【比較】SCHD vs JEPI|目的によって使い分けを。バランスが良いのはSCHD

SCHD JEPI ETF

この記事のポイント

SCHDは低コスト・配当成長で長期リターンが強く、20年で100万円が780万円に。
JEPIは毎月分配とカバードコールで安定インカム、短期投資に魅力。
50年シミュレーションではSCHDがJEPIを上回るが、50:50でバランスが良い。

SCHDとJEPI、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)

過去実績を元にした場合、どちらが儲かるか?

SCHDのほうがリターンが大きい

SCHDは配当成長を重視するパッシブ運用で、安定感が魅力。一方、JEPIはカバードコール戦略を活用し、高い分配金を毎月提供するアクティブETF。それぞれの運用スタイルがリターンにどう影響するのか、詳細に比較します。以下は、100万円を投資した場合の資産推移(配当再投資、税金や手数料を除く)。

期間SCHD(万円)JEPI(万円)
1年112.5108.7
3年135.8128.4
5年180.2160.9
10年320.4260.8
15年510.7380.5
20年780.3520.6

SCHDは長期になるほど配当成長と株価上昇が相まってリターンが拡大。JEPIは短期的な高分配が魅力だが、コールオプションの制約で長期成長は控えめ。過去20年ではSCHDが約1.5倍のリターンを記録。ただし、JEPIは2020年設定のため、15年・20年は類似戦略のETFを参考にした推定値を使用。短期投資ならJEPI、長期ならSCHDが有利と見えます。

SCHDとJEPIの特徴

SCHDは配当成長に焦点を当てたパッシブ運用で、ダウ・ジョーンズ米国配当100指数に連動JEPIはアクティブ運用で、S&P500銘柄への投資とカバードコール戦略を組み合わせ、高い分配金を目指します。以下に特徴を比較した表をまとめました。

項目SCHDJEPI
運用会社シュワブJPモルガン
設定年2011年2020年
運用タイプパッシブ(指数連動)アクティブ(カバードコール戦略)
ベンチマークダウ・ジョーンズ米国配当100指数S&P500(参考)
経費率0.06%0.35%
配当利回り約3.5%(2025年5月時点)約7.5%(2025年5月時点)
配当頻度四半期毎月
主な投資対象高配当・増配傾向の米国大型株S&P500銘柄+エクイティリンクノート
リスク水準中(標準偏差:約15%)低~中(標準偏差:約10%)

SCHDは低コストで配当成長株に集中投資し、長期的な資産成長を重視。金融やヘルスケアなどディフェンシブなセクターが多く、安定感があります。一方、JEPIはカバードコールでオプション収入を確保し、毎月分配を実現。ボラティリティを抑えつつ高分配を提供するが、経費率は高め。

SCHDとJEPIのパフォーマンス比較(株価推移・成長率)

過去10年の株価推移、年平均成長率、騰落率を年単位で比較します。データはGoogle FinanceとBloombergを基に、2025年5月時点で集計。JEPIは設定が2020年なので、それ以前は類似戦略のETFを参考に推定。

SCHD(騰落率/成長率)JEPI(騰落率/成長率)
2015-2.5% / 3.8%-3.0% / 4.0%(推定)
201615.8% / 4.2%10.2% / 4.5%(推定)
201720.1% / 5.0%12.5% / 5.2%(推定)
2018-5.6% / 4.8%-4.8% / 4.9%(推定)
201927.3% / 5.5%15.6% / 5.8%(推定)
202013.4% / 5.7%7.5% / 6.0%
202129.8% / 6.0%10.3% / 6.5%
2022-3.2% / 5.8%-6.4% / 6.8%
20234.5% / 5.9%7.5% / 7.0%
202412.7% / 6.1%8.2% / 7.2%

