S&P500とオルカンはどちらがいいの?リターン(利回り)やリスクを徹底的に比較・シミュレーションしてみた

S&P500とオルカン ETF
  1. この記事のポイント
  2. S&P500とオルカンとは?
    1. S&P500とは?
    2. オルカンとは?
  3. S&P500とオルカンの概要を表にまとめてみると
  4. S&P500とオルカンはなぜ人気なのか?
    1. S&P500が人気の理由
    2. オルカンが人気の理由
    3. S&P500とオルカンが人気の理由をまとめると
  5. S&P500とオルカンの構成銘柄
    1. S&P500構成銘柄
    2. オルカン構成銘柄
    3. S&P500とオルカンの構成銘柄を比較してみると
  6. S&P500とオルカンのパフォーマンス
  7. S&P500とオルカンのリターン
    1. S&P500とオルカンの年別リターン
    2. S&P500とオルカンの過去平均リターン
  8. 月別でのS&P500とオルカンの騰落率
  9. S&P500とオルカンに投資した場合のシミュレーション
  10. S&P500とオルカンに投資する際のメリットとデメリット(注意点)
    1. S&P500に投資する際のメリットとデメリット(注意点)
    2. オルカンに投資する際のメリットとデメリット(注意点)
  11. S&P500とオルカンに関してのよくある質問
  12. まとめ

この記事のポイント

S&P500もオルカンもともに超優良な投資対象
S&P500は全米に投資を、オルカンは全世界に投資をしている
オルカンの投資先国のうち60%が米国であるため、オルカンはS&P500を内包しているといえる
米国経済が引き続き好調である限りはS&P500のほうがリターンが高くなる
一方リスクを低下させ、より安定的に・堅実に、資産をつみあげていきたい場合はオルカンがおすすめ
執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。いろんな国や商品に投資。投資歴はまあまあ長め。基軸はインデックス投資での運用。短期売買はあまりせず、長期目線での投資をコツコツと。

S&P500とオルカンとは?

S&P500とは?

なんの略?

S&P500はあまり知られていないかもしれませんが、「Standard & Poor’s 500 Index」の略です。

米国株式市場を代表する株価指数で、米国の主要な上場企業500社の株価を基に算出さています。そのなかには、Apple、Microsoft、Amazonなど、世界的に影響力のある企業が含まれており、米国経済全体の健康状態を示す指標として広く利用されています。S&P500は時価総額加重型の指数であり、各企業の株価がその企業の市場価値に応じて指数に反映されます。長期的に見て、S&P500は安定した成長をしているため、多くの投資家にとって人気の投資先となっています。

オルカンとは?

なんの略?

オルカンは、「全世界株式(オール・カントリー)」の略です。

指数として有名なのはMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)で、世界中の株式市場の健康状態を示す指数となっています。具体的には、先進国だけでなく新興国も含む約47か国が対象となっており、合計で約3,000社以上の企業を含みます。オルカンは、特定の国や地域に依存せず、世界全体の経済成長を享受したいと考える投資家にとって、魅力的な選択肢となっています。多くの投資家にとって、シンプルかつ効率的に分散投資を実現できる手段として高く評価されています。

S&P500とオルカンの概要を表にまとめてみると

S&P500をETFの「VOO」、オルカンをETFのVT」にて記載

S&P500(VOO)オルカン(VT)
設定日2010年9月9日2008年6月26日
純資産額477(十億ドル)37(十億ドル)
構成銘柄数S&P500種指数の全構成銘柄(約500銘柄)全世界の投資可能な市場時価総額の90%以上をカバー(約2,900銘柄)
ベンチマークS&P 500 Indexftse global all cap index
ベンチマーク乖離率0.01%0.06%
1株あたり価格486(ドル)110(ドル)
経費率0.03%0.07%
配当利回り1.46%
2.08%
年利リターン(1年)21.38%16.14%
年利リターン(3年)8.05%4.03%
年利リターン(5年)14.66%10.93%

