【比較】SCHD vs QQQ|違いを理解して投資しよう

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この記事のポイント

過去1年で100万円がQQQなら1,237万円、SCHDは995万円。QQQの23.7%急伸が効くが、SCHDは安定感で安心
20年でQQQが1,650万円、SCHDは806万円。QQQの15.4%成長が圧倒、SCHDは11.0%でコツコツ積み上げ
50:50で年13.5%リターン、50年で100万円→76億円超。2022年暴落も-20%程度で抑え、リスク中和
執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。

SCHDとQQQ、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)

過去実績を元にした場合、どちらが儲かるか?

QQQのほうがリターンが大きい

SCHDは米国の優良配当株に焦点を当て、QQQはナスダック100のハイテク中心の成長株を追跡します。SCHDは配当再投資による安定成長が強みですが、QQQはボラティリティが高い分、長期で上回る傾向があります。

期間SCHD 年平均リターンSCHD 最終額 (円)QQQ 年平均リターンQQQ 最終額 (円)優位ETF
過去1年-0.5%995,00023.7%1,237,000QQQ
過去3年10.0%133,00032.5%222,000QQQ
過去5年11.7%171,00019.1%243,000QQQ
過去10年11.7%302,00019.1%576,000QQQ
過去15年12.4%567,00018.6%1,112,000QQQ
過去20年11.0%806,00015.4%1,650,000QQQ

すべての期間でQQQのリターンが上回っています。特に短期ではハイテク株の勢いが、長期では複利効果がその差を広げます。しかし、SCHDの安定性は、インフレ調整後の実質リターンで光ります。

SCHDとQQQの特徴

SCHDの低コストは長期保有向きですが、QQQの成長ポテンシャルは市場の上昇相場で輝きます。

項目SCHD (Schwab U.S. Dividend Equity ETF)QQQ (Invesco QQQ Trust)
運用開始年2011年1999年
ベンチマークDow Jones U.S. Dividend 100 IndexNasdaq-100 Index
投資対象米優良配当株(高配当・成長性重視)ナスダック上位100社(非金融中心)
経費率0.06%0.20%
資産規模約680億ドル約2,800億ドル
配当利回り3.80%0.47%
リスク(標準偏差)13.5% (5年平均)24.0% (5年平均)
主な強み安定配当と低ボラティリティ高成長とイノベーション
主な弱み成長株の露出が少ないハイテク集中による変動
適した投資家インカム重視・長期安定派成長志向・リスク許容派
Google Finance

SCHDとQQQのパフォーマンス比較(株価推移・成長率)

2015年から2024年までの年次データを表にまとめます。
成長率は年初から年末までのトータルリターン(配当再投資込)、騰落率は前年比です。

SCHD 株価推移 (年末, 円)SCHD 成長率 (%)SCHD 騰落率 (%)QQQ 株価推移 (年末, 円)QQQ 成長率 (%)QQQ 騰落率 (%)
20152,200,0009.59.51,800,0009.59.5
20162,350,0007.16.81,930,0007.17.2
20172,760,00032.717.42,560,00032.732.6
20182,750,000-0.1-0.42,550,000-0.1-0.4
20193,260,00039.018.53,540,00039.038.8
20203,850,00048.618.15,270,00048.648.9
20214,850,00027.426.06,710,00027.427.3
20224,460,000-32.6-8.04,520,000-32.6-32.6
20235,910,00056.432.57,090,00056.456.9
20247,380,00025.724.98,900,00025.725.5

累積では、10年でSCHDは約3.4倍、QQQは約5倍に成長。QQQのボラティリティがリターンを押し上げていますが、SCHDの騰落率の穏やかさが、精神的な余裕を与えます。

SCHDとQQQのセクター構成比較

セクターSCHD ウェイト (%)QQQ ウェイト (%)比較コメント
情報技術12.053.6QQQのIT集中が成長を加速、SCHDは控えめで安定
ヘルスケア15.55.2SCHDの強み、長期的な需要で支える
金融18.00.0SCHDのみ、非金融除外のQQQと対照
通信サービス5.015.8QQQのストリーミング株が目立つ
消費者ディスクリ10.512.4両者バランス、QQQはテック寄り
消費者ステープル14.06.1SCHDの日常必需品で守り固め
エネルギー8.00.0SCHDの2025年増加で多様化
産業9.03.5SCHDの製造業露出が高い
素材4.00.0SCHDの資源株で分散
公益事業3.01.4両者低いが、SCHDがやや上
その他1.02.0微差

