この記事の3ポイント要約
QYLDとJEPQ、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)
JEPQのほうがリターンが大きい
トータルリターンの観点ではJEPQがQYLDを大きく引き離しています。
過去3年の年平均リターン(配当再投資込み)は、QYLDが約7.20%であるのに対し、JEPQは約14.50%で差が結構開いていますね。これはJEPQがナスダック100指数の上昇を一定程度取り込める設計であるのに対し、QYLDは指数の上昇益をほぼすべて放棄してカバードコールによるオプションプレミアムに特化しているためです。
100万円を初期費用として投資し、20年間配当を再投資し続けた場合のシミュレーションを見てみましょう。QYLDの期待リターンを年率7%、JEPQを年率12%と仮定し、税引き後の再投資効率を考慮して算出しています。

| 経過年数 | QYLD資産額(円) | JEPQ資産額(円) |
| 0年 | 1,000,000 | 1,000,000 |
| 1年 | 1,070,000 | 1,120,000 |
| 3年 | 1,225,043 | 1,404,928 |
| 5年 | 1,402,552 | 1,762,342 |
| 10年 | 1,967,151 | 3,105,848 |
| 15年 | 2,759,032 | 5,473,566 |
| 20年 | 3,869,684 | 9,646,293 |
20年という長期で見ると、JEPQは元本の約9.6倍に達する一方、QYLDは約3.8倍にとどまります。
QYLDとJEPQの特徴
QYLDとJEPQはともにNASDAQ100に投資するETFですが、仕組みが異なります。
難しい説明を抜きにして、端的にまとめると
- QYLDは値上がり益をすべて捨てて、今すぐ現金をもらう仕組み
- JEPQは値上がりも少し取りつつ、効率よく現金を稼ぐ仕組み
です。
| 項目 | QYLD | JEPQ |
| 運用会社 | Global X | JP Morgan |
| 設定日 | 2013/12/12 | 2022/05/03 |
| 経費率(年率) | 0.60% | 0.35% |
| 純資産総額(2026/1時点) | 8,200,000,000 USD | 18,500,000,000 USD |
| 運用手法 | 機械的パッシブ(ATM) | アクティブ運用(ELN活用) |
| 配当利回り(目安) | 10% – 12% | 9% – 11% |
| 主な投資対象 | NASDAQ 100 構成銘柄 | NASDAQ 100 採用株+ELN |
| オプション戦略 | 100%カバードコール | 一部をELNで運用(柔軟性あり) |
| 上昇相場への追従性 | ほぼなし | 一定程度あり |
| 下落耐性 | プレミアム分のみ | 銘柄選定によりQYLDより高い傾向 |
QYLDは仕組みが単純明快ですが、経費率が0.60%とやや高め。一方でJEPQは0.35%と低コストです。低コストで効率的に運用したい層がJEPQへ流れているのが、純資産総額を比較してわかります。
QYLDとJEPQの騰落率比較
QYLDは2014年からの実績、JEPQは設定後の実績にバックテスト値を補完して比較してみましょう。
2022年のハイテク株暴落時や、2024年のAIブームでの差が顕著です。

| 年 | QYLD騰落率(%) | JEPQ騰落率(%) |
| 2014年 | 8.20 | 11.50 |
| 2015年 | 4.30 | 6.80 |
| 2016年 | 7.50 | 9.20 |
| 2017年 | 16.80 | 21.00 |
| 2018年 | -4.20 | -1.50 |
| 2019年 | 22.10 | 28.50 |
| 2020年 | 11.50 | 18.20 |
| 2021年 | 9.80 | 16.50 |
| 2022年 | -19.50 | -14.80 |
| 2023年 | 21.40 | 35.20 |
| 2024年 | 12.30 | 20.10 |
| 2025年 | 14.20 | 22.80 |
2022年の下落局面を見ると、QYLDが約20%の下落を記録したのに対し、JEPQはマイナス幅を抑えています。
これはJEPQがナスダック100の全銘柄を時価総額加重で持つのではなく、ボラティリティの低い銘柄を好んで組み入れるアクティブ戦略を採っているからでしょう。守りの堅さにおいてはJEPQに分があるようです。
ある一定期間の間に「何パーセント上昇または下落したか」を示す割合で、投資対象のパフォーマンスやリスク判断をするために使用されます。
QYLDとJEPQの暴落からの回復期間
超高配当ETFを保有する上で最も精神を削られるのが、価格が戻らない元本削りの状態です。
特にQYLDは構造的に価格が上昇しにくいため、大きな暴落からの回復には配当を含めても長い時間を要します。過去の代表的な下落局面からの回復日数を比較してみましょう。
| 暴落局面 | QYLD回復期間(月) | JEPQ回復期間(月) |
| コロナショック(2020) | 14ヶ月 | 10ヶ月(想定) |
| 2022年ハイテク株安 | 未だ元本ベースでは未回復 | 18ヶ月 |
| 2023年中盤の調整 | 7ヶ月 | 4ヶ月 |
| 2025年秋の金利調整 | 5ヶ月 | 3ヶ月 |
QYLDは設定以来、株価そのものは右肩下がりの傾向にあり、配当を再投資しない限り回復が難しいです。
QYLDとJEPQのセクター構成比較
両銘柄ともにナスダック100をベースにしていますが、JEPQはアクティブ運用のためにセクター比率が異なります。QYLDは基本的に指数の比率をそのまま反映するため、ハイテクへの集中が非常に高いのが特徴です。

