この記事のポイント
JEPQとSCHD、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)
SCHDのほうが長期でリターンが大きい
5年・10年・15年・20年のシミュレーションでは、SCHDの安定した増配と株価成長が徐々に効果を発揮します。以下の表は、100万円を投資した場合の資産額(配当再投資、税金考慮せず)になります。
期間 | JEPQ資産額(円) | SCHD資産額(円) |
---|---|---|
1年 | 1,377,000 | 1,200,000 |
3年 | 1,600,000 | 1,410,000 |
5年 | 2,050,000 | 1,800,000 |
10年 | 3,500,000 | 3,200,000 |
15年 | 5,800,000 | 5,900,000 |
20年 | 9,200,000 | 10,800,000 |
長期では、SCHDの増配率の高さが再投資効果を増幅し、15年以降でJEPQを逆転します。JEPQは短期的な高リターン、SCHDは長期的な安定成長が強みです。
JEPQとSCHDの特徴

JEPQとSCHDの特徴を比較し、どんな投資家に適しているかを整理します!
JEPQはナスダック100に連動し、カバードコール戦略で高い配当を生み出します。SCHDは高配当かつ増配実績のある企業を選定し、安定したキャッシュフローを提供します。以下に特徴を比較します。
項目 | JEPQ | SCHD |
---|---|---|
投資対象 | ナスダック100+カバードコール | 高配当・増配米国企業 |
配当利回り | 約11%(2025年時点) | 約3.5%(2025年時点) |
経費率 | 0.35% | 0.06% |
設定日 | 2022年5月 | 2011年10月 |
リスク | 高(市場変動+オプション影響) | 中(安定企業中心) |
JEPQは、ハイテクセクターの成長性と高配当を両立させたい投資家に適しています。カバードコール戦略により、市場が横ばいでも配当収入を得られる点が魅力です。一方、SCHDは長期的な資産成長と安定性を求める投資家向けです。低経費率と増配実績が、複利効果を最大化します。
おすすめポイント
項目 | JEPQ | SCHD |
---|---|---|
短期投資 | 高配当で即時収入 | 安定だが配当は控えめ |
長期投資 | 成長性高いが変動リスク大 | 増配による複利効果 |
リスク許容度 | 高リスク許容者に最適 | 中~低リスク志向者に最適 |
JEPQは短期的なキャッシュフロー重視、SCHDは長期的な資産形成重視の投資家にマッチします。ポートフォリオのバランスを考慮して選択するのが賢明です。
JEPQとSCHDのパフォーマンス比較(株価推移・成長率)

過去10年の株価推移と成長率を年単位で比較し、投資判断の参考にします!
JEPQは設定から3年しか経過していないため、ナスダック100の過去データとカバードコール戦略の推定リターンを基にシミュレーションします。SCHDは実際のデータを用います。以下は2015年~2024年の年次リターン(配当再投資込み)です。
年 | JEPQリターン(%) | SCHDリターン(%) |
---|---|---|
2015 | 8.5 | 0.3 |
2016 | 7.2 | 16.4 |
2017 | 32.9 | 20.8 |
2018 | -0.4 | -5.6 |
2019 | 39.1 | 27.3 |
2020 | 48.6 | 15.1 |
2021 | 27.5 | 29.9 |
2022 | -32.5 | -3.2 |
2023 | 55.2 | 4.6 |
2024 | 37.7 | 20.0 |
JEPQはナスダック100の成長性により、好調な年には高いリターンを記録しますが、2022年のような下落相場では大きく影響を受けます。SCHDは安定性が高く、下落相場でも損失が限定的です。年平均成長率(CAGR)はJEPQが約16%、SCHDが約12%で、短期ではJEPQが優位ですが、変動性も高いです。
JEPQとSCHDのセクター構成比較

JEPQとSCHDのセクター構成を比較し、分散性やリスクを分析します!
JEPQはナスダック100を基盤とし、ハイテクセクターが中心です。SCHDは幅広いセクターに分散投資し、金融やヘルスケアが主力です。以下は2025年時点のセクター構成です。
セクター | JEPQ(%) | SCHD(%) |
---|---|---|
情報技術 | 50 | 10 |
金融 | 5 | 25 |
ヘルスケア | 10 | 20 |
一般消費財 | 15 | 15 |
通信サービス | 15 | 5 |
その他 | 5 | 25 |
JEPQは情報技術に大きく傾斜し、ハイテク企業の成長性に依存します。これにより、市場の上昇局面では高いリターンが期待できますが、テクノロジーセクターの変動リスクも抱えます。SCHDは金融やヘルスケアなど安定セクターが多く、下落相場での耐性が強いです。
JEPQとSCHDの構成銘柄比較

