この記事のポイント
SCHDとVYM、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)
長期ではSCHDのほうがリターンが大きい
以下はシミュレーション結果(年率リターンは過去実績を基に算出、配当再投資込み、税金考慮せず)。
期間 | SCHD資産額(万円) | VYM資産額(万円) |
---|---|---|
1年 | 112.9 | 116.1 |
3年 | 130.2 | 136.4 |
5年 | 180.5 | 169.8 |
10年 | 298.7 | 259.3 |
15年 | 512.3 | 428.1 |
20年(推定) | 873.6 | 705.2 |
SCHDは10年以上の長期投資で高い増配率(10年平均11.1%)がリターンを押し上げます。一方、VYMは短期での安定感が魅力。投資期間や市場環境で選択肢が変わります。
SCHDとVYMの特徴
SCHDは財務健全性と増配実績を重視した約100銘柄に投資。VYMは幅広い分散を重視し、約550銘柄をカバー。以下に特徴を比較します。
項目 | SCHD | VYM |
---|---|---|
運用会社 | チャールズ・シュワブ | バンガード |
連動指数 | ダウ・ジョーンズUSディビデンド100 | FTSEハイディビデンド・イールド |
銘柄数 | 約100銘柄 | 約550銘柄 |
経費率 | 0.06% | 0.06% |
配当利回り(2025年) | 3.68% | 2.88% |
増配率(10年平均) | 11.1% | 6.8% |
運用資産総額 | 約658億ドル | 約600億ドル |
おすすめポイント
投資家タイプ | SCHDのおすすめポイント | VYMのおすすめポイント |
---|---|---|
長期投資家 | 高い増配率で配当成長 | 分散投資でリスク低減 |
短期投資家 | ヘルスケア中心の安定性 | 金融・半導体で短期リターン |
リスク回避型 | 財務健全性の高い銘柄 | 約550銘柄の幅広い分散 |
SCHDは増配期待とリターンのバランスが良く、VYMは保守的な投資に適しています。
SCHDとVYMのパフォーマンス比較(株価推移・成長率)
SCHDとVYMの株価推移は、市場環境やセクター構成の違いで異なります。以下は2015年から2024年までの株価成長率(年率、配当再投資込み)と騰落率(年初からの価格変動率)。
年 | SCHD成長率(%) | VYM成長率(%) |
---|---|---|
2015 | 2.5 | 0.8 |
2016 | 16.7 | 17.0 |
2017 | 20.8 | 16.4 |
2018 | -5.6 | -5.9 |
2019 | 27.3 | 24.2 |
2020 | 15.1 | 0.7 |
2021 | 29.7 | 26.2 |
2022 | -3.2 | 0.4 |
2023 | 4.6 | 6.6 |
2024 | 12.9 | 16.1 |
SCHDは2019年や2021年の上昇相場で高いリターンを記録。VYMは2022年の下落相場で相対的に安定。騰落率では、SCHDのボラティリティ(標準偏差)は約14%、VYMは約13%で、VYMがやや低リスク。
SCHDとVYMのセクター構成比較
SCHDはヘルスケアや生活必需品の比率が高く、ディフェンシブな性格。VYMは金融や半導体の比率が高めで、景気敏感な傾向があります。以下は2024年12月末時点のセクター構成(割合は概算)。
セクター | SCHD(%) | VYM(%) |
---|---|---|
金融 | 15 | 20 |
ヘルスケア | 18 | 12 |
生活必需品 | 17 | 13 |
情報技術 | 9 | 10 |
エネルギー | 10 | 11 |
産業 | 12 | 10 |
一般消費財 | 10 | 9 |
通信 | 8 | 5 |
その他 | 21 | 30 |
SCHDはヘルスケアと生活必需品の割合が高く、景気後退時でも安定した配当が期待できます。VYMは金融セクターの割合が高く、金利上昇局面で有利。情報技術の割合は両者とも低く、GAFAMなどの成長株はほぼ含まれません。
SCHDとVYMの構成銘柄比較
SCHDは約100銘柄、VYMは約550銘柄に投資。SCHDは上位10銘柄で約40%を占め、VYMは約25%と分散度が異なります。以下は2025年5月時点の上位銘柄(一部)。
SCHD上位銘柄 | VYM上位銘柄 |
---|---|
コカ・コーラ | ブロードコム |
ベライゾン | JPモルガン |
ブリストル・マイヤーズ | エクソン・モービル |
シェブロン | プロクター&ギャンブル |
アルトリア | ホーム・デポ |
