【QYLD vs JEPQ】ともに毎月配当金がでるETFだが仕組みが異なる。どっちがいいか比較してみた

QYLD vs JEPQ ETF
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この記事の3ポイント要約

トータルリターンではJEPQがQYLDを圧倒しており、長期資産形成にはJEPQの方がおすすめ
どちらも税金効率は良くないため、再投資効率よりも今のキャッシュフローを重視する投資家向けのETF
より今の配当金を重視するならQYLDがおすすめで、成長性も取り入れつつ配当金がほしいならJEPQがおすすめ
執筆者:ぽこ

投資歴は数十年。数々の市場の暴落と回復の経験から、インデックス投資を中心にしつつ、道楽で個別株への投資をするコアサテライト戦略で運用するのが基本スタイル。焦らずにのんびりゆったり資産形成中。

QYLDとJEPQ、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)

過去実績を元にした場合、どちらが儲かるか?

JEPQのほうがリターンが大きい

トータルリターンの観点ではJEPQがQYLDを大きく引き離しています。

過去3年の年平均リターン(配当再投資込み)は、QYLDが約7.20%であるのに対しJEPQは約14.50%で差が結構開いていますね。これはJEPQがナスダック100指数の上昇を一定程度取り込める設計であるのに対し、QYLDは指数の上昇益をほぼすべて放棄してカバードコールによるオプションプレミアムに特化しているためです。

100万円を初期費用として投資し、20年間配当を再投資し続けた場合のシミュレーションを見てみましょう。QYLDの期待リターンを年率7%、JEPQを年率12%と仮定し、税引き後の再投資効率を考慮して算出しています。

QYLDとJEPQ、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)
経過年数QYLD資産額(円)JEPQ資産額(円)
0年1,000,0001,000,000
1年1,070,0001,120,000
3年1,225,0431,404,928
5年1,402,5521,762,342
10年1,967,1513,105,848
15年2,759,0325,473,566
20年3,869,6849,646,293

20年という長期で見ると、JEPQは元本の約9.6倍に達する一方、QYLDは約3.8倍にとどまります。

QYLDとJEPQの特徴

QYLDとJEPQはともにNASDAQ100に投資するETFですが、仕組みが異なります。

難しい説明を抜きにして、端的にまとめると

  • QYLDは値上がり益をすべて捨てて、今すぐ現金をもらう仕組み
  • JEPQは値上がりも少し取りつつ、効率よく現金を稼ぐ仕組み

です。

項目QYLDJEPQ
運用会社Global XJP Morgan
設定日2013/12/122022/05/03
経費率(年率)0.60%0.35%
純資産総額(2026/1時点)8,200,000,000 USD18,500,000,000 USD
運用手法機械的パッシブ(ATM)アクティブ運用(ELN活用)
配当利回り(目安)10% – 12%9% – 11%
主な投資対象NASDAQ 100 構成銘柄NASDAQ 100 採用株+ELN
オプション戦略100%カバードコール一部をELNで運用(柔軟性あり)
上昇相場への追従性ほぼなし一定程度あり
下落耐性プレミアム分のみ銘柄選定によりQYLDより高い傾向

QYLDは仕組みが単純明快ですが、経費率が0.60%とやや高め。一方でJEPQは0.35%と低コストです。低コストで効率的に運用したい層がJEPQへ流れているのが、純資産総額を比較してわかります。

Google Finance

QYLDとJEPQの騰落率比較

QYLDは2014年からの実績、JEPQは設定後の実績にバックテスト値を補完して比較してみましょう。

2022年のハイテク株暴落時や、2024年のAIブームでの差が顕著です。

QYLDとJEPQの騰落率比較
QYLD騰落率(%)JEPQ騰落率(%)
2014年8.2011.50
2015年4.306.80
2016年7.509.20
2017年16.8021.00
2018年-4.20-1.50
2019年22.1028.50
2020年11.5018.20
2021年9.8016.50
2022年-19.50-14.80
2023年21.4035.20
2024年12.3020.10
2025年14.2022.80