VOOもVTもバンガード社が出しているETFです。バンガード社だけあって、経費率がものすごく低いですね。

設定日はともに同じくらいで、オルカン(VT)のほうが若干早くに設定されています。1 純資産額をみるとS&P500(VOO)のほうがはるかに人気であることがわかります。設定日がVOOのほうがあとなのにも関わらず、10倍以上も純資産額が違うということからも、その人気度合いがわかります。

投資対象先の構成銘柄においては、VOOが500銘柄なのに対してVTが2900銘柄と分散度合いが異なります。分散効果によるリスク度合いの低減という観点からは、VTのほうが勝るといえるでしょう。

1株あたりの買い易さにおいては、VOOが約500ドル2なので、日本円にして約7万程度で、VTは約2万円となっています。VTのほうが断然買いやすいと思います。配当利回りもVTのほうが高くなっていますね。安定志向での投資方針の方にはVTはもってこいのETFですね。

その分、リターンの高さはVOOのほうが高くなっています。VTは分散している分の安定性はありボラティリティもVOOより低くなりがちですが、リターンもその分さがる結果となっています。

  1. VOOでなく、同じS&P500をベンチマーク先とするSPYであれば1993年から設定されています。 ↩︎
  2. S&P500ではないものの、S&P500を含む全米に投資するETFであるVTIであれば1株あたりの金額は日本円にして4万円程度となります。こちらも人気のETFです。 ↩︎

S&P500とオルカンはなぜ人気なのか?

S&P500が人気の理由

広範な分散投資を行えるため

S&P500は、米国の主要企業500社の株価を基にした指数で、これに投資することで一度に幅広い業界やセクターに分散投資できます。特定の企業や業界のリスクが軽減され、ポートフォリオの安定性が向上します。分散投資は、長期的なリターンを得る手段として非常に人気です。

過去実績が高いため

S&P500は長期的に見て、他の多くの投資対象よりも安定したリターンを出しています。過去数十年にわたるデータを見ると、平均年率リターンは約7〜10%であり、インフレを考慮しても資産を増やすのに適した選択肢となっています。20年投資した場合においては、今のところ100%の確率で利益を出しています。

低コストでの投資が可能であるため

S&P500に連動するインデックスファンドやETFは、一般的に信託報酬や手数料が非常に低く設定されています。これは、他のアクティブファンドや個別株投資と比較して、長期的にコストを抑えた運用ができるため、資産形成において非常に有利となっています。

市場を代表する指数としての信頼性が高いため

S&P500は、米国経済の健康状態を反映する最も代表的な指数として広く認識されています。米国の株式市場全体の約80%をカバーしているため、米国経済全体のパフォーマンスを的確に反映し、グローバルな市場の動向にも敏感に反応します。この信頼性が、投資家に安心感を与えています。

長期的な経済成長への期待が高いため

米国経済は、長期的に見て安定した成長を遂げており、その主要な企業群に投資できるS&P500は、未来の経済成長の恩恵を享受できる投資先です。特に米国はイノベーションと技術革新の中心地であり、今後も世界経済のリーダーであり続けると期待されています。

オルカンが人気の理由

グローバル規模での分散投資ができるため

オルカンは、全世界の株式市場に広く分散投資できるインデックスファンドです。日本、米国、新興国を含む50カ国以上の企業に投資することで、特定の地域やセクターに偏らないリスク分散が実現されます。これにより、地域ごとの経済状況や市場の変動に強く、安定したリターンを得やすいというメリットがあります。

過去実績が高いため

オルカンは、全世界の株式市場に分散投資することで、個別の株価変動に対するリスクを軽減し、安定したパフォーマンスを発揮しています。過去のデータでも、全世界の株式市場が長期的に成長していることが示されており、これに連動するオルカンも堅実なリターンを提供しています。長期的な資産形成を目指す投資家にとって、この安定感が大きな魅力となっています。

低コストでの投資が可能であるため

オルカンは、信託報酬やその他の運用コストが低く抑えられており、長期投資を行う上で非常に有利です。低コストで運用できるインデックスファンドは、長期的なリターンを最大化するための重要な要素となります。また、個別株や他のファンドと比べても、運用コストが安いため、投資家にとって魅力的な選択肢となっています。

