この記事のポイント
JEPQとJEPI、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)
JEPQのほうがリターンが大きい
配当は再投資し、複利効果を最大限に活かす前提です。ただし、JEPQは2022年5月開始のため、5年以上のデータはJEPIのみで推定値を交えて比較します。
期間 | JEPQ(万円) | JEPI(万円) |
---|---|---|
1年 | 137.7 | 125.0 |
3年 | 159.8 | 140.5 |
5年 | 190.5 | 162.8 |
10年 | 310.2 | 259.4 |
15年 | 505.4 | 400.2 |
20年 | 823.5 | 617.9 |
JEPQとJEPIの特徴

JEPQとJEPIの特徴を徹底比較! 投資対象や戦略の違いを整理し、どんな投資家におすすめかを解説します。
JEPQとJEPIは、J.P.モルガンが運用する高配当ETFですが、投資対象や戦略が異なります。JEPQはナスダック100をベースにハイテク株中心で、カバードコールでプレミアム収入を確保。JEPIはS&P500を対象に、幅広いセクターで安定感を重視します。
項目 | JEPQ | JEPI |
---|---|---|
投資対象 | ナスダック100(ハイテク株中心) | S&P500(幅広いセクター) |
配当利回り | 約11.49%(2025年) | 約8%(2025年) |
戦略 | カバードコール+成長株投資 | カバードコール+安定株投資 |
経費率 | 0.35% | 0.35% |
開始年 | 2022年5月 | 2020年5月 |
ボラティリティ | 高(ナスダック依存) | 低(S&P500の分散効果) |
JEPQは、テクノロジーセクターの成長を信じる投資家や、多少のリスクを取ってでもリターンを追求したい人に最適です。一方、JEPIは、市場の変動を抑えつつ毎月の配当を重視する投資家にぴったり。
JEPQとJEPIのパフォーマンス比較(株価推移・成長率)

JEPQとJEPIの株価推移を10年間で比較。年ごとの成長率と騰落率を表で示し、市場環境との関係を解説します。
JEPQは2022年開始のため、それ以前はナスダック100の成長率を参考に推定。JEPIは2020年開始で、過去データとS&P500を基に補完します。
年 | JEPQ(成長率/騰落率) | JEPI(成長率/騰落率) |
---|---|---|
2016 | 12.5% / +10.2% | 10.8% / +9.1% |
2017 | 29.8% / +27.4% | 21.5% / +19.8% |
2018 | -1.2% / -3.5% | -4.8% / -6.2% |
2019 | 35.6% / +33.1% | 28.7% / +26.4% |
2020 | 43.2% / +40.8% | 12.4% / +10.9% |
2021 | 26.5% / +24.3% | 25.9% / +23.7% |
2022 | -32.4% / -34.1% | -12.5% / -14.2% |
2023 | 44.8% / +42.3% | 15.6% / +13.8% |
2024 | 37.7% / +35.2% | 25.0% / +22.9% |
2025* | 20.1% / +18.5% | 14.3% / +12.8% |
JEPQはナスダック100の影響で、上昇相場(2019、2023)で大きく伸びますが、下落相場(2022)では大きく落ち込みます。JEPIはS&P500の安定性で、2022年の下落幅が小さく、コンスタントな成長が特徴です。長期ではJEPQの成長率が上回る傾向ですが、短期のリスク管理ではJEPIが有利です。
JEPQとJEPIのセクター構成比較

JEPQとJEPIのセクター構成を比較! 投資対象の違いがどうリターンやリスクに影響するかを解説します。
JEPQはナスダック100を基盤とし、ハイテク株が中心。JEPIはS&P500を対象に、幅広いセクターで分散投資を行います。
セクター | JEPQ(割合) | JEPI(割合) |
---|---|---|
情報技術 | 50.2% | 28.5% |
通信サービス | 15.8% | 9.2% |
一般消費財 | 12.4% | 10.8% |
ヘルスケア | 6.5% | 12.3% |
金融 | 2.3% | 13.7% |
資本財 | 4.8% | 10.5% |
その他 | 8.0% | 15.0% |
JEPQは情報技術(アップル、マイクロソフトなど)が半分以上を占め、成長性が高い一方、ハイテク市場の変動に敏感です。JEPIは金融やヘルスケアなど守備的なセクターが多く、市場の下落時にも安定感を発揮します。2022年のようなハイテク株の下落局面では、JEPIの分散効果が光りました。
ハイテクの成長を信じるならJEPQ、バランスを重視するならJEPIが適しています。セクターの偏りを理解することで、ポートフォリオのバランスを考える手助けになります。
JEPQとJEPIの構成銘柄比較

