【比較】S&P500(VOO)とVYMはどっちおすすめ?リターンをとるならS&P500、安定をとるならVYM

S&P500 vs VYM ETF
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この記事の3ポイント要約

S&P500(VOO)は米国市場全体の成長を、VYMは高配当・バリュー株の安定性を買うことができる投資先である。成長性(ROEや利益率)ではS&P500が勝るが、割安度(PER)とインカムではVYMが圧倒的に優位
過去10年のデータでは、強気相場でS&P500が伸び、下落相場や横ばい相場ではVYMが底堅さを見せた。配当金シミュレーションでは、20年後のVYMの取得利回りはS&P500の1.5倍以上に成長する可能性がある
資産形成の初期はS&P500比率を高め、年齢や資産額に応じてVYMへ移行していくのがよさそう
執筆者:ぽこ

投資歴は数十年。数々の市場の暴落と回復の経験から、インデックス投資を中心にしつつ、道楽で個別株への投資をするコアサテライト戦略で運用するのが基本スタイル。焦らずにのんびりゆったり資産形成中。

S&P500とVYMの主要項目比較

項目S&P500 (VOO)VYM
設定日2010/09/072006/11/10
純資産総額 (百万ドル)627,13084,500
連動指数S&P 500 IndexFTSE High Dividend Yield Index
投資対象銘柄数503566
ウェイト方式時価総額加重平均時価総額加重平均
銘柄選定基準米国の主要500社配当利回りが市場平均以上の銘柄
リバランス頻度四半期ごと年1回
直近利回り (%)1.302.42
配当頻度四半期四半期
信託報酬 (%)0.030.06
ETF種別パッシブパッシブ
過去リターン1年 (%)17.6216.02
過去リターン3年 (年平均%)13.5013.09
過去リターン5年 (年平均%)15.2015.10

S&P500(VOO)の純資産額は圧倒的で、安心感がありますね。一方でVYMも800億ドルを超える規模があり、流動性に関しては全く心配いらないことがわかります。

信託報酬の差はわずか0.03%でともに最低値です。さすがはバンガード社です。VYMの配当利回りはVOOの約2倍近くあり、現金収入を重視するならVYMですね。

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S&P500とVYMの他項目比較(玄人向けファンダメンタルズ比較比較)

企業の質や割安度を測る指標についても、最新の数値をみていましょう。

項目S&P500 (VOO)VYM
平均ROE (%)24.5016.80
EPS成長率 (5年平均%)14.207.50
売上総利益率 (%)32.4028.10
純利益率 (%)12.8010.20
PER (倍)22.8015.60
PBR (倍)4.602.80

VOOに含まれるハイテク大手の収益性の高さが、ROEや純利益率の数字に如実に現れていますね。特にROEが24%を超えている点は、米国を代表する企業の資本効率の良さを示しています。

一方で、VYMはPERが15倍台と、VOOに比べて明らかに割安な水準にあります。

S&P500(VOO)のファンダメンタル指標 過去5年推移

VOOは過去5年、GAFAMを中心とした大型成長株が牽引し、高い収益性を維持してきました。

項目20212022202320242025
ROE (%)19.8021.2022.5023.8024.50
EPS成長率 (%)15.1010.4012.8013.5014.20
売上総利益率 (%)30.2030.5031.2031.8032.40
純利益率 (%)11.2010.8011.5012.1012.80
PER (倍)24.5018.2020.4021.8022.80
PBR (倍)4.203.503.904.304.60

2022年の利上げ局面ではPERが一度下がりましたが、その後のAIブーム等で再び評価倍率が上がっています。利益率が年々向上しているのはいいですね。

VYMのファンダメンタル指標 過去5年推移

VYMはバリュー株が多いため、指標の変化は緩やかですが、安定感が際立ちます。

項目20212022202320242025
ROE (%)15.2015.8016.1016.4016.80
EPS成長率 (%)6.207.106.807.207.50
売上総利益率 (%)26.5027.1027.4027.8028.10
純利益率 (%)9.209.809.9010.1010.20
PER (倍)16.2014.5015.1015.4015.60
PBR (倍)2.502.302.502.702.80

VYMは株価の急騰が少ない分、PERも常に10倍台を維持しており、安定感がありますね。不景気局面でも利益率が大きく崩れないのが、成熟企業の集まりであるVYMの強みです。

項目補足

指標の正確な説明は抜きにして、各項目で何がわかるかをまとめておきます

  • ROE:会社の稼ぐセンスはどんなものか(高い方が良い)
  • EPS成長率:投資家に還元される利益が増加しているか(増加していればいい)
  • 売上総利益率:ブランド力や技術力による永続的競合優位性はどうか(高い方が良い)
  • 純利益率:収益の質の高さはどうか(高い方が良い)
  • PER:投資家から期待されすぎていないか(目安15~20)
  • PBR:その会社が倒産したらどれくらい戻って来るか(1がしきい値)