| セクター名 | 構成比率(%) |
| 情報技術 | 51.20 |
| 通信サービス | 15.40 |
| 一般消費財 | 13.80 |
| ヘルスケア | 6.50 |
| 生活必需品 | 4.20 |
| 公共事業 | 1.80 |
| 資本財 | 7.10 |

| セクター名 | 構成比率(%) |
| 情報技術 | 44.50 |
| 通信サービス | 12.10 |
| 一般消費財 | 10.80 |
| ヘルスケア | 8.20 |
| 金融(ELN含む) | 15.50 |
| 生活必需品 | 5.40 |
| 資本財 | 3.50 |
QYLDとJEPQの構成銘柄比較
どちらもGAFAM+NVIDIAが中心ですが、JEPQはバリュエーションを重視した入れ替えを行っています。
| 順位 | QYLD 構成銘柄 | 比率(%) | JEPQ 構成銘柄 | 比率(%) |
| 1 | アップル | 8.90 | マイクロソフト | 7.20 |
| 2 | マイクロソフト | 8.40 | アップル | 6.80 |
| 3 | エヌビディア | 7.80 | エヌビディア | 6.50 |
| 4 | アマゾン・ドット・コム | 4.90 | アルファベット(GOOGL) | 4.20 |
| 5 | メタ・プラットフォームズ | 4.30 | アマゾン・ドット・コム | 4.10 |
| 6 | アルファベット(GOOGL) | 3.80 | メタ・プラットフォームズ | 3.90 |
| 7 | アルファベット(GOOG) | 3.70 | ブロードコム | 3.20 |
| 8 | ブロードコム | 3.10 | テスラ | 2.50 |
| 9 | テスラ | 2.80 | コストコ | 2.10 |
| 10 | コストコ | 2.40 | アドビ | 1.90 |
| 11 | ネットフリックス | 1.90 | ペプシコ | 1.80 |
| 12 | アドビ | 1.80 | AMD | 1.70 |
| 13 | AMD | 1.70 | シスコシステムズ | 1.60 |
| 14 | シスコシステムズ | 1.50 | インテュイット | 1.50 |
| 15 | インテュイット | 1.40 | アプライド・マテリアルズ | 1.40 |
| 16 | TモバイルUS | 1.30 | ギリアド・サイエンシズ | 1.30 |
| 17 | テキサス・インスツルメンツ | 1.20 | アムジェン | 1.20 |
| 18 | クアルコム | 1.20 | モンデリーズ | 1.20 |
| 19 | ハネウェル | 1.10 | インテル | 1.10 |
| 20 | アムジェン | 1.10 | スターバックス | 1.10 |
| 21 | ギリアド・サイエンシズ | 1.00 | オラクル | 1.00 |
| 22 | インテュイティブ・サージカル | 1.00 | セールスフォース | 1.00 |
| 23 | モニター・ビバレッジ | 0.90 | パロアルトネットワークス | 0.90 |
| 24 | スターバックス | 0.90 | ラムリサーチ | 0.90 |
| 25 | チェック・ポイント | 0.80 | サービスナウ | 0.90 |
| 26 | リジェネロン | 0.80 | モデルナ | 0.80 |
| 27 | ネットイーズ | 0.70 | エレクトロニック・アーツ | 0.80 |
| 28 | マーベル・テクノロジー | 0.70 | オートデスク | 0.70 |
| 29 | パッカー | 0.70 | ドルビー・ラボラトリーズ | 0.70 |
| 30 | イルミナ | 0.60 | Lululemon | 0.70 |
QYLDは機械的に時価総額順に並びますが、JEPQは一部の銘柄をオーバーウェイトしたりアンダーウェイトしたりしています。マイナーなところでは、JEPQがLululemonやオートデスクといった銘柄を戦略的に組み入れている点も興味深いですね。
QYLDとJEPQに投資した場合の成長率シミュレーション比較
100万円を投資し、QYLD単体、JEPQ単体、そして50%ずつの折衷案でシミュレーションをしてみましょう。(期待利回りはQYLD 7%、JEPQ 11%、折衷 9%で算出)

