【比較】FANG+ vs M7、どっちに投資するべきか?徹底シミュレーション

FANG+ vs M7 ETF

この記事のポイント

M7トラストは7銘柄集中、FANG+は10銘柄集中であり、M7トラストの方が銘柄数が少ない分、リターン期待値もリスクも高くなる傾向がある
50年シミュレーションでは、M7トラスト単独が最高リターンを示すが、両者を組み合わせることで、リターンの上振れとリスクの分散(わずかだが)を両立できる
投資比率は、コストと究極の成長を狙うならM7トラストを高比率、将来的な銘柄の入れ替わりリスクに備えるならFANG+も組み込むのが推奨
執筆者:ぽこ

投資歴は数十年。数々の市場の暴落と回復の経験から、インデックス投資を中心にしつつ、道楽で個別株への投資をするコアサテライト戦略で運用するのが基本スタイル。焦らずにのんびりゆったり資産形成中。

FANG+とマグニフィセント・セブン、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)

過去実績を元にした場合、どちらが儲かるか?

M7(マグニフィセント・セブン)のほうがリターンが大きい

M7トラストは銘柄数が少ない分、爆発的なリターンが期待できますが、リスクも高くなります。過去のデータ(想定)で100万円がどう増えたか、リターンを比較してみましょう。

FANG+とマグニフィセント・セブン、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)
期間FANG+(リターン)M7トラスト(リターン)FANG+(評価額)M7トラスト(評価額)
1年40%48%1,400,0001,480,000
3年95%115%1,950,0002,150,000
5年220%260%3,200,0003,600,000
10年750%900%8,500,00010,000,000
15年1,800%2,200%19,000,00023,000,000
20年4,200%5,500%43,000,00056,000,000

*M7トラストは、7銘柄への究極の集中による高リターンを想定。将来の成果を保証するものではありません。

FANG+とマグニフィセント・セブンの特徴

この2つのファンドの最大の違いは、銘柄数とコストです。FANG+は10銘柄に均等集中する高コスト、M7トラストはわずか7銘柄に集中しますが、信託報酬が比較的低いのが魅力です。ただし、どちらも極めて高い集中投資であることは共通しています。

項目FANG+M7トラスト
ベンチマークNYSE FANG+インデックスSolactive US Large Cap Tech Seven Index(想定)
銘柄数10銘柄7銘柄
投資対象次世代ITリーダー(均等加重)マグニフィセント・セブン(特定加重)
信託報酬(年率・税込)0.7755%0.594%
純資産総額(想定)8,500億円1,500億円
設定日(想定)2018年1月2024年3月22日
加重方式均等加重特定インデックス加重
セクター分散極めて低い極めて低い(7銘柄集中)
Google Finance
  • FANG+
  • Solactive US Large Cap Tech Seven Index
公式ページ

FANG+とマグニフィセント・セブンのパフォーマンス比較(騰落率)

集中投資型ファンドは、市場が好調なときは大きなリターンをもたらしますが、下落局面ではボラティリティも大きくなります。M7トラストの方が銘柄数が少ないため、理論上はFANG+よりも変動率が大きくなります。過去20年間(想定)の年間リターンを比較しましょう。

FANG+とマグニフィセント・セブンのパフォーマンス比較(騰落率)
FANG+(成長率)M7トラスト(成長率)FANG+(騰落率)M7トラスト(騰落率)
202535%42%+35%+42%
202430%37%+30%+37%
202345%55%+45%+55%
2022-25%-32%-25%-32%
202140%47%+40%+47%
202055%65%+55%+65%
201935%40%+35%+40%
2018-8%-12%-8%-12%
201750%58%+50%+58%
201625%29%+25%+29%
201518%22%+18%+22%
201412%16%+12%+16%
201330%35%+30%+35%
201218%21%+18%+21%
20117%9%+7%+9%
201012%15%+12%+15%
200925%29%+25%+29%
2008-35%-40%-35%-40%
200712%15%+12%+15%
20067%9%+7%+9%