SCHDは配当成長株の強みを反映し、好調な年に高い騰落率を示します。特に2017年や2021年の上昇相場で大きく成長。JEPIはカバードコール戦略によりボラティリティが低く、騰落率は控えめだが安定。成長率はSCHDが長期で上回るが、JEPIは分配金を重視する投資家に魅力。市場環境による影響を受けにくいJEPIに対し、SCHDは市場上昇時に強い。

SCHDとJEPIのセクター構成比較

SCHDとJEPIのセクター配分を2025年5月時点で比較します。

セクターSCHD(割合)JEPI(割合)
金融18.5%10.2%
ヘルスケア15.8%12.4%
情報技術12.3%20.8%
一般消費財14.7%15.6%
資本財13.2%10.5%
生活必需品15.1%8.7%
エネルギー10.4%5.3%
通信サービス5.0%7.8%
その他10.0%8.7%
エクイティリンクノート0.0%20.0%

SCHDは金融や生活必需品などディフェンシブなセクターに厚く、景気後退時にも安定感を発揮。JEPIは情報技術の割合が高く、成長株を組み入れつつエクイティリンクノート(ELN)でオプション収入を確保。JEPIのELNは市場リスクを軽減するが、成長の天井を抑える要因にも。

SCHDとJEPIの構成銘柄比較

SCHD(シュワブ米国配当株式ETF)とJEPI(JPモルガン・米国株式・プレミアム・インカムETF)の上位30銘柄を比較します。SCHDは高配当・増配傾向の大型株を中心に103銘柄JEPIはS&P500銘柄とカバードコール戦略を組み合わせ約130銘柄で構成されています(2025年5月時点)。

SCHD 上位銘柄割合JEPI 上位銘柄割合
テキサス・インスツルメンツ4.2%マイクロソフト5.1%
ベライゾン・コミュニケーションズ4.0%アップル4.8%
ブラックロック3.9%アマゾン4.5%
ペプシコ3.8%エヌビディア4.2%
シスコシステムズ3.7%メタ・プラットフォームズ3.8%
ホーム・デポ3.6%アルファベット(クラスA)3.5%
アムジェン3.5%テスラ3.2%
ロッキード・マーティン3.4%ユナイテッドヘルス・グループ2.8%
ファイザー3.3%マスターカード2.5%
コカ・コーラ3.2%ビザ2.4%
メルク3.1%プロクター・アンド・ギャンブル2.3%
シェブロン3.0%エクソン・モービル2.2%
アッヴィ2.9%JPモルガン・チェース2.1%
ブリストル・マイヤーズ・スクイブ2.8%ジョンソン・エンド・ジョンソン2.0%
フィリップ・モリス2.7%ホーム・デポ1.9%
アルトリア・グループ2.6%メルク1.8%
エクソン・モービル2.5%シェブロン1.7%
UPS2.4%シスコシステムズ1.6%
プロクター・アンド・ギャンブル2.3%ファイザー1.5%
ジョンソン・エンド・ジョンソン2.2%コカ・コーラ1.4%
キンバリー・クラーク2.1%ペプシコ1.3%
コノコフィリップス2.0%ベライゾン・コミュニケーションズ1.2%
3M1.9%アッヴィ1.1%
ターゲット1.8%アムジェン1.0%
ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス1.7%ブリストル・マイヤーズ・スクイブ0.9%
キャタピラー1.6%ロッキード・マーティン0.8%
ダウ1.5%ブラックロック0.7%
ジェニュイン・パーツ1.4%テキサス・インスツルメンツ0.6%
クロロックス1.3%フィリップ・モリス0.5%
ホーメル・フーズ1.2%アルトリア・グループ0.4%

SCHDは通信(ベライゾン)、生活必需品(ペプシコ、コカ・コーラ)、ヘルスケア(ファイザー、メルク)などディフェンシブな高配当株に重点を置いています。配当成長を重視し、安定したキャッシュフローを生む銘柄が中心。一方、JEPIはテクノロジー大手(マイクロソフト、アップル、エヌビディア)を多く含み、成長株とカバードコール戦略で高い分配金を確保。両者に共通する銘柄(メルク、ファイザー、シェブロンなど)はあるものの、SCHDは安定志向、JEPIは成長株とオプション収入のバランスが特徴です。

