この記事の3ポイント要約
S&P500とVYMの主要項目比較
| 項目 | S&P500 (VOO) | VYM |
| 設定日 | 2010/09/07 | 2006/11/10 |
| 純資産総額 (百万ドル) | 627,130 | 84,500 |
| 連動指数 | S&P 500 Index | FTSE High Dividend Yield Index |
| 投資対象銘柄数 | 503 | 566 |
| ウェイト方式 | 時価総額加重平均 | 時価総額加重平均 |
| 銘柄選定基準 | 米国の主要500社 | 配当利回りが市場平均以上の銘柄 |
| リバランス頻度 | 四半期ごと | 年1回 |
| 直近利回り (%) | 1.30 | 2.42 |
| 配当頻度 | 四半期 | 四半期 |
| 信託報酬 (%) | 0.03 | 0.06 |
| ETF種別 | パッシブ | パッシブ |
| 過去リターン1年 (%) | 17.62 | 16.02 |
| 過去リターン3年 (年平均%) | 13.50 | 13.09 |
| 過去リターン5年 (年平均%) | 15.20 | 15.10 |
S&P500(VOO)の純資産額は圧倒的で、安心感がありますね。一方でVYMも800億ドルを超える規模があり、流動性に関しては全く心配いらないことがわかります。
信託報酬の差はわずか0.03%でともに最低値です。さすがはバンガード社です。VYMの配当利回りはVOOの約2倍近くあり、現金収入を重視するならVYMですね。
S&P500とVYMの他項目比較(玄人向けファンダメンタルズ比較比較)
企業の質や割安度を測る指標についても、最新の数値をみていましょう。


| 項目 | S&P500 (VOO) | VYM |
| 平均ROE (%) | 24.50 | 16.80 |
| EPS成長率 (5年平均%) | 14.20 | 7.50 |
| 売上総利益率 (%) | 32.40 | 28.10 |
| 純利益率 (%) | 12.80 | 10.20 |
| PER (倍) | 22.80 | 15.60 |
| PBR (倍) | 4.60 | 2.80 |
VOOに含まれるハイテク大手の収益性の高さが、ROEや純利益率の数字に如実に現れていますね。特にROEが24%を超えている点は、米国を代表する企業の資本効率の良さを示しています。
一方で、VYMはPERが15倍台と、VOOに比べて明らかに割安な水準にあります。
VOOは過去5年、GAFAMを中心とした大型成長株が牽引し、高い収益性を維持してきました。


| 項目 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
| ROE (%) | 19.80 | 21.20 | 22.50 | 23.80 | 24.50 |
| EPS成長率 (%) | 15.10 | 10.40 | 12.80 | 13.50 | 14.20 |
| 売上総利益率 (%) | 30.20 | 30.50 | 31.20 | 31.80 | 32.40 |
| 純利益率 (%) | 11.20 | 10.80 | 11.50 | 12.10 | 12.80 |
| PER (倍) | 24.50 | 18.20 | 20.40 | 21.80 | 22.80 |
| PBR (倍) | 4.20 | 3.50 | 3.90 | 4.30 | 4.60 |
2022年の利上げ局面ではPERが一度下がりましたが、その後のAIブーム等で再び評価倍率が上がっています。利益率が年々向上しているのはいいですね。
VYMはバリュー株が多いため、指標の変化は緩やかですが、安定感が際立ちます。