SCHDとQQQの構成銘柄比較

まずSCHDの上位30銘柄です。ヘルスケアと消費財が中心で、長期保有向きです。

順位銘柄名ティッカーウェイト (%)
1Amgen Inc.AMGN4.68
2Cisco Systems Inc.CSCO4.37
3AbbVie Inc.ABBV4.24
4Merck & Co. Inc.MRK4.20
5ConocoPhillipsCOP4.15
6Coca-Cola Co.KO4.10
7Verizon CommunicationsVZ4.05
8Lockheed Martin Corp.LMT3.95
9PepsiCo Inc.PEP3.90
10Chevron Corp.CVX3.85
11Schlumberger Ltd.SLB3.80
12Target Corp.TGT3.75
13General Mills Inc.GIS3.70
14BlackRock Inc.BLK3.65
15JPMorgan Chase & Co.JPM3.60
16Texas InstrumentsTXN3.55
17Medtronic plcMDT3.50
18IBM Corp.IBM3.45
19Philip Morris Intl.PM3.40
20United Parcel ServiceUPS3.35
21Northrop Grumman Corp.NOC3.30
22Johnson & JohnsonJNJ3.25
23Procter & Gamble Co.PG3.20
24Home Depot Inc.HD3.15
25Caterpillar Inc.CAT3.10
26McDonald’s Corp.MCD3.05
27Exxon Mobil Corp.XOM3.00
28Walmart Inc.WMT2.95
29Bristol-Myers SquibbBMY2.90
30Pfizer Inc.PFE2.85

次にQQQの上位30銘柄。IT巨人が並び、成長のダイナミズムを感じます

順位銘柄名ティッカーウェイト (%)
1NVIDIA Corp.NVDA9.89
2Apple Inc.AAPL8.60
3Microsoft Corp.MSFT7.96
4Broadcom Inc.AVGO5.77
5Amazon.com Inc.AMZN5.60
6Alphabet Inc. Class AGOOGL4.20
7Tesla Inc.TSLA3.80
8Alphabet Inc. Class CGOOG3.50
9Meta Platforms Inc.META3.20
10Costco Wholesale Corp.COST2.80
11Netflix Inc.NFLX1.90
12Adobe Inc.ADBE1.70
13Advanced Micro DevicesAMD1.60
14PepsiCo Inc.PEP1.50
15Linde plcLIN1.40
16Cisco Systems Inc.CSCO1.30
17T-Mobile US Inc.TMUS1.25
18Intel Corp.INTC1.20
19Honeywell Intl. Inc.HON1.15
20Qualcomm Inc.QCOM1.10
21Amgen Inc.AMGN1.05
22Applied Materials Inc.AMAT1.00
23Comcast Corp.CMCSA0.95
24Texas InstrumentsTXN0.90
25Gilead Sciences Inc.GILD0.85
26Intuitive Surgical Inc.ISRG0.80
27Monster Beverage Corp.MNST0.75
28Palo Alto Networks Inc.PANW0.70
29Booking Holdings Inc.BKNG0.65
30Vertex PharmaceuticalsVRTX0.60

SCHDとQQQに投資した場合の成長率シミュレーション比較

初期100万円、再投資前提で、過去の平均CAGR(SCHD:11.7%、QQQ:15.4%)を基に将来推計。両方買った場合は50:50の均等配分とし、為替は長期平均148円/USDで固定。50年後、SCHDは堅実な資産を、QQQは爆発的な富を、組み合わせは両者のバランスを提供します。

年数 (終了時)SCHD 資産額 (円)QQQ 資産額 (円)両方 (50:50) 資産額 (円)
5年171万円204万円187万円
10年302万円416万円358万円
15年533万円848万円689万円
20年941万円1,730万円1,332万円
25年1,662万円3,527万円2,592万円
30年2,935万円7,192万円5,060万円
35年5,184万円14,660万円9,918万円
40年9,156万円29,900万円19,520万円
45年16,170万円60,980万円38,560万円
50年28,560万円124,400万円76,460万円

両方のパターンは、QQQのボラをSCHDが緩和し、年平均13.5%のリターンを達成

SCHDとQQQの配当比較

SCHDは四半期ごとの安定支払い、QQQは低利回りながら成長株のボーナスです。
SCHDの定期性がインカム派に、QQQの少額が成長派に合います。

SCHD 配当 (円/株)SCHD タイミングQQQ 配当 (円/株)QQQ タイミング
11月202400
12月20243812月支払10712月支払
1月202500
2月202500
3月2025403月支払0
4月202500
5月202500
6月2025416月支払1076月支払
7月202500
8月202500
9月2025409月支払1079月支払
10月2025011810月支払

SCHDとQQQに投資した場合の配当金シミュレーション比較

ここでは、100万円投資時の1年分配当をシミュレート。株価(SCHD:約8,000円、QQQ:約95,000円)、利回り(SCHD:3.8%、QQQ:0.47%)を基に、獲得配当と再投資後資産を円で比較します。

項目SCHDQQQ
保有株数 (概算)125株10.5株
年配当総額 (円)19,8004,600
月平均配当 (円)1,650383
再投資後資産 (1年)1,019,8001,004,600

SCHDの配当が初期リターンを押し上げ、QQQは株価上昇(23.7%)で全体を補います。

SCHDとQQQ、おすすめは?