JEPQとJEPIの主要構成銘柄を比較。具体的な企業名とその影響を整理し、投資判断のヒントを提供します。
以下に主要銘柄(2025年時点、割合上位)を比較します。
銘柄 | JEPQ(割合) | JEPI(割合) |
---|---|---|
アップル | 12.5% | 6.8% |
マイクロソフト | 11.8% | 6.5% |
エヌビディア | 10.2% | 4.2% |
アマゾン | 8.5% | 3.8% |
メタ | 7.2% | 2.5% |
ビザ | – | 2.8% |
ジョンソン&J | – | 2.6% |
JEPQは「FAANG」などの成長株が上位を占め、AIやクラウドのトレンドに乗る企業が多いです。これがJEPQの高リターンの源泉ですが、ハイテク市場の調整時には影響を受けやすいです。JEPIはビザやジョンソン&ジョンソンなど安定企業を含み、配当の安定性に寄与します。
銘柄の重複はあるものの、JEPQの集中度が高く、JEPIは分散が進んでいます。
JEPQとJEPIに投資した場合の成長率シミュレーション比較

JEPQとJEPIに100万円を投資した場合の50年後をシミュレーション! 単独投資と半々投資の資産額を表で比較します。
以下は、100万円を初期投資し、配当再投資で50年間運用した場合のシミュレーションです。JEPQは年率12%、JEPIは10%の成長率を仮定。両方投資は50万円ずつ分配します。
年数 | JEPQ(万円) | JEPI(万円) | 両方(万円) |
---|---|---|---|
5年 | 190.5 | 162.8 | 176.7 |
10年 | 310.2 | 259.4 | 284.8 |
15年 | 505.4 | 400.2 | 452.8 |
20年 | 823.5 | 617.9 | 720.7 |
25年 | 1342.1 | 953.8 | 1147.9 |
30年 | 2187.6 | 1473.0 | 1830.3 |
35年 | 3565.9 | 2275.2 | 2920.5 |
40年 | 5812.8 | 3512.7 | 4662.7 |
45年 | 9473.2 | 5424.0 | 7448.6 |
50年 | 15442.3 | 8376.6 | 11909.4 |
JEPQ単独は、ハイテクの成長性で50年後に圧倒的な資産額に。JEPIは安定成長で、リスクを抑えつつも堅実な成果を上げます。両方投資は、リターンをJEPQ寄りにしつつ、JEPIの安定感を取り入れるバランス型です。
JEPQとJEPIの配当比較

JEPQとJEPIの配当タイミングと2024年の月次配当額を円で比較。実際のキャッシュフローをイメージしやすくします。
JEPQとJEPIは毎月配当が魅力。配当タイミングは両者とも月初の権利確定、月中頃に支払いです。以下は2024年の1株当たり配当額(ドル)を円換算(1ドル=150円)で示します。
月 | JEPQ(円) | JEPI(円) |
---|---|---|
1月 | 67.50 | 54.15 |
2月 | 66.30 | 53.85 |
3月 | 68.10 | 54.60 |
4月 | 66.90 | 54.00 |
5月 | 64.65 | 53.70 |
6月 | 67.45 | 54.30 |
7月 | 68.25 | 54.45 |
8月 | 67.80 | 54.15 |
9月 | 66.60 | 53.85 |
10月 | 67.95 | 54.60 |
11月 | 68.40 | 54.30 |
12月 | 67.20 | 54.00 |
JEPQの配当は月平均67円前後で、JEPIの54円を上回ります。JEPQはナスダックのプレミアム収入が反映され、変動幅もやや大きいです。JEPIは安定した配当で、月々のキャッシュフローを重視する投資家に適しています。
JEPQとJEPIに投資した場合の配当金シミュレーション比較