SCHDは配当成長率と財務健全性を重視し、コカ・コーラやベライゾンなど安定配当企業が中心。VYMはブロードコムやJPモルガンなど、市場平均以上の配当利回りを持つ大型株を幅広く含みます。SCHDは集中投資によるリターン追求、VYMは分散によるリスク低減が特徴です。
SCHDとVYMに投資した場合の成長率シミュレーション比較
長期投資の資産成長をシミュレーションします。初期投資100万円、配当再投資、SCHDの年率リターン11.5%、VYMは9.9%を前提(過去10年平均)。両方投資は50:50で分配。税金は考慮せず。
年数 | SCHD(万円) | VYM(万円) | 両方(万円) |
---|---|---|---|
5年 | 180.5 | 169.8 | 175.1 |
10年 | 298.7 | 259.3 | 278.5 |
15年 | 512.3 | 428.1 | 469.7 |
20年 | 873.6 | 705.2 | 787.5 |
25年 | 1490.1 | 1163.2 | 1318.6 |
30年 | 2541.9 | 1918.8 | 2216.2 |
35年 | 4336.5 | 3164.9 | 3725.1 |
40年 | 7397.2 | 5218.6 | 6260.7 |
45年 | 12617.5 | 8607.9 | 10520.3 |
50年 | 21519.8 | 14194.5 | 17683.9 |
SCHDは高い増配率とリターンで長期的に大きく成長。VYMは安定感があるがリターンは控えめ。両方投資はリスク分散と成長のバランスが取れます。市場環境や増配率の変動に注意が必要です。
SCHDとVYMの配当比較
SCHDとVYMはともに年4回(3、6、9、12月)配当を支払います。2024年の配当実績を基に、1株当たり配当額を円換算(1ドル=150円)。SCHDの株価は約90ドル、VYMは約130ドルで計算。
月 | SCHD配当(円) | VYM配当(円) |
---|---|---|
3月 | 149.85 | 113.25 |
6月 | 151.50 | 114.75 |
9月 | 150.75 | 112.50 |
12月 | 152.25 | 116.25 |
年間合計 | 604.35 | 456.75 |
SCHDの年間配当利回りは3.68%(約604円)、VYMは2.88%(約457円)。SCHDは配当額と利回りが高く、増配率もVYMを上回るため、配当収入を重視する投資家に有利です。
SCHDとVYMに投資した場合の配当金シミュレーション比較
100万円を投資した場合の配当シミュレーション。SCHDの増配率11.1%、VYMは6.8%(過去10年平均)、為替レートは150円で固定。配当は再投資せず単利運用。
年数 | SCHD年間配当(円) | VYM年間配当(円) |
---|---|---|
初年度 | 33,900 | 27,300 |
5年後 | 47,800 | 34,500 |
10年後 | 75,200 | 53,800 |
15年後 | 118,400 | 83,900 |
20年後 | 186,300 | 130,800 |
SCHDは高い増配率により配当が急速に成長。VYMは安定した配当成長だが、SCHDに比べると控えめ。配当収入を重視するならSCHDが有利ですが、市場環境の変動に注意が必要です。
SCHDとVYM、おすすめは?
投資家の目的に応じてSCHDとVYMのどちらが適しているか、5つの観点で比較します。
観点 | SCHD | VYM |
---|---|---|
配当利回り | 3.68%で高配当、増配率11.1% | 2.88%で安定、増配率6.8% |
長期リターン | 10年で年率11.5%、成長性高い | 10年で年率9.9%、安定性重視 |
分散性 | 約100銘柄、集中度高め | 約550銘柄、分散性高い |
リスク耐性 | ヘルスケア中心でディフェンシブ | 金融中心で金利変動に敏感 |
投資しやすさ | 楽天・SBIで投資信託購入可 | SBI・楽天で投資信託、NISA対応 |
FAQ(よくある質問)
まとめ
SCHDとVYMは米国高配当ETFの代表格。SCHDは高い配当利回りと増配率で長期投資に強く、約100銘柄の集中投資で成長性を追求。VYMは約550銘柄の分散投資で安定感があり、短期リターンも最近は優勢。過去10年ではSCHDがリターンで上回るが、1~3年ではVYMが勝る。セクター構成では、SCHDはヘルスケア中心でディフェンシブ、VYMは金融中心で景気敏感。50年シミュレーションではSCHDが大きく資産を増やすが、VYMはリスク低減に優れる。投資期間や目標に応じて選択を。

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。