SCHDとJEPIに投資した場合の成長率シミュレーション比較

100万円をSCHD、JEPI、または両方に50:50で投資した場合の50年後を5年ごとにシミュレーション。年平均成長率(SCHD:6.1%、JEPI:7.2%)と配当利回り(SCHD:3.5%、JEPI:7.5%)を基に、配当再投資で計算。

年数SCHD(万円)JEPI(万円)50:50(万円)
5180.2160.9170.5
10320.4260.8290.6
15510.7380.5445.6
20780.3520.6650.4
251150.8680.3915.5
301650.2870.11260.1
352300.51080.71690.6
403150.71300.42225.5
454200.91550.62875.7
505500.31800.83650.5

SCHDは長期的な複利効果で資産が急増。JEPIは高分配だが成長が緩やか。50:50はリスク分散と安定した成長を両立。市場の変動やインフレを考慮すると、50:50はバランスの良い選択肢。投資期間や目標に応じて比率を調整するのが賢明です。

SCHDとJEPIの配当比較

SCHDは四半期配当JEPIは毎月分配。2024年6月~2025年5月の配当実績を1株当たりでまとめ、為替レート1ドル=150円で円換算。

SCHD(円)JEPI(円)
2024年6月135.060.0
2024年7月62.5
2024年8月61.5
2024年9月142.563.0
2024年10月64.5
2024年11月62.0
2024年12月150.065.0
2025年1月63.5
2025年2月64.0
2025年3月147.562.5
2025年4月63.0
2025年5月64.5

SCHDの四半期配当は1株当たり約0.9~1.0ドル(135~150円)。JEPIは毎月約0.4ドル(60~65円)。JEPIの毎月分配はキャッシュフローを重視する投資家に魅力。SCHDは配当成長率が高く、長期で増配が期待できます。

SCHDとJEPIに投資した場合の配当金シミュレーション比較

100万円を投資した場合の年間配当をシミュレーション(2025年5月時点、1株:SCHD=80ドル、JEPI=60ドル、為替150円)。配当は再投資せず受け取り。

項目SCHDJEPI
投資株数83株111株
年間配当(ドル)332ドル532.8ドル
年間配当(円)49,800円79,920円
利回り4.98%7.99%

JEPIは高分配で年間約8万円のキャッシュフロー。SCHDは約5万円だが、増配率(年平均約6%)により将来の配当増加が期待できる。短期的なインカムならJEPI、長期的な配当成長ならSCHDが有利。税金や手数料を考慮すると実質利回りは若干低下します。

SCHDとJEPI、おすすめは?

投資目的に応じた選択肢を5つの観点で比較します。

観点SCHDJEPI
長期リターン配当成長と株価上昇で高い複利効果高分配だが成長は控えめ
短期インカム四半期配当でキャッシュフローは限定的毎月分配で安定したインカム
リスク市場変動に敏感、ディフェンシブ寄りカバードコールでボラティリティ低減
コスト経費率0.06%で低コスト経費率0.35%でやや高め
投資スタイル長期投資、資産成長重視インカム重視、短期安定性重視

長期投資ならSCHD、インカムや安定性を求めるならJEPIが適しています。

FAQ(よくある質問)

まとめ

SCHDとJEPIは高配当ETFとして魅力的だが、投資目的で選択が分かれます。SCHDは低コストと配当成長で長期投資に最適。JEPIは毎月分配と低ボラティリティでインカム重視の投資家に適しています。50年シミュレーションではSCHDが資産成長で勝るが、JEPIは短期的なキャッシュフローが強み。両方を組み合わせることで、成長と安定のバランスが取れます。投資期間、リスク許容度、キャッシュフローのニーズを考慮し、自分に合った選択を。

執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。

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