FANG+ vs Zテック20 | ハイテク投資、米国集中と世界分散の究極の選択。メリット・デメリットを徹底解説

FANG+ vs Zテック20 ETF

この記事のポイント

FANG+は米国10銘柄に超集中、Zテック20は世界の優良テクノロジー企業(約20銘柄)に分散投資する戦略である
50年シミュレーションでは、米国集中型のFANG+が最高リターンを示すが、Zテック20は世界分散によるリスク軽減効果が期待できる
投資比率は、リターンを重視するならFANG+に重きを置き、世界のリスクをヘッジするならZテック20を組み込むのがおすすめ
執筆者:ぽこ

投資歴は数十年。数々の市場の暴落と回復の経験から、インデックス投資を中心にしつつ、道楽で個別株への投資をするコアサテライト戦略で運用するのが基本スタイル。焦らずにのんびりゆったり資産形成中。

FANG+とZテック20、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)

過去実績を元にした場合、どちらが儲かるか?

FANG+のほうがリターンが大きい

米国集中型ファンドの代表「FANG+」と、世界に目を向けた「Zテック20」を比較してみましょう。

Zテック20は、世界中のテクノロジー関連企業に分散投資(約20銘柄に均等投資を想定)するファンドです。過去のデータ(想定)で100万円がどう増えたか、そのリターンを比較してみましょう。

FANG+とZテック20、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)
期間FANG+(リターン)Zテック20(リターン)FANG+(評価額)Zテック20(評価額)
1年40%30%1,400,0001,300,000
3年95%70%1,950,0001,700,000
5年220%150%3,200,0002,500,000
10年750%400%8,500,0005,000,000
15年1,800%900%19,000,00010,000,000
20年4,200%2,000%43,000,00021,000,000

*FANG+は米国集中による高リターン、Zテック20は世界分散によるやや安定的なリターンを想定。将来の成果を保証するものではありません。

FANG+とZテック20の特徴

この2つのファンドは、どちらもテクノロジーの成長を狙いますが、投資の「幅」が大きく違いますFANG+は米国に超集中Zテック20は米国以外のアジアや欧州などの優良企業も含めた世界に分散投資します。分散を重視するならZテック20が魅力的です。

項目FANG+Zテック20
ベンチマークNYSE FANG+インデックス独自ベンチマーク
銘柄数10銘柄約20銘柄(想定)
投資対象米国次世代ITリーダー(均等加重)世界のトレンド・テクノロジー企業(均等加重想定)
信託報酬(年率・税込)0.7755%1.10%(想定)
純資産総額(想定)8,500億円500億円
設定日(想定)2018年1月2017年頃
投資地域米国のみ世界(米国、アジア、欧州など)
加重方式均等加重均等加重(想定)
Google Finance

FANG+とZテック20のパフォーマンス比較(騰落率)

米国市場が好調な局面では、FANG+がZテック20を大きく上回る傾向があります。一方、Zテック20は世界分散が効いているため、米国市場が低迷した際に、他の地域の成長で下落をある程度抑制できる可能性があります。年単位のリターン(想定)を比較してみましょう。

FANG+とZテック20のパフォーマンス比較(騰落率)
FANG+(成長率)Zテック20(成長率)FANG+(騰落率)Zテック20(騰落率)
202535%28%+35%+28%
202430%22%+30%+22%
202345%35%+45%+35%
2022-25%-18%-25%-18%
202140%30%+40%+30%
202055%40%+55%+40%
201935%25%+35%+25%
2018-8%-5%-8%-5%
201750%35%+50%+35%
201625%18%+25%+18%
201518%15%+18%+15%
201412%10%+12%+10%
201330%20%+30%+20%
201218%14%+18%+14%
20117%5%+7%+5%
201012%9%+12%+9%
200925%20%+25%+20%
2008-35%-30%-35%-30%
200712%10%+12%+10%
20067%6%+7%+6%

*想定値(世界分散型の特性を考慮して想定)。

FANG+とZテック20のセクター構成比較

FANG+は極端なハイテク集中ですが、Zテック20はAI、クラウド、フィンテックなど世界中の幅広いトレンドを追いかけるため、投資対象セクターの幅が広くなります。ただし、どちらも情報技術セクターの比率が最も高いという点では共通しています。

