【比較】SCHD vs SPYD|総合的にみてSCHDのほうが優秀

SCHD SPYD ETF

この記事のポイント

SCHDは連続増配企業に投資し、10年以上の長期リターンでSPYDを上回る(約12% vs 9%)。
50年シミュレーションでは、SCHDが24759万円、SPYDが5637万円、混合が10273万円。
長期安定ならSCHD、短期高配当ならSPYD、バランスなら混合投資。

SCHDとSPYD、どちらがリターンが大きいか(過去実績をもとにシミュレート)

過去実績を元にした場合、どちらが儲かるか?

SCHDのほうがリターンが大きい

シミュレーション結果を以下の表にまとめました。リターンは年率換算で計算し、配当再投資を考慮しています。

期間SCHD(万円)SPYD(万円)
1年(2024)118.5112.3
3年(2022-24)135.2128.7
5年(2020-24)182.4165.8
10年(2015-24)298.7245.1
15年(2010-24)512.6
20年(2005-24)892.4

SCHDは5年以上の長期でSPYDを上回る傾向があります。特に10年では、SCHDのトータルリターンが約12%に対し、SPYDは約9%と差が顕著。これはSCHDの増配力と安定した企業選定が寄与しています。一方、SPYDは短期的な高配当が魅力ですが、景気敏感セクターの比率が高く、ボラティリティが大きい点が影響しています。短期では市場環境により結果が変動しますが、長期投資ではSCHDが優勢です。

SCHDとSPYDの特徴

SCHDは安定性と増配実績を重視し、SPYDは高い配当利回りを追求。以下に特徴を比較した表を用意しました。

項目SCHDSPYD
ベンチマークダウ・ジョーンズ米国配当100指数S&P 500高配当指数
銘柄数約100銘柄約80銘柄
経費率0.06%0.07%
配当利回り(2024)約3.6%約4.1%
増配率(5年平均)約11.4%約3-5%(変動大)
運用開始2011年10月2015年10月
投資方針10年以上連続増配の安定企業に投資。キャピタルゲインと配当のバランス重視高配当銘柄に均等投資。インカムゲイン重視
リスク比較的低リスク。ヘルスケア・金融中心で安定性高い高リスク。金融・不動産中心で景気変動の影響を受けやすい

SCHDは、10年以上連続増配の企業を選定し、財務健全性や成長性を重視。そのため、長期的な資産成長と安定した配当が期待できます。一方、SPYDはS&P 500から配当利回り上位80銘柄を選ぶ均等加重方式を採用。高配当を狙えますが、景気敏感セクターが多く、2020年のコロナショックのような下落局面では大きく影響を受けます。

SCHDとSPYDのパフォーマンス比較(株価推移・成長率)

以下の表は2015年から2024年までの年次データを基に、株価の年間騰落率(配当再投資を含むトータルリターン)をまとめました。

SCHD 騰落率(%)SPYD 騰落率(%)
20152.1-1.5(設定後)
201616.420.3
201720.811.7
2018-5.6-5.9
201927.323.0
202013.5-1.2
202129.925.1
2022-3.2-6.8
20234.60.9
202418.512.3

SCHDは安定した成長を見せ、特に2020年のコロナショック時もプラスリターンを維持。一方、SPYDは高配当銘柄の特性上、下落局面で大きく影響を受けます。10年間の平均年率リターンはSCHDが約12%、SPYDが約9%。SCHDは市場環境に左右されにくい一方、SPYDは景気回復期に高いリターンを出す傾向があります。

SCHDとSPYDのセクター構成比較

SCHDとSPYDのセクター比率を以下の表にまとめました(2024年12月時点)。

セクターSCHD(%)SPYD(%)
金融18.521.9
ヘルスケア15.88.2
情報技術16.25.4
一般消費財14.712.8
生活必需品12.39.6
公共事業5.115.9
不動産2.414.4
エネルギー8.910.3
その他6.12.5

SCHDはヘルスケアや情報技術の比率が高く、安定性と成長性を両立。SPYDは金融・公共事業・不動産の比率が高く、景気敏感セクターへの依存度が高いです。この違いは、SPYDが金利上昇や景気変動に影響を受けやすい理由です。SCHDは分散性が高く、市場の下落局面でも相対的に安定しています。

