【比較】S&P500 vs FANG+|リターン重視ならFANG+だがミックスがおすすめ

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この記事のポイント

1-5年でFANG+が2-3倍優位だが、20年超ではS&P500の分散が追いつき、複利の安定力が光る。短期爆発 vs 長期着実の選択肢
10年データでFANG+平均28%の魅力だが、-40%級下落が頻発。S&P500の13%は波小さいが、回復確実可能
50年でFANG+3,900倍の夢に対し、ミックス2,000倍が現実的。単独リスクを避ける選択肢もあり

S&P500とFANG+、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)

過去実績を元にした場合、どちらが儲かるか?

FANG+のほうがリターンが大きい

米国株式投資の定番、S&P500とテック集中のFANG+。どちらが優位かを、初期投資100万円で過去リターンをシミュレートしてみましょう。配当は再投資、為替は154円/ドル固定で計算しています。データは2025年11月時点の最新値に基づき、FANG+の長期部分は2014年以降の実績から推定しています。

この比較のポイントは、短期ではFANG+の急成長が目立ち、長期になるとS&P500の分散効果がじわじわ効いてくることです。たとえば、1年でFANG+は74%のリターンと圧倒的ですが、20年スパンではS&P500も7倍超えと堅実。市場の下げ相場でどれだけ耐えられるかが、実際の勝敗を分けます。

期間S&P500 年平均リターン(%)S&P500 最終額(円)FANG+ 年平均リターン(%)FANG+ 最終額(円)
過去1年28.411,284,10074.071,740,700
過去3年11.941,415,80033.372,456,200
過去5年13.031,837,50028.814,512,900
過去10年13.033,397,20027.9711,456,800
過去15年12.505,678,90025.00 (推定)15,234,000
過去20年10.697,123,40022.00 (推定)28,945,600

短期志向の人はFANG+に惹かれますが、老後資金のような長期ならS&P500の安定感が心強いはず。

S&P500とFANG+の特徴

S&P500の特徴FANG+の特徴
構成銘柄: 500社 (多様なセクター)構成銘柄: 10社 (テック・メディア中心)
加重方式: 時価総額加重 (大企業が影響大)加重方式: 等加重 (各社10%均等)
歴史平均リターン: 約10% (安定)平均リターン: 20%超 (変動激しい)
リスクレベル: 中程度 (分散で緩和)リスクレベル: 高 (テック集中で波大)
配当利回り: 約1.3% (定期収入源)配当利回り: 約0.2% (成長再投資優先)
ETF運用コスト: 0.03%前後 (超低コスト)ETF運用コスト: 0.4%前後 (やや高め)
流動性: 世界最高レベル流動性: 高いがS&P500に劣る
適した投資家: 長期・初心者・安定志向適した投資家: 中期・成長狙い・リスクOK

S&P500は、2008年危機時の-37%下落から回復した実績あり。FANG+は2020年のパンデミックで109%上昇と輝きましたが、2022年の-41%は痛手。

S&P500とFANG+のパフォーマンス比較(株価推移・成長率)

過去10年(2015-2024年)の年別総リターン(配当再投資込)を年単位で並べました。成長率と騰落率を兼ねて示し、市場の波を視覚化。FANG+は2014年開始なので、そこからのデータを活用しています。

S&P500 総リターン(%)S&P500 前年比騰落(%)FANG+ 総リターン(%)FANG+ 前年比騰落(%)
20151.38+1.3815.20+15.20
201611.96+11.968.50+8.50
201721.83+21.8352.90+52.90
2018-4.38-4.38-2.10-2.10
201931.49+31.4948.20+48.20
202018.40+18.40109.40+109.40
202128.71+28.7123.30+23.30
2022-18.11-18.11-41.20-41.20
202326.29+26.2961.50+61.50
202428.41+28.4174.07+74.07

この推移でわかるのは、S&P500の年平均約13%が景気サイクルに沿った穏やかさ。一方、FANG+の平均28%はAIやクラウドのブームで爆発しますが、利上げ時の敏感さが弱点

S&P500とFANG+のセクター構成比較

S&P500は11セクターのバランス、FANG+はテック一極集中。

S&P500 セクター (ウェイト%)FANG+ セクター (ウェイト%)
情報技術 29.5情報技術 80
金融 13.2コミュニケーションサービス 10
ヘルスケア 12.1消費者ディスクリートナリー 10
消費者ディスクリートナリー 10.3その他 0
コミュニケーションサービス 9.0
産業 8.5
生活必需品 6.2
エネルギー 4.0
公益事業 2.5
不動産 2.3
素材 2.4

S&P500の情報技術29%は大きいですが、金融やヘルスケアがクッションに。パンデミック時はヘルスケアが支え、インフレ時はエネルギー。FANG+の80%テックはNVIDIAのAI依存を反映し、成長の源泉ですが、バブル崩壊リスクも。セクターの多様性が、ポートフォリオの耐久性を高めます。

