1,744 | 2,257 |
35年 | 5,278 | 2,808 | 3,792 |
40年 | 9,305 | 4,526 | 6,372 |
45年 | 16,395 | 7,289 | 10,706 |
50年 | 28,900 | 11,739 | 17,986 |
VTIは成長志向の投資家に適しており、50年後の資産額はVTの約2.5倍に達します。VTは地域分散によるリスク低減が強みで、安定性を重視する人に最適。両方を組み合わせる戦略は、リスクを抑えつつ高いリターンを目指したい場合に有効です。
VTIとVTの配当比較

VTIとVTの配当って、いつどれくらいもらえるの? 直近1年の配当を月単位で表にまとめたから、キャッシュフローが見えるよ!
VTIとVTはともに年4回(3月、6月、9月、12月)に配当を支払います。1株当たりの配当を円(1ドル=150円)で計算します。
VTIの2024年の1株当たり配当は約4.2ドル(630円)。配当利回りは約1.4%。VTは1株当たり約2.1ドル(315円)で、利回りは約2.0%。VTの方が利回りは高いですが、VTIの方が総額は多い傾向です。
月 | VTI配当(円/株) | VT配当(円/株) |
---|---|---|
3月 | 157.5 | 78.75 |
6月 | 157.5 | 78.75 |
9月 | 157.5 | 78.75 |
12月 | 157.5 | 78.75 |
VTIとVTに投資した場合の配当金シミュレーション比較