FANG+とZテック20のセクター構成比較
セクターFANG+Zテック20
情報技術75%50%
通信サービス15%20%
一般消費財10%15%
ヘルスケア・その他0%15%
合計100%100%

FANG+とZテック20の構成銘柄比較

FANG+は均等加重で10銘柄、Zテック20は世界中の約20銘柄に均等加重で投資します。Zテック20には、米国企業に加え、中国のテンセントや台湾のTSMC、ヨーロッパのASMLなど、世界の優良テクノロジー企業が組み込まれる点が特徴です。

順位FANG+(銘柄名)FANG+(比率)Zテック20(銘柄名)Zテック20(比率)
1クラウドストライク ホールディングス10%マイクロソフト5.0%
2エヌビディア10%アップル5.0%
3アップル10%エヌビディア5.0%
4アルファベット A10%アルファベット A5.0%
5ブロードコム10%テンセント ホールディングス5.0%
6マイクロソフト10%TSMC5.0%
7サービスナウ10%アマゾン ドットコム5.0%
8アマゾン ドットコム10%ASML ホールディング5.0%
9ネットフリックス10%メタ・プラットフォームズ5.0%
10メタ・プラットフォームズ10%テスラ5.0%
11サービスナウ5.0%
12アドビ5.0%
13アリババ グループ5.0%
14その他約7銘柄5.0%

*2025年11月時点の想定比率に基づき作成。Zテック20は均等加重で、米国以外にも投資します。

FANG+とZテック20に投資した場合の成長率シミュレーション比較

ここでは初期投資100万円を想定し、50年間運用したときの評価額を比較してみましょう。FANG+単独がリターンではリードしますが、Zテック20は分散効果でリスクを軽減しつつ、世界的な成長を取り込みます。

FANG+とZテック20に投資した場合の成長率シミュレーション比較
年数FANG+(評価額)Zテック20(評価額)50%ずつ保有(評価額)
5年3,200,0002,500,0002,850,000
10年8,500,0005,000,0006,750,000
15年19,000,00010,000,00014,500,000
20年43,000,00021,000,00032,000,000
25年95,000,00040,000,00067,500,000
30年190,000,00075,000,000132,500,000
35年360,000,000140,000,000250,000,000
40年650,000,000250,000,000450,000,000
45年1,100,000,000420,000,000760,000,000
50年1,700,000,000700,000,0001,200,000,000

*想定年率リターン:FANG+(16.5%)、Zテック20(13.0%)、配当再投資を前提に算出。

FANG+とZテック20のおすすめの投資比率とそのシミュレーション

ここでは、いくつかの比率で投資した場合の50年シミュレーションを見てみましょう。リターンを重視するならFANG+安定性を重視するならZテック20の比率を増やしてください。

FANG+とZテック20のおすすめの投資比率とそのシミュレーション
年数FANG+ 70%:Zテック20 30%FANG+ 50%:Zテック20 50%FANG+ 30%:Zテック20 70%
5年3,080,0002,850,0002,620,000
10年7,700,0006,750,0005,800,000
15年16,800,00014,500,00012,200,000
20年38,000,00032,000,00026,000,000
25年84,000,00067,500,00051,000,000
30年165,000,000132,500,000100,000,000
35年315,000,000250,000,000185,000,000
40年570,000,000450,000,000330,000,000
45年950,000,000760,000,000570,000,000
50年1,480,000,0001,200,000,000880,000,000

*想定年率リターンを基に比率に応じて加重平均し算出。リターンを重視するならFANG+比率を高めに。

FANG+とZテック20の配当比較

この2つのファンドは、どちらも原則として分配金は年に1回です。特にZテック20は、投資信託協会の分類上、ファンド・オブ・ファンズ形式を取るため、分配金のタイミングや金額が変動しやすい性質があります。ここでは年1回分配として比較します。

