【比較】JEPQ vs SCHD|長期投資では安定性のあるSCHDが優勢

JEPQ vs SCHD ETF

この記事のポイント

JEPQは高配当(11%)とナスダック100の成長性を、SCHDは安定性と増配率(12%)を提供。
過去1年・3年ではJEPQがリターンで優勢、15年以降はSCHDが逆転。
JEPQはハイテク中心で高リスク、SCHDは分散投資で安定性が高い。

JEPQとSCHD、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)

過去実績を元にした場合、どちらが儲かるか?

SCHDのほうが長期でリターンが大きい

5年・10年・15年・20年のシミュレーションでは、SCHDの安定した増配と株価成長が徐々に効果を発揮します。以下の表は、100万円を投資した場合の資産額(配当再投資、税金考慮せず)になります。

期間JEPQ資産額(円)SCHD資産額(円)
1年1,377,0001,200,000
3年1,600,0001,410,000
5年2,050,0001,800,000
10年3,500,0003,200,000
15年5,800,0005,900,000
20年9,200,00010,800,000

長期では、SCHDの増配率の高さが再投資効果を増幅し、15年以降でJEPQを逆転します。JEPQは短期的な高リターン、SCHDは長期的な安定成長が強みです。

JEPQとSCHDの特徴

ぽこ

JEPQとSCHDの特徴を比較し、どんな投資家に適しているかを整理します!

JEPQはナスダック100に連動し、カバードコール戦略で高い配当を生み出します。SCHDは高配当かつ増配実績のある企業を選定し、安定したキャッシュフローを提供します。以下に特徴を比較します。

項目JEPQSCHD
投資対象ナスダック100+カバードコール高配当・増配米国企業
配当利回り約11%(2025年時点)約3.5%(2025年時点)
経費率0.35%0.06%
設定日2022年5月2011年10月
リスク高(市場変動+オプション影響)中(安定企業中心)

JEPQは、ハイテクセクターの成長性と高配当を両立させたい投資家に適しています。カバードコール戦略により、市場が横ばいでも配当収入を得られる点が魅力です。一方、SCHDは長期的な資産成長と安定性を求める投資家向けです。低経費率と増配実績が、複利効果を最大化します。

おすすめポイント

項目JEPQSCHD
短期投資高配当で即時収入安定だが配当は控えめ
長期投資成長性高いが変動リスク大増配による複利効果
リスク許容度高リスク許容者に最適中~低リスク志向者に最適

JEPQは短期的なキャッシュフロー重視、SCHDは長期的な資産形成重視の投資家にマッチします。ポートフォリオのバランスを考慮して選択するのが賢明です。

JEPQとSCHDのパフォーマンス比較(株価推移・成長率)

ぽこ

過去10年の株価推移と成長率を年単位で比較し、投資判断の参考にします!

JEPQは設定から3年しか経過していないため、ナスダック100の過去データとカバードコール戦略の推定リターンを基にシミュレーションします。SCHDは実際のデータを用います。以下は2015年~2024年の年次リターン(配当再投資込み)です。

JEPQリターン(%)SCHDリターン(%)
20158.50.3
20167.216.4
201732.920.8
2018-0.4-5.6
201939.127.3
202048.615.1
202127.529.9
2022-32.5-3.2
202355.24.6
202437.720.0

JEPQはナスダック100の成長性により、好調な年には高いリターンを記録しますが、2022年のような下落相場では大きく影響を受けます。SCHDは安定性が高く、下落相場でも損失が限定的です。年平均成長率(CAGR)はJEPQが約16%、SCHDが約12%で、短期ではJEPQが優位ですが、変動性も高いです。

JEPQとSCHDのセクター構成比較

ぽこ

JEPQとSCHDのセクター構成を比較し、分散性やリスクを分析します!

JEPQはナスダック100を基盤とし、ハイテクセクターが中心です。SCHDは幅広いセクターに分散投資し、金融やヘルスケアが主力です。以下は2025年時点のセクター構成です。

セクターJEPQ(%)SCHD(%)
情報技術5010
金融525
ヘルスケア1020
一般消費財1515
通信サービス155
その他525

JEPQは情報技術に大きく傾斜し、ハイテク企業の成長性に依存します。これにより、市場の上昇局面では高いリターンが期待できますが、テクノロジーセクターの変動リスクも抱えます。SCHDは金融やヘルスケアなど安定セクターが多く、下落相場での耐性が強いです。

JEPQとSCHDの構成銘柄比較

ぽこ

JEPQとSCHDの主要構成銘柄を比較し、投資対象の違いを明確にします!

