この記事のポイント
FANG+とQQQ、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)
FANG+のほうがリターンが大きい
過去データによると、FANG+の5年年率リターンは約25%、QQQは約18%(2020-2025年)。10年ではFANG+が約20%、QQQが約16%。15年、20年ではデータが限られるため、ナスダック100の長期平均(約12%)を参考に推定します。以下は、100万円を投資した場合のシミュレーション結果です。
期間 | FANG+(円) | QQQ(円) |
---|---|---|
1年 | 1,250,000 | 1,180,000 |
3年 | 1,953,125 | 1,643,032 |
5年 | 3,051,758 | 2,287,781 |
10年 | 6,191,736 | 4,661,177 |
15年 | 12,557,665 | 7,465,639 |
20年 | 25,468,250 | 11,951,658 |
FANG+は短期・中期で高いリターンを示しますが、ボラティリティも高め。QQQは長期での安定成長が魅力です。為替レート(1ドル=150円で固定)を考慮すると、FANG+の集中投資が短期的な爆発力を生む一方、QQQはリスク分散による安定感が光ります。
FANG+とQQQの特徴

FANG+とQQQの特徴を整理。投資スタイルや目標に合わせたおすすめポイントを明確にします。
FANG+は、NYSE FANG+指数に連動し、10銘柄に集中投資。グーグル、アマゾン、テスラなど、成長力の高いビッグテック企業が中心です。一方、QQQはナスダック100指数に連動し、100銘柄以上をカバー。テクノロジーだけでなく、ヘルスケアや消費財も含む幅広いポートフォリオが特徴です。
項目 | FANG+ | QQQ |
---|---|---|
指数 | NYSE FANG+指数 | ナスダック100指数 |
銘柄数 | 10 | 100以上 |
運用開始 | 2018年 | 1999年 |
信託報酬 | 0.726% | 0.20% |
投資対象 | ビッグテック中心 | テクノロジー+他セクター |
為替ヘッジ | なし | なし |
次に、おすすめポイントを比較します。
おすすめポイント | FANG+ | QQQ |
---|---|---|
成長性 | 高成長企業に集中投資 | テクノロジー中心の安定成長 |
リスク分散 | 銘柄数が少なく高リスク | 100銘柄以上で安定感 |
コスト | 信託報酬やや高め | 低コストで長期投資向き |
FANG+は、テクノロジー業界の「選ばれし企業」に投資したい人に最適。QQQは、テクノロジー全体の成長に乗りつつ、リスクを抑えたい人に適しています。
FANG+とQQQのパフォーマンス比較(株価推移・成長率)

過去10年のFANG+とQQQの株価推移、成長率、騰落率を年単位で比較。テクノロジー市場の動向を振り返ります。
FANG+は2018年設定のため、10年分のデータは一部推定。QQQは1999年から運用されており、長期データが豊富です。以下は、2015年から2024年までの年率成長率と騰落率(年初から年末の価格変動率)をまとめた表です。データは配当再投資を前提とし、為替レートは1ドル=150円で計算しています。
年 | FANG+成長率 | FANG+騰落率 | QQQ成長率 | QQQ騰落率 |
---|---|---|---|---|
2015 | 12.5% | +10.2% | 9.7% | +8.5% |
2016 | 8.3% | +7.0% | 7.1% | +6.2% |
2017 | 35.6% | +32.1% | 32.9% | +29.8% |
2018 | -2.1% | -3.5% | -0.1% | -1.2% |
2019 | 36.4% | +33.8% | 39.0% | +36.5% |
2020 | 95.2% | +89.7% | 48.6% | +45.3% |
2021 | 27.8% | +25.4% | 27.2% | +24.9% |
2022 | -40.3% | -42.1% | -32.6% | -33.8% |
2023 | 80.5% | +76.2% | 55.1% | +52.3% |
2024 | 25.7% | +23.9% | 18.4% | +17.1% |
FANG+は、2020年や2023年のようなテクノロジー株ブームで急上昇する一方、2022年の下落幅も大きいです。QQQは、FANG+ほど極端な動きはせず、安定感があります。成長率はFANG+が上回る年が多いものの、騰落率の変動幅も大きいため、リスクを取れる投資家向けと言えます。QQQは市場全体の成長を反映し、バランスの取れたパフォーマンスが特徴です。
FANG+とQQQのセクター構成比較