| 項目 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
| ROE (%) | 15.20 | 15.80 | 16.10 | 16.40 | 16.80 |
| EPS成長率 (%) | 6.20 | 7.10 | 6.80 | 7.20 | 7.50 |
| 売上総利益率 (%) | 26.50 | 27.10 | 27.40 | 27.80 | 28.10 |
| 純利益率 (%) | 9.20 | 9.80 | 9.90 | 10.10 | 10.20 |
| PER (倍) | 16.20 | 14.50 | 15.10 | 15.40 | 15.60 |
| PBR (倍) | 2.50 | 2.30 | 2.50 | 2.70 | 2.80 |
VYMは株価の急騰が少ない分、PERも常に10倍台を維持しており、安定感がありますね。不景気局面でも利益率が大きく崩れないのが、成熟企業の集まりであるVYMの強みです。
指標の正確な説明は抜きにして、各項目で何がわかるかをまとめておきます。
- ROE:会社の稼ぐセンスはどんなものか(高い方が良い)
- EPS成長率:投資家に還元される利益が増加しているか(増加していればいい)
- 売上総利益率:ブランド力や技術力による永続的競合優位性はどうか(高い方が良い)
- 純利益率:収益の質の高さはどうか(高い方が良い)
- PER:投資家から期待されすぎていないか(目安15~20)
- PBR:その会社が倒産したらどれくらい戻って来るか(1がしきい値)
S&P500とVYMの騰落率比較

| 年 | S&P500 (VOO) (%) | VYM (%) |
| 2016 | 11.93 | 14.54 |
| 2017 | 21.79 | 15.01 |
| 2018 | -4.42 | -5.92 |
| 2019 | 31.43 | 24.16 |
| 2020 | 18.35 | 1.09 |
| 2021 | 28.73 | 25.41 |
| 2022 | -18.15 | -0.45 |
| 2023 | 26.26 | 6.64 |
| 2024 | 24.10 | 18.20 |
| 2025 | 17.62 | 16.02 |
2020年のコロナショック後の回復局面では、ハイテク株を含むVOOが圧倒的な伸びを見せました。一方で2022年の下落相場では、VYMの下落率がわずかであり、ディフェンシブ銘柄の強さがわかります。
どちらが良いというよりは、どの局面でどの銘柄が機能するか知っておくことが大切です。
ある一定期間の間に「何パーセント上昇または下落したか」を示す割合で、投資対象のパフォーマンスやリスク判断をするために使用されます。
S&P500とVYMの暴落からの回復期間
次に歴史的な暴落から、元の高値に戻るまでにかかった期間を比較してみましょう。
| 暴落局面 | VOO 回復期間 (月) | VYM 回復期間 (月) |
| リーマンショック (2008-) | 52 | 56 |
| コロナショック (2020) | 5 | 8 |
| 2022年弱気相場 | 22 | 14 |
リーマンショックのような構造的な不況では、回復に4年以上という長い月日を要していますね。一方、2022年のように金利上昇が要因の下落では、バリュー株主体のVYMの方が早く高値を更新しています。
VYMの方が下落幅がマイルドな傾向にあり、投資初心者には耐えやすいかもしれません。
S&P500とVYMのセクター構成比較

| セクター名 | S&P500(VOO) 構成比率 (%) |
| 情報技術 | 31.80 |
| 金融 | 12.80 |
| ヘルスケア | 11.90 |
| 一般消費財 | 10.50 |
| 通信サービス | 9.20 |
| 工業 | 8.10 |
| 生活必需品 | 5.80 |
| エネルギー | 3.70 |
| 不動産 | 2.30 |
| 素材 | 2.10 |
| 公益事業 | 1.80 |

| セクター名 | VYM 構成比率 (%) |
| 金融 | 20.32 |
| 情報技術 | 16.82 |
| ヘルスケア | 12.69 |
| 工業 | 11.32 |
| 生活必需品 | 10.44 |
| エネルギー | 9.50 |
| 一般消費財 | 7.10 |
| 公益事業 | 5.80 |
| 通信サービス | 3.20 |
| 素材 | 2.81 |
S&P500(VOO)は情報技術への集中が目立ちますが、これが近年のリターンの源泉となっています。VYMは金融が最大セクターであり、金利の動向に業績が左右されやすい特徴があります。
S&P500とVYMの構成銘柄比較

| S&P500(VOO) 銘柄名 | 比率 (%) |
| エヌビディア | 7.20 |
| アップル | 6.80 |
| マイクロソフト | 6.50 |
| アマゾン・ドット・コム | 3.80 |
| メタ・プラットフォームズ | 2.50 |
| アルファベット クラスA | 2.10 |
| アルファベット クラスC | 1.80 |
| バークシャー・ハサウェイ | 1.70 |
| イーライリリー | 1.50 |
| テスラ | 1.40 |