S&P500とFANG+の構成銘柄比較

構成銘柄を上位30で比較。S&P500は時価総額順、FANG+は10社等加重(各10%)。

S&P500 上位銘柄 (ウェイト%)FANG+ 上位銘柄 (ウェイト%)
マイクロソフト 7.1クラウドストライク 10
アップル 6.8エヌビディア 10
エヌビディア 6.2アップル 10
アマゾン 3.5アルファベットA 10
メタ 2.1ブロードコム 10
アルファベットA 1.9マイクロソフト 10
アルファベットC 1.6サービスナウ 10
バークシャー・ハサウェイ 1.5アマゾン 10
イーライリリー 1.4ネットフリックス 10
ブロードコム 1.3メタ 10
テスラ 1.2
JPモルガン 1.1
ユナイテッドヘルス 1.0
ビザ 0.9
エクソンモービル 0.9
マスターカード 0.8
プロクター&ギャンブル 0.7
ジョンソン&ジョンソン 0.7
ホームデポ 0.7
メルク 0.6
シェブロン 0.6
アッヴィ 0.6
ウォルマート 0.6
バンクオブアメリカ 0.5
コカ・コーラ 0.5
オラクル 0.5
コストコ 0.5
アドビ 0.5
セールスフォース 0.4
ネットフリックス 0.4

S&P500の上位10で約40%を占め、テック以外に金融や消費財が混ざる多様性。FANG+はクラウドストライクのような新興テックも含み、未来志向。

S&P500とFANG+に投資した場合の成長率シミュレーション比較

50年という超長期で複利をシミュレート。S&P500歴史平均10.5%、FANG+推定18%(テック成長反映)。初期100万円、配当再投資、為替固定。単独と50:50ミックスの3パターンです。

経過年数S&P500単独 (円)FANG+単独 (円)50:50ミックス (円)
5年1,610,5102,287,3601,948,935
10年2,594,7405,231,5803,913,160
15年4,177,00011,962,1008,069,550
20年6,727,50027,370,00017,048,750
25年10,834,00062,610,00036,722,000
30年17,449,000143,200,00080,324,500
35年28,110,000327,500,000177,805,000
40年45,259,000749,000,000397,129,500
45年72,900,0001,713,000,000892,950,000
50年117,390,0003,918,000,0002,017,695,000

S&P500単独で117倍、FANG+で3,918倍と夢の数字ですが、現実は変動やインフレあり。ミックスが年平均14.25%で2,017倍と、現実的な選択肢。長期投資の醍醐味は、こうした複利の積み重ねにあります。

S&P500とFANG+の配当比較

配当はS&P500の強み。月次分配可能で安定、FANG+は四半期で少なめ。直近1年(2024年11月~2025年10月)の推定配当を、100万円投資ベースで円換算(154円/ドル)。

月 (2024-2025)S&P500 配当額(円)タイミングFANG+ 配当額(円)タイミング
11月 20241,050月次500四半期
12月 20241,100月次0
1月 20251,050月次0
2月 20251,100月次500四半期
3月 20251,050月次0
4月 20251,100月次0
5月 20251,050月次500四半期
6月 20251,100月次0
7月 20251,050月次0
8月 20251,100月次500四半期
9月 20251,050月次0
10月 20251,100月次0
年総額12,7502,000

S&P500の月次性はキャッシュフローを滑らかにし、再投資でリターンを底上げ。FANG+は成長株らしく配当控えめで、株価上昇に期待。この違いが、インカム派かグロース派かを分けるポイントです。

S&P500とFANG+に投資した場合の配当金シミュレーション比較

配当再投資の10年シミュレーション。S&P500利回り1.3%、FANG+0.2%。株価成長率(13% vs 28%)込みで、累積配当と総額を示します。

経過年S&P500 配当累積(円)S&P500 総額(円)FANG+ 配当累積(円)FANG+ 総額(円)
1年13,0001,284,1002,0001,740,700
3年40,5001,415,8006,2002,456,200
5年70,2001,837,50010,8004,512,900
7年102,9002,456,00015,9007,890,000
10年140,0003,397,20021,00011,456,800

S&P500の配当は総リターンの15%近くを占め、老後収入に最適。FANG+は配当わずかですが、株価の勢いが総額を倍増。このシミュから、配当重視か総合リターンかで選択が変わります。

S&P500とFANG+、おすすめは?

おすすめは人それぞれ。

観点S&P500 おすすめ度FANG+ おすすめ度詳細理由
リスク許容度◎ 高△ 中S&P500は分散で下落20%以内が多く、初心者安心。FANG+は40%超の下落あり、ストレス耐性必要。
投資期間◎ 長期◎ 中期20年以上ならS&P500の複利が勝る。5-10年でテックブーム狙いはFANG+。
目標リターン○ 中 (10%)◎ 高 (20%+)安定10%ならS&P500、ハイリターン賭けはFANG+。景気次第で変動。
ポートフォリオ分散◎ 基盤○ サテライトS&P500で70%、FANG+30%が理想バランス。単独FANG+は偏り大。
運用手間◎ 楽○ やや多両方ETFで簡単だが、FANG+はニュース追いが欠かせず。

30代成長派はFANG+寄り、50代安定派はS&P500。観点で自分に合った方を。

FAQ(よくある質問)

まとめ

S&P500は長期複利が魅力。FANG+短期の爆発力が魅力です。シミュレーションの数字が示すように、単独では極端ですが、50:50ミックスなら安定と成長の両取りが可能。リスク許容度や期間、目標を考えて選び、時には組み合わせを。市場は予測不能ですが、分散と長期視野が勝ちパターンです。

執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。

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