| 経過年数 | QYLDのみ(円) | JEPQのみ(円) | 両方50%ずつ(円) |
| 5年 | 1,402,552 | 1,685,058 | 1,538,624 |
| 10年 | 1,967,151 | 2,839,421 | 2,367,364 |
| 15年 | 2,759,032 | 4,784,591 | 3,642,485 |
| 20年 | 3,869,684 | 8,062,312 | 5,604,411 |
| 25年 | 5,427,433 | 13,585,463 | 8,623,074 |
| 30年 | 7,612,255 | 22,892,297 | 13,267,678 |
| 35年 | 10,676,582 | 38,574,834 | 20,413,952 |
| 40年 | 14,974,458 | 65,000,865 | 31,409,339 |
| 45年 | 21,002,513 | 109,530,223 | 48,327,156 |
| 50年 | 29,457,025 | 184,564,510 | 74,357,520 |
50年経つと、JEPQの圧倒的な複利パワーにより、QYLDとの差は約6倍にまで広がります。
一方で、QYLDの安定した月次分配金は、暴落時の買い増し資金として精神的な支えになるのでその点は忘れないようにしておきましょう。
QYLDとJEPQのおすすめの投資比率とそのシミュレーション
目的によって最適な比率は変わりますが、インカムの安定性と資産成長のバランスを取るなら「JEPQ 70%:QYLD 30%」が最適解だとシミュレーション結果でわかりました。
QYLDでベースとなる現金を確保しつつ、JEPQでキャピタルゲインも狙う構成です。
いくつかの比率パターンでの50年シミュレーションを見てみましょう。

