オルカンを徹底解説。S&P500と比較してどちらがいいか?暴落率やリターンを算出・シミュレーションしてみた(検証シリーズ)

オルカン ETF

オルカンとは?

オルカンとは「オール・カントリー投資」の略で、主に世界中の株式市場に分散投資することを指します。投資信託の一つとして、初心者から上級者まで幅広い投資家に人気を誇っており、その特徴は、複数の国や地域にまたがる分散投資が可能で、リスクを分散させることで安定したリターンを狙うことができる点です。

S&P500が、米国全土に対して、オルカンは全世界なのでその分リスク分散度も高くなっています。

オルカンは、特にインデックス投資をベースにしており、特定の株式や債券の組み合わせによって構成されているため、特定の企業の業績に左右されにくく、長期的に安定した成長が期待されることが多いです。また、ESG(環境、社会、ガバナンス)に配慮した投資戦略を採用していることから、環境意識の高い投資家にも支持されています。

オルカンへ投資できる投資信託やETF

投資信託

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

  • 概要: eMAXIS Slimシリーズの全世界株式インデックスファンドで、日本を含む先進国および新興国の株式市場に分散投資を行うファンドです。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)をベンチマークとしています。
  • 手数料: 信託報酬は非常に低く、コストを抑えた運用が特徴です。
  • 特徴: 長期的な資産形成に適しており、NISAやiDeCoとの相性も良いファンドです。

楽天・全世界株式インデックス・ファンド

  • 概要: 楽天証券が提供するインデックスファンドで、米国のETF「Vanguard Total World Stock ETF(VT)」を通じて全世界の株式に投資します。
  • 手数料: 信託報酬は低く抑えられており、投資家にとってコスト効率が良い選択肢です。
  • 特徴: VTを通じて全世界に分散投資を行うため、米国市場の影響が強い一方で、全体的なリスク分散も図れます。

ETF

Vanguard Total World Stock ETF(VT)

  • 概要: バンガードが提供するETFで、全世界の株式に分散投資することが可能です。MSCI All Country World Indexをベンチマークにしており、米国を含む先進国および新興国の大型株と中型株に投資します。
  • 手数料: 経費率は0.07%と非常に低く、長期保有に向いたETFです。
  • 特徴: グローバルな分散投資を一つのETFで実現できるため、初心者から上級者まで幅広く利用されています。

iShares MSCI ACWI ETF(ACWI)

  • 概要: ブラックロックが提供するETFで、MSCI ACWIインデックスに連動したパフォーマンスを目指します。世界中の主要市場に投資するため、グローバルな経済成長の恩恵を受けることができます。
  • 手数料: 経費率は0.32%とやや高めですが、その分多様な市場に分散投資することができます。
  • 特徴: 特に米国市場以外のリスクを分散したい投資家に適したETFです。

オルカンのパフォーマンス

2004年~の推移なのですが、極めて安定的に伸ばしてきています。

大きく上昇というわけではないのですが、この20年間で約3.2倍へと成長しています。

オルカンのリターン

15年でみても毎年5%超えのリターンを生み出してくれているのがわかります。

S&P500と比較をすると、やや見劣りしますが、リスク分散度を考えると妥当なリターンだと思います。

月別でのオルカンの騰落率(過去20年~過去5年)とアノマリー

米国のアノマリーがそのまま反映されたような動きがちらほら見られます。

5月のセルインメイや、8月から9月にかけての下落、11月にかけての上昇などがアノマリーと符合します。

オルカンに投資した場合のシミュレーション(年別)

シミュレーションの条件

  • 年利は、5.74%で過去15年間の平均リターンを使用
  • 配当利回りは2%/年で計算
  • 初期投資金額は10万円
  • 積立は毎年10万ずつ
  • ドル円や、買付手数料、運用経費率は加味していない

この条件において、50年で約6000万円まで伸びます。

オルカンとS&P500のどちらがいいのか?

これはみんなが気にするテーマです。

結論からお伝えすると、どちらでもいいし、状況や好みによるかと思います。どちらも分散投資、インデックス投資としてはものすごく優秀な指数です。リスクの許容度に応じて選択をする程度に考えるのが気楽で良いと思います。そもそもオルカンの半分以上は米国株です。

よく比較されるのがVT(オルカン)とVTI(全米・S&P500含む)です。

この2つをみても大きく動きが変わるわけではないですよね。VTの半分が米国株なため、動きが似てきます。

1株あたりが安いのと、配当利回りがいいはVTなので、キャピタルゲインはVTIにかなわないものの人気のETFとなっています。

まとめ

オルカンは、長期的な資産形成において非常に有効な投資先です。世界中の市場に分散投資することで、リスクを抑えながら安定したリターンを追求することができます。

今後、世界経済が成長を続ける限り、オルカンは安定したパフォーマンスを維持することができます。

初心者から上級者まで、幅広い投資家にとってオルカンは最適な選択肢の一つであり、積極的に検討すべき投資先だと言えるでしょう。

執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。いろんな国や商品に投資。投資歴はまあまあ長め。基軸はインデックス投資での運用。短期売買はあまりせず、長期目線での投資をコツコツと。