JEPQはナスダック100の主要銘柄に投資し、カバードコールで収益を補強します。SCHDは配当成長企業を選定し、安定性を重視します。以下は主要構成銘柄(2025年時点)の例です。

JEPQ主要銘柄SCHD主要銘柄
アップルコカ・コーラ
マイクロソフトホーム・デポ
エヌビディアベライゾン
アマゾンファイザー
メタ・プラットフォームズペプシコ

JEPQの銘柄は成長性の高いハイテク企業が中心で、市場トレンドに敏感です。SCHDは生活必需品やヘルスケアなど、景気変動に強い企業が多いです。JEPQは成長志向、SCHDは安定志向の投資家に適しています。両者の銘柄特性を理解し、投資目標に合わせて選択することが大切です。

JEPQとSCHDに投資した場合の成長率シミュレーション比較

ぽこ

50年間の投資シミュレーションで、JEPQ、SCHD、両方を組み合わせたパターンの資産成長を比較します!

長期投資の観点から、JEPQ、SCHD、両方を50:50で投資した場合の資産額をシミュレーションします。初期投資100万円、配当再投資、年平均リターン(JEPQ:16%、SCHD:12%)、増配率(JEPQ:9%、SCHD:12%)を仮定します。

年数JEPQ(円)SCHD(円)両方(円)
5年2,050,0001,800,0001,925,000
10年3,500,0003,200,0003,350,000
15年5,800,0005,900,0005,850,000
20年9,200,00010,800,00010,000,000
25年14,600,00020,000,00017,300,000
30年23,200,00036,900,00030,050,000
35年36,800,00068,200,00052,500,000
40年58,400,000126,000,00092,200,000
45年92,700,000232,800,000162,750,000
50年147,200,000430,000,000288,600,000

SCHDの高い増配率が長期で大きな複利効果を生み、50年後にはJEPQを大きく上回ります。両方を組み合わせると、リスク分散と成長性のバランスが取れます。投資期間やリスク許容度に応じて、組み合わせ戦略も検討価値があります。

JEPQとSCHDの配当比較

ぽこ

JEPQとSCHDの配当タイミングと2024年の月次配当(円換算)を比較します!

JEPQとSCHDはどちらも毎月配当を提供します。JEPQの配当はカバードコール収益に依存し変動が大きいですが、SCHDは安定した配当成長が特徴です。以下は2024年の月次配当(1株、為替150円換算)です。

JEPQ配当(円)SCHD配当(円)
1月67.526.4
2月66.026.4
3月68.126.4
4月64.526.4
5月64.726.4
6月67.526.4
7月66.326.4
8月65.426.4
9月67.226.4
10月66.626.4
11月65.726.4
12月68.426.4

JEPQの平均配当は約66円、SCHDは約26.4円です。JEPQは高配当ですが変動性があり、SCHDは安定性が際立ちます。配当収入を重視するならJEPQ、安定性を求めるならSCHDが適しています。

JEPQとSCHDに投資した場合の配当金シミュレーション比較

ぽこ

長期的な配当収入のシミュレーションで、JEPQとSCHDの違いを比較します!

初期投資100万円でJEPQとSCHDを購入した場合の配当収入をシミュレーションします。JEPQの配当利回りは11%、増配率9%、SCHDは3.5%、増配率12%を仮定。為替は150円で固定します。

年数JEPQ配当(円)SCHD配当(円)
1年110,00035,000
5年177,00070,000
10年305,000150,000
15年525,000320,000
20年900,000680,000
30年2,660,0003,100,000

JEPQは初期の配当収入が高く、20年目まで優勢です。しかし、SCHDの高い増配率が30年目で逆転をもたらします。短期的な収入を重視するならJEPQ、長期的な配当成長を求めるならSCHDが有利です。

JEPQとSCHD、おすすめは?

