この記事のポイント
FANG+とZテック20、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)
FANG+のほうがリターンが大きい
米国集中型ファンドの代表「FANG+」と、世界に目を向けた「Zテック20」を比較してみましょう。
Zテック20は、世界中のテクノロジー関連企業に分散投資(約20銘柄に均等投資を想定)するファンドです。過去のデータ(想定)で100万円がどう増えたか、そのリターンを比較してみましょう。

| 期間 | FANG+(リターン) | Zテック20(リターン) | FANG+(評価額) | Zテック20(評価額) |
| 1年 | 40% | 30% | 1,400,000 | 1,300,000 |
| 3年 | 95% | 70% | 1,950,000 | 1,700,000 |
| 5年 | 220% | 150% | 3,200,000 | 2,500,000 |
| 10年 | 750% | 400% | 8,500,000 | 5,000,000 |
| 15年 | 1,800% | 900% | 19,000,000 | 10,000,000 |
| 20年 | 4,200% | 2,000% | 43,000,000 | 21,000,000 |
*FANG+は米国集中による高リターン、Zテック20は世界分散によるやや安定的なリターンを想定。将来の成果を保証するものではありません。
FANG+とZテック20の特徴
この2つのファンドは、どちらもテクノロジーの成長を狙いますが、投資の「幅」が大きく違います。FANG+は米国に超集中、Zテック20は米国以外のアジアや欧州などの優良企業も含めた世界に分散投資します。分散を重視するならZテック20が魅力的です。
| 項目 | FANG+ | Zテック20 |
| ベンチマーク | NYSE FANG+インデックス | 独自ベンチマーク |
| 銘柄数 | 10銘柄 | 約20銘柄(想定) |
| 投資対象 | 米国次世代ITリーダー(均等加重) | 世界のトレンド・テクノロジー企業(均等加重想定) |
| 信託報酬(年率・税込) | 0.7755% | 1.10%(想定) |
| 純資産総額(想定) | 8,500億円 | 500億円 |
| 設定日(想定) | 2018年1月 | 2017年頃 |
| 投資地域 | 米国のみ | 世界(米国、アジア、欧州など) |
| 加重方式 | 均等加重 | 均等加重(想定) |
- FANG+
- Zテック20
FANG+とZテック20のパフォーマンス比較(騰落率)
米国市場が好調な局面では、FANG+がZテック20を大きく上回る傾向があります。一方、Zテック20は世界分散が効いているため、米国市場が低迷した際に、他の地域の成長で下落をある程度抑制できる可能性があります。年単位のリターン(想定)を比較してみましょう。

| 年 | FANG+(成長率) | Zテック20(成長率) | FANG+(騰落率) | Zテック20(騰落率) |
| 2025 | 35% | 28% | +35% | +28% |
| 2024 | 30% | 22% | +30% | +22% |
| 2023 | 45% | 35% | +45% | +35% |
| 2022 | -25% | -18% | -25% | -18% |
| 2021 | 40% | 30% | +40% | +30% |
| 2020 | 55% | 40% | +55% | +40% |
| 2019 | 35% | 25% | +35% | +25% |
| 2018 | -8% | -5% | -8% | -5% |
| 2017 | 50% | 35% | +50% | +35% |
| 2016 | 25% | 18% | +25% | +18% |
| 2015 | 18% | 15% | +18% | +15% |
| 2014 | 12% | 10% | +12% | +10% |
| 2013 | 30% | 20% | +30% | +20% |
| 2012 | 18% | 14% | +18% | +14% |
| 2011 | 7% | 5% | +7% | +5% |
| 2010 | 12% | 9% | +12% | +9% |
| 2009 | 25% | 20% | +25% | +20% |
| 2008 | -35% | -30% | -35% | -30% |
| 2007 | 12% | 10% | +12% | +10% |
| 2006 | 7% | 6% | +7% | +6% |
*想定値(世界分散型の特性を考慮して想定)。
FANG+とZテック20のセクター構成比較
FANG+は極端なハイテク集中ですが、Zテック20はAI、クラウド、フィンテックなど世界中の幅広いトレンドを追いかけるため、投資対象セクターの幅が広くなります。ただし、どちらも情報技術セクターの比率が最も高いという点では共通しています。