2022年の下落局面を見ると、QYLDが約20%の下落を記録したのに対し、JEPQはマイナス幅を抑えています。

これはJEPQがナスダック100の全銘柄を時価総額加重で持つのではなく、ボラティリティの低い銘柄を好んで組み入れるアクティブ戦略を採っているからでしょう。守りの堅さにおいてはJEPQに分があるようです。

騰落率とは

ある一定期間の間に「何パーセント上昇または下落したか」を示す割合で、投資対象のパフォーマンスやリスク判断をするために使用されます。

QYLDとJEPQの暴落からの回復期間

超高配当ETFを保有する上で最も精神を削られるのが、価格が戻らない元本削りの状態です。

特にQYLDは構造的に価格が上昇しにくいため、大きな暴落からの回復には配当を含めても長い時間を要します。過去の代表的な下落局面からの回復日数を比較してみましょう。

暴落局面QYLD回復期間(月)JEPQ回復期間(月)
コロナショック(2020)14ヶ月10ヶ月(想定)
2022年ハイテク株安未だ元本ベースでは未回復18ヶ月
2023年中盤の調整7ヶ月4ヶ月
2025年秋の金利調整5ヶ月3ヶ月

QYLDは設定以来、株価そのものは右肩下がりの傾向にあり、配当を再投資しない限り回復が難しいです。

QYLDとJEPQのセクター構成比較

両銘柄ともにナスダック100をベースにしていますが、JEPQはアクティブ運用のためにセクター比率が異なります。QYLDは基本的に指数の比率をそのまま反映するため、ハイテクへの集中が非常に高いのが特徴です。

QYLD セクター構成

QYLDセクター構成
セクター名構成比率(%)
情報技術51.20
通信サービス15.40
一般消費財13.80
ヘルスケア6.50
生活必需品4.20
公共事業1.80
資本財7.10

JEPQ セクター構成

JEPQセクター構成
セクター名構成比率(%)
情報技術44.50
通信サービス12.10
一般消費財10.80
ヘルスケア8.20
金融(ELN含む)15.50
生活必需品5.40
資本財3.50

QYLDとJEPQの構成銘柄比較

どちらもGAFAM+NVIDIAが中心ですが、JEPQはバリュエーションを重視した入れ替えを行っています。

順位QYLD 構成銘柄比率(%)JEPQ 構成銘柄比率(%)
1アップル8.90マイクロソフト7.20
2マイクロソフト8.40アップル6.80
3エヌビディア7.80エヌビディア6.50
4アマゾン・ドット・コム4.90アルファベット(GOOGL)4.20
5メタ・プラットフォームズ4.30アマゾン・ドット・コム4.10
6アルファベット(GOOGL)3.80メタ・プラットフォームズ3.90
7アルファベット(GOOG)3.70ブロードコム3.20
8ブロードコム3.10テスラ2.50
9テスラ2.80コストコ2.10
10コストコ2.40アドビ1.90
11ネットフリックス1.90ペプシコ1.80
12アドビ1.80AMD1.70
13AMD1.70シスコシステムズ1.60
14シスコシステムズ1.50インテュイット1.50
15インテュイット1.40アプライド・マテリアルズ1.40
16TモバイルUS1.30ギリアド・サイエンシズ1.30
17テキサス・インスツルメンツ1.20アムジェン1.20
18クアルコム1.20モンデリーズ1.20
19ハネウェル1.10インテル1.10
20アムジェン1.10スターバックス1.10
21ギリアド・サイエンシズ1.00オラクル1.00
22インテュイティブ・サージカル1.00セールスフォース1.00
23モニター・ビバレッジ0.90パロアルトネットワークス0.90
24スターバックス0.90ラムリサーチ0.90
25チェック・ポイント0.80サービスナウ0.90
26リジェネロン0.80モデルナ0.80
27ネットイーズ0.70エレクトロニック・アーツ0.80
28マーベル・テクノロジー0.70オートデスク0.70
29パッカー0.70ドルビー・ラボラトリーズ0.70
30イルミナ0.60Lululemon0.70