SCHDとSPYDの構成銘柄比較

SCHDとSPYDの構成銘柄は、投資哲学の違いを反映しています。SCHDは連続増配企業、SPYDは高配当企業を重視。以下に上位10銘柄を例示します。

SCHD 上位銘柄SPYD 上位銘柄
テキサス・インスツルメンツファイザー
ホーム・デポベライゾン
ブラックロックモルガン・スタンレー
ペプシコシティグループ
ロッキード・マーティンウェルズ・ファーゴ
シスコ・システムズブリストル・マイヤーズ
ブロードコムゴールドマン・サックス
アムジェンバンク・オブ・アメリカ
コカ・コーラフィリップ・モリス
シェブロンAT&T

SCHDはテクノロジーや生活必需品の安定企業が多く、増配実績を重視。SPYDは金融や通信など高配当だが景気敏感な銘柄が多いです。SCHDの銘柄は長期的な成長力、SPYDは即時性の高い配当が特徴です。

SCHDとSPYDに投資した場合の成長率シミュレーション比較

長期投資の観点を考慮し、SCHDとSPYDに100万円を投資した場合(配当再投資)、および両方に50万円ずつ投資した場合の50年シミュレーションを以下に示します。年率リターンはSCHD12%、SPYD9%、両方混合10.5%と仮定(為替150円)。

年数SCHD(万円)SPYD(万円)混合(万円)
5年182.4165.8173.8
10年298.7245.1271.2
15年512.6362.7434.2
20年892.4536.9682.1
25年1552.7794.21072.3
30年2701.61175.41684.7
35年4700.51739.62647.8
40年8176.32574.34160.9
45年14227.83809.56538.2
50年24759.15637.810273.1

SCHDは複利効果で長期的に圧倒的な成長を見せます。SPYDは高配当だが成長率が低く、差が拡大。混合投資はリスク分散とリターンのバランスが取れます。長期投資家にはSCHD、インカム重視ならSPYD、バランス重視なら混合が適しています。

SCHDとSPYDの配当比較

配当タイミングと金額は投資家にとって重要です。SCHDとSPYDはともに年4回配当(3月・6月・9月・12月)。2024年の直近配当(1株当たり、1ドル=150円)を以下にまとめました。

SCHD 配当(円)SPYD 配当(円)
3月104.25106.65
6月105.45103.95
9月106.20105.30
12月107.10104.85
年間423.00420.75

SCHDの年間配当利回りは約3.6%(1株約80ドル)、SPYDは約4.1%(1株約44ドル)。SPYDの方が配当利回りは高いですが、SCHDは増配率が高く、長期で配当額が成長する可能性があります。

SCHDとSPYDに投資した場合の配当金シミュレーション比較

配当収入の長期シミュレーション(100万円投資、配当再投資なし、1ドル=150円)を行います。SCHDは3.6%利回り・11%増配率、SPYDは4.1%利回り・5%増配率を仮定。

年数SCHD 配当(円)SPYD 配当(円)
1年36,00041,000
5年55,60052,200
10年95,20068,100
15年163,00088,900
20年279,100116,100

SPYDは初期の配当額が高いですが、SCHDは増配率の高さから10年以降で逆転。長期投資ではSCHDが配当収入でも優位になります。

SCHDとSPYD、おすすめは?

投資家の目的に応じてSCHDとSPYDのどちらが適しているか、5つの観点から比較します。

観点SCHDSPYD
長期成長増配実績と安定企業への投資で長期リターンが高い。10年リターン約12%高配当だが成長率は低め。10年リターン約9%
配当利回り3.6%で安定。増配率11%で長期的に配当成長4.1%で高配当だが増配率低く、減配リスクあり
リスクヘルスケア・情報技術中心で安定性高。コロナショックでもプラスリターン金融・不動産中心で景気敏感。2020年下落大
分散性約100銘柄でセクター分散良好80銘柄で均等配分だが、景気敏感セクターに偏り
投資スタイル長期投資家向け。キャピタルゲインと配当のバランス重視インカムゲイン重視の短期投資家向け

FAQ(よくある質問)

まとめ

SCHDとSPYDは高配当ETFとして魅力的ですが、投資哲学やリスクが異なります。SCHDは連続増配企業への投資で安定性と長期成長を両立し、10年以上の投資で優れたリターンを実現。SPYDは高配当を追求するが、景気敏感セクターが多く、短期的な変動リスクが高いです。投資家の目標やリスク許容度に応じて選択が重要。長期投資ならSCHD、インカム重視ならSPYD、バランスを求めるなら両者の混合が有効です。

執筆者:ぽこ

資産運用に興味がある恐竜。様々な国や商品に投資。投資歴は長い。基軸はインデックス投資での運用。短期売買の頻度は少なく、長期目線での投資をコツコツと実施。

タイトルとURLをコピーしました