シンプルで手間がかからないため

投資先の国や企業を選ぶ手間がないため、初心者でも簡単に投資できる点が人気の理由です。また、長期的に市場平均に連動するリターンを狙うだけでなく、リバランスなどの手間も不要です。これにより、投資を始める際の心理的なハードルが下がり、手間をかけずに資産運用が可能になります。

長期的な経済成長への期待が高いため

オルカンは、世界中の企業に投資することで、各国の経済成長の恩恵を幅広く受けることができます。特に、新興国の成長や技術革新がもたらすリターンを取り込むことができるため、将来的な資産増加を期待できる点が支持されています。また、経済成長が見込まれる国々への投資を自動的に行えることも、人気の理由です。

S&P500とオルカンが人気の理由をまとめると

S&P500もオルカンも、人気の理由に大きな際はないS&P500もオルカンも、人気の理由に大きな際はない
それぞれ手間がかからないことに加え、安定したリターンを低コストで享受できる点が人気
また、米国経済、世界経済ともに今後の伸びが期待できる領域であり、その点も人気の理由となっている

S&P500とオルカンの構成銘柄

S&P500構成銘柄

ティッカーシンボル銘柄名構成割合
1MSFTマイクロソフト7.23%
2NVDAエヌビディア6.61%
3AAPLアップル6.60%
4AMZNアマゾン・ドット・コム3.85%
5METAメタ・プラットフォームズ2.40%
6GOOGLアルファベット2.33%
7GOOGアルファベット クラスC1.95%
8BRK-Bバークシャー・ハサウェイ1.60%
9LLYイーライ・リリー1.57%
10AVGOブロードコム1.52%
11JPMJPモルガン・チェース・...1.26%
12TSLAテスラ1.19%
13XOMエクソン・モービル1.12%
14UNHユナイテッドヘルス・グ...1.02%
15Vビザ0.89%
16PGプロクター・アンド・ギ...0.85%
17COSTコストコ・ホールセール0.82%
18MAマスターカード0.79%
19JNJジョンソン&ジョンソン0.77%
20HDホーム・デポ0.74%
21MRKメルク0.68%
22ABBVアッヴィ0.66%
23NFLXネットフリックス0.63%
24WMTウォルマート・ストアズ0.63%
25BACバンク・オブ・アメリカ0.59%
26CVXシェブロン0.58%
27AMDアドバンスド・マイクロ...0.57%
28KOコカ・コーラ0.54%
29CRMセールスフォース・ドッ...0.54%
30ADBEアドビ・システムズ0.54%
31ORCLオラクル0.49%
32PEPペプシコ0.49%
33QCOMクアルコム0.48%
34TMOサーモ・フィッシャー・...0.46%
35LINリンデ0.46%
36WFCウェルズ・ファーゴ0.45%
37AMATアプライド・マテリアルズ0.43%
38CSCOシスコ・システムズ0.42%
39ACNアクセンチュア0.41%
40MCDマクドナルド0.40%
41INTUイントゥイット0.40%
42ABTアボット・ラボラトリーズ0.39%
43TXNテキサス・インスツルメ...0.39%
44DISウォルト・ディズニー0.39%
45GEGEエアロスペース0.38%
46VZベライゾン・コミュニケ...0.38%
47DHRダナハー0.36%
48AMGNアムジェン0.36%
49IBMIBM0.35%
50NOWサービスナウ0.35%
51CATキャタピラー0.35%
52PFEファイザー0.34%
53PMフィリップ・モリス・イ...0.34%
54ISRGインテュイティブ・サー...0.34%
55CMCSAコムキャスト0.33%
56UBERウーバー・テクノロジーズ0.33%
57NEEネクステラ・エナジー0.32%
58MUマイクロン・テクノロジー0.32%
59SPGIS&Pグローバル0.31%
60UNPユニオン・パシフィック0.30%
61LRCXラムリサーチ0.30%
62HONハネウェル・インターナ...0.30%
63TAT&T0.30%
64BKNGプライスライン・グループ0.29%
65RTXレイセオン・テクノロジ...0.29%
66COPコノコフィリップス0.29%
67GSゴールドマン・サックス0.29%
68INTCインテル0.29%
69AXPアメリカン・エキスプレス0.29%
70LOWロウズ0.27%
71ELVアンセム0.27%
72ETNイートン0.27%
73TJXTJX0.27%
74Cシティグループ0.26%
75MSモルガン・スタンレー0.26%
76VRTXバーテックス・ファーマ...0.26%
77PGRプログレッシブ0.26%
78SYKストライカー0.25%
79BSXボストン・サイエンティ...0.25%
80ADIアナログ・デバイセズ0.25%
81PANWパロアルト・ネットワー...0.24%
82SCHWチャールズ・シュワブ0.24%
83KLACKLAテンコール0.24%
84BLKブラックロック0.24%
85REGNリジェネロン・ファーマ...0.24%
86PLDプロロジス0.23%
87CBチャブ0.23%
88BAボーイング0.23%
89MDTメドトロニック0.23%
90MMCマーシュ・アンド・マク...0.23%
91LMTロッキード・マーチン0.22%
92UPSユナイテッド・パーセル...0.22%
93DEディーア0.21%
94ADPオートマティック・デー...0.21%
95TMUSTモバイル0.20%
96AMTアメリカン・タワー0.20%
97CIシグナ0.20%
98SNPSシノプシス0.20%
99NKEナイキ0.20%
100ANETアリスタ・ネットワークス0.19%
時価総額加重平均型であるため、マイクロフトやエヌビディア、アップルが占める割合が高くなっています
上位10社で全体の35%を占めている状況です
上位15位以下は1%未満となっており、分散効果が良く効いているのがわかりますね
セクターにおいては情報技術セクターが30%超えと圧倒的に比率を占めています
これは構成銘柄の上位10社のほとんどが情報技術セクターであることが影響しています
ただし、11セクターに分散しているため、セクターローテーションが起ころうとも気にする必要がありません