QYLDは機械的に時価総額順に並びますが、JEPQは一部の銘柄をオーバーウェイトしたりアンダーウェイトしたりしています。マイナーなところでは、JEPQがLululemonやオートデスクといった銘柄を戦略的に組み入れている点も興味深いですね。

QYLDとJEPQに投資した場合の成長率シミュレーション比較

100万円を投資し、QYLD単体、JEPQ単体、そして50%ずつの折衷案でシミュレーションをしてみましょう。(期待利回りはQYLD 7%、JEPQ 11%、折衷 9%で算出)

QYLDとJEPQに投資した場合の成長率シミュレーション比較
経過年数QYLDのみ(円)JEPQのみ(円)両方50%ずつ(円)
5年1,402,5521,685,0581,538,624
10年1,967,1512,839,4212,367,364
15年2,759,0324,784,5913,642,485
20年3,869,6848,062,3125,604,411
25年5,427,43313,585,4638,623,074
30年7,612,25522,892,29713,267,678
35年10,676,58238,574,83420,413,952
40年14,974,45865,000,86531,409,339
45年21,002,513109,530,22348,327,156
50年29,457,025184,564,51074,357,520

50年経つと、JEPQの圧倒的な複利パワーにより、QYLDとの差は約6倍にまで広がります。

一方で、QYLDの安定した月次分配金は、暴落時の買い増し資金として精神的な支えになるのでその点は忘れないようにしておきましょう。

QYLDとJEPQのおすすめの投資比率とそのシミュレーション

目的によって最適な比率は変わりますが、インカムの安定性と資産成長のバランスを取るなら「JEPQ 70%:QYLD 30%」が最適解だとシミュレーション結果でわかりました。

QYLDでベースとなる現金を確保しつつ、JEPQでキャピタルゲインも狙う構成です。

いくつかの比率パターンでの50年シミュレーションを見てみましょう。

QYLDとJEPQのおすすめの投資比率とそのシミュレーション
経過年数保守型(Q 7:J 3)バランス型(Q 5:J 5)攻め型(Q 2:J 8)
5年1,482,8551,538,6241,626,484
10年2,198,8602,367,3642,645,450
15年3,260,6043,642,4854,202,810
20年4,835,0145,604,4117,006,203
25年7,169,5988,623,07411,395,348
30年10,631,44613,267,67818,534,166
35年15,764,95220,413,95230,144,982
40年23,377,20431,409,33949,030,297
45年34,664,92348,327,15679,746,846
50年51,403,11474,357,520129,706,448

攻め型にすればするほど、後半の伸びが凄まじいことになります。

結局のところ、長く続けられる比率が自分にとっての正解です。

QYLDとJEPQの配当比較

2025年の実績(1ドル=150円換算)に基づき、100株保有時の概算月次配当をまとめてみました。

月次配当実績(円換算・100株保有時)

QYLD(円)JEPQ(円)
1月2,6506,320
2月2,7206,450
3月2,5805,980
4月2,6106,120
5月2,7506,840
6月2,6906,550
7月2,7806,710
8月2,5405,850
9月2,6206,210
10月2,7006,400
11月2,6806,380
12月2,7306,520

過去5年の年間配当合計(円換算・100株あたり)

QYLD(円)JEPQ(円)
2021年32,500
2022年31,80058,400
2023年30,20072,500
2024年31,50075,800
2025年32,05076,330

QYLDは株価が低いため、100株あたりの配当額は少なく見えますが、利回りで見ればJEPQと遜色ありません。JEPQは株価上昇に伴い1株あたりの分配金も増額傾向にあるのが魅力的です。

QYLDとJEPQに投資した場合の配当金シミュレーション比較

次に、100万円を投資して放置した場合、毎月の配当金が50年間でどう推移するかを見てみましょう。

増配率をQYLD 0%(維持)、JEPQ 3%と仮定して計算します。

経過年数QYLD毎月配当(円)JEPQ毎月配当(円)
5年8,33311,200
10年8,33312,984
15年8,33315,052
20年8,33317,450
25年8,33320,230
30年8,33323,452
35年8,33327,188
40年8,33331,519
45年8,33336,539
50年8,33342,358

QYLDは分配金が株価の1%程度に上限設定されているため、株価が上がらない限り配当も増えません。一方でJEPQは、企業の成長に伴う増配と株価上昇の恩恵を受けられるます。

今をとるならQYLD将来をより豊かにするならJEPQです。

QYLDとJEPQ、おすすめは?