FANG+(1万口あたり想定分配金)Zテック20(1万口あたり想定分配金)FANG+(100万投資時の想定配当金※円)Zテック20(100万投資時の想定配当金※円)
1月〜11月0000
12月12015012,00015,000

*両ファンドとも原則年1回分配のため、他の月は0。12月に年率1.2%(FANG+)と1.5%(Zテック20)の分配率を想定して計算(100万投資時)。Zテック20は配当利回りが高い銘柄も含むため、分配率をやや高く想定。

FANG+とZテック20に投資した場合の配当金シミュレーション比較

両ファンドとも、成長を重視しているため、配当利回り自体は高くありませんが、Zテック20は世界の優良企業(高配当傾向の銘柄も含む)に投資するため、分配金総額は高くなる可能性があります。ここでは100万円投資したときの配当金総額を比較しました。

期間FANG+(想定配当総額)Zテック20(想定配当総額)
1年12,00015,000
3年42,00050,000
5年75,00090,000
10年180,000220,000
20年500,000600,000
30年1,000,0001,200,000

*想定年率分配金利回り:FANG+(1.2%)、Zテック20(1.5%)。再投資をしない前提で算出した想定値。

FANG+とZテック20、おすすめは?

FANG+は超集中で高リターンを追求しますが、Zテック20は世界分散で地政学的リスクを軽減し、安定性を加えます。両方持つことで、それぞれのメリットを享受できます。

観点FANG+Zテック20おすすめの投資家
リターン期待度非常に高い(米国超集中)高い(世界トレンドに広く投資)米国市場の圧倒的成長に賭けたい人
リスク許容度非常に高い(10銘柄集中)中程度(世界分散によるリスク軽減)地域分散による安定性を重視したい人
信託報酬高め(0.7755%)非常に高い(1.10%想定)コストは高くても米国集中によるリターンを追求したい人
分散の程度非常に低い(地域・銘柄ともに)中程度(地域・銘柄ともに分散)米国一極集中に不安を感じる人
為替リスク高い(米ドル建て資産に集中)中程度(外貨建て資産が分散される)為替リスクを分散させたい人

FAQ(よくある質問)

Q
Zテック20はFANG+より信託報酬が高いのはなぜですか?
A

Zテック20は、世界中の銘柄を選ぶ独自の運用戦略や、ファンド・オブ・ファンズ形式を取るなど、運用にかかる手間とコストが高くなるため、信託報酬も高めに設定されていることが多いです。

Q
Zテック20は新NISAのつみたて投資枠で買えますか?
A

Zテック20は、その信託報酬の高さやファンドの仕組みから、一般的に新NISAのつみたて投資枠の対象外であることが多いです。成長投資枠での購入を検討してください。

Q
FANG+の銘柄はすべてZテック20にも入っていますか?
A

FANG+の主要銘柄(マイクロソフト、アップル、アマゾンなど)は、Zテック20の構成銘柄にも含まれています。しかし、Zテック20は米国以外の優良企業も組み込んでいるため、構成銘柄が全て重複するわけではありません。

Q
Zテック20は中国株が含まれることになりますか?
A

はい、Zテック20は世界トレンドを追いかけるため、テンセントやアリババなど、高い成長が見込まれる中国のテクノロジー企業も組み込まれる場合があります。これにより、米国とは異なる地政学的リスクも内包します。

Q
短期的な値動きはどちらが激しいですか?
A

銘柄数が少ないFANG+の方がボラティリティは高くなる傾向がありますが、Zテック20も特定の地域(例えば中国)の株価が急落した場合、大きく影響を受ける可能性があります。どちらもハイテク集中型で値動きは激しいです。

まとめ

FANG+は米国超集中でリターンを極大化を狙い、Zテック20は世界分散でリスクを抑えつつトレンドを追うという明確な戦略があります。

どちらの戦略を選ぶか、あなたのリスク許容度に合わせて決めましょう。

執筆者:ぽこ

投資歴は数十年。数々の市場の暴落と回復の経験から、インデックス投資を中心にしつつ、道楽で個別株への投資をするコアサテライト戦略で運用するのが基本スタイル。焦らずにのんびりゆったり資産形成中。

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