この記事のポイント
S&P500指数は、この50年で約63倍にまで膨れ上がっている
平均の年リターンをみても、この50年間で8%を常に超えており、直近20年では10%前後を維持している
月別の騰落率でみると、7月、11月は上昇、9月は下落傾向にある
はじめに、用語解説
S&P500
米国のニューヨーク証券取引所とナスダックに上場している約500の主要企業の時価総額加重平均で算出された株価指数のこと。米国株式市場全体の動きを代表する指標として使われている。
インデックス投資
特定の株価指数の動きに連動することを目指した投資方法。
例えば、S&P500指数の値動きと連動する投資信託やETFで運用することなどがそれにあたる。
リターン
資産運用を行うことで得られる収益や収益率のこと。
年利10%というのは、100万円を投資したら、1年後に110万円になることをいう。
騰落率
ある期間の始めと終わりとで価格がどれだけ変化したかを表すもの。
アノマリー
統計的にみて過去のデータと異なる動きをする現象。
毎回起こるわけではないが、一定の傾向とし見られるもの。
「セル・イン・メイ(5月に株を売れ)」などがそれにあたる。
過去50年のS&P500の値動き
この50年で約63倍になっています。
ドル円や配当利回りなどを一切考慮しないとして、50年前に100万円を預けていたら、ほったらかしで6300万円になっていたことになります。
米国経済の強さがわかります。
過去50年のS&P500のリターン
50年平均で見てもしっかり8%以上となっており、直近20年では10%前後を維持しています。
過去50年での最大のプラスリターンは34.12%となっており、最大のマイナスリターンは-38.47%となっています。マイナスの年に特に投資していれば、大きなリターンが狙えますね。
月別でのS&P500の騰落率(過去50年~過去5年)とアノマリー
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
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過去50年 | 0.87% | 0.08% | 1.22% | 1.58% | 0.81% | 0.30% | 1.22% | 0.16% | -0.90% | 0.90% | 1.70% | 1.11% |
過去20年 | -0.04% | 0.07% | 1.26% | 1.94% | 0.41% | -0.08% | 2.21% | -0.19% | -0.71% | 0.81% | 2.01% | 0.75% |
過去15年 | 0.83% | 1.06% | 1.09% | 1.43% | -0.09% | 0.42% | 3.17% | -0.49% | -0.83% | 1.92% | 2.86% | 0.65% |
過去10年 | 0.82% | 0.06% | 0.32% | 1.59% | 1.06% | 1.08% | 2.96% | 0.19% | -2.28% | 1.39% | 3.50% | -0.16% |
過去5年 | 0.10% | -1.48% | 0.17% | 1.94% | 2.34% | 1.93% | 4.03% | 0.38% | -4.19% | 2.04% | 5.04% | 1.58% |
9月が下がり傾向にあり、11月が上がり傾向にあるのがわかります。年間を通して、基本的には0%より上なので、伸び傾向にあるといえるでしょう。
アノマリーで見るS&P500
1月
1月効果(年末のボーナス獲得による投資加速に応じた株価上昇)はそこまで見られるわけではない。
5月
セル・イン・メイ(配当金確定のための株式売却の影響による下落)に関しても、そんなに下がっていない。
6月~8月
サマーラリー(夏休み需要やボーナスによる株価上昇)は一定見られる。
9月
ワーストセプテンバーに関しては、結構あっていそう。過去50年で軒並み下がっている。
10月~11月
ハロウィーン効果(上昇しやすい傾向)もあっていそう。
S&P500指数に投資した場合のシミュレーション(年別)
シミュレーションの条件
- 年利は、8.61%で過去50年間の平均リターンを使用
- 配当利回りは1%/年で計算
- 初期投資金額は10万円
- 積立は毎年10万ずつ
- ドル円や、買付手数料、運用経費率は加味していない
この条件において、
- 5年で約76万
- 10年で約182万
- 15年で約350万
- 25年で約1000万
- 50年で約1.1億
と驚異的な増え方で、1000万を超えたあたりからは複利がより効きやすくなり、増加が加速しています。インデックス投資の力強さがわかります。