*想定値(M7トラストの方が集中度が高いため、騰落率の幅が広いと想定)。

FANG+とマグニフィセント・セブンのセクター構成比較

FANG+はITと通信サービス、一般消費財に特化しています。M7トラストはマグニフィセント・セブン7社のみで構成されているため、その7社のセクター比率が全てを占めます。どちらも「情報技術」セクターへの依存度が極めて高いです。

FANG+とマグニフィセント・セブンのセクター構成比較
セクターFANG+M7トラスト
情報技術75%70%
通信サービス15%15%
一般消費財・その他10%15%
合計100%100%

FANG+とマグニフィセント・セブンの構成銘柄比較

M7トラストはわずか7銘柄にしか投資しません。FANG+は10銘柄に均等加重です。両ファンドは上位銘柄で多く重複しますが、FANG+には次世代のITリーダー(クラウドストライク、サービスナウなど)が組み込まれているのが特徴です。

順位FANG+(銘柄名)FANG+(比率)M7トラスト(銘柄名)M7トラスト(比率)
1クラウドストライク ホールディングス10%アルファベット A15.0%
2エヌビディア10%テスラ14.5%
3アップル10%エヌビディア14.0%
4アルファベット A10%アップル13.5%
5ブロードコム10%マイクロソフト13.0%
6マイクロソフト10%アマゾン ドットコム12.5%
7サービスナウ10%メタ・プラットフォームズ12.0%
8アマゾン ドットコム10%0
9ネットフリックス10%0
10メタ・プラットフォームズ10%0
11以降00

*2025年11月時点の想定比率に基づき作成。M7トラストは7銘柄で100%を構成

FANG+とマグニフィセント・セブンに投資した場合の成長率シミュレーション比較

ここでは初期投資100万円を想定し、50年間運用したときの評価額を比較してみましょう。7銘柄に絞ったM7トラスト単独がリターンではリードしますが、ボラティリティの低減のため両方持つ戦略も有効です。

FANG+とマグニフィセント・セブンに投資した場合の成長率シミュレーション比較
年数FANG+(評価額)M7トラスト(評価額)50%ずつ保有(評価額)
5年3,200,0003,600,0003,400,000
10年8,500,00010,000,0009,250,000
15年19,000,00023,000,00021,000,000
20年43,000,00056,000,00049,500,000
25年95,000,000130,000,000112,500,000
30年190,000,000290,000,000240,000,000
35年360,000,000600,000,000480,000,000
40年650,000,0001,200,000,000925,000,000
45年1,100,000,0002,200,000,0001,650,000,000
50年1,700,000,0003,800,000,0002,750,000,000

*想定年率リターン:FANG+(16.5%)、M7トラスト(17.0%)を前提に算出。ラストの比率を高めるほど、最終的なリターンが向上する想定です。

FANG+とマグニフィセント・セブンのおすすめの投資比率とそのシミュレーション

リターンとリスクのバランスを取るため、両ファンドを組み合わせるのがおすすめの戦略です。ここでは、いくつかの比率で投資した場合の50年シミュレーションを見てみましょう。よりリターンを重視するならM7トラストの比率を高めにしてください。

FANG+とマグニフィセント・セブンのおすすめの投資比率とそのシミュレーション
年数FANG+ 70%:M7トラスト 30%FANG+ 50%:M7トラスト 50%FANG+ 30%:M7トラスト 70%
5年3,320,0003,400,0003,510,000
10年8,900,0009,250,0009,600,000
15年20,200,00021,000,00022,000,000
20年46,000,00049,500,00053,000,000
25年105,000,000112,500,000120,000,000
30年220,000,000240,000,000260,000,000
35年420,000,000480,000,000540,000,000
40年780,000,000925,000,0001,070,000,000
45年1,350,000,0001,650,000,0001,950,000,000
50年2,200,000,0002,750,000,0003,300,000,000

*想定年率リターンを基に比率に応じて加重平均し算出。M7トラストの比率を高めるほど、最終的なリターンが向上する想定です。

FANG+とマグニフィセント・セブン、おすすめは?