オルカン構成銘柄

ティッカーシンボル銘柄名構成割合
1MSFTマイクロソフト3.95%
2AAPLアップル3.64%
3NVDAエヌビディア3.49%
4AMZNアマゾン・ドット・コム2.13%
5METAメタ・プラットフォームズ1.31%
6GOOGLアルファベット1.28%
7GOOGアルファベット クラスC1.07%
8LLYイーライ・リリー0.91%
9AVGOブロードコム0.87%
10BRK-Bバークシャー・ハサウェイ0.75%
11JPMJPモルガン・チェース・...0.69%
12TSLAテスラ0.65%
13XOMエクソン・モービル0.61%
14UNHユナイテッドヘルス・グ...0.55%
15Vビザ0.49%
16PGプロクター・アンド・ギ...0.46%
17COSTコストコ・ホールセール0.45%
18MAマスターカード0.43%
19JNJジョンソン&ジョンソン0.42%
20HDホーム・デポ0.40%
21MRKメルク0.37%
22ABBVアッヴィ0.36%
23WMTウォルマート・ストアズ0.35%
24NFLXネットフリックス0.34%
25BACバンク・オブ・アメリカ0.32%
26CVXシェブロン0.32%
27AMDアドバンスド・マイクロ...0.31%
28ADBEアドビ・システムズ0.30%
29CRMセールスフォース・ドッ...0.29%
30KOコカ・コーラ0.29%
31PEPペプシコ0.27%
32ORCLオラクル0.26%
33QCOMクアルコム0.26%
34LINリンデ0.25%
35TMOサーモ・フィッシャー・...0.25%
36WFCウェルズ・ファーゴ0.25%
37ACNアクセンチュア0.23%
38AMATアプライド・マテリアルズ0.23%
39CSCOシスコ・システムズ0.23%
40DISウォルト・ディズニー0.22%
41MCDマクドナルド0.22%
42ABTアボット・ラボラトリーズ0.21%
43GEGEエアロスペース0.21%
44INTUイントゥイット0.21%
45TXNテキサス・インスツルメ...0.21%
46VZベライゾン・コミュニケ...0.21%
47AMGNアムジェン0.20%
48DHRダナハー0.20%
49CATキャタピラー0.19%
50IBMIBM0.19%
51ISRGインテュイティブ・サー...0.19%
52NOWサービスナウ0.19%
53PFEファイザー0.19%
54PMフィリップ・モリス・イ...0.19%
55CMCSAコムキャスト0.18%
56GSゴールドマン・サックス0.17%
57LRCXラムリサーチ0.17%
58MUマイクロン・テクノロジー0.17%
59NEEネクステラ・エナジー0.17%
60SPGIS&Pグローバル0.17%
61UBERウーバー・テクノロジーズ0.17%
62AXPアメリカン・エキスプレス0.16%
63BKNGプライスライン・グループ0.16%
64COPコノコフィリップス0.16%
65HONハネウェル・インターナ...0.16%
66INTCインテル0.16%
67RTXレイセオン・テクノロジ...0.16%
68TAT&T0.16%
69UNPユニオン・パシフィック0.16%
70ELVアンセム0.15%