| VYM 銘柄名 | 比率 (%) |
| ブロードコム | 3.20 |
| JPモルガン・チェース | 3.10 |
| エクソンモービル | 2.80 |
| ジョンソン・エンド・ジョンソン | 2.20 |
| ホーム・デポ | 2.10 |
| プロクター・アンド・ギャンブル | 2.00 |
| ウォルマート | 1.90 |
| アッヴィ | 1.80 |
| バンク・オブ・アメリカ | 1.70 |
| シェブロン | 1.60 |
S&P500(VOO)の上位は、私たちが日々目にするサービスを提供する巨大IT企業ばかりで、時価総額が大きいため、これらの銘柄の動向が指数の大半を決定づけます。
一方、VYMは銀行、エネルギー、製薬、小売と非常にバランスよく分散されていますね。特定の1社が転んでも、全体へのダメージが少ない構造になっています。
S&P500とVYMに投資した場合のシミュレーション比較
S&P500のほうがリターンが大きい
初期費用100万円を、過去5年の平均リターンで20年間運用した場合の推移を試算します。※S&P500(VOO):年利15.2%、VYM:年利15.1%と仮定、配当は再投資

| 経過年数 | S&P500(VOO) (円) | VYM (円) |
| 初期費用 | 1,000,000 | 1,000,000 |
| 5年後 | 2,028,870 | 2,019,940 |
| 10年後 | 4,116,310 | 4,080,160 |
| 15年後 | 8,351,450 | 8,241,680 |
| 20年後 | 16,944,020 | 16,647,670 |
過去5年のデータを使うと、両者の差はわずかですが、僅差でS&P500(VOO)が上回る結果となりました。わずかな利回りの差が、20年という時間軸では30万円近い差になって現れます。
ただし、これはあくまで強気相場だった過去5年をベースにした計算です。今後20年、ずっとこのリターンが続くわけではない点は注意しましょう。
S&P500とVYMへのおすすめの投資比率

| 経過年数 | パターンA (VOO 100%) (円) | パターンB (各50%) (円) | パターンC (VYM 100%) (円) |
| 5年後 | 4,815,000 | 4,750,000 | 4,680,000 |
| 10年後 | 11,280,000 | 11,050,000 | 10,820,000 |
| 15年後 | 22,150,000 | 21,500,000 | 20,850,000 |
| 20年後 | 40,350,000 | 38,800,000 | 37,250,000 |
※初期100万、毎月5万積立、期待リターンをS&P500(VOO):11%、VYM:9%と保守的に見積もって算出
若いうちはパターンAで資産の最大化を狙い、出口が近づくにつれてCに移行するのがよさそうです。心理的な安定が欲しい方は、初めからパターンBで進めるのも悪くない選択ですね。
月々のキャッシュフローを重視するなら、少しリターンを落としてでもVYM比率を上げる価値はあります。
S&P500とVYMに投資した場合の配当金シミュレーション比較
こちらは1,000万円を投資した場合の年間配当金の推移(配当成長率 VOO:7%、VYM:6%と仮定)です。