S&P500とVYMの騰落率比較

S&P500 (VOO) (%)VYM (%)
201611.9314.54
201721.7915.01
2018-4.42-5.92
201931.4324.16
202018.351.09
202128.7325.41
2022-18.15-0.45
202326.266.64
202424.1018.20
202517.6216.02

2020年のコロナショック後の回復局面では、ハイテク株を含むVOOが圧倒的な伸びを見せました。一方で2022年の下落相場では、VYMの下落率がわずかであり、ディフェンシブ銘柄の強さがわかります。

どちらが良いというよりは、どの局面でどの銘柄が機能するか知っておくことが大切です。

騰落率とは

ある一定期間の間に「何パーセント上昇または下落したか」を示す割合で、投資対象のパフォーマンスやリスク判断をするために使用されます。

S&P500とVYMの暴落からの回復期間

次に歴史的な暴落から、元の高値に戻るまでにかかった期間を比較してみましょう。

暴落局面VOO 回復期間 (月)VYM 回復期間 (月)
リーマンショック (2008-)5256
コロナショック (2020)58
2022年弱気相場2214

リーマンショックのような構造的な不況では、回復に4年以上という長い月日を要していますね。一方、2022年のように金利上昇が要因の下落では、バリュー株主体のVYMの方が早く高値を更新しています。

VYMの方が下落幅がマイルドな傾向にあり、投資初心者には耐えやすいかもしれません。

S&P500とVYMのセクター構成比較

S&P500

セクター名S&P500(VOO) 構成比率 (%)
情報技術31.80
金融12.80
ヘルスケア11.90
一般消費財10.50
通信サービス9.20
工業8.10
生活必需品5.80
エネルギー3.70
不動産2.30
素材2.10
公益事業1.80

VYM

セクター名VYM 構成比率 (%)
金融20.32
情報技術16.82
ヘルスケア12.69
工業11.32
生活必需品10.44
エネルギー9.50
一般消費財7.10
公益事業5.80
通信サービス3.20
素材2.81

S&P500(VOO)は情報技術への集中が目立ちますが、これが近年のリターンの源泉となっています。VYMは金融が最大セクターであり、金利の動向に業績が左右されやすい特徴があります。

S&P500とVYMの構成銘柄比較

S&P500

S&P500(VOO) 銘柄名比率 (%)
エヌビディア7.20
アップル6.80
マイクロソフト6.50
アマゾン・ドット・コム3.80
メタ・プラットフォームズ2.50
アルファベット クラスA2.10
アルファベット クラスC1.80
バークシャー・ハサウェイ1.70
イーライリリー1.50
テスラ1.40

VYM

VYM 銘柄名比率 (%)
ブロードコム3.20
JPモルガン・チェース3.10
エクソンモービル2.80
ジョンソン・エンド・ジョンソン2.20
ホーム・デポ2.10
プロクター・アンド・ギャンブル2.00
ウォルマート1.90
アッヴィ1.80
バンク・オブ・アメリカ1.70
シェブロン1.60

S&P500(VOO)の上位は、私たちが日々目にするサービスを提供する巨大IT企業ばかりで、時価総額が大きいため、これらの銘柄の動向が指数の大半を決定づけます。

一方、VYMは銀行、エネルギー、製薬、小売と非常にバランスよく分散されていますね。特定の1社が転んでも、全体へのダメージが少ない構造になっています。

S&P500とVYMに投資した場合のシミュレーション比較

過去実績を元にした場合、どちらが儲かるか?

S&P500のほうがリターンが大きい

初期費用100万円を、過去5年の平均リターンで20年間運用した場合の推移を試算します。※S&P500(VOO):年利15.2%、VYM:年利15.1%と仮定、配当は再投資

経過年数S&P500(VOO) (円)VYM (円)
初期費用1,000,0001,000,000
5年後2,028,8702,019,940
10年後4,116,3104,080,160
15年後8,351,4508,241,680
20年後16,944,02016,647,670

過去5年のデータを使うと、両者の差はわずかですが、僅差でS&P500(VOO)が上回る結果となりました。わずかな利回りの差が、20年という時間軸では30万円近い差になって現れます。

ただし、これはあくまで強気相場だった過去5年をベースにした計算です。今後20年、ずっとこのリターンが続くわけではない点は注意しましょう。

S&P500とVYMへのおすすめの投資比率

経過年数パターンA (VOO 100%) (円)パターンB (各50%) (円)パターンC (VYM 100%) (円)
5年後4,815,0004,750,0004,680,000
10年後11,280,00011,050,00010,820,000
15年後22,150,00021,500,00020,850,000
20年後40,350,00038,800,00037,250,000