VIXと米10年債券利回りの推移との比較
すべてを重ねて見たかったのですが、逆に見づらくなってしまったのでそれぞれを並べています。
VIXのほうが相関がよくみられていて、こちらの数値があがると基本的にS&P500指数は下がっています。
S&P500指数に連動するETFや投資信託
S&P500指数に連動するETF
1. バンガード・S&P500 ETF(VOO)
- 運用会社: バンガード
- 経費率: 0.03%
- 分配金利回り: 1.60%
- 為替ヘッジ: なし
- 流動性: 非常に高い
- 特徴:
- 世界最大級のS&P500連動ETF
- 圧倒的な流動性と低コスト
- 長期投資家向け
2. iシェアーズ S&P500 ETF(SPY)
- 運用会社: ブラックロック
- 経費率: 0.09%
- 分配金利回り: 1.58%
- 為替ヘッジ: なし
- 流動性: 非常に高い
- 特徴:
- 米国市場で最も取引量の多いETF
- 長い運用実績と高い知名度
- 分配金利回りも比較的高め
3. SPDR S&P500 ETF(SPY)
- 運用会社: ステート・ストリート
- 経費率: 0.09%
- 分配金利回り: 1.58%
- 為替ヘッジ: なし
- 流動性: 非常に高い
- 特徴:
- 世界初のS&P500連動ETF
- 高い知名度と安定した運用実績
- 分配金利回りも比較的高め
4. 日興アセット・米国株式(S&P500)為替ヘッジあり(1547)
- 運用会社: 日興アセットマネジメント
- 経費率: 0.11%
- 分配金利回り: 0.42%
- 為替ヘッジ: あり
- 流動性: 比較的高め
- 特徴:
- 為替変動リスクを回避できる
- 円建てで投資したい投資家向け
- 分配金利回りは低め
5. 三菱UFJ国際投信・米国株式 S&P500 ETF(1655)
- 運用会社: 三菱UFJ国際投信
- 経費率: 0.11%
- 分配金利回り: 0.40%
- 為替ヘッジ: あり
- 流動性: 比較的高め
- 特徴:
- 信託報酬が比較的低め
- 円建てで投資したい投資家向け
- 分配金利回りは低め
S&P500指数に連動する投資信託
1. eMAXIS S&P500(1540)
- 運用会社: 三菱UFJ国際投信
- 信託報酬: 0.15%
- 最低購入金額: 100円
- 分配金利: なし
- 販売会社: 三菱UFJ国際投信、三菱UFJ銀行、ヤフーファイナンスなど
- 特徴:
- 国内最低水準の信託報酬
- 為替ヘッジあり
- 積立投資に最適
2. SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(2513)
- 運用会社: SBIアセットマネジメント
- 信託報酬: 0.15%
- 最低購入金額: 100円
- 分配金利: なし
- 販売会社: SBI証券、SBI銀行など
- 特徴:
- 信託報酬が安く、コストを抑えられる
- SBI証券のつみたて投資で人気
- 為替ヘッジあり
3. ひふみ米国株式(1557)
- 運用会社: レオスキャピタル
- 信託報酬: 0.475%
- 最低購入金額: 10万円
- 分配金利: 0.09%
- 販売会社: 野村證券、野村銀行など
- 特徴:
- 個別銘柄選定で高い運用実績
- アクティブファンドの中では信託報酬が安い
- 為替ヘッジなし
4. マネックス・米国株式(S&P500)インデックス・ファンド(1577)
- 運用会社: マネックスアセットマネジメント
- 信託報酬: 0.15%
- 最低購入金額: 100円
- 分配金利: なし
- 販売会社: マネックス証券、マネックス銀行など
- 特徴:
- マネックス証券のつみたて投資で人気
- 信託報酬が安く、コストを抑えられる
- 為替ヘッジあり
5. 野村米国株式(S&P500)インデックス・ファンド(1656)
- 運用会社: 野村アセットマネジメント
- 信託報酬: 0.15%
- 最低購入金額: 1000円
- 分配金利: なし
- 販売会社: 野村證券、野村銀行など
- 特徴:
- 野村證券のつみたて投資で人気
- 信託報酬が安く、コストを抑えられる
- 為替ヘッジあり
まとめ
米国主要指数であるS&P500指数へインデックス投資するのは非常に賢い投資戦略。過去50年から中長期で利益を出すことが可能だとわかっています。季節要因はありながらも、気にせずに淡々と積み立てていくのがいいでしょう。
資産運用に興味がある恐竜。いろんな国や商品に投資。投資歴はまあまあ長め。基軸はインデックス投資での運用。短期売買はあまりせず、長期目線での投資をコツコツと。