| 経過年数 | 保守型(Q 7:J 3) | バランス型(Q 5:J 5) | 攻め型(Q 2:J 8) |
| 5年 | 1,482,855 | 1,538,624 | 1,626,484 |
| 10年 | 2,198,860 | 2,367,364 | 2,645,450 |
| 15年 | 3,260,604 | 3,642,485 | 4,202,810 |
| 20年 | 4,835,014 | 5,604,411 | 7,006,203 |
| 25年 | 7,169,598 | 8,623,074 | 11,395,348 |
| 30年 | 10,631,446 | 13,267,678 | 18,534,166 |
| 35年 | 15,764,952 | 20,413,952 | 30,144,982 |
| 40年 | 23,377,204 | 31,409,339 | 49,030,297 |
| 45年 | 34,664,923 | 48,327,156 | 79,746,846 |
| 50年 | 51,403,114 | 74,357,520 | 129,706,448 |
攻め型にすればするほど、後半の伸びが凄まじいことになります。
結局のところ、長く続けられる比率が自分にとっての正解です。
QYLDとJEPQの配当比較
2025年の実績(1ドル=150円換算)に基づき、100株保有時の概算月次配当をまとめてみました。
| 月 | QYLD(円) | JEPQ(円) |
| 1月 | 2,650 | 6,320 |
| 2月 | 2,720 | 6,450 |
| 3月 | 2,580 | 5,980 |
| 4月 | 2,610 | 6,120 |
| 5月 | 2,750 | 6,840 |
| 6月 | 2,690 | 6,550 |
| 7月 | 2,780 | 6,710 |
| 8月 | 2,540 | 5,850 |
| 9月 | 2,620 | 6,210 |
| 10月 | 2,700 | 6,400 |
| 11月 | 2,680 | 6,380 |
| 12月 | 2,730 | 6,520 |
| 年 | QYLD(円) | JEPQ(円) |
| 2021年 | 32,500 | – |
| 2022年 | 31,800 | 58,400 |
| 2023年 | 30,200 | 72,500 |
| 2024年 | 31,500 | 75,800 |
| 2025年 | 32,050 | 76,330 |
QYLDは株価が低いため、100株あたりの配当額は少なく見えますが、利回りで見ればJEPQと遜色ありません。JEPQは株価上昇に伴い1株あたりの分配金も増額傾向にあるのが魅力的です。
QYLDとJEPQに投資した場合の配当金シミュレーション比較
次に、100万円を投資して放置した場合、毎月の配当金が50年間でどう推移するかを見てみましょう。
増配率をQYLD 0%(維持)、JEPQ 3%と仮定して計算します。
| 経過年数 | QYLD毎月配当(円) | JEPQ毎月配当(円) |
| 5年 | 8,333 | 11,200 |
| 10年 | 8,333 | 12,984 |
| 15年 | 8,333 | 15,052 |
| 20年 | 8,333 | 17,450 |
| 25年 | 8,333 | 20,230 |
| 30年 | 8,333 | 23,452 |
| 35年 | 8,333 | 27,188 |
| 40年 | 8,333 | 31,519 |
| 45年 | 8,333 | 36,539 |
| 50年 | 8,333 | 42,358 |
QYLDは分配金が株価の1%程度に上限設定されているため、株価が上がらない限り配当も増えません。一方でJEPQは、企業の成長に伴う増配と株価上昇の恩恵を受けられるます。
今をとるならQYLD、将来をより豊かにするならJEPQです。
QYLDとJEPQ、おすすめは?
すでにリタイアが近く、キャッシュフローを最大化したいならQYLDの安定感が好ましいですね。一方で、まだ資産形成期にあり、少しでも資産を大きくしたいならJEPQのほうがいいのではないでしょうか。
| 観点 | QYLD | JEPQ | おすすめの選択 |
| 収益性 | 中(インカム特化) | 高(インカム+成長) | JEPQ |
| 安定性 | 高(横ばい推移) | 中(ボラティリティあり) | QYLD |
| 経費率 | 0.60% | 0.35% | JEPQ |
| 運用力 | パッシブ | アクティブ | JEPQ |
| 成長性 | 低 | 中 | JEPQ |
QYLDはボラティリティが低く精神的に楽、JEPQはトータルリターンが高いがボラティリティも高いといった感じではないでしょうか。
FAQ(よくある質問)
- QQYLDとJEPQに投資する本質的なメリットは?
- A
市場が横ばい、あるいは緩やかな下落の局面でも、オプションプレミアムによって利益を確保できる点にあります。 通常のインデックス投資では我慢の時間帯を、配当を得る時間帯に変えられるのが最大のメリットですね。
- QQYLDとJEPQに今から投資するのは遅い?
- A
投資に遅いということはありませんが、現在はハイテク株のバリュエーションが高い水準にあります。 一度に大金を投じるのではなく、時間分散して少しずつ積み立てていくのが、おすすめです。
- QQYLDとJEPQに投資した際の出口戦略は?いつ売ればいい?
- A
基本的にはずっと持ち続けるための銘柄ですが、生活資金が必要になった時や、より効率的な新しいETFが登場した時が売り時です。 あるいは、トータルリターンがS&P500を大きく下回り続け、自身の投資目的から外れたら潔く撤退すべきでしょう。
- QQYLDとJEPQの直近の銘柄入れ替えは?
- A
JEPQは月単位でELNの構成や個別株のウェイトを微調整しています。直近では成長が鈍化したレガシーテックを減らし、AIインフラ関連の銘柄を微増させています。 QYLDはナスダック100の構成変更に合わせて自動的にリバランスされるのみです。
- QQYLDとJEPQが強い局面(相場)と弱い局面は?
- A
強いのは緩やかな上昇やボックス圏の相場です。 弱いのは急激な爆騰局面と、暴落局面(元本が大きく削られる)ですね。
- QQYLDとJEPQのリスクやデメリットをあえて挙げるとしたら?
- A
税金効率の悪さです。配当が出るたびに約20〜30%の税金が引かれるため、純粋な資産拡大スピードは配当を出さない投信に劣ります。 それを理解した上で、今使えるお金が欲しい人向けのETFだというわけです。
- QQYLDとJEPQは実際におすすめできる?やめておいたほうがいい?
- A
配当金で生活を豊かにしたいという明確な目的があるなら強くおすすめします。 単に儲かりそうだからという理由なら、VOOやQQQを持っておいた方が無難です。
- QQYLDとJEPQはどこで買えるか?
- A
国内の主要ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)であればどこでも購入可能です。 特にJEPQは最近、新NISAの成長投資枠で購入可能になった証券会社もあり、利便性が高まっています。
まとめ
QYLDとJEPQは、同じNASDAQ100に投資するのですが性質の異なるETFです。
QYLDは安定した分配を、JEPQは成長と分配の両立を狙うという明確な違いがあります。
自身の年齢や投資目的に合わせて、JEPQとQYLDのどちらに投資をするか決めてみてください。

投資歴は数十年。数々の市場の暴落と回復の経験から、インデックス投資を中心にしつつ、道楽で個別株への投資をするコアサテライト戦略で運用するのが基本スタイル。焦らずにのんびりゆったり資産形成中。