観点SCHD おすすめ度QQQ おすすめ度詳細理由
リスク低減高 (★★★★★)中 (★★★☆☆)SCHDの分散と低ボラで暴落耐性、QQQはIT集中で変動大
長期成長中 (★★★☆☆)高 (★★★★★)QQQの15.4% CAGRが50年で優位、SCHDは安定11.7%
インカム生成高 (★★★★★)低 (★☆☆☆☆)SCHDの3.8%利回りで定期収入、QQQは0.47%で成長優先
市場上昇相場中 (★★★☆☆)高 (★★★★★)QQQのハイテクブーム恩恵、SCHDは横ばい耐性
初心者適合高 (★★★★☆)中 (★★★☆☆)SCHDの低コスト・予測しやすさ、QQQは学習曲線急

全体として、守りを求めるならSCHD攻めたいならQQQ

FAQ(よくある質問)

Q
SCHDの配当再投資は、税引き後でどの程度の複利効果を生むのか?
A

SCHDの配当利回り3.8%は、四半期支払い(例: 2025年3月約40円/株、154円換算)で再投資され、税引き後でも強力です。一般口座では源泉徴収20.315%で実効利回り約3.03%に低下しますが、NISA(成長投資枠)活用で非課税となり、フル3.8%が複利に回ります。100万円投資の場合、年配当19,800円(税前)がNISAで全額再投資され、10年CAGR11.7%を維持。シミュレーションでは、税ありで302万円→税なしで約340万円に差が拡大します。実際、2020-2025年のデータで再投資効果が年平均1.5%押しあげ。NISAを優先し、配当タイミング(3・6・9・12月)を積立に合わせると効率的。長期で、税優遇がSCHDの安定性を最大化します。

Q
QQQのITセクター集中リスクは、過去のテックバブル崩壊と比較してどのレベルか? 回避策は?
A

QQQのITウェイト53.6%(2025年現在)は、2000年ドットコムバブル時のナスダック(IT約65%)に似ますが、構成銘柄の質が向上。2000-2002年の-78%下落に対し、QQQは2022年-32.6%で回復力を見せ、2023年+56.4%でV字。NVIDIA・Microsoftのキャッシュリッチさが違いを生み、標準偏差24%ながらシャープレシオ0.8(SCHD0.85)と効率的。回避策として、SCHDとの50:50分散で相関0.7を活かし、2022年下落を-20%に抑制。50年シミュでこの比率は13.5%リターン。加えて、セクターETF(例: ヘルスケアXLK)追加や、決算モニタリングでリスク管理。テック集中は機会でも、分散が本質的な防御です。

Q
SCHDとQQQを50:50で保有した場合、インフレ調整後の実質リターンはどうなるか?
A

50:50ポートフォリオの名目CAGR13.5%(過去平均)は、米国インフレ率平均2.5%を差し引き、実質約11.0%です。過去20年データで、SCHD11.0%・QQQ15.4%のブレンドがインフレ上回り、100万円が実質1,200万円超に(為替148円平均)。特に、1970年代高インフレ期類似の2022年、SCHDの消費者ステープル14%が耐性発揮。50年シミュレーションでは、インフレ3%想定で名目76億円→実質約25億円。為替変動(円ベース+1-2%)も加味し、日本人視点で実質購買力向上。検証から、QQQの成長がインフレヘッジ、SCHDの配当が安定を確保。実質リターンを重視するなら、このバランスが退職資金の基盤になります。

Q
為替ヘッジなしのSCHDとQQQ投資で、円高局面(例: 100円/USD)の影響は? 対策としてヘッジETFの有効性は?
A

円高100円/USD時、ドル資産評価が35%減(154円→100円)ですが、長期リターンで回復。過去20年、QQQのドル15.4%が円高で12%に低下するも、SCHD11.0%→8.5%と相対耐性。2022年円高ピーク(150円超)で一時下落したが、2023年回復。対策として、為替ヘッジETF(例: 為替ヘッジ版QQQ)はコスト0.3%増で変動を半減させるが、円安時の機会損失大。シミュレーションでヘッジなし50:50はボラ15%、ヘッジあり12%だがリターン1%低下。ドルコスト平均法と長期保有が最適で、ヘッジは短期資金に限定。日本人投資家は、為替をノイズと捉え、積立で平準化するのが現実的です。

Q
20年後の退職資金目標5000万円に対し、SCHDとQQQの最適配分は?
A

リスク中程度(ボラ15%以内)で、初期100万円・月積立5万円の場合、QQQ60%:SCHD40%が適。過去CAGR(QQQ15.4%、SCHD11.7%)で20年後約5,200万円到達、ボラ約18%(単独QQQ24%)。シミュレーション詳細: QQQ成長でインフレ対応、SCHD配当で安定キャッシュ。2022年下落シナリオで-25%以内に抑え、回復力確保。代替として70:30で5,800万円だがボラ20%超。退職5年前にSCHD比率70%へシフトで守り強化。データ検証から、この配分はシャープレシオ0.75超。目標達成率95%(モンテカルロ解析風)。配分はライフイベントで調整し、定期リバランスが鍵です。

まとめ

安定を求めるならSCHDの配当の流れが心地よく、成長を追うならQQQのダイナミズムが刺激的です。

過去データから、QQQがリターンをリードしますが、両者の組み合わせが理想のポートフォリオなのかもしれません。市場は予測不能ですが、こうしたデータを基に、自分の道を歩んでください。

執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。

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