| セクター | FANG+ | Zテック20 |
| 情報技術 | 75% | 50% |
| 通信サービス | 15% | 20% |
| 一般消費財 | 10% | 15% |
| ヘルスケア・その他 | 0% | 15% |
| 合計 | 100% | 100% |
FANG+とZテック20の構成銘柄比較
FANG+は均等加重で10銘柄、Zテック20は世界中の約20銘柄に均等加重で投資します。Zテック20には、米国企業に加え、中国のテンセントや台湾のTSMC、ヨーロッパのASMLなど、世界の優良テクノロジー企業が組み込まれる点が特徴です。
| 順位 | FANG+(銘柄名) | FANG+(比率) | Zテック20(銘柄名) | Zテック20(比率) |
| 1 | クラウドストライク ホールディングス | 10% | マイクロソフト | 5.0% |
| 2 | エヌビディア | 10% | アップル | 5.0% |
| 3 | アップル | 10% | エヌビディア | 5.0% |
| 4 | アルファベット A | 10% | アルファベット A | 5.0% |
| 5 | ブロードコム | 10% | テンセント ホールディングス | 5.0% |
| 6 | マイクロソフト | 10% | TSMC | 5.0% |
| 7 | サービスナウ | 10% | アマゾン ドットコム | 5.0% |
| 8 | アマゾン ドットコム | 10% | ASML ホールディング | 5.0% |
| 9 | ネットフリックス | 10% | メタ・プラットフォームズ | 5.0% |
| 10 | メタ・プラットフォームズ | 10% | テスラ | 5.0% |
| 11 | – | – | サービスナウ | 5.0% |
| 12 | – | – | アドビ | 5.0% |
| 13 | – | – | アリババ グループ | 5.0% |
| 14 | – | – | その他約7銘柄 | 5.0% |
*2025年11月時点の想定比率に基づき作成。Zテック20は均等加重で、米国以外にも投資します。
FANG+とZテック20に投資した場合の成長率シミュレーション比較
ここでは初期投資100万円を想定し、50年間運用したときの評価額を比較してみましょう。FANG+単独がリターンではリードしますが、Zテック20は分散効果でリスクを軽減しつつ、世界的な成長を取り込みます。

| 年数 | FANG+(評価額) | Zテック20(評価額) | 50%ずつ保有(評価額) |
| 5年 | 3,200,000 | 2,500,000 | 2,850,000 |
| 10年 | 8,500,000 | 5,000,000 | 6,750,000 |
| 15年 | 19,000,000 | 10,000,000 | 14,500,000 |
| 20年 | 43,000,000 | 21,000,000 | 32,000,000 |
| 25年 | 95,000,000 | 40,000,000 | 67,500,000 |
| 30年 | 190,000,000 | 75,000,000 | 132,500,000 |
| 35年 | 360,000,000 | 140,000,000 | 250,000,000 |
| 40年 | 650,000,000 | 250,000,000 | 450,000,000 |
| 45年 | 1,100,000,000 | 420,000,000 | 760,000,000 |
| 50年 | 1,700,000,000 | 700,000,000 | 1,200,000,000 |
*想定年率リターン:FANG+(16.5%)、Zテック20(13.0%)、配当再投資を前提に算出。
FANG+とZテック20のおすすめの投資比率とそのシミュレーション
ここでは、いくつかの比率で投資した場合の50年シミュレーションを見てみましょう。リターンを重視するならFANG+、安定性を重視するならZテック20の比率を増やしてください。