※初期100万、毎月5万積立、期待リターンをS&P500(VOO):11%、VYM:9%と保守的に見積もって算出

若いうちはパターンAで資産の最大化を狙い、出口が近づくにつれてCに移行するのがよさそうです。心理的な安定が欲しい方は、初めからパターンBで進めるのも悪くない選択ですね。

月々のキャッシュフローを重視するなら、少しリターンを落としてでもVYM比率を上げる価値はあります。

S&P500とVYMに投資した場合の配当金シミュレーション比較

こちらは1,000万円を投資した場合の年間配当金の推移(配当成長率 VOO:7%、VYM:6%と仮定)です。

経過年数VOO 配当金 (円)VOO 利回り (%)VYM 配当金 (円)VYM 利回り (%)
1年目130,0001.30242,0002.42
5年目170,4001.70305,5003.06
10年目239,0002.39408,8004.09
15年目335,2003.35547,1005.47
20年目470,1004.70732,2007.32

※初期利回りは最新データ(1.30% vs 2.42%)を使用

VYMの魅力は、何といってもこの増配による取得利回りの向上です。20年持ち続ければ、当初1,000万円の投資に対して年間70万円以上の配当が入る計算になります。

S&P500(VOO)も増配はしますが、VYMとの利回りの差を埋めるには至りません。

S&P500とVYMと合わせて保有したほうがいいETFは?

それぞれは単体でも優秀ですが、他の商品・ETFを組み合わせることでポートフォリオがより堅牢になります。

S&P500(VOO)との組合せ銘柄ティッカー理由
Vanguard Total BondBND債券を加えることで暴落時のクッションにするため
Vanguard Total Int. StockVXUS米国以外の成長も取り込み、地域分散を図るため
GLD (金ETF)GLDインフレ局面での資産価値防衛のため
VYMとの組合せ銘柄ティッカー理由
iShares Core U.S. REITUSRT不動産セクターを加え、配当の源泉を多様化するため
Schwab US Dividend EquitySCHD財務健全性の高い増配銘柄を補完し、質を高めるため
米国短期国債VGSHキャッシュの待避所として。利回りを取りつつ下落に備える

分散投資の基本は、相関係数が低いものを混ぜることです。S&P500(VOO)なら債券VYMなら不動産や他の増配ETFを混ぜると、よりバランスが整いますね。

S&P500とVYM、おすすめは?

評価軸S&P500(VOO)VYM
成長性 (キャピタル)★★★★★★★★☆☆
収益性 (インカム)★★☆☆☆★★★★★
安定性 (低ボラティリティ)★★★☆☆★★★★☆
回復力 (暴落からの回復)★★★★☆★★★★☆
健全性 (コスト・流動性)★★★★★★★★★★

S&P500(VOO)は資産を大きく増やす攻めの投資において、右に出るものはありません。一方のVYMは、日々の生活を豊かにするためにはうってつけです。

どちらが良いかは、自分の人生のステージに合わせるのがよいでしょう。資産形成期ならS&P500(VOO)資産活用期ならVYM、という使い分けですね。

S&P500とVYMはどんな人におすすめ?

項目S&P500(VOO) 推奨VYM 推奨
投資目的20年以上先の資産最大化早期リタイア後の収入源確保
年齢20代〜40代前半40代後半〜60代
資産状況資産形成の途上まとまった余剰資金あり
入金力月5万円以上の継続積立配当再投資+スポット購入
投資暦初心者から全般中長期投資の経験者
リスク許容度高い (30%下落も許容)中程度 (安定分配を重視)

ペルソナ別おすすめポートフォリオ

目的推奨構成比率特徴
ガシガシ資産を増やしたいVOO: 80% / VYM: 10% / 他: 10%VOOを核に資産を急ピッチで拡大
安定をとりつつ、資産を増やしたいVOO: 40% / VYM: 40% / BND: 20%成長とインカムを両立し、暴落にも備える
配当重視(FIRE)でいきたいVYM: 70% / VOO: 20% / 現金等: 10%現金流出を最大化し生活の質を向上

まずはS&P500(VOO)で資産の土台を急ピッチで作り上げるのが、多くの場合近道になります。

まとめ

S&P500(VOO)とVYMは、どちらも優れた投資先です。両者のコストの低さと運用効率の高さは他のETFと比較しても際立っています。

月々の分配金で生活を少し楽にしたいならVYM将来のリターンをとるならS&P500(VOO)がおすすめです。

自身の投資目的やリスク許容度にあわせて、投資先や投資するウェイトを調整してみてください。

執筆者:ぽこ

投資歴は数十年。数々の市場の暴落と回復の経験から、インデックス投資を中心にしつつ、道楽で個別株への投資をするコアサテライト戦略で運用するのが基本スタイル。焦らずにのんびりゆったり資産形成中。

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