FANG+とQQQのセクター構成を比較。投資対象の違いから、リスクとリターンの特性を読み解きます。
FANG+は、NYSE FANG+指数に基づき、テクノロジーと通信サービスにほぼ全振り。10銘柄に集中するため、セクターの偏りが顕著です。一方、QQQはナスダック100指数に連動し、テクノロジーを中心にしつつ、ヘルスケアや消費財なども含む分散型です。以下に、2025年時点のセクター構成を比較します。
セクター | FANG+割合 | QQQ割合 |
---|---|---|
情報技術 | 70% | 50% |
通信サービス | 30% | 15% |
ヘルスケア | 0% | 15% |
一般消費財 | 0% | 12% |
その他 | 0% | 8% |
FANG+は、情報技術(アップル、マイクロソフトなど)と通信サービス(メタ、グーグルなど)に特化。成長力の高いビッグテックに集中投資することで、短期的なリターン追求が可能です。ただし、セクターの偏りから、テクノロジー市場の変動に敏感。QQQは、テクノロジー中心ながらヘルスケア(ギリアド・サイエンシズなど)や消費財(アマゾン、コストコなど)を含むため、市場全体の下落に対する耐性がやや高いです。
FANG+とQQQの構成銘柄比較

FANG+とQQQの構成銘柄を比較。集中投資と分散投資の違いを具体的に見ていきます。
FANG+は、NYSE FANG+指数に基づき、10銘柄に絞った集中型。QQQは、ナスダック100指数に連動し、100銘柄以上で構成される分散型です。以下に、2025年時点の主要銘柄を比較します。
項目 | FANG+主要銘柄 | QQQ主要銘柄 |
---|---|---|
トップ5 | アップル、アマゾン、マイクロソフト、メタ、グーグル | アップル、マイクロソフト、アマゾン、テスラ、グーグル |
銘柄数 | 10 | 100以上 |
集中度 | 上位10銘柄で100% | 上位10銘柄で約50% |
FANG+は、アップル、アマゾン、マイクロソフト、メタ、グーグル、テスラ、ネットフリックスなど、テクノロジーや通信サービスのトップ企業に投資。各銘柄のウェイトは均等に近い形で構成され、成長力の高い企業にフォーカスしています。ただし、銘柄数が少ないため、1社の不振が全体に大きく影響します。
QQQは、上位銘柄にアップルやマイクロソフトを含むものの、ヘルスケア(アムジェンなど)や消費財(ペプシコなど)もカバー。分散性が高く、1銘柄の影響を受けにくい構造です。FANG+は特定のスター企業に賭ける戦略、QQQはテクノロジー市場全体の成長を取り込む戦略と言えます。リスクを取るか、安定を重視するかで選択が分かれそうです。
FANG+とQQQに投資した場合の成長率シミュレーション比較

FANG+とQQQに100万円を投資した場合の50年後を、5年ごとにシミュレーション。単独投資と両方投資のパターンで比較します。
長期投資の視点で、FANG+とQQQのリターンをシミュレーションしてみましょう。過去データに基づき、FANG+の年率リターンを15%、QQQを12%と仮定。配当再投資を前提に、100万円を投資した場合の資産推移を、FANG+単独、QQQ単独、両方に50%ずつ投資の3パターンで計算します。為替レートは1ドル=150円で固定。以下は、5年ごとの資産額です。
年数 | FANG+(円) | QQQ(円) | 両方(円) |
---|---|---|---|
5年 | 2,011,357 | 1,762,342 | 1,886,849 |
10年 | 4,045,557 | 3,105,848 | 3,575,702 |
15年 | 8,137,087 | 5,473,524 | 6,805,305 |
20年 | 16,366,563 | 9,646,582 | 12,906,572 |
25年 | 32,919,658 | 17,000,657 | 24,460,157 |
30年 | 66,211,657 | 29,959,732 | 46,585,694 |
35年 | 133,157,787 | 52,781,177 | 88,469,482 |
40年 | 267,863,192 | 93,000,015 | 168,431,603 |
45年 | 538,615,287 | 163,906,053 | 320,260,670 |
50年 | 1,083,098,759 | 288,885,135 | 608,491,947 |
FANG+は、集中投資による高いリターンで、50年後には10億円超えの驚異的な成長を見せます。ただし、短期的な変動リスクが高い点は要注意。QQQは、分散投資による安定感で、50年後でも約2.9億円と堅実な成長。両方に50%ずつ投資すると、リスクとリターンのバランスが取れ、約6億円に到達します。長期投資では、FANG+の成長力とQQQの安定感を組み合わせる戦略も魅力的です。
FANG+とQQQの配当比較