VTIとVTの配当を長期間受け取ったらどうなる? 30年の配当シミュレーションを比較したから、インカムの違いがハッキリわかるよ!
配当収入の長期的な違いを把握するため、VTIとVTに100万円を投資し、30年間の配当総額をシミュレーションします。配当再投資はせず、配当利回り(VTI:1.4%、VT:2.0%)と年5%の株価成長を仮定。為替は1ドル=150円です。
項目 | VTI | VT |
---|---|---|
初年配当(円) | 14,000 | 20,000 |
30年後配当(円) | 60,000 | 86,000 |
総配当(円) | 1,200,000 | 1,700,000 |
VTIは成長重視で配当は控えめですが、資産価値の増加が魅力。VTは配当収入を重視する人に適しています。税金の影響も考慮し、配当の使い道(再投資or生活費)を決めると良いでしょう。
VTIとVT、おすすめは?
以下、5つの観点(リターン、リスク、コスト、配当、分散)で比較し、おすすめポイントを整理します。
観点 | VTI | VT |
---|---|---|
リターン | 米国市場の成長をフル活用(年12%) | グローバル分散でやや控えめ(年10%) |
リスク | 米国市場依存で変動大 | 地域分散でリスク抑えめ |
コスト | 経費率0.03%で超低コスト | 経費率0.07%でやや高め |
配当 | 利回り1.4%で成長重視 | 利回り2.0%でインカム重視 |
分散 | 米国市場の約4,000銘柄 | 世界47カ国の約9,500銘柄 |
VTIは、米国経済の成長を信じ、高リターンを目指す人に最適。VTは、リスクを抑えつつグローバルな安定感を求める人にぴったり。両方を組み合わせるのも、バランス重視の戦略として有効です。
FAQ(よくある質問)
- QVTIとVTの違いは何ですか?
- A
VTIはバンガード・トータル・ストック・マーケットETFで、米国市場の約4,000銘柄に投資します。CRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動し、大型株から中小型株までカバー。経費率は0.03%と非常に低いです。一方、VTはバンガード・トータル・ワールド・ストックETFで、世界47カ国の約9,500銘柄を対象にします。FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動し、米国(約60%)に加え、欧州や新興国も含むグローバル分散が特徴。経費率は0.07%とやや高めですが、国際的なリスク分散を求める投資家に適しています。VTIは米国経済の成長を重視する人に、VTは安定感と多様性を求める人に最適です。
- Qどちらがリターンが高いですか?
- A
過去10年のデータでは、VTIの年間平均リターンは約12%、VTは約10%です。VTIは米国市場のテクノロジーセクターの成長を背景に高いリターンを記録。特に2019年や2021年は20%超の成長を見せました。VTはグローバル分散により、米国以外の市場(新興国など)の影響を受け、リターンはやや控えめ。ただし、分散効果で下落時のリスクが抑えられる傾向があります。将来のリターンは市場環境に左右されますが、米国経済の強さを信じるならVTI、安定性を重視するならVTが選択肢に。長期投資では、配当再投資による複利効果も考慮しましょう。
- Q配当にかかる税金はどうなりますか?
- A
VTIとVTの配当には、米国で10%、日本で20.315%の源泉徴収税がかかります。例えば、1万円の配当なら、米国で1,000円、日本で約1,831円が差し引かれ、約7,169円が手元に残ります。ただし、外国税額控除を活用すれば、米国の10%分を日本の税金から一部還付可能です。これには確定申告が必要で、税務署や税理士に相談するとスムーズです。NISA口座を使えば日本の税金は非課税になるため、配当の効率が上がります。税金の影響を最小限に抑えるには、投資口座の選択や税制の理解が欠かせません。長期的な配当戦略を考える際は、税引き後のリターンを計算しておきましょう。
- QNISAでVTIやVTは買えますか?
- A
新NISA(成長投資枠)で、VTIとVTは購入可能です。成長投資枠は年間240万円まで投資でき、外国ETFも対象に含まれます。NISAのメリットは、売却益や配当が非課税になる点。たとえば、VTIの配当(約1.4%)やVTの配当(約2.0%)が全額手元に残ります。注意点として、NISA枠は限られているため、他の投資とのバランスを考える必要があります。また、為替変動リスクや米国市場の動向も考慮し、長期的な視点で投資計画を立てましょう。
- QVTIとVTのリスクはどれくらいですか?
- A
VTIは米国市場に集中投資するため、米国の経済や株価変動の影響を強く受けます。たとえば、2022年のような金利上昇局面では約20%下落。テクノロジーセクターの割合が高いため、IT業界の動向にも敏感です。一方、VTは世界47カ国に分散投資し、米国以外の市場(欧州や新興国)の影響も受けます。2020年のコロナショックでは、VTの下落幅(約14.7%)はVTI(約18.3%)より小さめ。地域分散によりリスクは抑えられますが、新興国の政情不安や為替リスクが加わる点に注意。どちらも市場リスクは避けられませんが、VTIは成長志向、VTは安定志向のリスク特性を持ちます。
- Q少額でVTIやVTに投資できますか?
- A
VTI(1株約36,750円)とVT(1株約16,500円)は、1株単位で購入可能です。少額投資なら、VTの方が初期投資額を抑えられます。多くの証券会社では、積立投資(例:月1万円)にも対応しており、ドルコスト平均法でリスクを分散しながら投資できます。たとえば、毎月VTを1株ずつ購入すれば、約1.6万円で始められ、長期で資産を増やせます。為替手数料や売買手数料も考慮し、低コストの証券会社を選ぶのが賢明。少額でも配当再投資を活用すれば、複利効果で資産成長が期待できます。投資初心者でも気軽に始められるので、まずは小額から試してみるのも良いでしょう。
- Q初心者にはVTIとVTのどちらがおすすめですか?
- A
初心者にとって、VTIはシンプルでわかりやすい選択肢です。米国市場に集中し、経費率0.03%と低コスト。米国の成長を信じるなら、高リターンが期待できます。ただし、米国市場の変動リスクに注意。VTはグローバル分散でリスクを抑え、経費率0.07%も魅力的。新興国や欧州の動向も取り込みたい人に適していますが、為替リスクや地域ごとの経済状況を理解する必要があります。投資目標が明確なら、成長重視でVTI、安定重視でVTを選ぶのが良いでしょう。初心者は少額から始め、NISAを活用するとリスクを抑えつつ学べます。どちらも優れたETFなので、長期視点で自分に合う方を選んでください。
まとめ
VTIとVTは、どちらも低コストで優れた分散投資を実現するETFです。
VTIは米国市場の成長を最大限に活かし、高リターンを目指す投資家に最適。一方、VTはグローバルな分散でリスクを抑え、安定感を求める人にぴったり。株価推移やセクター構成、配当シミュレーションを比較すると、VTIは成長力、VTはインカムと安定性が強みです。シミュレーションでは、VTIの資産成長が際立つ一方、VTは配当収入で魅力的。投資目標やリスク許容度に応じて、単独または組み合わせて投資するのが賢明です。

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。