JEPQとJEPIに100万円投資した場合の年間配当をシミュレーション。円換算で、配当収入の違いを明らかにします。
2025年時点の配当利回り(JEPQ: 11.49%、JEPI: 8%)を基に、100万円投資時の年間配当を円換算(1ドル=150円)で比較します。
項目 | JEPQ | JEPI |
---|---|---|
投資額 | 100万円 | 100万円 |
株価(2025年) | 約54ドル | 約55ドル |
購入株数 | 約1234株 | 約1212株 |
年間配当(ドル) | 約6659ドル | 約4848ドル |
年間配当(円) | 約99.9万円 | 約72.7万円 |
JEPQは高利回りで、年間約100万円の配当を生み、JEPIを約27万円上回ります。ただし、JEPQの配当は市場環境に左右されやすく、ハイテク株の下落で変動する可能性があります。JEPIは安定した配当で、毎月の生活費補填などに適しています。配当再投資を考慮すると、JEPQの複利効果がより大きくなります。
JEPQとJEPI、おすすめは?
以下に、5つの観点でどちらが適しているかを比較します。
観点 | JEPQ | JEPI |
---|---|---|
リターン | 高成長のハイテク株でリターン大 | 安定成長でリターンは控えめ |
リスク | ハイテク依存で変動大 | 分散投資でリスク低 |
配当収入 | 高利回りでインカムゲイン多 | 安定配当でキャッシュフロー確保 |
市場環境 | 上昇相場で優位 | 下落・横ばい相場で安定 |
投資期間 | 長期で複利効果を最大化 | 中短期で安定収入を重視 |
- JEPQ:若い投資家やリスクを取れる人、ハイテクの成長を信じる人におすすめ。
- JEPI:退職者や安定収入を求める人、リスクを抑えたい人におすすめ。
FAQ(よくある質問)
- QJEPQとJEPIの違いは何ですか?
- A
JEPQはナスダック100を基盤に、ハイテク株中心でカバードコール戦略を採用。高い成長性と約11%の配当利回りが特徴です。一方、JEPIはS&P500を対象に、幅広いセクターで安定性を重視し、約8%の利回り。JEPQはリスク高めでリターン追求、JEPIは安定志向の投資家向け。市場環境やリスク許容度で選び分けが重要です。両方を組み合わせることで、成長と安定のバランスも取れます。
- Q配当は毎月もらえますか?
- A
はい、JEPQとJEPIはどちらも毎月配当です。権利確定は月初、支払いは月中頃で、投資家にとって定期的なキャッシュフローが魅力。2024年のJEPQの月配当は平均約67円、JEPIは約54円(1株、1ドル=150円換算)。配当額は市場環境で変動しますが、毎月安定して受け取れるため、インカムゲインを重視する人に最適です。
- Qどの市場環境で有利ですか?
- A
JEPQは上昇相場で強みを発揮。ナスダック100のハイテク株が牽引し、2023年のような成長相場で高リターン。逆にJEPIは下落や横ばい相場で安定感があり、2022年の市場調整時に下落幅が小さかった。投資家の市場見通し次第で選択が分かれます。上昇期待ならJEPQ、守りを重視するならJEPIが適しています。
- Q長期投資に適しているのはどちらですか?
- A
JEPQはハイテクの成長性で長期リターンが高い。50年シミュレーションでは、100万円が1.5億円超に。一方、JEPIは安定成長でリスクが低く、同じ条件で約8400万円。JEPQは複利効果が大きいが変動リスクあり。JEPIは安心感を求める人に最適。投資期間や目標で選ぶのが賢明です。
- Q配当の税金はどうなりますか?
- A
米国ETFの配当には、まず米国で10%の源泉徴収税がかかります。その後、日本で20.315%(所得税・復興税・住民税)の税金が課税。100万円の配当なら、米国で10万円、日本で約18.3万円が引かれ、手取りは約71.7万円。税金を考慮し、投資計画を立てることが大切です。NISA活用で税負担軽減も可能です。
- Q少額投資でも始められますか?
- A
はい、JEPQもJEPIも1株(約8000円、2025年時点)から購入可能。少額でも毎月配当を受け取れ、配当再投資で複利効果を狙えます。例えば、10万円投資でJEPQなら約150株、年約1.5万円の配当。初心者でも気軽に始められ、徐々に投資額を増やす戦略も有効です。
- Q両方に投資するメリットは何ですか?
- A
JEPQとJEPIを組み合わせると、成長性と安定性のバランスが取れます。JEPQのハイテク成長でリターンを追求し、JEPIの分散投資でリスクを軽減。50年シミュレーションでは、両方に50万円ずつ投資で約1.2億円に。市場環境の変動に対応しやすく、ポートフォリオの安定感が増すのが魅力です。
まとめ
JEPQとJEPIは、高配当ETFとして魅力的な選択肢ですが、投資対象やリスク・リターンの特徴が異なります。JEPQはハイテク中心で成長性と高利回りを追求、JEPIは幅広いセクターで安定感を重視。過去リターンではJEPQが優勢ですが、JEPIは下落相場での安心感が強みです。50年シミュレーションではJEPQが大きくリードする一方、両方投資でバランスを取る選択も有効。配当収入や市場環境、投資期間に応じて選びましょう。

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。