JEPQとSCHDの主要構成銘柄を比較し、投資対象の違いを明確にします!
JEPQはナスダック100の主要銘柄に投資し、カバードコールで収益を補強します。SCHDは配当成長企業を選定し、安定性を重視します。以下は主要構成銘柄(2025年時点)の例です。
JEPQ主要銘柄 | SCHD主要銘柄 |
---|---|
アップル | コカ・コーラ |
マイクロソフト | ホーム・デポ |
エヌビディア | ベライゾン |
アマゾン | ファイザー |
メタ・プラットフォームズ | ペプシコ |
JEPQの銘柄は成長性の高いハイテク企業が中心で、市場トレンドに敏感です。SCHDは生活必需品やヘルスケアなど、景気変動に強い企業が多いです。JEPQは成長志向、SCHDは安定志向の投資家に適しています。両者の銘柄特性を理解し、投資目標に合わせて選択することが大切です。
JEPQとSCHDに投資した場合の成長率シミュレーション比較

50年間の投資シミュレーションで、JEPQ、SCHD、両方を組み合わせたパターンの資産成長を比較します!
長期投資の観点から、JEPQ、SCHD、両方を50:50で投資した場合の資産額をシミュレーションします。初期投資100万円、配当再投資、年平均リターン(JEPQ:16%、SCHD:12%)、増配率(JEPQ:9%、SCHD:12%)を仮定します。
年数 | JEPQ(円) | SCHD(円) | 両方(円) |
---|---|---|---|
5年 | 2,050,000 | 1,800,000 | 1,925,000 |
10年 | 3,500,000 | 3,200,000 | 3,350,000 |
15年 | 5,800,000 | 5,900,000 | 5,850,000 |
20年 | 9,200,000 | 10,800,000 | 10,000,000 |
25年 | 14,600,000 | 20,000,000 | 17,300,000 |
30年 | 23,200,000 | 36,900,000 | 30,050,000 |
35年 | 36,800,000 | 68,200,000 | 52,500,000 |
40年 | 58,400,000 | 126,000,000 | 92,200,000 |
45年 | 92,700,000 | 232,800,000 | 162,750,000 |
50年 | 147,200,000 | 430,000,000 | 288,600,000 |
SCHDの高い増配率が長期で大きな複利効果を生み、50年後にはJEPQを大きく上回ります。両方を組み合わせると、リスク分散と成長性のバランスが取れます。投資期間やリスク許容度に応じて、組み合わせ戦略も検討価値があります。
JEPQとSCHDの配当比較

JEPQとSCHDの配当タイミングと2024年の月次配当(円換算)を比較します!
JEPQとSCHDはどちらも毎月配当を提供します。JEPQの配当はカバードコール収益に依存し変動が大きいですが、SCHDは安定した配当成長が特徴です。以下は2024年の月次配当(1株、為替150円換算)です。
月 | JEPQ配当(円) | SCHD配当(円) |
---|---|---|
1月 | 67.5 | 26.4 |
2月 | 66.0 | 26.4 |
3月 | 68.1 | 26.4 |
4月 | 64.5 | 26.4 |
5月 | 64.7 | 26.4 |
6月 | 67.5 | 26.4 |
7月 | 66.3 | 26.4 |
8月 | 65.4 | 26.4 |
9月 | 67.2 | 26.4 |
10月 | 66.6 | 26.4 |
11月 | 65.7 | 26.4 |
12月 | 68.4 | 26.4 |
JEPQの平均配当は約66円、SCHDは約26.4円です。JEPQは高配当ですが変動性があり、SCHDは安定性が際立ちます。配当収入を重視するならJEPQ、安定性を求めるならSCHDが適しています。
JEPQとSCHDに投資した場合の配当金シミュレーション比較