71ETNイートン0.15%
72LOWロウズ0.15%
73SYKストライカー0.15%
74TJXTJX0.15%
75BLKブラックロック0.14%
76BRK-ABerkshire Hathaway Inc0.14%
77Cシティグループ0.14%
78PGRプログレッシブ0.14%
79VRTXバーテックス・ファーマ...0.14%
80ADIアナログ・デバイセズ0.13%
81BAボーイング0.13%
82BSXボストン・サイエンティ...0.13%
83KLACKLAテンコール0.13%
84MSモルガン・スタンレー0.13%
85REGNリジェネロン・ファーマ...0.13%
86SCHWチャールズ・シュワブ0.13%
87ADPオートマティック・デー...0.12%
88CBチャブ0.12%
89LMTロッキード・マーチン0.12%
90MDTメドトロニック0.12%
91MMCマーシュ・アンド・マク...0.12%
92PANWパロアルト・ネットワー...0.12%
93PLDプロロジス0.12%
94UPSユナイテッド・パーセル...0.12%
95AMTアメリカン・タワー0.11%
96ANETアリスタ・ネットワークス0.11%
97CIシグナ0.11%
98DEディーア0.11%
99NKEナイキ0.11%
100PDDピンドュオドュオ0.11%
S&P500と同様、時価総額加重平均型となっています
上位10社で全体の19%を占めている状況です
上位8位以下が1%未満となっており、S&P500以上に分散効果が良く効いているのがわかります
セクターにおいては情報技術セクターが25%超えと圧倒的に比率を占めています
S&P500と同様に構成銘柄の上位10社のほとんどが情報技術セクターであることが影響しています
11セクターに分散している点もS&P500と同様です
米国が60%以上となっっております。S&P500がオルカンの60%を占めるといってもいいでしょう
ついで日本なのですが、5.3%と一気に比率が落ちています。米国経済の強さがわかります
今人気のインドは1.8%とそこまで高くないですね

S&P500とオルカンの構成銘柄を比較してみると

ティッカーシンボル銘柄名S&P500構成割合オルカン構成割合
1MSFTマイクロソフト7.23%3.95%
2NVDAエヌビディア6.61%3.49%
3AAPLアップル6.60%3.64%
4AMZNアマゾン・ドット・コム3.85%2.13%
5METAメタ・プラットフォームズ2.40%1.31%
6GOOGLアルファベット2.33%1.28%
7GOOGアルファベット クラスC1.95%1.07%
8BRK-Bバークシャー・ハサウェイ1.60%0.75%
9LLYイーライ・リリー1.57%0.91%
10AVGOブロードコム1.52%0.87%
セクターS&P500オルカン
情報技術33.38%25.32%
金融11.99%15.27%
ヘルスケア11.74%10.75%
一般消費財・サービス10.12%10.56%
通信サービス9.34%7.52%
資本財7.56%10.88%
生活必需品5.75%5.85%
エネルギー3.65%4.41%
公益事業2.37%2.55%
不動産2.15%2.75%
素材1.95%4.14%

