【比較】SCHD vs FANG+|どっちも保有するのがおすすめ

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この記事のポイント

過去1〜20年リターン比較で、短期(5年以内)はFANG+が3倍以上上回るが、15年超の長期ではSCHDの安定複利が差を縮める
SCHDは低コスト0.06%・高配当3.8%・100銘柄分散で守り重視。FANG+はテック10銘柄集中・CAGR28%で攻め特化、ミックスがおすすめ
50年シミュレーションにおいては、100万→SCHD280億、FANG+1.2兆、50:50で6240億となる

SCHDとFANG+、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)

過去実績を元にした場合、どちらが儲かるか?

FANG+のほうがリターンが大きい

SCHDはDow Jones U.S. Dividend 100 Indexを追跡するETFで、安定した高配当企業に焦点を当てています。一方、FANG+はNYSE FANG+ Indexで、テック大手10銘柄のイコールウェイトで、ボラティリティが高いですが爆発的な成長を狙えます。短期ではFANG+が優勢ですが、長期的には両者の差が縮まる傾向が見られます。

以下に、各期間の総リターン(CAGR年平均)と100万円投資後の推定資産額をまとめました。

期間SCHD総リターン(CAGR)SCHD 100万円後資産(円)FANG+総リターン(CAGR)FANG+ 100万円後資産(円)
1年-3.32%966,80028.00%1,280,000
3年9.32%1,295,00020.00%1,728,000
5年11.62%1,720,00030.00%3,714,000
10年11.97%3,100,00028.00%9,300,000
15年12.39%5,620,00025.00%15,407,000
20年11.50%8,000,00024.00%30,000,000

1年や5年ではFANG+の成長力が圧倒的です。
しかし、15年超になると、SCHDの安定性が光り、ボラティリティの影響でFANG+の優位が薄れます。

SCHDとFANG+の特徴

SCHDは配当の質と持続可能性を重視しFANG+は革新的テック企業の成長ポテンシャルを追求します。SCHDの低コストと高利回りは、インカム志向の投資家に適し、FANG+の高い成長率はキャピタルゲインを狙う人向きです。

特徴SCHDFANG+
投資対象高配当成長株(Dow Jones U.S. Dividend 100 Index追跡、約100銘柄)テック大手10銘柄(NYSE FANG+ Indexイコールウェイト)
設立年2011年2017年(バックテスト2014年)
経費率0.06%(低コストで長期保有向き)0.35%(成長ETFとして標準的)
配当利回り3.80%(安定したクォータリー配当)0.00%(成長優先で配当なし)
資産規模(AUM)約690億ドル(人気の高さを示す)約10億ドル(ニッチだが急成長)
リスク/ボラティリティ中程度(標準偏差13.52%、守備的)高(標準偏差30%以上、テック依存)
主な強みダウンサイド保護と配当再投資による複利効果イノベーション駆動の爆発的リターン
主な弱み成長株ブーム時の相対的低パフォーマンス市場修正時の大幅下落
適した投資家退職者やインカム重視型若手や成長志向型

SCHDとFANG+のパフォーマンス比較(株価推移・成長率)

ここでは、各年の総リターン(配当再投資込の成長率)と騰落率を表にまとめました。

SCHD成長率(%)SCHD騰落率(%)FANG+成長率(%)FANG+騰落率(%)
201616.43+12.512.00+8.2
201720.07+15.345.00+38.7
2018-5.56-6.20.50-2.1
201927.28+22.150.00+42.3
202015.08+10.9110.00+95.4
202129.87+25.925.00+20.8
2022-3.23-4.1-40.00-42.5
20234.61+2.3100.00+85.6
202411.66+9.860.00+52.1
2025(YTD)5.20+3.128.00+22.4

SCHDの成長率は平均11.97%と安定し、騰落率の変動幅が小さい点が魅力です。FANG+は平均28%の成長率ですが、2022年の-40%のような急落がリスクです。

SCHDとFANG+のセクター構成比較

セクターSCHD割合(%)FANG+割合(%)
テクノロジー1060
ヘルスケア150
金融200
消費財1220
エネルギー100
通信サービス820
産業150
その他100

SCHDの金融・ヘルスケア偏重は、景気後退時の耐性を高めます。一方、FANG+のテック60%はイノベーションの波に敏感です。例えば、金利上昇期にSCHDが優位になる理由がここにあります。この構成を活かし、両者をミックスすると、バランスの取れたポートフォリオが構築できます。

SCHDとFANG+に投資した場合の成長率シミュレーション比較

50年という長大なスパンでシミュレーションすると、複利の力が本領を発揮します。歴史的平均CAGR(SCHD:11.97%、FANG+:28.00%)を使い、100万円初期投資で5年ごとの資産額を計算。両方買ったパターン(50:50)は平均リターンを適用しました。

年数SCHD単独(円)FANG+単独(円)両方50:50(円)
5年1,720,0003,714,0002,717,000
10年3,100,0009,300,0006,200,000
15年5,620,00020,000,00012,810,000
20年9,000,00050,000,00029,500,000
25年16,000,000125,000,00070,500,000
30年28,000,000312,000,000170,000,000
35年50,000,000780,000,000415,000,000
40年90,000,0001,950,000,0001,020,000,000
45年160,000,0004,880,000,0002,520,000,000
50年280,000,00012,200,000,0006,240,000,000

50年でSCHDは280倍FANG+は1万2千倍と差が開きますが、ミックスは現実的な6千倍。テックバブルの崩壊リスクを考えると、両方買いの分散が賢明です。

SCHDとFANG+の配当比較

SCHD配当(ドル/株)SCHD配当(円/株)FANG+配当(円/株)
2024/110.0000
2024/120.25380
2025/10.0000
2025/20.0000
2025/30.22330
2025/40.0000
2025/50.0000
2025/60.25380
2025/70.0000
2025/80.0000
2025/90.26400
2025/100.0000

年間総配当はSCHDで約149円/株。タイミングは3月、6月、9月、12月です。

SCHDとFANG+に投資した場合の配当金シミュレーション比較

配当再投資の効果を、100万円投資で1年と5年で比較します。SCHDの3.80%利回りを基に複利計算、FANG+は0%です。

期間SCHD配当総額(円)SCHD総資産(円)FANG+配当総額(円)FANG+総資産(円)
1年38,0001,038,00001,280,000
5年200,0001,920,00003,714,000

SCHDの配当がクッションとなり、FANG+の成長を補完します。両者のハイブリッドが理想です。

SCHDとFANG+、おすすめは?

観点おすすめETF詳細理由
リスク許容度低SCHDボラティリティ13%で安定、ベア相場で-3%程度の損失に抑えられる
成長重視FANG+10年CAGR28%でテックブームを捉え、AI時代のリターンを最大化
インカム狙いSCHD3.8%利回りで定期キャッシュ、退職後の生活費に直結
長期保有両方ミックスで平均20%CAGR、分散が50年シミュの鍵
初心者向けSCHD低経費0.06%と分散100銘柄で、市場変動に強い基盤を提供

FAQ(よくある質問)

まとめ

SCHDとFANG+の比較は、投資の本質である「守りと攻め」のバランスを教えてくれます。

短期の爆発力はFANG+に軍配が上がりますが、長期ではSCHDの安定と配当再投資が複利を加速させます。

結局のところ、年齢、リスク許容度、目標によって最適解が変わります。市場は予測不能ですが、データと洞察を基に、定期的に見直しながら柔軟に運用していくのがおすすめです。

執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。

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