この記事のポイント
インベスコ世界厳選株式オープン(世界のベスト)は近年人気が急上昇中の投資信託。毎月分配金を安定して出すことから人気となっており、S&P500、オルカンに次ぐ人気商品となっている
近年の実績からのシミュレーション結果は悪くない数値になったが、分配金がでなくなるリスクや運用費用が高いことなども考慮して投資をしたほうがいい商品
ちまたで「やめとけ」と言われることが多いが、注意点を理解し、目的をもって投資する分には良い商品
インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)「世界のベスト」とは?
インベスコ・アセット・マネジメントが運用する投資信託の一つで、世界中の株式市場から厳選された企業に投資し、為替を含めたリターンを狙う商品です。
ここ数年の投資信託ランキングで上位5位以内に入る人気の投資信託となっています。
投資信託売れ筋ランキング
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型
- インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)(世界のベスト)
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(SBI・V・S&P500)
※ 2021年8月~2024年7月の投資信託売れ筋ランキングデータ(みんかぶ)
S&P500やオルカンについでランクインしているような人気商品になっています。
人気の理由は「毎月決算型」です。
月に1回、分配金を受け取れるという点に惹かれて購入者が増加しています。
基礎情報
投資先 | 全世界 |
基準価額 | 9,256円 |
純資産額 | 14,484億円 |
直近分配金 | 150円 |
決算回数 | 毎月 |
管理費用 | 1.903% |
純資産額が約1.5兆円と相当な規模となっています。
分配金は150円ですが、安定して出しているので、年率にすると配当率(分配率)が15%超え。
一方で管理費用は高く、他のS&P500やオルカンの投資信託と比べると相当高く設定されています。
組入銘柄
銘柄 | 比率 | ||
---|---|---|---|
3iグループ | 5.20% | ||
マイクロソフト | 5.00% | ||
ユナイテッドヘルス・グループ | 4.50% | ||
テキサス・インスツルメンツ | 3.70% | ||
ロールス・ロイス・ホールディングス | 3.70% | ||
ユニオン・パシフィック | 3.60% | ||
インターコンチネンタル・エクスチェンジ | 3.10% | ||
コカ・コーラ・ユーロパシフィック・パートナーズ | 3.10% | ||
アゼリス・グループ | 3.00% | ||
ロンドン証券取引所グループ | 3.00% |
北米への投資比率が52%と高くなっており、ついで欧州への投資が40%となっております。
全世界への分散投資をしている点も人気の点なのかもしれません。
ちなみに、3iグループは、イギリスを拠点とする大手プライベートエクイティおよびベンチャーキャピタルの企業で、1945年に設立された歴史ある会社です。
インベスコ世界厳選株式オープン(世界のベスト)の値動き
グラフの頭で大きく値下がりをしていますが、そこからは比較的安定した推移となっております。分配金でのリターンが基本でキャピタルゲインはそこまで狙うのには適してない商品であることがわかります。
分配金の履歴
1回だけ300円がでていますが、あとはずっと150円となっています。
毎月継続的に分配金を出し続けているという点にも注目で、元本払戻金もありつつも、この手の毎月決算型においてはめずらしいです。
元本払戻金とは
投資家が受け取る配当金や分配金の一部が、その投資の元本から払い戻されること。元本払戻金は、通常の配当金や利子所得とは異なり、税務上は利益と見なされず、所得税の課税対象にはならない。ただし、元本払戻金を受け取ることで、その投資の取得価格は下がる。
インベスコ世界厳選株式オープン(世界のベスト)のリターン
2021年、23年は値動きも配当金のリターンも大きく伸びている一方で、2020年と2022年は値動きのマイナスで配当金リターンが帳消しになっています。元本払戻金があることも考えると、2020年と22年はトータルでマイナスになっている可能性が高いです。
長期保有するに際しては、毎年安定しているわけではないということを理解しておいたほうがいいですね。
インベスコ世界厳選株式オープン(世界のベスト)のシミュレーション
シミュレーション詳細
- 値動きにおける年率リターンは、-4.38% (過去実績を使用)
- 分配金の年率リターンは、20%
- 管理費用は、1.9%
- 初期投資金額は10万円で、毎月10万円ずつ積み立てる
10万からスタートし、100万円を積み立てていれているため、10年間で約130万増えていることになります。
アクティブファンドでありS&P500指数でのインデックスファンドとは異なり、過去の運用年数も少ないため、今後の保証度合いは低いですが、シミュレーションにおいてはそこまで悪くない数値だと思います。
よく言われているように、老後においける毎月の生活費にあてるための投資としてはかなり優秀なのではないでしょうか。
注意点・気をつけたほうがいい点
- 運用費用が高いこと
- キャピタルゲインは狙えないと思ったほうがいいこと
- 分配金が今後も安定してでるとは限らないこと
- 分配金には元本払戻金も含まれていること
主にはこの4点になります。
これらの点を理解したうえで投資をする分には、悪くない商品です。
まとめ
インベスコ世界厳選株式オープン(世界のベスト)は、人気商品なだけあって、比較的高いリターンを期待することができる。ただし、直近数年においてのみな可能性もあり、今後のリターンが保証されるわけではないです。
運用費用や元本払戻金があるなどの注意点を理解したうえで投資することをおすすめします。
資産運用に興味がある恐竜。いろんな国や商品に投資。投資歴はまあまあ長め。基軸はインデックス投資での運用。短期売買はあまりせず、長期目線での投資をコツコツと。