構成銘柄もセクターもほとんど同じです。比率が異なるものの、オルカンはS&P500を内包していると考えるのがいいでしょう。各セクターや構成銘柄の比率の偏りがS&P500のほうが高い分、ボラティリティは大きくなりやすいですが、その分リターンを狙いやすいと言えます。

ともに安定志向型の投資に向いているのですが、オルカンのほうがより安定型となっています。

構成銘柄のTOP3に関して

S&P500とオルカンのTOP3の企業を簡単に紹介しておきます。

マイクロソフト (Microsoft)

マイクロソフトは、1975年にビル・ゲイツとポール・アレンによって設立されたアメリカの多国籍技術企業。世界的に有名なオペレーティングシステム「Windows」や、オフィスソフトウェア「Microsoft Office」など、ソフトウェア開発で知られています。また、クラウドサービス「Azure」や、ビジネス向けのコラボレーションツール「Microsoft Teams」など、企業向けソリューションの提供にも力を入れています。最近では、人工知能やゲーム業界(Xboxシリーズ)でも重要なプレイヤーとなっており、その影響力はますます拡大しています。

アップル (Apple)

アップルは、1976年にスティーブ・ジョブズ、スティーブ・ウォズニアック、ロナルド・ウェインによって設立されたアメリカのテクノロジー企業。iPhone、iPad、Macといった革新的なハードウェア製品で世界中に知られており、特にiPhoneはスマートフォン市場を大きく変革しました。加えて、App Store、iTunes、Apple Musicなどのサービス事業や、Apple Watchなどのウェアラブルデバイス、そして最近ではApple Siliconチップによる独自のハードウェア開発にも注力しています。シンプルで直感的なデザインとユーザーエクスペリエンスがブランドの特徴です。

エヌビディア (NVIDIA)

エヌビディアは、1993年に設立されたアメリカの半導体メーカーで、主にGPU(グラフィックスプロセッサ)の設計と開発で知られています。最初はPCゲーム向けのグラフィックカードを提供していましたが、現在ではAI(人工知能)、データセンター、自動運転技術など、さまざまな分野での高性能計算において重要な役割を果たしています。特に、ディープラーニングやAIトレーニングに不可欠な高速計算能力を提供するNVIDIAのGPUは、業界標準として広く採用されています。ゲーム業界からビジネス、研究開発まで、幅広い分野での利用が進んでいます。

S&P500とオルカンのパフォーマンス

値動き自体は同じような動きですね。オルカンは米国比率が高いため、そうなるのでしょう。

2004年から比較をしているのですが、初期は伸び率はオルカンのほうが高く、徐々にS&P500のほうが伸びてきて、差が開いている状況です。どちらもこの20年で数倍に跳ね上がっているので投資先としては優良であることは間違いなさそうです。

それぞれの値動きもVOOとVTで載せておきます。やはり似たような動きをしています。

S&P500とオルカンのリターン

S&P500とオルカンの年別リターン

直近数年においては、年間リターンはS&P500のほうが高くなっています。両者とも似たようなリターンの推移であることはかわりないのですが、やはりS&P500のほうがリターンが高くなりがちですね。

S&P500とオルカンの過去平均リターン

年平均でみてもS&P500のほうがリターンは上ですね。結構差が開いていると思います。

月別でのS&P500とオルカンの騰落率

ともに過去15年の平均データをもとに騰落率を出しています。

5月はセルインメイと言われるだけあって両者ともマイナス。8月9月も弱いですね。一方で7月10月11月あたりは好調と言えるでしょう。

S&P500とオルカンに投資した場合のシミュレーション

経過年数S&P500オルカン
5年765,580730,994
10年1,822,5631,652,106
15年3,501,1202,996,727
20年6,166,7754,959,577
25年10,400,0057,824,905
30年17,122,64612,007,654
35年27,798,62818,113,544
40年44,752,77027,026,799
45年71,677,02940,038,187
50年114,434,47159,031,946
シミュレーションの条件
  • 年利は、S&P500を8.61%(過去50年平均)、オルカンを5.74%(過去15年平均)で計算
  • 初期投資金額は10万円
  • 積立は毎年10万ずつ
  • 配当金は再投資する計算
  • ドル円や、買付手数料、運用経費は加味しない