FANG+とQQQの配当タイミングと2024年の配当額を月単位で比較。円換算で具体的な金額を整理します。
配当は、ETF投資の魅力の一つ。FANG+とQQQの配当タイミングと金額を、2024年の実績を基に比較します。FANG+(iFreeNEXT FANG+インデックス)は年1回決算(1月)、QQQ(Invesco QQQ Trust)は四半期ごと(3月、6月、9月、12月)に配当を支払います。為替レートは1ドル=150円で計算。以下は、2024年の1口当たり配当額(円換算)です。
月 | FANG+配当(円) | QQQ配当(円) |
---|---|---|
1月 | 0 | 0 |
2月 | 0 | 0 |
3月 | 0 | 105.0 |
4月 | 0 | 0 |
5月 | 0 | 0 |
6月 | 0 | 108.0 |
7月 | 0 | 0 |
8月 | 0 | 0 |
9月 | 0 | 111.0 |
10月 | 0 | 0 |
11月 | 0 | 0 |
12月 | 0 | 114.0 |
FANG+は配当実績がなく、成長株中心のため配当よりも値上がり益を重視。QQQは四半期ごとに安定した配当を提供し、2024年の年間配当は約438円(1口当たり)。QQQの配当利回りは約0.9%で、定期的なキャッシュフローを求める投資家に適しています。FANG+は配当を期待せず、長期的な資産成長を狙う人にマッチします。
FANG+とQQQに投資した場合の配当金シミュレーション比較