| 年数 | FANG+ 70%:Zテック20 30% | FANG+ 50%:Zテック20 50% | FANG+ 30%:Zテック20 70% |
| 5年 | 3,080,000 | 2,850,000 | 2,620,000 |
| 10年 | 7,700,000 | 6,750,000 | 5,800,000 |
| 15年 | 16,800,000 | 14,500,000 | 12,200,000 |
| 20年 | 38,000,000 | 32,000,000 | 26,000,000 |
| 25年 | 84,000,000 | 67,500,000 | 51,000,000 |
| 30年 | 165,000,000 | 132,500,000 | 100,000,000 |
| 35年 | 315,000,000 | 250,000,000 | 185,000,000 |
| 40年 | 570,000,000 | 450,000,000 | 330,000,000 |
| 45年 | 950,000,000 | 760,000,000 | 570,000,000 |
| 50年 | 1,480,000,000 | 1,200,000,000 | 880,000,000 |
*想定年率リターンを基に比率に応じて加重平均し算出。リターンを重視するならFANG+比率を高めに。
FANG+とZテック20の配当比較
この2つのファンドは、どちらも原則として分配金は年に1回です。特にZテック20は、投資信託協会の分類上、ファンド・オブ・ファンズ形式を取るため、分配金のタイミングや金額が変動しやすい性質があります。ここでは年1回分配として比較します。
| 月 | FANG+(1万口あたり想定分配金) | Zテック20(1万口あたり想定分配金) | FANG+(100万投資時の想定配当金※円) | Zテック20(100万投資時の想定配当金※円) |
| 1月〜11月 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 12月 | 120 | 150 | 12,000 | 15,000 |
*両ファンドとも原則年1回分配のため、他の月は0。12月に年率1.2%(FANG+)と1.5%(Zテック20)の分配率を想定して計算(100万投資時)。Zテック20は配当利回りが高い銘柄も含むため、分配率をやや高く想定。
FANG+とZテック20に投資した場合の配当金シミュレーション比較
両ファンドとも、成長を重視しているため、配当利回り自体は高くありませんが、Zテック20は世界の優良企業(高配当傾向の銘柄も含む)に投資するため、分配金総額は高くなる可能性があります。ここでは100万円投資したときの配当金総額を比較しました。
| 期間 | FANG+(想定配当総額) | Zテック20(想定配当総額) |
| 1年 | 12,000 | 15,000 |
| 3年 | 42,000 | 50,000 |
| 5年 | 75,000 | 90,000 |
| 10年 | 180,000 | 220,000 |
| 20年 | 500,000 | 600,000 |
| 30年 | 1,000,000 | 1,200,000 |
*想定年率分配金利回り:FANG+(1.2%)、Zテック20(1.5%)。再投資をしない前提で算出した想定値。
FANG+とZテック20、おすすめは?
FANG+は超集中で高リターンを追求しますが、Zテック20は世界分散で地政学的リスクを軽減し、安定性を加えます。両方持つことで、それぞれのメリットを享受できます。
| 観点 | FANG+ | Zテック20 | おすすめの投資家 |
| リターン期待度 | 非常に高い(米国超集中) | 高い(世界トレンドに広く投資) | 米国市場の圧倒的成長に賭けたい人 |
| リスク許容度 | 非常に高い(10銘柄集中) | 中程度(世界分散によるリスク軽減) | 地域分散による安定性を重視したい人 |
| 信託報酬 | 高め(0.7755%) | 非常に高い(1.10%想定) | コストは高くても米国集中によるリターンを追求したい人 |
| 分散の程度 | 非常に低い(地域・銘柄ともに) | 中程度(地域・銘柄ともに分散) | 米国一極集中に不安を感じる人 |
| 為替リスク | 高い(米ドル建て資産に集中) | 中程度(外貨建て資産が分散される) | 為替リスクを分散させたい人 |
FAQ(よくある質問)
- QZテック20はFANG+より信託報酬が高いのはなぜですか?
- A
Zテック20は、世界中の銘柄を選ぶ独自の運用戦略や、ファンド・オブ・ファンズ形式を取るなど、運用にかかる手間とコストが高くなるため、信託報酬も高めに設定されていることが多いです。
- QZテック20は新NISAのつみたて投資枠で買えますか?
- A
Zテック20は、その信託報酬の高さやファンドの仕組みから、一般的に新NISAのつみたて投資枠の対象外であることが多いです。成長投資枠での購入を検討してください。
- QFANG+の銘柄はすべてZテック20にも入っていますか?
- A
FANG+の主要銘柄(マイクロソフト、アップル、アマゾンなど)は、Zテック20の構成銘柄にも含まれています。しかし、Zテック20は米国以外の優良企業も組み込んでいるため、構成銘柄が全て重複するわけではありません。
- QZテック20は中国株が含まれることになりますか?
- A
はい、Zテック20は世界トレンドを追いかけるため、テンセントやアリババなど、高い成長が見込まれる中国のテクノロジー企業も組み込まれる場合があります。これにより、米国とは異なる地政学的リスクも内包します。
- Q短期的な値動きはどちらが激しいですか?
- A
銘柄数が少ないFANG+の方がボラティリティは高くなる傾向がありますが、Zテック20も特定の地域(例えば中国)の株価が急落した場合、大きく影響を受ける可能性があります。どちらもハイテク集中型で値動きは激しいです。
まとめ
FANG+は米国超集中でリターンを極大化を狙い、Zテック20は世界分散でリスクを抑えつつトレンドを追うという明確な戦略があります。
どちらの戦略を選ぶか、あなたのリスク許容度に合わせて決めましょう。

投資歴は数十年。数々の市場の暴落と回復の経験から、インデックス投資を中心にしつつ、道楽で個別株への投資をするコアサテライト戦略で運用するのが基本スタイル。焦らずにのんびりゆったり資産形成中。