| 経過年数 | VOO 配当金 (円) | VOO 利回り (%) | VYM 配当金 (円) | VYM 利回り (%) |
| 1年目 | 130,000 | 1.30 | 242,000 | 2.42 |
| 5年目 | 170,400 | 1.70 | 305,500 | 3.06 |
| 10年目 | 239,000 | 2.39 | 408,800 | 4.09 |
| 15年目 | 335,200 | 3.35 | 547,100 | 5.47 |
| 20年目 | 470,100 | 4.70 | 732,200 | 7.32 |
※初期利回りは最新データ(1.30% vs 2.42%)を使用
VYMの魅力は、何といってもこの増配による取得利回りの向上です。20年持ち続ければ、当初1,000万円の投資に対して年間70万円以上の配当が入る計算になります。
S&P500(VOO)も増配はしますが、VYMとの利回りの差を埋めるには至りません。
S&P500とVYMと合わせて保有したほうがいいETFは?
それぞれは単体でも優秀ですが、他の商品・ETFを組み合わせることでポートフォリオがより堅牢になります。
| S&P500(VOO)との組合せ銘柄 | ティッカー | 理由 |
| Vanguard Total Bond | BND | 債券を加えることで暴落時のクッションにするため |
| Vanguard Total Int. Stock | VXUS | 米国以外の成長も取り込み、地域分散を図るため |
| GLD (金ETF) | GLD | インフレ局面での資産価値防衛のため |
| VYMとの組合せ銘柄 | ティッカー | 理由 |
| iShares Core U.S. REIT | USRT | 不動産セクターを加え、配当の源泉を多様化するため |
| Schwab US Dividend Equity | SCHD | 財務健全性の高い増配銘柄を補完し、質を高めるため |
| 米国短期国債 | VGSH | キャッシュの待避所として。利回りを取りつつ下落に備える |
分散投資の基本は、相関係数が低いものを混ぜることです。S&P500(VOO)なら債券、VYMなら不動産や他の増配ETFを混ぜると、よりバランスが整いますね。
S&P500とVYM、おすすめは?
| 評価軸 | S&P500(VOO) | VYM |
| 成長性 (キャピタル) | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
| 収益性 (インカム) | ★★☆☆☆ | ★★★★★ |
| 安定性 (低ボラティリティ) | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
| 回復力 (暴落からの回復) | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
| 健全性 (コスト・流動性) | ★★★★★ | ★★★★★ |
S&P500(VOO)は資産を大きく増やす攻めの投資において、右に出るものはありません。一方のVYMは、日々の生活を豊かにするためにはうってつけです。
どちらが良いかは、自分の人生のステージに合わせるのがよいでしょう。資産形成期ならS&P500(VOO)、資産活用期ならVYM、という使い分けですね。
S&P500とVYMはどんな人におすすめ?
| 項目 | S&P500(VOO) 推奨 | VYM 推奨 |
| 投資目的 | 20年以上先の資産最大化 | 早期リタイア後の収入源確保 |
| 年齢 | 20代〜40代前半 | 40代後半〜60代 |
| 資産状況 | 資産形成の途上 | まとまった余剰資金あり |
| 入金力 | 月5万円以上の継続積立 | 配当再投資+スポット購入 |
| 投資暦 | 初心者から全般 | 中長期投資の経験者 |
| リスク許容度 | 高い (30%下落も許容) | 中程度 (安定分配を重視) |
| 目的 | 推奨構成比率 | 特徴 |
| ガシガシ資産を増やしたい | VOO: 80% / VYM: 10% / 他: 10% | VOOを核に資産を急ピッチで拡大 |
| 安定をとりつつ、資産を増やしたい | VOO: 40% / VYM: 40% / BND: 20% | 成長とインカムを両立し、暴落にも備える |
| 配当重視(FIRE)でいきたい | VYM: 70% / VOO: 20% / 現金等: 10% | 現金流出を最大化し生活の質を向上 |
まずはS&P500(VOO)で資産の土台を急ピッチで作り上げるのが、多くの場合近道になります。
まとめ
S&P500(VOO)とVYMは、どちらも優れた投資先です。両者のコストの低さと運用効率の高さは他のETFと比較しても際立っています。
月々の分配金で生活を少し楽にしたいならVYM、将来のリターンをとるならS&P500(VOO)がおすすめです。
自身の投資目的やリスク許容度にあわせて、投資先や投資するウェイトを調整してみてください。

投資歴は数十年。数々の市場の暴落と回復の経験から、インデックス投資を中心にしつつ、道楽で個別株への投資をするコアサテライト戦略で運用するのが基本スタイル。焦らずにのんびりゆったり資産形成中。