すでにリタイアが近く、キャッシュフローを最大化したいならQYLDの安定感が好ましいですね。一方で、まだ資産形成期にあり、少しでも資産を大きくしたいならJEPQのほうがいいのではないでしょうか。

観点QYLDJEPQおすすめの選択
収益性中(インカム特化)高(インカム+成長)JEPQ
安定性高(横ばい推移)中(ボラティリティあり)QYLD
経費率0.60%0.35%JEPQ
運用力パッシブアクティブJEPQ
成長性JEPQ

QYLDはボラティリティが低く精神的に楽JEPQはトータルリターンが高いがボラティリティも高いといった感じではないでしょうか。

FAQ(よくある質問)

Q
QYLDとJEPQに投資する本質的なメリットは?
A

市場が横ばい、あるいは緩やかな下落の局面でも、オプションプレミアムによって利益を確保できる点にあります。 通常のインデックス投資では我慢の時間帯を、配当を得る時間帯に変えられるのが最大のメリットですね。

Q
QYLDとJEPQに今から投資するのは遅い?
A

投資に遅いということはありませんが、現在はハイテク株のバリュエーションが高い水準にあります。 一度に大金を投じるのではなく、時間分散して少しずつ積み立てていくのが、おすすめです。

Q
QYLDとJEPQに投資した際の出口戦略は?いつ売ればいい?
A

基本的にはずっと持ち続けるための銘柄ですが、生活資金が必要になった時や、より効率的な新しいETFが登場した時が売り時です。 あるいは、トータルリターンがS&P500を大きく下回り続け、自身の投資目的から外れたら潔く撤退すべきでしょう。

Q
QYLDとJEPQの直近の銘柄入れ替えは?
A

JEPQは月単位でELNの構成や個別株のウェイトを微調整しています。直近では成長が鈍化したレガシーテックを減らし、AIインフラ関連の銘柄を微増させています。 QYLDはナスダック100の構成変更に合わせて自動的にリバランスされるのみです。

Q
QYLDとJEPQが強い局面(相場)と弱い局面は?
A

強いのは緩やかな上昇やボックス圏の相場です。 弱いのは急激な爆騰局面と、暴落局面(元本が大きく削られる)ですね。

Q
QYLDとJEPQのリスクやデメリットをあえて挙げるとしたら?
A

税金効率の悪さです。配当が出るたびに約20〜30%の税金が引かれるため、純粋な資産拡大スピードは配当を出さない投信に劣ります。 それを理解した上で、今使えるお金が欲しい人向けのETFだというわけです。

Q
QYLDとJEPQは実際におすすめできる?やめておいたほうがいい?
A

配当金で生活を豊かにしたいという明確な目的があるなら強くおすすめします。 単に儲かりそうだからという理由なら、VOOやQQQを持っておいた方が無難です。

Q
QYLDとJEPQはどこで買えるか?
A

国内の主要ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)であればどこでも購入可能です。 特にJEPQは最近、新NISAの成長投資枠で購入可能になった証券会社もあり、利便性が高まっています。

まとめ

QYLDとJEPQは、同じNASDAQ100に投資するのですが性質の異なるETFです。

QYLDは安定した分配を、JEPQは成長と分配の両立を狙うという明確な違いがあります。

自身の年齢や投資目的に合わせて、JEPQとQYLDのどちらに投資をするか決めてみてください。

執筆者:ぽこ

投資歴は数十年。数々の市場の暴落と回復の経験から、インデックス投資を中心にしつつ、道楽で個別株への投資をするコアサテライト戦略で運用するのが基本スタイル。焦らずにのんびりゆったり資産形成中。

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