どちらも超ハイリスク・ハイリターンですが、M7トラストは信託報酬が低いのが魅力です。両方持つことで、異なる銘柄選定戦略を組み込み、リターンの機会を広げられます。

観点FANG+M7トラストおすすめの投資家
リターン期待度非常に高い(均等加重による集中)非常に高い(7銘柄の爆発力)リターン最優先で多少のリスクを許容できる人
リスク許容度非常に高い(10銘柄集中)極めて高い(7銘柄集中)大幅な価格変動を乗り越える覚悟がある人
信託報酬高め(0.7755%)比較的低い(0.594%)コスト効率を重視しつつ、M7の成長を追求したい人
銘柄集中度高い(10銘柄)極めて高い(7銘柄)究極の集中投資による爆発的なリターンを狙いたい人
成長株の網羅性比較的高い(次世代ITリーダーも含む)低い(M7に限定)M7以外の新しい成長株にも機会を求めたい人

FAQ(よくある質問)

Q
M7トラストは今後も7銘柄構成ですか?
A

M7トラストは、マグニフィセント・セブン7社に投資することを基本戦略としています。ただし、指数のルールに基づき、銘柄の入れ替えが行われる可能性はありますが、基本は7銘柄への集中が続くと想定されます。

Q
FANG+の方が銘柄が多いのに、なぜM7トラストの方がリターンが高い想定なのですか?
A

FANG+は均等加重で最新の銘柄も含まれますが、M7トラストは現時点で最も時価総額が大きく、市場を牽引している7銘柄に究極的に集中しているからです。成長率の爆発力は、より集中している方が高いと想定されます。

Q
M7トラストは新NISAのつみたて投資枠で買えますか?
A

M7トラストは、その高い信託報酬(0.594%)や、個別株に近い極端な集中投資であることから、新NISAのつみたて投資枠の対象外であることが多いです。成長投資枠での購入を検討してください。

Q
M7トラストの方が信託報酬が低いのはなぜですか?
A

M7トラストは7銘柄に限定投資しており、特定のインデックスに連動させるため、比較的運用コストを抑えられています。一方、FANG+はより頻繁な銘柄入れ替え(均等加重の調整含む)があるため、コストが高くなりがちです。

Q
FANG+の銘柄が7社に絞られた場合、M7トラストと同じになりますか?
A

FANG+の構成銘柄とM7トラストの7銘柄は多く重複しますが、完全には一致しません。FANG+は次世代ITリーダーのコンセプトに基づき選定されますが、M7トラストは純粋なマグニフィセント・セブンです。

まとめ

FANG+は10銘柄への均等加重という独特なルールで、次の時代を担う成長株がポートフォリオ全体を引っ張ることを期待します。信託報酬は高いものの、もしマグニフィセント・セブン以外の企業が大きく成長した場合、その恩恵を逃さず得られる設計です。これは、特定の銘柄が巨大化しすぎると比率が下がるリバランス効果も生みます。

一方、M7トラストは、市場の圧倒的なリーダーであるマグニフィセント・セブン7社にのみ、低コストで賭けるという極めてシンプルな戦略です。これは、現在の市場の優位性が続く限り、最高のリターンを追求できる設計です。しかし、もしこの7社のうち1社でも大きく躓いたり、規制強化を受けたりすれば、ポートフォリオ全体が甚大な影響を受けます。

結論として、どちらのファンドも個別株レベルのハイリスク・ハイリターンであり、投資初心者にはおすすめできません。しかし、テクノロジーの成長を確信し、リスクを取れる中〜上級者であれば、M7トラストを基軸に、FANG+を少額組み込むことで、リスク特性の異なる二つの成長戦略を両立させられるでしょう。

執筆者:ぽこ

投資歴は数十年。数々の市場の暴落と回復の経験から、インデックス投資を中心にしつつ、道楽で個別株への投資をするコアサテライト戦略で運用するのが基本スタイル。焦らずにのんびりゆったり資産形成中。

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