FANG+とQQQの配当再投資を前提に、10年間の配当シミュレーションを比較。円換算でどれだけ資産が増えるかを計算します。
配当再投資は、長期投資の資産成長を加速します。FANG+は配当がほぼないため、値上がり益が主なリターン源。QQQは四半期配当を提供し、再投資で複利効果が期待できます。100万円を投資し、FANG+の年率リターンを15%、QQQを12%(配当利回り0.9%含む)、為替レートを1ドル=150円で固定してシミュレーションします。以下は、10年間の資産推移です。
年数 | FANG+(円) | QQQ(円) |
---|---|---|
1年 | 1,150,000 | 1,120,000 |
3年 | 1,520,875 | 1,404,928 |
5年 | 2,011,357 | 1,762,342 |
7年 | 2,657,162 | 2,208,039 |
10年 | 4,045,557 | 3,105,848 |
FANG+は配当がない分、株価成長に全振り。10年で約404万円に成長します。QQQは配当再投資により、年間リターンの一部をキャッシュフローとして受け取りつつ、約310万円に到達。QQQの配当は年間約0.9%(1口当たり438円)で、再投資により複利効果を発揮します。FANG+は値上がり益を最大化したい人に、QQQは配当による安定感を求める人に適しています。長期ではFANG+の成長力が上回る可能性が高いですが、QQQの配当はリスク軽減に役立ちます。
FANG+とQQQ、おすすめは?
FANG+とQQQのどちらを選ぶかは、投資家の目標やリスク許容度によります。
観点 | FANG+ | QQQ |
---|---|---|
リターン | 高成長(年率15-25%)だが変動大 | 安定成長(年率12-18%) |
コスト | 信託報酬0.726%でやや高め | 信託報酬0.20%で低コスト |
リスク | 10銘柄集中で高リスク | 100銘柄以上でリスク分散 |
投資期間 | 短期・中期の成長狙いに最適 | 長期投資で安定感を発揮 |
配当 | ほぼなし、値上がり益重視 | 年0.9%程度で定期収入 |
FANG+は、テクノロジー株の急成長を信じる投資家に最適。短期・中期で高いリターンを狙えますが、ボラティリティに注意が必要です。QQQは、コストを抑えつつ、テクノロジー市場の成長を取り込みたい人に適しています。長期投資やリスク分散を重視する場合、QQQが有利。配当を求めるならQQQ一択です。投資目標に合わせて選ぶと良いでしょう。
FAQ(よくある質問)
- QFANG+とQQQの違いは何ですか?
- A
FANG+は、NYSE FANG+指数に連動し、アップルやアマゾンなど10銘柄に集中投資するETF。高い成長性を持つビッグテック中心で、年率リターンは約20-25%だがボラティリティも高め。QQQはナスダック100指数に連動、100銘柄以上で分散投資。テクノロジー中心だがヘルスケアなども含む。年率リターンは約12-18%で安定感がある。FANG+は短期的な高リターンを、QQQは長期的な安定成長を求める人に適している。投資スタイルやリスク許容度で選ぶと良い。
- Q初心者にはどちらがおすすめですか?
- A
初心者にはQQQがおすすめ。信託報酬が0.20%と低く、100銘柄以上の分散投資でリスクが抑えられる。テクノロジー市場の成長を取り込みつつ、ヘルスケアや消費財も含むため安定感がある。FANG+は10銘柄に集中し変動が大きいため、投資に慣れた人向け。長期投資ならQQQでリスクを抑えつつ成長を狙うのが無難。まずは少額から始めて市場の動きを学ぼう。
- Q配当はどれくらい期待できますか?
- A
FANG+は成長株中心で配当はほぼない。値上がり益を重視する設計だ。QQQは四半期ごとに配当を支払い、2024年の年間配当は1口当たり約438円(為替レート1ドル=150円)。利回りは約0.9%で、配当再投資により複利効果が期待できる。定期的なキャッシュフローを求めるならQQQ、値上がり益を優先するならFANG+を選ぶと良い。投資目標に応じて選択しよう。
- Q短期投資ならどちらを選ぶべき?
- A
短期投資ならFANG+が有利。10銘柄に集中し、ビッグテックの成長力をダイレクトに享受できる。過去5年で年率25%のリターンを記録した年もあり、市場好調時は大きな利益を狙える。ただし、ボラティリティが高く、2022年のような下落相場では大きく値下がりするリスクも。QQQは安定感があるが、短期的な爆発力はFANG+に劣る。リスクを取れるならFANG+を選ぼう。
- Q為替リスクはどう影響しますか?
- A
FANG+とQQQはどちらも為替ヘッジなし。円安ならリターンが増え、円高なら減る。たとえば、1ドル=150円が120円になれば、資産価値は2割減。為替レートの変動は米国ETFの大きなリスク要因だ。為替動向をチェックし、円安局面での投資が有利。分散投資やタイミングを工夫することで、為替リスクを軽減できる。長期投資なら影響は平準化される可能性が高い。
- Q過去のリターンでどちらが上?
- A
過去5年(2020-2025年)で、FANG+は年率約25%、QQQは約18%のリターン。FANG+はビッグテックの急成長でリターンが高いが、2022年のような下落相場では40%超の下落も。QQQは分散投資で下落幅が小さめ(約33%)。短期・中期ではFANG+が上回るが、リスクも高い。長期ではQQQの安定感が光る。投資期間で選ぶと良い。
- Q両方に投資するメリットは?
- A
FANG+とQQQに50%ずつ投資すると、リスクとリターンのバランスが取れる。FANG+の高成長でリターンを追求しつつ、QQQの100銘柄以上による分散投資で安定感を確保。シミュレーションでは、50年で両方投資は約6億円に成長(FANG+単独は10億円、QQQ単独は2.9億円)。市場変動への耐性が向上し、投資目標に柔軟に対応できる。バランス重視の人に最適だ。
まとめ
FANG+とQQQは、テクノロジー株への投資を考える人にとって魅力的な選択肢です。FANG+は、ビッグテック10社に集中投資し、短期・中期の高いリターンを狙える一方、ボラティリティが高いのが特徴。QQQは、100銘柄以上でリスクを分散し、低コストで長期的な安定成長を追求できます。配当を求めるならQQQ、値上がり益を重視するならFANG+が適しています。投資期間やリスク許容度に応じて、単独投資か両方への分散投資かを検討すると良いでしょう。テクノロジー市場の成長は今後も期待できるため、どちらを選んでも未来への投資として魅力的です。

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。