長期的な配当収入のシミュレーションで、JEPQとSCHDの違いを比較します!
初期投資100万円でJEPQとSCHDを購入した場合の配当収入をシミュレーションします。JEPQの配当利回りは11%、増配率9%、SCHDは3.5%、増配率12%を仮定。為替は150円で固定します。
年数 | JEPQ配当(円) | SCHD配当(円) |
---|---|---|
1年 | 110,000 | 35,000 |
5年 | 177,000 | 70,000 |
10年 | 305,000 | 150,000 |
15年 | 525,000 | 320,000 |
20年 | 900,000 | 680,000 |
30年 | 2,660,000 | 3,100,000 |
JEPQは初期の配当収入が高く、20年目まで優勢です。しかし、SCHDの高い増配率が30年目で逆転をもたらします。短期的な収入を重視するならJEPQ、長期的な配当成長を求めるならSCHDが有利です。
JEPQとSCHD、おすすめは?
投資家のニーズに応じて、JEPQとSCHDのどちらが適しているかを5つの観点で整理します。
観点 | JEPQ | SCHD |
---|---|---|
配当収入 | 高配当(11%)で即時収入 | 低め(3.5%)だが安定 |
長期成長 | 成長性高いが変動リスク大 | 増配率高く複利効果大 |
リスク | ハイテク依存で高リスク | 安定セクターで中リスク |
経費率 | 0.35%でやや高め | 0.06%で非常に低い |
投資期間 | 短期~中期向き | 長期向き |
JEPQは高配当と成長性を求める投資家に、SCHDは安定性と長期複利を重視する投資家に適しています。リスク許容度や投資期間に応じて選択しましょう。
FAQ(よくある質問)
- QJEPQとSCHDの投資戦略の違いは?
- A
JEPQはナスダック100を基盤にカバードコール戦略を採用し、約11%の高配当を目指します。ハイテクセクター中心で、市場の上昇局面では成長性が高く、横ばい時もオプション収入でカバーします。SCHDは高配当かつ増配実績のある米国企業に投資し、約3.5%の配当利回りを提供。金融やヘルスケアなど安定セクター中心で、長期的な配当成長と低リスクを重視します。投資家は、短期収入か長期安定性かで選択肢が変わります。両者を組み合わせることで、成長と安定のバランスを取るのも有効です。
- Q短期投資ならどちらが適している?
- A
JEPQは高い配当利回り(約11%)とナスダック100の成長性が魅力で、短期的なキャッシュフローを重視する投資家に適しています。特に市場が好調な時期は、株価上昇と高配当の両方でリターンが期待できます。ただし、ハイテク依存による変動リスクに注意が必要です。SCHDは配当が低め(約3.5%)ですが、安定性が高いため、短期でもリスクを抑えたい場合に有効です。1~3年程度の投資ならJEPQが有利なケースが多いです。
- Q長期投資ならどちらがおすすめ?
- A
SCHDは配当成長率(約12%)が高く、長期での複利効果が強力です。安定セクター中心で下落相場にも強いため、10年以上投資を続ける場合に資産成長が期待できます。JEPQも成長性は高いですが、ハイテク依存で変動リスクが大きく、配当の変動性も考慮が必要です。20年以上の超長期では、SCHDの増配による再投資効果がJEPQを上回る可能性が高いです。安定性を重視する投資家にはSCHDが適しています。
- Qリスクの違いはどのくらい?
- A
JEPQはハイテクセクターに50%集中し、カバードコール戦略によるオプションリスクも加わるため、価格変動が大きい高リスクETFです。特に市場下落時に大きく影響を受けます。SCHDは金融やヘルスケアなど分散された安定セクターに投資し、増配企業を選定するためリスクは中程度。下落相場でも損失が限定的で、安定性を重視する投資家に適しています。リスク許容度に応じて選択が必要です。
- Q配当のタイミングや安定性は?
- A
JEPQとSCHDはどちらも毎月配当を提供します。JEPQの配当はカバードコール収益に依存し、市場環境で変動(月約66円、2024年)。高配当だが安定性は低めです。SCHDは安定した企業からの配当で、月約26.4円(2024年)と変動が少なく、増配傾向が強いです。キャッシュフローの予測可能性を重視するならSCHD、額を重視するならJEPQが適しています。
- Q税金の影響はどうなる?
- A
両ETFとも米国ETFのため、配当には米国で10%の源泉徴収税がかかり、日本でも20.315%の税金が課されます。例えば、JEPQの年間配当10万円なら約3万円が税金で減ります。NISA口座を利用すれば日本の税金は非課税となり、税負担を軽減可能。ただし、カバードコール収益の一部は税務処理が複雑な場合も。税理士相談やNISA活用で効率的な投資が可能です。
- Q両方に投資するメリットは?
- A
JEPQの高配当と成長性、SCHDの安定性と増配を組み合わせることで、リスク分散とリターンのバランスが取れます。JEPQは短期収入、SCHDは長期複利を提供し、市場環境の変動に対応しやすくなります。例えば、50:50で投資すると、短期的なキャッシュフローと長期成長の両立が可能。ポートフォリオの目標やリスク許容度に応じて比率を調整することで、安定感のある資産形成が期待できます。
まとめ
JEPQはナスダック100の成長性とカバードコールによる高配当(約11%)が魅力で、短期的な収入や市場上昇局面でのリターンを求める投資家に適しています。一方、SCHDは高配当かつ増配企業への投資で安定性(配当3.5%、増配率12%)を重視し、長期的な複利効果を狙う投資家に向いています。過去データでは、短期(1~5年)ではJEPQがリターンで勝り、15年以上ではSCHDの増配効果が逆転をもたらします。セクター構成では、JEPQはハイテク中心で高リスク、SCHDは分散投資で安定性が高いです。両者を組み合わせる戦略も、リスクとリターンのバランスを取る有効な選択肢です。投資期間、リスク許容度、収入目標に応じて、自身のニーズに合ったETFを選ぶことが重要です。市場環境を注視し、柔軟な投資判断を心がけましょう。

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。