それぞれ50年運用した金額をみてみると、S&P500が1.1億でオルカンが6000万となっています。

年間のリターンの差でここまで差が開くのは驚きです。今後も同じリターンでいく保証はないですが、これだけみるとS&P500に軍配があがりそうです。

オルカンに投資をするとしたら、安定性や今後の米国経済の不透明さのリスクヘッジといった観点からが良いでしょう。

S&P500とオルカンに投資する際のメリットとデメリット(注意点)

S&P500に投資する際のメリットとデメリット(注意点)

S&P500に投資するメリット

安定した成長性

S&P500は、アメリカの代表的な大企業500社を対象とした株価指数です。これらの企業は、市場全体のパフォーマンスを反映しており、長期的に見れば安定した成長を遂げてきました。過去のデータからも、年間平均リターンが7%から10%程度とされており、インフレを考慮しても非常に魅力的な投資先といえます。また、構成銘柄は時価総額の大きい企業が多く、経済の波に強い点が特徴です。

低コストの投資

S&P500連動のETFや投資信託は、一般的に管理費用が低く、コスト効率が良い点が魅力です。例えば、代表的なETFである「VOO」(本記事でも紹介した)の経費率は0.03%程度で、長期投資においては手数料の抑制がリターンの増加に寄与します。また、運用がパッシブであるため、個別銘柄選択の手間が省け、初心者でも手軽に投資を始めることができます。

分散投資効果

S&P500は、テクノロジー、金融、ヘルスケア、消費財など、幅広いセクターに分散投資が可能です。これにより、特定のセクターや企業のリスクを分散し、市場全体の動きに応じた安定したリターンを期待できます。特に、グローバルに展開する企業が多く含まれているため、米国内外の経済成長の恩恵を受けることができます。

S&P500に投資するデメリット(注意点)

米国市場への依存

S&P500は米国市場を対象とした指数であり、米国経済の動向に強く依存します。したがって、米国の経済成長が鈍化したり、政策変更や政治リスクが発生した場合、その影響を直接受ける可能性があります。また、米ドル建ての投資となるため、為替リスクも考慮する必要があります。特に、日本円での資産を持つ投資家にとっては、円高が進行するとリターンが目減りするリスクがあります。

大型株偏重のリスク

S&P500は時価総額加重平均で構成されているため、大型株の影響が大きくなります。特に、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)などのテクノロジー企業が指数の大部分を占めているため、これらの企業に何らかの問題が生じた場合、指数全体が大きく下落するリスクがあります。このように、特定の企業やセクターに対する偏重が、全体のパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。

短期的なボラティリティ

S&P500は長期的には安定したリターンを提供しますが、短期的には市場全体の動きに左右されるため、ボラティリティが高くなることがあります。特に、経済危機や世界的な出来事が発生した際には、大きな値動きを経験する可能性があり、これに対応できない投資家にとってはストレスとなることがあります。投資においては、リスク許容度や投資期間をしっかりと考慮する必要があります。

オルカンに投資する際のメリットとデメリット(注意点)

オルカンに投資するメリット

グローバル分散投資

オルカンは、全世界の株式市場に投資することで、地域ごとのリスクを分散し、安定したリターンを追求できる点が大きなメリットです。これにより、特定の国や地域に依存せず、世界経済全体の成長を享受することができます。また、発展途上国から先進国まで幅広い市場に投資することで、異なる経済状況や成長ステージの恩恵を受けることが可能です。