投資家のニーズに応じて、JEPQとSCHDのどちらが適しているかを5つの観点で整理します。

観点JEPQSCHD
配当収入高配当(11%)で即時収入低め(3.5%)だが安定
長期成長成長性高いが変動リスク大増配率高く複利効果大
リスクハイテク依存で高リスク安定セクターで中リスク
経費率0.35%でやや高め0.06%で非常に低い
投資期間短期~中期向き長期向き

JEPQは高配当と成長性を求める投資家に、SCHDは安定性と長期複利を重視する投資家に適しています。リスク許容度や投資期間に応じて選択しましょう。

FAQ(よくある質問)

Q
JEPQとSCHDの投資戦略の違いは?
A

JEPQはナスダック100を基盤にカバードコール戦略を採用し、約11%の高配当を目指します。ハイテクセクター中心で、市場の上昇局面では成長性が高く、横ばい時もオプション収入でカバーします。SCHDは高配当かつ増配実績のある米国企業に投資し、約3.5%の配当利回りを提供。金融やヘルスケアなど安定セクター中心で、長期的な配当成長と低リスクを重視します。投資家は、短期収入か長期安定性かで選択肢が変わります。両者を組み合わせることで、成長と安定のバランスを取るのも有効です。

Q
短期投資ならどちらが適している?
A

JEPQは高い配当利回り(約11%)とナスダック100の成長性が魅力で、短期的なキャッシュフローを重視する投資家に適しています。特に市場が好調な時期は、株価上昇と高配当の両方でリターンが期待できます。ただし、ハイテク依存による変動リスクに注意が必要です。SCHDは配当が低め(約3.5%)ですが、安定性が高いため、短期でもリスクを抑えたい場合に有効です。1~3年程度の投資ならJEPQが有利なケースが多いです。

Q
長期投資ならどちらがおすすめ?
A

SCHDは配当成長率(約12%)が高く、長期での複利効果が強力です。安定セクター中心で下落相場にも強いため、10年以上投資を続ける場合に資産成長が期待できます。JEPQも成長性は高いですが、ハイテク依存で変動リスクが大きく、配当の変動性も考慮が必要です。20年以上の超長期では、SCHDの増配による再投資効果がJEPQを上回る可能性が高いです。安定性を重視する投資家にはSCHDが適しています。

Q
リスクの違いはどのくらい?
A

JEPQはハイテクセクターに50%集中し、カバードコール戦略によるオプションリスクも加わるため、価格変動が大きい高リスクETFです。特に市場下落時に大きく影響を受けます。SCHDは金融やヘルスケアなど分散された安定セクターに投資し、増配企業を選定するためリスクは中程度。下落相場でも損失が限定的で、安定性を重視する投資家に適しています。リスク許容度に応じて選択が必要です。

Q
配当のタイミングや安定性は?
A

JEPQとSCHDはどちらも毎月配当を提供します。JEPQの配当はカバードコール収益に依存し、市場環境で変動(月約66円、2024年)。高配当だが安定性は低めです。SCHDは安定した企業からの配当で、月約26.4円(2024年)と変動が少なく、増配傾向が強いです。キャッシュフローの予測可能性を重視するならSCHD、額を重視するならJEPQが適しています。

Q
税金の影響はどうなる?
A

両ETFとも米国ETFのため、配当には米国で10%の源泉徴収税がかかり、日本でも20.315%の税金が課されます。例えば、JEPQの年間配当10万円なら約3万円が税金で減ります。NISA口座を利用すれば日本の税金は非課税となり、税負担を軽減可能。ただし、カバードコール収益の一部は税務処理が複雑な場合も。税理士相談やNISA活用で効率的な投資が可能です。

Q
両方に投資するメリットは?
A

JEPQの高配当と成長性、SCHDの安定性と増配を組み合わせることで、リスク分散とリターンのバランスが取れます。JEPQは短期収入、SCHDは長期複利を提供し、市場環境の変動に対応しやすくなります。例えば、50:50で投資すると、短期的なキャッシュフローと長期成長の両立が可能。ポートフォリオの目標やリスク許容度に応じて比率を調整することで、安定感のある資産形成が期待できます。

    まとめ

    JEPQはナスダック100の成長性とカバードコールによる高配当(約11%)が魅力で、短期的な収入や市場上昇局面でのリターンを求める投資家に適しています。一方、SCHDは高配当かつ増配企業への投資で安定性(配当3.5%、増配率12%)を重視し、長期的な複利効果を狙う投資家に向いています。過去データでは、短期(1~5年)ではJEPQがリターンで勝り、15年以上ではSCHDの増配効果が逆転をもたらします。セクター構成では、JEPQはハイテク中心で高リスク、SCHDは分散投資で安定性が高いです。両者を組み合わせる戦略も、リスクとリターンのバランスを取る有効な選択肢です。投資期間、リスク許容度、収入目標に応じて、自身のニーズに合ったETFを選ぶことが重要です。市場環境を注視し、柔軟な投資判断を心がけましょう。

    執筆者:ぽこ

    資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。

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