長期的な成長ポテンシャル

オルカンは、全世界の株式市場に投資するため、グローバル経済の成長に伴ってリターンを得ることが期待できます。特に、経済成長が著しい新興国市場の成長も取り込むことで、長期的な資産増加が見込めます。さらに、先進国の安定性と新興国の成長性を併せ持つことで、リスクとリターンのバランスを取ることができる点が魅力です。

手軽な投資手段

オルカンは、一つの投資信託やETFを購入するだけで、全世界の株式市場に投資できるため、初心者でも手軽にグローバル分散投資を実践できます。また、個別株の選定や地域ごとのポートフォリオ調整の手間を省けるため、忙しい投資家にとっても便利です。さらに、パッシブ運用が中心となるため、管理費用も比較的低く抑えられる点が投資のハードルを下げています。

オルカンに投資するデメリット(注意点)

市場の成長性に依存

オルカンは世界中の株式市場に広く投資するため、グローバル経済の成長が鈍化した場合、その影響を受けやすいです。特に、先進国市場が成熟し、成長が停滞した際にはリターンが低下するリスクがあります。また、新興国市場の高い成長ポテンシャルに期待できる一方で、これらの市場は政治リスクや経済リスクが高く、ボラティリティが大きくなる可能性があります。

為替リスク

オルカンは全世界の株式市場に投資するため、さまざまな通貨で運用されています。そのため、為替リスクが存在し、特に日本の投資家にとっては、円高が進むとリターンが目減りする可能性があります。為替リスクをヘッジする商品もありますが、ヘッジコストがかかるため、リターンが減少するリスクも考慮する必要があります。

コストの影響

オルカンの運用は、複数の国や地域にわたるため、個別の市場に投資するよりもコストがかかる場合があります。管理費用や信託報酬が上乗せされることで、長期的なリターンに影響を与える可能性があります。特に、定期的なリバランスが必要な場合、売買手数料や税金が発生するため、トータルコストをしっかりと把握し、リターンにどの程度影響を与えるかを見極めることが重要です。

S&P500とオルカンに関してのよくある質問

S&P500とオルカンのどっちを買ったほうがいいの?

1番よく見る質問です。回答としては、「どちらでもいい」になります。先程載せたシミュレーションにもあるようにどちらも安定して資産を増やすにはもってこいの投資対象先となります。年間のリターンはS&P500のほうが高いものの今後もそうなる保証はありません。投資対象先やリスクの観点から自分がいいと思うほうを選ぶのをおすすめします。どちらにせよ最上級の優良投資先であることは間違いありません。

S&P500はリスクが高い?

オルカンと比較をするならやや高いといえるでしょう。ただし、比較対象がオルカンにおいてはそうなだけであって、他の投資先と比較をするとリスクは相当低いです。米国株式市場の80%を網羅しており、パッシブ型です。アクティブファンドと比べてもよっぽどリスクが低いと考えられます。

オルカンは絶対に増えるの?

過去のデータからはそう言えそうですが、未来はわからないので、絶対とは言い難いです。投資である以上リスクはつきものだと考えるのがよいでしょう。もちろん、増える確率が極めて高い投資対象ではあります。

S&P500とオルカンの2つを買うのはよくないの?

これもよく見かける質問です。いろんなメディアで両方買うのはよくないという煽り文句を見かけますが、別に問題ないと思います。米国株比率が60%のオルカンと100%のS&P500を買うので、結局同じ投資先を買うことになるからよくないと言われることが多いのですが、個別株投資をするよりもリスクヘッジになっているし、何も問題はないです。良し悪しは何と比較をするかによって判断がされるべきなので、投資の世界において超優良であるこの2つの投資先を両方買うのは良い選択だと思います。

まとめ

S&P500もオルカンもともに優良な投資先でです。投資対象が異なるため、多少の違いはありますが、中長期的にみたらどちらとも堅実にリターンを享受できると言えるでしょう。より高いリターンを狙いに行きたいならS&P500で、よりリスクを少なくし着実に積み上げていきたいならオルカンが良いでしょう。

執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。いろんな国や商品に投資。投資歴はまあまあ長め。基軸はインデックス投資での運用。短期売買はあまりせず、長期目線での投資をコツコツと。